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韓国の輸出ライバルは日本、世界の市場で最も激しい競争=韓国ネット「サムスン1社が頑張った結果」 :アジア板リンク
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/852.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 24 日 22:24:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

韓国の輸出ライバルは日本、世界の市場で最も激しい競争=韓国ネット「サムスン1社が頑張った結果」「日本と競い合っているだけ

http://www.asyura2.com/15/asia19/msg/653.html
 

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1. 2016年2月25日 02:07:40 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[312]
韓国経済「ウォン安=良い」とならないワケは?
貿易縮小、大企業業績悪化、株安で悪循環に
2016.2.24(水) 玉置 直司
北朝鮮、韓国大統領を罵詈雑言で個人攻撃 「狂った雌犬」
ソウルの青瓦台(大統領府)で記者会見する朴槿恵(パク・クネ)大統領(2016年1月13日撮影、資料写真)。(c)AFP/Kim Hong-Ji〔AFPBB News〕
2016年は年初から韓国での経済に関しては明るい話題が少ない。北朝鮮の核実験は事実上の大陸間弾道ミサイル発射であり、不透明性が拡大している。2月以降は急速な「ウォン安」も進行している。以前ならば、ウォン安と言えば、輸出拡大にプラスになり、好材料だったが、今やそんなことを言っていられる状態ではないのだ。

「年初に今年の内外経済情勢はなかなか厳しいと申し上げたが、今は年初見通しよりも対外経済がずっと悪化してしまった」

「こういうときに北朝鮮が核実験とミサイル発射という挑発に出て朝鮮半島の緊張が経済に大きな負担となる恐れもある」

「中国経済の停滞は続いており、新興国や産油国の経済不況も大きくなっている。世界の株式市場も揺れており、わが国の輸出も1月には6年ぶりのマイナス幅を記録した。1月は中国や日本の輸出も2桁減となるなど、当分の間世界経済の不振が続く兆候が出ている」

安保とともに経済も心配な大統領

2016年2月22日、韓国の朴槿恵(パク・クネ=1952年生)大統領は青瓦台(大統領府)で開いた首席秘書官会議で経済についてかなりの時間を割いて話した。それだけ経済に心配な材料が多いということだ。

韓国経済の明るい材料がなかなか見えない。

韓国の産業界が最も警戒しているのが最近の急速なウォン安の進行だ。

急速なウォン安が進行している
ウォンの対ドルレートは2016年1月初めは、1ドル=1099ウォンだった。ところが、2月15日に、1ドル=1206ウォンになり、2月22日には同1233ウォンになった。

同じ時期に、対円レートも、100円=917ウォンから、1092ウォンになった。

かなりのピッチでウォン安が進んでいるのだ。

急速なウォン安で「口先介入」も

2月19日には一時、1ドル=1240ウォンという5年8カ月ぶりの安値を付けた。韓国政府は、4年6カ月ぶりに「口先介入」にも乗り出している。

米国の緩和措置が一段落したことで証券市場などから外国人投資家が引き揚げている。

株価の下落とウォン安が並行して進んでいるのだ。

何年か前ならば、この程度のウォン安は産業界がこぞって歓迎した。

何と言っても韓国は輸出依存度が高い。おまけに海外市場での最大のライバルは日本企業だ。ウォン安で価格競争力が向上すれば、輸出増になったのだ。

ウォン安による好循環は昔の話?

ウォン安⇒輸出競争力向上⇒輸出増⇒企業業績好転⇒株高、という好循環が期待できた。

ところが、である。

世界経済の停滞、特に、最大の輸出先である中国経済の成長鈍化で、ウォン安になっても輸出増加が期待できなくなっているのだ。

朴槿恵大統領の首席秘書官会議での発言にもあったとおり、1月の輸出は前年同月比18.5%減となった。

韓国メディアによると、2月の1日から20日までの輸出額は、同17.3%減となった。ウォン安になっても輸出は「底抜け」状態なのだ。

韓国の輸出は、2015年1月以来13カ月連続で前年実績割れが続いているが、この記録を更新する公算が大きいのだ。

輸出が増えない

「輸出が増えない」ことの影響は韓国経済にとっては大きい。

「朝鮮日報」(2月19日付)によると、2014年の国内総生産(GDP)に占める貿易(輸出入額)の比率は、韓国は78%で、米国(23%)、日本(33%)、中国(42%)などと比べてはるかに高い。韓国は貿易、特に輸出で稼いでいる国なのだ。

「韓国、漁夫の利輸出6位」

「毎日経済新聞」は同日付でこんな見出しの記事を1面に載せた。

世界貿易機関(WTO)の発表によると、2015年の韓国の輸出額は5269億ドルで世界71カ国中で過去最高の6位になった。2008年に比べると6段階のランクアップだった。

とはいえ、韓国の輸出額は前年比で7.99%減だった。にもかかわらずランクが上昇したのは、ほかの国がさらに輸出不振だったからだ。世界全体の輸出額も、同10.96%という大幅減になってしまった。

変わらない「輸出代表製品」

代表的な輸出産業の造船業界も深刻な不況に苦しんでいる (c) Can Stock Photo
これでは、いくらランクアップしても、経済成長には力にならない。

鉄鋼、化学、自動車、船舶、半導体・・・韓国の代表的な輸出品目が今は、総崩れなのだ。世界的な景気後退が最もきいており、少しばかりのウォン安ではとても改善が見込めないのだ。

「ビジネスモデルにも問題があった」

ある大企業の役員はこう話す。

韓国経済のけん引役は、一部の財閥、大企業だ。そして、こうした企業の多くが手がける「主力製品」は10年前、いや15年、20年前とほとんど変わっていない。

先に挙げた、鉄鋼、化学、自動車、船舶、半導体、さらにディスプレーや携帯電話機を大量生産して輸出して稼ぐ。こういう産業構造がまったく変わっていないのだ。

だから、世界的な景気後退や、海外企業の追い上げに遭うと、その打撃が大きいわけだ。

それでもまだ、輸出企業にとってはウォン高よりはましだ。

だが、一部企業には多少のプラスになったとしても、それ以上の悪循環への警戒感が高まっている。

悪循環への懸念

証券・債券市場からの外国人投資家離脱⇒ウォン安⇒株式・債券価格下落⇒外国人投資家離脱⇒ウォン安という悪循環だ。

もともと韓国の大企業の業績は2015年以降悪化している。労使問題の激化や、「ゾンビ企業」の増加、さらにこうした企業への対応の遅れなどから韓国株の魅力が薄れている。

米国の緩和措置が一段落したことに加え、産油国系のファンドなども資金を世界中から引き揚げ始めており、「悪循環」は現実的なシナリオでもある。

さらに外貨で資金を調達していた企業にとってはウォン建ての返済負担が大きくなるという問題も深刻なのだ。

問題は、急速なウォン安にも打つ手が限られていることだ。

「景気対策のため韓国銀行(中央銀行)は4月の国会議員選挙前の3月の金融通貨委員会で利下げを決めるだろう」――。金融市場ではこんな観測が強まっている。

韓国銀行は2月16日の金融通貨委員会で8カ月連続して基準金利の凍結を決めた。一部委員は利下げを求め「全会一致」にならなかった。このことを市場関係者は「利下げへのシグナル」と読む。

