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中銀のマイナス金利、インフレ予想低下させ逆効果か:経済学の間違いで、利払いも費用=コストだから金利引き下げはデフレ要因
http://www.asyura2.com/16/hasan106/msg/272.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 3 月 04 日 04:34:05: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


 経済学では、インフレ抑制の処方箋は金利引き上げと説明され、デフレ脱却のためには金利を引き下げたほういいといった説明がはびこっている。

 しかし、ちょっと考えればわかるが、他の諸条件を考慮せずに、金利と物価変動についてそのような説明は成り立たない。

 まずデフレは、需要が低迷している状況を含意している。
 供給主体(企業)にとって利払いはコストであり、金利引き下げは利払いコストの低下を意味する。
 コストの低下は、販売価格を下げても利益は維持できることを意味するから、ものが思うように売れない経済状況では価格を下げる動きにつながる。つまりデフレが進行する。

 だからといって金利を引き上げると、設備投資や住宅投資がさらに低迷するので、財政出動や税を通じた所得再分配政策で需要の少しずつ増加させていくしかない。
 設備投資など固定資本形成が持続的に増加し輸出も持続的に増加するようになったら、デフレから脱却と言える。

 なお、転載する記事のメインテーマである「予想インフレ率」は、インフレ状況では意味のある指標だが、デフレ状況では意味がない。
 また、中央銀行と金融機関の間で設定されているマイナス金利や「量的金融緩和政策」下の国債マイナス金利は、この問題にとって、間接的に市中の金利を低下させるという意味を超えるものでははない。

 次はインフレだが、インフレは需要旺盛もしくは供給力不足という経済状況である。

 前述と同じ論理で、金利の引き上げは利払いコストを増大させるので、販売価格をさらに引き上げて利益を確保しようとする動きを誘発しインフレを昂進させることになる。

 インフレ抑制の処方箋は、悪性インフレ(実質所得が減少)なのか良性インフレ(実質所得は増加)なのかで変わる。

 いずれの場合も、金利を低くしたほうがインフレの抑制につながるが、低金利が貸し出し増加につながるとインフレを昂進させるので、貸し出し規制(マネーストック抑制)を行う必要がある。また、インフレ率を大きく下回る預金金利も、貨幣保有者にものの購入に向かわせインフレを促進するので注意が必要。

(金利引き上げと貸し出し増加(信用創造の放置)が同時進行するような政策は、インフレ抑制策として最悪。それはインフレ昂進策となる)

 悪性インフレは、設備投資の増加を図り供給力を増強することが抑制の最重要課題である。なお、設備投資の増加は短期的にはインフレ要因だが、高所得者増税や財政支出抑制でしばらく耐えるほかない。

 良性インフレは、国際決済手段の確保(他の国とインフレ率の差が問題だが外国為替レートが自国通貨安になる可能性)や中長期的な供給力過剰(ないし資産バブル)を問題にしなければならない経済事象で、過大な設備投資や資産バブルにならないよう貸し出しを抑制する。金利については、預金金利がインフレ率から大きく下回らないようにすればいい。

 ともかく、物価変動の制御について、金利政策を第一義的なものと考えるのは誤りである。

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Business | 2016年 03月 3日 13:16 JST
焦点:中銀のマイナス金利、インフレ予想低下させ逆効果か

 3月2日、先進各国の中央銀行が、物価上昇期待を呼び起こそうと相次いでマイナス金利政策を導入しているが、かえって物価予想を押し下げ、逆効果を招いている可能性がある。写真はECBのロゴ。フランクフルトで1月撮影(2016年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[ロンドン 2日 ロイター] - 先進各国の中央銀行が、物価上昇期待を呼び起こそうと相次いでマイナス金利政策を導入しているが、かえって物価予想を押し下げ、逆効果を招いている可能性がある。

欧州中央銀行(ECB)や日銀、またスイス、スウェーデン、デンマークの各中央銀行はいずれもマイナス金利政策を導入し、必要が生じればさらに引き下げると表明している。

しかし将来の予想インフレ率を引き上げるのが目的だとすれば、その効果は発揮されていない。それどころか、マイナス金利自体が問題を引き起こしているのではないか、と懸念する声が勢いを増している。

第一に、マイナス金利は銀行の利ざやを圧迫して貸し出し意欲を失わせる上、預金手数料を避けるためキャッシュを抱え込むよう促すことになるため、金融市場では不安心理が高まった。

ピクテト・ウェルス・マネジメントの資産配分統括、クリストフ・ドネイ氏は「良かれと思って実施したことが地獄への道を敷くことになった。日銀とECBによるマイナス金利政策の導入は、銀行の収益性への打撃を通じてデフレ懸念に火をつけ、意図と正反対の結果を招いた」と言う。

