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G20後の市場
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52788705.html
2016年02月29日 在野のアナリスト
高浜原発4号機が、送電開始直後に自動停止しました。詳細は分かりませんが、推測するに配線のミスではないか? と思われます。長い停止期間があり、また原発のメンテナンス事業をもつ企業の経営の点からも、いつにも増して保守点検を行った。普段やらないところまで、といった事情から、馴れない作業を強いられて配線をミスする。送電の逆流が起こったとすれば、開始直後のトラブルにも説明がつきます。今回のケースをみても、安全基準云々より、原発関連企業の能力不足、電力会社のチェック不足、そうしたものが運転への不安となって襲ってきます。
G20後の市場で「円安・株高か」と?もつけずに報じる某メディアもありましたが、今日の東京株式市場は下落して終えています。中国株の弱さもありましたが、これはG20で景気刺激の具体策がでる、と期待した向きが売ったものです。しかし引け後、中国は預金準備率を0.5%引き下げ、17%にすると発表しました。ただこれがあまり効果ないのは、金融の供給側をいくら緩めても、下流の問題は何も解決しないばかりか、ただの延命措置にしかならないからです。
米経済指標がよく、週末には円安にふれた市場も円高にもどってきました。G20でユーログループの議長が通貨下落がみこまれる政策決定を行う際は、事前に通知することで合意と述べた。今回の中国の預金準備率の引き下げが、事前に通知されたかどうかは分かりませんが、これはマイナス金利の拡大を含む金融政策を打とうとする、日銀には大きな足枷となります。ユーログループ議長は「不意をつかれる事態を回避する」と述べているのですから、恐らく当日に通知ということではない。日銀が会合で多数決にはかることを決めた段階で、G20参加国に通知するのであれば、悪いことを考える国なら政府系ファンドによる為替操作をうながすため、情報を漏洩するでしょう。いずれにしろサプライズを起こしにくくなり、また海外に利益を簒奪される恐れも強まる。また政策決定ばかりか、円売り介入すらしにくくなった、と言えるのでしょう。
日本市場を下支えするのは、先週に日経があげた記事、景気刺激策5兆円の鼻薬が利いているため、とされます。しかしファンダメンタルズはいい、という認識でいる日本が、もし5兆円もの景気刺激を打つのなら、それは乱高下する市場対策費、ということになる。そしてそれすら、通貨安を促すと想定されれば、G20各国へと通達する必要がでてくるのなら、そのときも相場が発表前にもかかわらず、不透明な動きを引き起こすことになるのかもしれません。国内の景気対策なら為替への影響は限定的でしょうが、市場対策なら為替にも影響する可能性が高いためです。
G20、意外と日本にとってはかなり厳しい内容、と言えるのでしょう。黒田日銀総裁は「説明した」と述べますが、G20参加国としてみれば話をうかがった、というレベルでしょう。内政干渉はできないので、通貨切り下げ競争を止める術は示せない一方、G20が協調して通貨切り下げ競争をくり広げる国を排除しようとする可能性もにじむ。G20は財政、金融、規制緩和の3本の矢を謳い上げたものの、具体策はない、などとされますが、このモヤッとした不透明感は、政策当局者にとってかなり心理的な圧力となって、今後の政策をしばることにもなっていくのでしょう。
何もできないけれど、何かしようとすることには縛りをかける。何をしていいか分からない一方、何かされると困る、という事情。世界が出口を見出していないことを、如実に示してしまいました。各国の事情は異なる、と言いますが、本質は同じです。景気悪化に打つ手なし、それがより鮮明になったということなのでしょう。そんな中で、日本の財政、金融は限界をむかえ、頼るべきは規制改革ですが、最近日本で頻発するのは関電の高浜原発のように、甘い審査で運転させてみたら失敗する、建設会社は杭打ち偽装をする、など企業が杜撰で、安全に対する信頼を失っている事象です。こんなとき規制を緩和して本当に大丈夫か? G20で放った世界版3本の矢、日本に命中すると、致命傷にすらなりかねない出血をともなう事態になりかねないのでしょうね。
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