だが、利下げは一段のウォン安の引き金になりかねない。さらに、すでに基準金利は1.5%だが、「低金利にもかかわらず、資金は企業の設備投資に思ったほど回らず、家計負債の増加がさらに深刻になっている」(韓国紙デスク)という指摘も根強い。

急速な「ウォン安」対策に、韓国政府も頭を痛めている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46142


 

韓国で親不孝訴訟! 「贈与した財産を返せ」

「親孝行契約書」を望む富裕層が拡大

2016年2月24日(水)趙 章恩

 2月8日は韓国のお正月(旧正月)だった。家族が集まる旧正月とお盆は「名節症候群」といって、家族行事に疲れた主婦がストレスのために寝込むことがあるほど大変な連休である。お正月になると韓国のテレビは決まって家族愛、親孝行をテーマにした番組を放映する。

 ところが今年は、親不孝に関する番組が増えた。2015年末に「親不孝訴訟」が話題になったからだ。親から財産を贈与してもらったにもかかわらず親をしっかり扶養しなかった息子に対し、親に財産を返すよう大法院(最高裁判所)が命じた。

 この親不孝訴訟は「契約」が存在したため息子は親に遺産を返すことになった。親不孝訴訟の原告である父親は2003年、20億ウォン(約2億円)相当の家を息子に贈与する代わりに、息子は親と同居して親を十分に扶養するという内容の「受贈者負担事項履行覚書」を作成し、息子と合意していた。覚書には契約内容を履行しなかった場合は契約を解除するという項目もあった。

 親不孝訴訟で裁判所は、「受贈者負担事項履行覚書は民法561条で定める負担付贈与にあたるため、息子が覚書通りに親を扶養しなかった場合は贈与を取り消すことができる」と判断した。

 原告である父親は、「(被告である)息子は生活費をくれただけで一緒に食事もしなかった。親の看病を姉(原告の娘)と介護士に任せた。親を看病しないどころか介護施設に入れようとした」として訴訟を起こした。もし原告が契約なしで財産を贈与した場合、被告が原告の扶養要求を断っても何も言えない。「家をもらう代わりに親を扶養する」という覚書があったからこそ訴訟できた。

「親孝行契約」を結びたがる富裕層

 韓国のケーブルテレビ局JTBCの2月5日付報道によると、同様の「親不孝訴訟」は2002年には68件だったものが、2014年には262件に増えた。韓国の民法974条は親族間の扶養義務に関して、本人の直系家族とその配偶者を扶養する義務があると定めている。

 JTBCは親不孝訴訟が増加した原因は高齢化にあると分析した。韓国人の平均寿命は1971年の61歳から2014年の82歳に伸びた。親は「子は当然自分の面倒を見るべき」と考え、子は「数十年にもわたって親の生活費や医療費、介護費を払い続けるのは厳しすぎる」と考える。親世代と子世代の間に意識のずれが生じていることが、親不孝訴訟として表われたということだ。

 朝鮮日報や公営放送KBSによると、お正月に家族が集まった際に、条件付きの贈与契約、いわば「親孝行契約」を結びたがる富裕層が増えているという。韓国の銀行は富裕層に対し法律相談や税金相談などを無料で提供している。お正月前に親孝行契約書を用意したいと問い合わせる50〜70代が増えたという。

 親孝行契約は「条件付贈与」として法的効力がある。決まった様式はないが、何を贈与して、その代わり何をすればいいのか、約束を守らなかった場合はどうするのか、この3点を具体的に明記すれば契約として認められる。

 例えば「親の財産である○○マンションを贈与する代わりに、子は親と同居し月1回は一緒に食事をする。生活費として毎月○○ウォンを親に支給する。約束を守らなければ財産を取り上げてもいい」という内容を書いて印鑑を押せば十分だという。

老老相続は経済にも悪影響

 複数の韓国メディアによると、最近は「老老相続」も問題だという。財産を相続する頃には、子も老人になっているという意味だ。自分を介護してくれたら財産を相続させるとして、財産を死ぬまで手元に置いておく親が増えている。

 韓国メディアは「老老相続が増えると、財産を抱える超高齢者がお金を使わないままなのでお金が社会に回らない。韓国経済にもよくない」として、親不孝訴訟と老老相続問題をうまく解決できれば、高齢化問題と経済問題の両方を解決できると騒いでいる。

 70代の子が90代の親を介護する「老老介護」もテレビや新聞でよく取り上げられる。老人が老人を介護するのは体力的にもきつく、医療費などでお金もかかる。親の老後を支えて親孝行したいという気持ちだけでカバーできる問題ではなくなった。

「親不孝防止法」が抱える課題

 それでも韓国の国会では「親不孝防止法」なるものを検討している。全ての贈与を条件付贈与にするものだ。条件なしで親が子に財産を贈与した場合でも、子が親の面倒を見ない場合は贈与を取り消せるようにする。

 具体的には民法を改訂して実現する。民法556条は、子が親の扶養義務を果たさなかった場合は贈与を取り消すことができると定めている。一方、民法558条は既に贈与が完了した場合は取り消せないと定めており矛盾する点がある。

 「親不孝防止法」にはいくつか問題がある。贈与された財産を子がすぐ売り払ってしまった場合はどうなるのか。親不孝だとして贈与を取り消した場合に、支払った贈与税は戻ってくるのか。親孝行をしているかどうかは何を基準に判断するのか。親不孝の範囲はどこまでなのか。親不孝をどうやって立証するのか。親が気に入らなければ親不孝なのか。親も子も幸せに介護・扶養をするのも容易なことではない。

このコラムについて
日本と韓国の交差点

 韓国人ジャーナリスト、研究者の趙章恩氏が、日本と韓国の文化・習慣の違い、日本人と韓国人の考え方・モノの見方の違い、を紹介する。同氏は東京大学に留学中。博士課程で「ITがビジネスや社会にどのような影響を及ぼすか」を研究している。
 趙氏は中学・高校時代を日本で過ごした後、韓国で大学を卒業。再び日本に留学して研究を続けている。2つの国の共通性と差異を熟知する。このコラムでは、2つの国に住む人々がより良い関係を築いていくためのヒントを提供する。
 中国に留学する韓国人学生の数が、日本に留学する学生の数を超えた。韓国の厳しい教育競争が背景にあることを、あなたはご存知だろうか?