しかし、視界を曇らせ、政策が事故を誘発することへの懸念を引き起こした要因の中には、もっと技術的な歪みもあるのかもしれない。金利と債券利回りがマイナスに沈むと、予想インフレ率の指標も一緒に下がり、金融政策は自らの尻尾を追う結果になりかねないからだ。

一つの問題は、予想インフレ率という曖昧な世界を中銀がどう解釈するかだ。また、国債市場の指標を通じて予想インフレ率を見通すことが、名目金利がマイナス化した今でも有効なのかどうか、という疑問も持ち上がっている。

通常の国債利回りから物価連動国債の利回りを差し引いた「ブレークイーブン」インフレ率が、その指標だ。

ECBがかつて好んで注目していた「5年後の5年間のブレークイーブン・フォワード・レート」は、2020年から25年までの平均インフレ率を予想するものだが、この指標はECBがインフレ率を目標値まで引き上げられそうもないことを示している。


<ECBの能力に疑問>

ECBが昨年12月に当座預金金利のマイナス幅を深くして以来、この指標は約45ベーシスポイント(bp)下がって今週は一時1.36%となった。
パイオニア・インベストメンツのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、Semin Soher氏は「いつまでたってもECBはインフレを生み出せないのではないかと、市場は疑っている」と指摘。ユーロを押し下げられていないことと、ECBの政策が積極性とスピードを欠いていたとの評価が、その背景にありそうだと話した。

しかしPIMCOの最高投資責任者、スコット・マーサー氏は、物価連動国債そのものに歪みが生じている可能性があると言う。名目利回りがゼロ近辺、あるいはマイナスに下がると、利回りの構成要素であるインフレ部分と実質利回り部分がともに押し下げられるからだ。

「人々は、実質金利の部分だけが下がり、インフレ部分は不変だと考えがちだが、そのようには動いていない」とし、長期の投資家がマイナスの実質利回りに耐えられるのは限度があると説明した。「名目利回りを継続的に押し下げることにより、市場に織り込まれている予想インフレ率を押し下げていることになる」という。

こうして債券利回りを構成するすべての要素が下がり、中央銀行がそれに機械的に反応すると、負のスパイラルが形成されるとマーサー氏は指摘。「仮に実体経済の参加者が債券市場を見ることがなかったとすれば、彼らの予想インフレ率は下がらない可能性が非常に高い。しかし中央銀行自体が(債券市場の予想インフレ率指標に)執着しているため、実体経済参加者も債券市場が織り込む数字へと常に注意を喚起されている」と述べた。

ユーロ圏には衆目の一致する家計の予想インフレ率指標が存在しないが、他国のサーベイを見ると、家計の予想も市場の指標とほぼ一致した動きを示している。

一方、一部アナリストの見方では、デフレ環境ゆえに物価連動債の需要が乏しいことそれ自体が、市場の予想インフレ率指標を押し下げている可能性もある。この結果、市場は足元の月次インフレ率をせっせと織り込むだけになる。

HSBCのインフレ・トレーディング担当グローバル統括、ダリウシュ・ミルフェンデレスキー氏は「過去5年間、ブレークイーブン・インフレ率の最も正確に予想してきたのはスポットのインフレ率だ。フォワード・ルッキングならぬバックワード・ルッキングという、奇妙なことになっている」と話した。

(Mike Dolan and John Geddie記者)

http://jp.reuters.com/article/ecb-idJPKCN0W50B6?sp=true


 

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コメント
 
1. 2016年3月04日 04:54:45 : Z4GXjF8Wos : iTKtgWO9XfQ[15]
マイナス金利とデフレが密接に結びつくことは経済の基本法則だろう。デフレは供給が需要を量的に上回る状態である。投資しても需要のない中で、量的な拡大は追行できない。

しかし、金利のつかない通貨は供給過多でも、通貨の保有者に収益力のある業種を見つけて、さらなる拡大投資を暗黙的にかつ必然的に強要する効果がある

自明の原理によって、マイナス金利とデフレは表裏一体をなすことがわかる。


2. 2016年3月04日 07:29:42 : yBQkrRTumA : UvxNb8gKnf4[648]

 ばかやろう 文句をいうな!! グチグチ言っても始まらない

 ===

 金利は 6% 4% 2% 0% と来たら 次は −2% と決まったものだ

 これは マクロ経済が 純粋に数学的な性格を持っているからだ
 
 ===

 今回 アベノミクスは「量的緩和」で 金融政策をやろうとしたが 出来なかった

 元来 金融政策とは 「金利のコントロール」が本筋であったのだが

 0%に 金利が張り付いて 過去10年で 1%−>0%になっただけで

 金利のコントロールを放棄して 量的緩和を試行錯誤したわけだ

 ===

 純粋に金融工学から言えば すでに −1%くらいには 行っているべき処だ

 にも関わらず −0.1%で マイナス金利だとは 恐れ入る

 愛は −2%が 取りあえずの政策的に取るべき値だと感じる

 ===

 量的緩和は遅効性だが 金利というのは 即効性があるのだから −2%で弊害がでれば

 即座に 0%に戻すこともできる「魔法の杖」なのだ

 ===

 少しは マクロ経済について 勉強しろ〜〜〜
 

 