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/215834/021900034/?ST=print

 
NY債券 欧州債利回りの下げで米国債も下げて始まる
掲載日時:2016/02/24 (水) 23:14

各国の長期金利(NY時間09:04)(%)
米2年債  0.725(-0.009)
米10年債 1.690(-0.033)
米30年債 2.551(-0.028)

ドイツ  0.150(-0.033)
英 国  1.361(-0.073)
カナダ  1.101(-0.022)
豪 州  2.398(-0.021)
日 本  -0.055(-0.059)
※米債以外は10年物

NY金 逃避買い続く
掲載日時:2016/02/24 (水) 23:17
NY金先物4月限(COMEX)(NY時間09:07)
1オンス=1244.70(+22.10 +1.81%)

NY原油 原油は下げ続く 30ドル台に下落 きょうは米週間石油在庫統計
掲載日時:2016/02/24 (水) 23:15


ダウ採用銘柄 時間外取引 ほぼ全面安
掲載日時:2016/02/24 (水) 22:47

NY市場 夜間の大取日経先物は一段安
掲載日時:2016/02/24 (水) 22:35

大阪取引所の日経225先物は日中15860円で終え、夜間に入って16070円まで反発する場面もあったが、欧州株の下落とともに値を崩し、足元では15710円と約1週間ぶりの安値を付けている。

ドル円はロンドン早朝に日経225先物の反発とともに買われたが、その後は軟調な展開。ただし、東京午後に付けた本日安値111.64近辺には届かず、111.80を挟んだ小動きに推移している。

USD/JPY 111.79


ロンドン為替概況 欧州通貨一段安もドル円は小動き
掲載日時:2016/02/24 (水) 22:04
24日のロンドン市場で欧州通貨は一段安。ユーロドルは今月3日以来、ユーロ円は2013年4月以来、ポンドドルは2009年3月以来、ポンド円は2013年10月以来の安値を付けている。取引時間中に新たな材料は出ていないが、英国のEU離脱問題が警戒度を強めさせる中、欧州通貨には重石となる構図が続いている。オプション市場ではポンドドルのボラティリティーは連日の上昇、国民投票の6月を含んだ6ヶ月物では2011年9月以来の水準まで上昇している。先行き不透明感は強い。

本日は人民元の中心レートが連日の引き下げだったこともありアジア株は弱く、欧州株は2%超の下落になっており、資金は米債に入り米債利回りは低下、原油先物は下落するリスク回避色が強まった。ドル円は上値の重い展開になった。
ただしロンドン早朝にはドル円に買いが入る場面があった。上海株が取引終盤にかけてプラスに切り返したこと、経団連会長が円高に振れすぎていると語ったことが伝わり、ドル円を支えた。


欧州株 前半は全面安で2%超安(21:48)
ロンドン市場 株価と米金利は本日最低レベル(21:33)
[FISCO]欧州為替:原油安、欧州株安でリスク回避の円買い優勢(21:20)

http://www.gci-klug.jp/fxnews/

 
ベネズエラ経済:債務返済を祈るばかり
2016.2.25(木) The Economist(英エコノミスト誌 2016年2月20日号)
デフォルトを回避するのは難しくなりつつある。

深刻な物資不足に陥るベネズエラで、首都カラカスのスーパーマーケットに長蛇の列をつくって並ぶ人たち〔AFPBB News〕
 誰かがベネズエラの信用力を問題にするたびに、同国のニコラス・マドゥロ大統領は、自身の政権は一度も債務の返済を怠ったことはないし、これからも決してないと反論する。マドゥロ氏の前任者で師であった故ウゴ・チャベス氏も同じことを言っていた。債権者たちは、その約束を信じることに対して多額の見返りを要求している。2020年に満期を迎えるベネズエラのドル建て債券の利回りは37%にのぼる。
 債券保有者の信頼が間もなく試される。ベネズエラは2月26日、主に新興国の債券を専門とする投資家とヘッジファンドに対して23億ドル支払うことになっている。
 ベネズエラが返済を行うことに、ほとんど疑いはない。その後は、残る640億ドルの外貨建て債券でデフォルト(債務不履行)するリスクが急激に高まる。
デフォルトは時間の問題
 ベネズエラ政府とベネズエラ国営石油公社(PDVSA)は2016年下半期に、債権者に60億ドルを支払うことになっている(下図参照)。事実上ベネズエラ唯一の輸出品である重油が1バレルわずか25ドルで売られているため、ベネズエラの主な外貨獲得源は枯渇しつつある。「今はデフォルトするかどうかではなく、いつデフォルトするかという問題だ」と投資銀行ラティンベストのラス・ダレン氏は言う。
 ベネズエラの石油が最近の安値で推移すれば、同国は今年、輸出で220億ドル稼ぐだろう。2012年実績から77%減少する計算だ。政府はこれまで、輸入を2012年の半分まで制限することで対応してきた。それが物価統制と複数の為替レートの奇妙なシステムと組み合わさることで、コメやトイレットペーパーといった生活必需品の不足をもたらしている。社会の爆発を誘発せずに輸入をさらに圧縮する方法は想像しにくい。

 輸入が最低水準にある中でも、ベネズエラは今年、300億ドルを超える資金ギャップを抱えると見られている。
 ベネズエラが持つ520億ドル相当の売却可能資産は、急激に縮小している。同国の外貨準備の大部分は中央銀行の金庫室に保管される金だが、これは厄介な支払い手段だ。
 チャベス氏は、愛国主義的なジェスチャーで、国外の保管場所からベネズエラに160トンの金を持ち込んだ。今は、少なくとも27トンが債務返済のために海外へ送り返されたと考えられている。
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[あわせてお読みください]
• ベネズエラを襲うハイパーインフレの恐怖 (2016.1.7 Financial Times)
• ベネズエラ国会選で野党大勝、最大の難関はこれから (2015.12.9 Financial Times)
• 原油安でベネズエラの債務返済能力に疑問符 (2015.8.20 Financial Times)
• 債務不履行のリスクがあるのはギリシャだけじゃない (2015.6.25 Financial Times)
• 窮地のベネズエラ:デフォルトのジレンマ (2015.1.26 Financial Times)

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46168 

 

ブラジルをジャンク級に格下げ、見通し「ネガティブ」−ムーディーズ
2016/02/24 22:31 JST
    (ブルームバーグ):格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは24日、ブラジルのソブリン格付けをジャンク級に引き下げた。政治的混乱の悪化で財政再建が進まない同国はこれで、全ての主要格付け会社から投機的とする格付けを付与されたことになる。
発表によると、ムーディーズはブラジルを「Baa3」から2段階引き下げ「Ba2」とした。見通しも「ネガティブ」に変更したため、一段の格下げが今後あり得る。
ブラジルの債務指標はここ数カ月に顕著に悪化し、向こう3年も悪化が続く見込みだとムーディーズは分析。財政赤字圧縮と構造改革に向けた政府の取り組みを政治的な行き詰まりが阻む悪影響も指摘した。
「マクロ経済および財政の向こう2、3年の展開は信用プロフィルを顕著に悪化させると予想される。マクロ経済への衝撃と政府の機能不全の深刻化、政府関連の企業・機関を支える必要性に起因する信用プロフィルの一段の悪化リスクを考慮し、見通しをネガティブとした」とムーディーズは説明した。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は昨年9月にブラジルをジャンク級とし、フィッチ・レーティングスは同年12月に追随。S&Pは今月さらに引き下げた。
原題:Brazil Downgraded to Junk by Moody’s With Negative Outlook(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O31Y976TTDSI01.html

ムーディーズ ブラジル格付け引き下げ(21:18)
[ブラジリア/サンパウロ 24日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは24日、ブラジルの格付けをジャンク級(投機的等級)となる「Ba2」に2段階引き下げ、格付け見通しは「ネガティブ」とした。これにより主要格付け機関3社のブラジル格付けはすべて投機的等級となった。

ムーディーズは格下げにあたり、ブラジルの債務状況の一段の悪化と景気の大幅な減速を指摘。向こう2─3年間にわたり財政緊縮化の進捗具合は遅延し、経済成長も鈍化するとし、公的債務の対国内総生産(GDP)比率は3年以内に80%を超える恐れがあると警告した。

さらに、ルセフ大統領の弾劾手続きが進められるなか政治的に不安定となっていることで、赤字削減と構造改革の実施が困難になる恐れがあるとした。

ブラジル財務省は、ムーディーズによる格下げを受けても財政調整と公的債務の安定化に向けた取り組みに変更はないとの見解を発表した。
http://jp.reuters.com/article/idJPL3N1634NR

インド株(終了):続落、予算案発表を控え−アジア株安の様相
2016/02/24 21:54 JST
    (ブルームバーグ):24日のインド株式相場は続落。来週に政府予算案が発表されるのを控え、ポジションを新規に構築する動きが後退した。アジア株安も嫌気された。
電力会社NTPCは3日続落。インド政府が同社株を割安価格で放出したことが背景にある。同国最大の発電機メーカー、バーラト重電機は約10年ぶり安値まで売り込まれた。HDFC銀行はこのまま行けば月間ベースとしては4年ぶりの大幅安となる。国内最大のたばこ会社ITCは2013年以来の安値を付けた。
指標のS&P・BSEセンセックスは前日比1.4%安の23088.93で終了。原油価格の下げを背景に低リスク資産の需要が高まり、この日のアジアでは日本やオーストラリアを含めて株安。新興通貨も下げている。
原題:Indian Stocks Drop for Second Day Before Budget, Asian Selloff(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O31XOK6K50Y801.html


Business | 2016年 02月 24日 22:19 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
米FRB、追加利上げの根拠なお存在=リッチモンド連銀総裁

[ワシントン 24日 ロイター] - 米リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は24日、米国では依然として追加利上げを実施する根拠はあるとの考えを示した。

同総裁は、米国の実質的な自然利子率は現在ゼロ%かそれをやや上回る水準にあると推定されるとし、「こうした見方はフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き上げることの根拠となる」と述べた。

ラッカー総裁は今年は連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権は持っていないが、今回の発言で連邦準備理事会(FRB)内をめぐる議論がなお継続している可能性があることが示された。


ムーディーズ、ブラジルを「Ba2」に格下げ 投機的等級 11:15pm JST
英国はEU残留を、欧州製薬業界が訴え 規制や研究への影響懸念 11:05pm JST
BRIEF-米住宅ローン申請指数(季節調整後、新規購入・借り換えを含む)は521.5、前週は544.9=米抵当銀行協会 9:02pm JST
UPDATE 1-中国、景気を支援する様々な手段がある=李首相 8:39pm JST
東南アジア株式=まちまち、原油下落が投資家心理弱める 8:32pm JST
UPDATE 2-アジア株式市場サマリー(24日) 7:39pm JST

http://jp.reuters.com/article/fed-lacker-idJPKCN0VX1KJ


Business | 2016年 02月 24日 21:37 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
G20、世界経済の見通し悪化を「集中討議」へ=独政府高官

[ベルリン 24日 ロイター] - ドイツ政府高官は24日、中国で今週開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議について、世界経済の見通し悪化が「集中的に討議」されるとの見通しを示した。

同高官は匿名を条件に「この1週間の不透明感、世界経済見通しの若干の下方修正を踏まえ、現状を集中的に討議するとみている」と発言。「(相対的に景気が好調な)欧州が、経済見通しに関する協議で焦点になることはないだろう」と述べた。

また、今回のG20会合では緩和的な金融政策によるリスクと副作用についても討議されるとの見方を示した。

ドイツについては、持続可能な成長軌道を保つために今後も財政均衡を維持するとし、「ドイツは欧州の安定の要のような役割を果たしており、模範を示さなくてはならない」と述べた。

米財務省高官は22日、今回のG20会合で米国は世界需要を押し上げるために財政政策を利用するよう呼びかけると述べている。

http://jp.reuters.com/article/g20-china-germany-idJPKCN0VX1A1

G20、成長支援に向けた財政政策が必要=IIF専務理事
2016年 02月 5日 11:29 JST

ロンドン 4日 ロイター] - 国際金融協会(IIF)のチャールズ・コリンズ専務理事は、次回の20カ国・地域(G20)首脳会合では、世界経済を押し上げるための財政政策が提案されるべきだ、との認識を示した。

次回G20は、2月26─27日に上海で開催される。

同専務理事は、ロイターとのインタビューで「需要が十分でなく、低需要やデフレ圧力に対応するため、過度に金融政策に依存するという世界的な問題がある」とし、「エコノミストの立場から、G20が新たな需要の源を提案することが好ましく、そのひとつは財政政策だ」と語った。

さらに、中国が今後の為替政策や改革の戦略を提示することを期待している、と語った。
http://jp.reuters.com/article/g20-china-idJPKCN0VE06G?rpc=188

ECB追加緩和の副作用、度外視は危険=バイトマン理事
By TODD BUELL
2016 年 2 月 24 日 21:19 JST

 【フランクフルト】ドイツ連邦銀行(中央銀行)総裁を務める欧州中央銀行(ECB)のバイトマン理事は24日、ECBがユーロ圏の超低水準のインフレ率を高める上で追加緩和に頼ることに懸念を表明した。

 バイトマン理事はドイツ連銀の2015年決算報告発表に合わせ、すでに相当緩和的な政策をさらに緩めた場合の長期的なリスクと副作用を「ただ度外視するというのは危険」だと述べた。

 過度に低いインフレ率が賃金上昇率の減速を通じて経済に波及する「二次的影響」については心配していないと説明。足元のユーロ圏の賃金上昇率が比較的低いことを警告サインとみなす向きもあるが、「現時点では、そうした懸念は行き過ぎだと考えている」と述べた。

 「これまでに失った海外市場でのシェアを取り戻すため、価格競争力を高めなければならない国もあるだろう。ただそれが意味するのは、これら諸国の賃金(上昇率)は生産性の伸びを下回る必要があるということだ」と語った。

 ECB内で過度の緩和策に最も批判的とされるバイトマン理事がこうした発言を行ったことで、ドラギ総裁が追加緩和への支持を全会一致で取り付けるのに苦労することはさらに確実となった。

 ECBの議決権は輪番制のため、バイトマン理事は3月の次回理事会で議決権を持たない。

 バイトマン理事は、ユーロ圏の経済見通しに関しては心配無用との見方を示した。「あらゆる事柄を考慮すると、ユーロ圏の経済見通しは時折言われるようなものほど悪くない」と述べた。

 ドイツ連銀が発表した2015年の純利益は32億ユーロ(約3900億円)となり、前年の30億ユーロから増加した。この利益は全額、国庫に納付される。


Business | 2016年 02月 24日 21:36 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
ユーロ圏、デフレから程遠い=ワイトマン独連銀総裁]
[ 24日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのワイトマン独連銀総裁は、ユーロ圏はデフレから程遠い状況にあるとの認識を示し、追加緩和策の導入に消極的な立場を鮮明にした。

ECBは通常、インフレ鈍化に対し量的緩和などの金融緩和策で対応する。だが、ワイトマン総裁はこうした動きに伴うリスクに言及し、「われわれはこのような状況からは程遠い」として、デフレの兆候は見られないと指摘した。
http://jp.reuters.com/article/ecb-weidmann-deflation-idJPKCN0VX1F0

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46146


 