3. 2016年3月04日 09:36:11 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[279]

>経済学の間違いで、利払いも費用=コストだから金利引き下げはデフレ要因

現在のような状況では、間違いとも言えないが、そう単純ではない。

例えば新興国のように、人々の消費需要が高く、金利引き下げで、投資が増え、企業利益が上昇すれば、

雇用が刺激され、収入増や消費増が引き起こされることになる


また先進国でも、単に先行き不安で消費が抑制されている場合、資産効果でデフレマインドが改善される

つまりケースバイケースということだ

だから今のように世界的な投資(消費)不足の状況では、日銀の金融政策だけに頼らず、政府による投資促進策や、インフラ整備、再分配強化などが必要ということになる



4. 2016年3月04日 09:37:50 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[280]
金融市場異論百出
2016年3月4日 加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
戦争末期と重なる日銀徹底抗戦 黒田総裁が狙うは「一撃講和」か
「ぜひやれと言われれば、初め半年や1年はずいぶん暴れてご覧に入れます。しかし、2年、3年となっては、まったく確信は持てません」。1941年、近衛文麿首相から日米開戦の見通しを問われた山本五十六・連合艦隊司令長官は、そう答えた。


ビルマ(現ミャンマー)の戦いの中で決行されたインパール作戦は多数の戦死者を出し、退路は「白骨街道」と呼ばれるほど悲惨な戦いだったPhoto:TopFoto/アフロ
永野修身・海軍軍令部総長も真珠湾攻撃の3カ月ほど前に、「開戦2カ年の間必勝の確信を有するも……将来の長期にわたる戦局につきては予見し得ず」と述べていた。2人とも、戦力・資源が豊富な米国という大国を相手に日本が長期戦を戦い抜くのは不可能であり、やるならば短期戦でなければならないと考えていた(『失敗の本質』中公文庫)。

同様に、2013年4月に「2年程度でインフレ率を2%にする」と宣言して開始された日本銀行の量的質的金融緩和策(QQE)は、短期決戦型の政策だった。「明確なコミットメント(約束)と大胆な行動」が国民の期待を動かすと日銀は考えた。

しかし、インフレ率は思うように上昇せず、QQEは間もなく4年目に入る。従来型の“兵器”(国債買い入れ策など)の追加投入に限界が見えてきたため、日銀は1月にマイナス金利政策の導入を決めた。短期決戦のもくろみが崩れたため、日銀は徹底抗戦を決意したようだ。

果たして、その判断は正しいのだろうか。前掲『失敗の本質』によると、インド東部のインパールで日本軍と戦ったウィリアム・スリム英第14軍司令官は、「日本軍の欠陥は、作戦計画が仮に誤っていた場合に、これを直ちに立て直す心構えがまったくなかったことである」と指摘している。

この3年弱の日本の経験を振り返ると、円安主導で物価を引き上げても、生活コストの上昇で低中所得層や高齢者の消費は圧迫されることが確認された。賃金上昇とサービス価格上昇のスパイラルを起こすべきだが、実現には時間がかかる。さらに消費者物価指数には金融政策にすぐに反応しない品目(家賃、帰属家賃、公共料金など)が多い。「2年程度でインフレ率を2%にする」という約束は、やはり無理筋だったといえる。

ただし、QQEが日本経済を明るくしたのは事実だ。円安で輸出企業中心に収益は改善し、賃金は緩やかに上昇、海外からの観光客も増えた。今、日銀が選択すべき道はインフレ2%を目指す徹底抗戦ではなく、これまでの政策の成果を強調しながら、落としどころ、つまり“講和”を模索することではないか。そうしないと、将来の出口政策はさらに困難になる。

12年8月に放映されたNHKスペシャル「終戦なぜ早く決められなかったのか」によると、敗戦濃厚の情勢の中、日本の政府・軍部は、米軍に反撃を加えてから講和に持ち込めば交渉が有利になるとの「一撃講和」を狙った。

しかし、それは戦略というより願望だった面は否めず、一撃が実現しないまま決断は遅れた。第2次世界大戦で亡くなった日本人は310万人だが、そのうち60万人は終戦の年の6月以降だという。

もしかすると、黒田東彦・日銀総裁は、インフレ率をある程度2%に近づけて実績をアピールしてから“講和”に持ち込むつもりなのかもしれない。

ただ、「一撃講和」実現のために、限界を超えて国債等を購入し、マイナス金利をどんどん引き下げていけば、日本の金融市場は破壊し尽くされてしまう。冷静な判断が望まれる。

(東短リサーチ代表取締役社長加藤 出)
http://diamond.jp/articles/-/87079


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