【第33回】 2016年2月24日 深田晶恵
住宅ローン金利が史上最低水準に!新規・借り換えでどの商品が得か
三井住友銀行が月中に
フライングで金利引き下げ!
 2月10日に前回のコラム「住宅ローンはマイナス金利導入の影響を受けるか」が掲載されてから2週間、住宅ローン金利に関するニュースは賑やかだ。

 住宅ローンの固定金利は、各銀行が毎月20日前後に長期金利の動向を見ながら翌月の金利を検討し月末に翌月適用の金利が発表される。原則として、月中に新規貸し出しの金利が変わることはないため、前回のコラムでは「3月の固定金利は下がる可能性が大」と書いた。
 しかし、「原則」が覆った。日銀がマイナス金利実施をスタートする2月16日に合わせて、三井住友銀行が2月16日以降の2月適用金利を引き下げたのだ。月中に金利を変更するのは異例のこと。1月末に発表された2月の10年固定金利は1.05%(当初10年間の割引きが大きいタイプ)であったのが、2月16日以降融資実行分についてそれより0.15%引き下げ、適用金利は「0.9%」となった。
 このニュースがリリースされたのがマイナス金利実施の前日、15日の夕方のことである。他のメガバンク2行の住宅ローン担当者はにわかに忙しくなったことだろう。金利引き下げに追随すべきか(追随しない選択肢はないだろうが)、することになれば「いつから実行」するのか、三井住友銀行と同じ金利にするか、さらに引き下げるか…。すぐさま会議が開かれたのではないかと推測される。
 結果、みずほ銀行は18日に10年固定金利を「2月22日から0.9%」にすると発表した。三井住友銀行に追随する形となる。そうなると、残るは三菱東京UFJ銀行。2月の金利を月中に引き下げるのか、それとも3月分から引き下げるのか、いくら引き下げるのかが注目ポイントとなった。
 2月19日(金)の夜に筆者が講師の住宅ローンのセミナーがあったため、同日お昼過ぎに三菱東京UFJ銀行の広報に「金利は下げますか? セミナーがあるので最新情報を」をと電話で問い合わせたところ、「夕方まで待ってほしい」との回答で、セミナーに出かける直前に「3月の10年固定は0.8%」とする旨のリリースを受け取った。結果、メガバンク3行の10年固定は次のようになった。

 19日夜の住宅ローンセミナーで、三菱東京UFJ銀行の3月適用金利が0.8%なることが発表されたと参加者に伝えたところ、会場でどよめきが起こった。2月の金利から0.25%も引き下げるのは思い切った施策だ。次の注目点は、三井住友銀行とみずほ銀行の3月の金利。三菱東京UFJ銀行の0.8%より高くするのは難しいはず。メガバンク3行の3月の10年固定金利は、揃って0.8%になることが予想できる。
住宅ローン金利が
決まる要素は3つある
 前回のコラムで解説したように、住宅ローンの固定金利は「長期金利」に、変動金利は「日銀の政策金利(短期金利)」に動きに影響を受ける。長期金利は、10年もの国債の流通利回りで市場の動向により変動する。日銀のマイナス金利実施のニュースを受け、一時的に長期金利がマイナスになったのは、国債に人気が集まり価格が上がったためである。
 住宅ローン金利が決まる要素は、実は他にも2つある。まず、「他行との競争」。住宅ローンの競争は「同じ地域」や「同じ規模」の銀行間で繰り広げられる。メガバンク3行同士、ネット銀行同士、同じ県の地方銀行同士というように、お互いが「ライバル」と認識し合う銀行同士で競争原理が働く。ライバル行が金利引き下げを仕掛けると、追随せざるを得ない。前述のメガバンクの異例の月中の金利引き下げ&発表がいい例だ。
 もう一つの要素は「銀行がそのときに売りたい金利タイプ」。2014年2月にメガバンクから「2年固定金利0.5%」が期間と金額限定で売り出されたことが典型例である。
 当時、メガバンクの変動金利は0.775%。今のような経済状態だと、固定金利は変動金利より高くなるはず。それを「0.5%」としたのは、宣伝効果狙いの話題作りなのである。そのため、募集期間を限定し、融資金額にも上限を設けての発売となった。メガバンクの1行が先行して発売し、数日後には残りの2行も揃って類似商品を出すことを決めている。「銀行がそのときに売りたい金利タイプ」は、金利の割引幅で調整されることが多い。

今、最も“お買い得”なのは
全期間固定金利!
 さて、史上最低の金利水準になった今、どの金利タイプを選ぶべきか。3月の固定金利は、10年固定が0.8%、全期間固定が1.4〜1.6%程度と予想する。固定金利と変動金利(0.625%)の金利差がこれほど縮小しているなら、固定金利が割安だ。なかでも、全期間固定はお買い得の金利水準といえる。

 2月の金利では、三菱東京UFJ銀行が魅力的。ソニー銀行は保証料がかからないことを考慮すると、三菱東京UFJ銀行と総負担額は大きく変わらないので、有力な選択肢である。中央ろうきんもいい。公務員や労働組合のある企業の社員なら、通常よりも低い保証料が受けられるケースがある。
 全期間固定金利の最大のメリットは、ローンを組んだ後、金利変動にやきもきしなくて済むことだ。全期間固定で1.5%前後の金利水準は、底値となる可能性は大。金利が低くなった分、たくさん借りられると考えずに、当初の返済額をキープしつつ、返済期間を短くしよう。そうすると利息軽減効果は高まるし、銀行によっては適用金利が低くなるところもある。
 1%を下回る10年固定の魅力も捨てがたい。共働き夫婦など毎年二人で200〜300万円以上コンスタントに貯蓄できているケースなら、繰り上げ返済の余力もあり、当初30年返済で借りたとしても20年くらいで完済できるだろう。貯蓄能力が高く、金利が少しでも低いものを選びたいと考えるなら、10年固定が向いている。
住宅ローンを持っている人は、
今こそ見直しを!
 すでにローンを借りている人には、見直しのビックチャンスだ。見直しの方法には、「ローンの借り換え」と「金利交渉」の2つがある。「借り換え」とは、今の借入先とは別の銀行でローンを借り入れ、元のローンを完済する方法。借り換え先の金利タイプでお勧めは、10年固定か全期間固定。残りの返済期間が20年以下なら割安な10年固定がいいだろう。
 借り換えにはローン保証料など諸経費がかかるので、金利差は0.5〜06%程度あるとメリットが得られる。今の金利水準なら、現在のローンが3年、5年、10年などの固定金利タイプや変動金利タイプで1.4〜1.5%以上なら、「トク」になる。メリットが得られるケースの目安は、残りの返済期間は10年以上、残高1000万円以上。自分のローンを確認してみよう。
 もうひとつの見直し方法である「金利交渉」とは、今ローンを借りている銀行に「金利を割引してもらえないか」と交渉することを言う。交渉がうまくいけば、借り換えと同様に金利が下がり、利息軽減が得られる。これについては、第4回のコラム「老後貧乏を避ける最大のカギは60歳以降も続く住宅ローンの見直しにあり!」でテクニックを紹介しているので、そちらを参考にしてほしい。
 少しの手間で数百万円も利息を減らすことができるケースもあるので、面倒と思わずにアクションを起こすことが肝心だ。

http://diamond.jp/articles/-/86818


 


【第200回】 2016年2月24日 高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
世界の牽引役不在でマイナス金利が効かなくなった
高田創・みずほ総研チーフエコノミスト
日銀の思いとは逆に振れた
マイナス金利の効果
日銀の思惑を裏切ってマイナス金利が効かなくなったのはなぜか
 1月29日、日銀は付利を▲0.10%に引き下げた。日銀のマイナス金利導入当初、日本の株価は大幅に上昇し、為替も大幅に円安に振れた。その後、1ヵ月近くが経過し、一転して大幅な株安、円高に振れ、アベノミクスへの不安、さらにはマイナス金利政策そのものの是非の議論も生じている。
 こうした転換の最大の要因としては、米国への見通しの大きな変化がある。世界で牽引車不在のなか、マイナス金利政策は通貨戦争のスパイラル化、投資先不在、信用活動の断絶不安が生じやすい、という危険性を持つ。
 本稿では、昨年までは相応に効果のあったマイナス金利政策が、今日では危険を帯びていることを議論する。黒田総裁としても米国の予想以上の変調は想定外だったことだろう。
金利水没の中の「浮き輪」米国に懸念
「LED戦略」の暗黙の前提が崩れた
 下記の図表は、これまでも何度か用いた「世界の金利の『水没』マップ」で、国別・年限別の国債利回り、イールドカーブ状況を示す。
 筆者は昨年来、同図表を用いながら、マイナス金利、「水没」のなかで資産運用を行うには、「LED戦略」とする、「(1)長く(Long)、(2)外に(External)、(3)多様な(Diversify)なリスク」の3分野しか選択肢はないとした。同時に、今日の金融機関の戦略も以上のLED戦略に集約されるとした。
 ただし、こうした運用戦略の暗黙裡の前提は、運用難民を受け入れる確固たる基盤、米国の存在だった。米国経済への信認から同国は水没せず「浮き輪」の存在であった。世界の運用者が「運用難民」として「浮き輪」に向かい米ドル上昇圧力になった。しかし、年初来、米国の減速不安から「浮き輪」が下がりだし、「浮き輪」不在の「世界水没」不安が生じて市場を揺るがした。LED戦略が効かない信用破壊のクライシスだ。
◆図表:世界の金利の「水没」マップ(2016年2月23日)
(資料)Bloombergよりみずほ総合研究所作成
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行き場を失って逆流する資金
「浮き輪」不在で通貨戦争の不安拡大
 昨年来の、日欧の金利水没は自国通貨安を狙う、事実上の通貨戦争であった。ただし、日欧からの運用難民として米国を中心に資金がシフトし、世界的レベルでの信用拡張がLED戦略のなかで続いていた。
 しかし、年初から中国不安で中国も通貨戦争に参戦する不安が高まり、さらに米国の不安が生じると、まさに運用難民は完全に行き場を失うことになった。それまでの資金の逆流が、年初来の円高の揺り戻しと、資金を安全資産に戻す動きとしての世界的な株安だ。日本も「マイナス金利倶楽部」に参戦となり、世界に浮き輪が不在のなかでの通貨戦争のスパイラル不安が生じたのが今日の状況である。
 同じ水没マップでも、1年前と今日では金融活動の健全性で大きな違いがある。昨年までは、限られた地域ながらもグローバルに信用仲介が生じた環境であったが、「浮き輪」不在の今日、世界が分断して信用収縮のスパイラル不安が生じている。LED戦略のなかで「L」、長期化しか通用しない世界である。
マイナス金利で生じる
信用収縮のスパイラル
 筆者が今から30年以上前に開発経済を学んだ時、まず重視した点は、金融の発展は金融システムで近代的な銀行制度での預金での貯蓄を蓄えることによる信用拡張にある、ということであった。今日のマイナス金利は、預金受け入れを途絶することによる、信用活動低下を意味する。
 既に、短期資金を扱うMMFはマイナス金利によって商品の基盤を失うことになった。同時に、長い負債を有する保険や年金もその信用活動の範囲が低下することになる。LED戦略で「L」(長期化)による長期金利低下は金融機関収益を蝕み、いっそう、信用収縮を進めてしまう。金融機関の経営にマイナスの影響から信用仲介の低下も懸念される。
米国は利上げ一時停止、日欧は経済底上げを
日銀の追加緩和は“異なる次元”に
 今後、通貨戦争のスパイラル化は止められるのか。
 まずは、不安の震源地である米国が再び「浮き輪」となるべく、米国はいったん利上げを止めて景気回復を志向することだ。同時に、既に水没している日欧は、金融の次元だけではなく、財政も含め政府との一体の成長戦略で経済を底上げし自力での内需拡大を行って、運用対象を自ら作り上げていくしかない。
 日銀の追加緩和は6月までの政治日程のなかで、4月を中心としたタイミングでカードが切られるのではないか。
 ただし、日銀がマイナス金利幅を拡大することには慎重な姿勢も必要だ。追加緩和にあたっては、2013年1月、当時日銀白川総裁時代にインフレ目標を政府と共同声明として結んだのと同様、政府との共同声明を新たな形で打ち出すとの選択肢もある。
 その場合、物価目標に合わせて、成長率目標や賃金目標に近いものも加えられるのではないか。今後の追加緩和は異なる次元となると展望する。

http://diamond.jp/articles/-/86819


 

山崎元のマルチスコープ
【第413回】 2016年2月24日 山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

マイナス金利の三大被害者は年金基金、生命保険、銀行

影響が長引き、拡大しそうな
マイナス金利政策の今後


マイナス金利が年金基金、生命保険、銀行に与える影響には、一般の個人も注意が必要だ
1月29日に日銀が政策決定会合で決定し、2月16日から適用が開始されたマイナス金利政策は、今後どうなって、その影響はどのようなものになるのだろうか。

マイナス金利自体は、既に欧州に先例があり、金融緩和政策の選択肢の一つだ。その「影響力」は、円安と長期金利低下の二つであると考えられる。これらが、投資、消費、企業業績、それぞれの拡大と、ひいては賃金上昇、そしてインフレ目標が目指す「マイルドな物価上昇」に至る、というのが期待されるストーリーだ。

ただし、現実には、無風状態の下でマイナス金利政策だけが作用する訳ではない。今回、主に国内要因だけで決まる長期金利の下落は期待通りに起こったが、為替レートは、いったん円安に振れたものの、欧州の金融不安、中国経済の低迷、米国経済の減速懸念などの逆風が勝り、政策導入時よりも円高の水準で推移している。

正しくは「マイナス金利が円高に作用した」のではなく、「マイナス金利を導入したにもかかわらず円高になった」ということなのだが、世間には理解されにくい。日銀には少々気の毒だが、「マイナス金利をやっていなければ、今頃はもっと円高になっていたかもしれない」と考えてあげることにしよう。理屈としては、間違っていない。

さて、マイナス金利は今後拡大するのだろうか。理屈だけを考えると、マイナス金利には巨大な拡大余地がある。欧州の先行例を見ると政策金利(短期金利)ベースでマイナス1%前後までの例があるが、どうだろうか。

筆者の個人的な考えだが、日本では、マイナス1%までは難しいのではないだろうか。巨大な個人金融資産が預貯金に置かれている我が国の金融事情では、個人の預貯金にあって、顧客にマイナス金利を課することの影響はいかにも大きいそうだし、影響が読み切れない。

今後、円高が進むようなら、日銀がマイナス金利の幅を0.1%から0.5%まで一、二度拡大して、「マイナス幅をさらに拡大する可能性もある」という期待感を醸し出すことは円安誘導を目指した政策オプションとしてあり得ようが、それ以上は難しいのではなかろうか。

しかし、その程度であっても、またマイナス金利の幅を拡大しなくとも、今後の日銀のマネタリーベース拡大によってマイナス金利の影響は拡大していく。為替レートはともかく、長短の資金市場にあっては、影響は継続しそうだし、拡大する可能性がある。

加えて、マイナス金利政策を撤回した場合の影響を想像してみよう。為替の円高、それによってもたらされる株価下落を考えると、かなりの好条件が揃わないと、撤回は難しいのではないだろうか。マイナス金利は意外に長引くかもしれない。

筆者個人としては、広く減税や給付金を配るようなタイプの財政支出拡大を金融緩和に組み合わせることが、より望ましかったのではないかと考えるのだが、政府・日銀は使い方の難しい手段の方に踏み込んだ。

個人も目配りしておきたい
マイナス金利の影響の“被害者”

さて、デフレ脱却に向けたマクロ経済政策として、総合的にはプラスに働くことが期待されているマイナス金利政策だが、この政策によってマイナスの影響を受ける主体が幾つかあるので、目配りしておきたい。

金融関係では、(1)年金基金、(2)生命保険会社、(3)銀行が主な被害者ではないだろうか。個別のケースで異なるが、被害の大きさと分かりやすさのイメージは、今挙げた順番だ。

格付投資情報センター(R&I)が国内の約110の企業年金(資産規模約11兆円)を対象に調べた、2月18日時点の推計によると、15年度の企業年金の運用利回りはマイナス3.3%で、このまま利回りがマイナスになれば、10年度(マイナス0.54%)以来となるという。

企業年金の運用は、各企業の制度や基金の方針によって様々だが、おしなべて言うなら公的年金の積立金ほど大きな運用リスクを取っていない。昨今、公的年金の含み損が国会などで話題になるが、企業年金は、公的年金ほどの損失率にはなっていないはずだ。

とはいえ、企業は自社の年金制度をプラスの利回りを前提に設計しており、本来なら「利回りゼロ」も実質的にはマイナス運用なのだ。

企業年金は、1990年代以来、厳しい時代を過ごしてきた。多くの企業が、「5.5%」の予定利率で年金制度を設計し、さらに厚生年金本体からの代行資産の運用を加えて実質的な運用リスクを拡大する「厚生年金基金」という仕組みで企業年金を運営し、バブル崩壊後の株価の下落と、金利の低下で巨額の損失を被ってきた。

損失を処理する体力のある企業は、代行資産を返上して確定給付型企業年金に移行したり、基金を解散して確定拠出年金に移行したりするなど、企業にとっての運用リスクを低減する措置を講じた。

一方、財務的な体力の乏しい中小企業などが集まって作った厚生年金基金(総合型基金)の場合、抜本的な処理が進まず、ヘッジファンドやオルタナティブ運用(実質的な手数料の高い劣悪な運用商品が多い)に最後の望みを託してリスクを取るようなケースも散見された。こうした中で多くの基金が詐欺まがいの運用に引っ掛かった一例が、AIJ投資顧問の事件だった。

ただし近年、総合型基金も、代行部分を返上して確定給付型企業年金に移行し、例えば、予定利率を23%に下げてより運用リスクの小さな運用計画に切り替えるようなケースが増えてきた。

せっかく安定的運用を目指したのに…
かわいそうな企業年金

しかし、せっかく新しい制度でスタートしても、「確定給付」の色彩を持つということは、年金基金が、将来、なにがしか確定的な年金額を支給する債務を負うことを意味する。長期金利の低下は、将来の年金支給に必要と計算される年金資産の現在価値を直ちに引き上げる効果を持つので、年金財政を直ちに圧迫する。そして、必要な年金積立額に対して、現在の保有資産額がどの程度不足しているかは、母体企業の評価にも反映する。

年金の資産・債務の時価評価を止めても、それは、いわば一時的に目をふさいだだけで、経済的困難は何ら解決しない。先に、「想像」したように、政策的にマイナス金利の解除が難しく、これが長期化する可能性もあり、年金基金はどうやって資産を運用したらいいのかが悩ましい。

母体企業及び確定給付型企業年金基金は、せっかく運用リスクを小さくして安定的な運営を目指したのに、また運用リスクを拡大させて目標利回りの達成を目指すのか、悩ましい選択に再び直面した。

普通の事業会社は運用を専門とする訳ではないし、上場企業の場合、株主は年金基金の保有資産にも投資している形になるから、企業の本業であるビジネスだけに投資したい投資家にとって、企業が自社の年金で多大な運用リスクを抱えることは「余計」でもある。

企業年金に限らず、「遠い将来にお金を支払わなければならない主体」にとって、マイナス金利政策による長短金利の低下は、まことに悩ましい問題だ。

筆者が知っている、ある非常に堅実な運用(債券はAA格以上が条件だ)を行う資金(年金ではない)でも、「マイナス利回りでも国債を購入するのか?」、「国債を購入しない場合、資金をどこに置くのか。大口預金もマイナス金利になった場合にどうするのか?」など、およそ制度の設立時には想定していなかった問題に頭を悩ませている。

生命保険会社に90年代後半の悪夢再来か
顧客の側も「破綻リスク」を考慮する必要

低金利になって苦しむ主体として代表的なのは、生命保険会社だ。90年代後半から2000年代にかけて、複数の生命保険会社が経営破綻したが、生命保険会社もまた「遠い将来にお金を支払わなければならない主体」である。ご承知のように、生命保険は契約の期間が長い。

マイナス金利といっても、それ以前から長期金利は低下していたので、金利の低下幅は90年代ほど急激かつ大幅ではないが、低金利化が生命保険会社の経営を苦しくする要因であることは間違いない。

商品販売にあっても、年金保険の一部や一時払いの終身保険のように、契約期間が長くて貯蓄の要素が大きな保険を販売中止する生保が出てきた。

もともと生命保険の商品は、会社が取る「実質的な手数料」が大きすぎて、長期的な資産形成には不向きなものがほとんどだが、今後は、顧客の側で、商品の損得に加えて、生命保険会社の長期的な破綻リスクを考慮する必要が増してきたと考えられる。

契約期間が20年、30年にも及ぶ、個人年金保険のような商品にあっては、「その会社が将来存続していることは、どのくらい確かなのですか?」と問いかけたくなるような、生命保険会社と商品の組み合わせが複数あるので、顧客の側では注意したい。

儲からなくなった銀行の

手数料稼ぎへの傾斜に注意!

銀行も、マイナス金利政策の被害者として挙げることができよう。銀行株は、マイナス金利政策の発表を受けて、株式市場の平均よりも大きく下げている。一般顧客向けの預金金利をマイナスにできない一方で、住宅ローンなども含めて貸出金利が低下し、有価証券運用の利回りが下がるので、「資金利ざや」が縮小したり、マイナス幅が拡大したりしている。

一般論としては、既に保有債券の満期構成を短期化して(相場的には、売りが早すぎて残念だったかもしれない)金利上昇リスクに備え、国際業務やグループを通じた証券・投資銀行業務などに収益源を多様化させているメガバンクへの影響よりも、貸し出しや有価証券運用への収益依存が大きい地銀や第二地銀、信組、信金など中小の預金機関への影響がより大きいはずだ。

なお、3メガバンクに関しては、PBR(株価純資産倍率)が0.40.5倍、配当利回りが3%台後半から5%前後、PER(株価収益率)が57倍と、株価が非常に割安に見える。

「銀行は、預金するよりも、株を買った方がいい」と思う方がおられるかもしれない。確かに、そうかもしれないし、魅力的なのだが、3メガの株価は、国際的な収益環境のリスクや、マイナス金利政策下の利ざや圧迫の長期化などを、投資家がかなり厳しく見ていることの表れでもあるだろう。

一つ確からしく思われ、一般人にとって注意が必要なのは、預金を集めても儲からなくなった銀行が、投資信託、生命保険、ラップ口座(グループ会社の証券会社や信託銀行を使う)など、手数料の厚い商品のセールス攻勢をかけることだ。

近年強引なセールスもいとわなくなって、すっかり「肉食化」した銀行の投資信託販売だが、証券会社的な基準から見て、まだまだ全力を出しているとは言い難かった。顧客の資金の残高と動きがよく見えていて、相対的には(証券会社よりも)顧客の信用が厚い彼らが、投信販売に本気を出した場合に、顧客側が支払う莫大な手数料コストと、顧客が抱え込む最近の投信商品の大きくて複雑なリスクこそが、マイナス金利政策がもたらす最大の弊害かもしれない。

小数点以下にゼロが並ぶ預金金利の時代に
販売手数料がある投資信託など「論外」

読者には、銀行員が薦める、投資信託、年金保険、ラップ口座の、特に3つの運用商品・サービスに大いに注意してほしい。どうしても銀行で投資信託を買いたい人は、インターネット取引専用のインデックスファンド(株価指数に連動する投信)で、ノーロード(販売手数料がゼロ)で運用管理手数料が年率0.5%程度のものを扱っている場合がある。これを買うことを検討すべきだ。小数点以下にさらにゼロが並ぶような預金金利の時代に、販売手数料がある投資信託を買うなど、資産運用としては「論外」だ。

安全に運用したいお金は、「個人向け国債・変動金利10年型」を購入することをお勧めする。銀行、証券、ゆうちょ銀行のいずれの窓口でも買える。銀行の将来の破綻リスクに備えた資金の置き場所としても優秀だし、将来長期金利が急騰するような事態が起きても元本が保証されていて、値下がりリスクを心配せずに済む。

なお、定期預金も国債も利回りが下がったので、普通預金にお金を置いておくことは、平時よりも「もったいなくない」。流動性・利便性を考えると、銀行は普通預金を中心に利用する(一人、一行、一千万円、の預金保険の保護限度は守るべきだが)のが当面正解だ。普通預金は案外悪くないと申し上げておく。
http://diamond.jp/articles/-/86813


 


【第33回】 2016年2月24日 深田晶恵
住宅ローン金利が史上最低水準に!新規・借り換えでどの商品が得か
三井住友銀行が月中に
フライングで金利引き下げ!
 2月10日に前回のコラム「住宅ローンはマイナス金利導入の影響を受けるか」が掲載されてから2週間、住宅ローン金利に関するニュースは賑やかだ。

 住宅ローンの固定金利は、各銀行が毎月20日前後に長期金利の動向を見ながら翌月の金利を検討し月末に翌月適用の金利が発表される。原則として、月中に新規貸し出しの金利が変わることはないため、前回のコラムでは「3月の固定金利は下がる可能性が大」と書いた。
 しかし、「原則」が覆った。日銀がマイナス金利実施をスタートする2月16日に合わせて、三井住友銀行が2月16日以降の2月適用金利を引き下げたのだ。月中に金利を変更するのは異例のこと。1月末に発表された2月の10年固定金利は1.05%(当初10年間の割引きが大きいタイプ)であったのが、2月16日以降融資実行分についてそれより0.15%引き下げ、適用金利は「0.9%」となった。
 このニュースがリリースされたのがマイナス金利実施の前日、15日の夕方のことである。他のメガバンク2行の住宅ローン担当者はにわかに忙しくなったことだろう。金利引き下げに追随すべきか(追随しない選択肢はないだろうが)、することになれば「いつから実行」するのか、三井住友銀行と同じ金利にするか、さらに引き下げるか…。すぐさま会議が開かれたのではないかと推測される。
 結果、みずほ銀行は18日に10年固定金利を「2月22日から0.9%」にすると発表した。三井住友銀行に追随する形となる。そうなると、残るは三菱東京UFJ銀行。2月の金利を月中に引き下げるのか、それとも3月分から引き下げるのか、いくら引き下げるのかが注目ポイントとなった。
 2月19日(金)の夜に筆者が講師の住宅ローンのセミナーがあったため、同日お昼過ぎに三菱東京UFJ銀行の広報に「金利は下げますか? セミナーがあるので最新情報を」をと電話で問い合わせたところ、「夕方まで待ってほしい」との回答で、セミナーに出かける直前に「3月の10年固定は0.8%」とする旨のリリースを受け取った。結果、メガバンク3行の10年固定は次のようになった。

 19日夜の住宅ローンセミナーで、三菱東京UFJ銀行の3月適用金利が0.8%なることが発表されたと参加者に伝えたところ、会場でどよめきが起こった。2月の金利から0.25%も引き下げるのは思い切った施策だ。次の注目点は、三井住友銀行とみずほ銀行の3月の金利。三菱東京UFJ銀行の0.8%より高くするのは難しいはず。メガバンク3行の3月の10年固定金利は、揃って0.8%になることが予想できる。
住宅ローン金利が
決まる要素は3つある
 前回のコラムで解説したように、住宅ローンの固定金利は「長期金利」に、変動金利は「日銀の政策金利(短期金利)」に動きに影響を受ける。長期金利は、10年もの国債の流通利回りで市場の動向により変動する。日銀のマイナス金利実施のニュースを受け、一時的に長期金利がマイナスになったのは、国債に人気が集まり価格が上がったためである。
 住宅ローン金利が決まる要素は、実は他にも2つある。まず、「他行との競争」。住宅ローンの競争は「同じ地域」や「同じ規模」の銀行間で繰り広げられる。メガバンク3行同士、ネット銀行同士、同じ県の地方銀行同士というように、お互いが「ライバル」と認識し合う銀行同士で競争原理が働く。ライバル行が金利引き下げを仕掛けると、追随せざるを得ない。前述のメガバンクの異例の月中の金利引き下げ&発表がいい例だ。
 もう一つの要素は「銀行がそのときに売りたい金利タイプ」。2014年2月にメガバンクから「2年固定金利0.5%」が期間と金額限定で売り出されたことが典型例である。
 当時、メガバンクの変動金利は0.775%。今のような経済状態だと、固定金利は変動金利より高くなるはず。それを「0.5%」としたのは、宣伝効果狙いの話題作りなのである。そのため、募集期間を限定し、融資金額にも上限を設けての発売となった。メガバンクの1行が先行して発売し、数日後には残りの2行も揃って類似商品を出すことを決めている。「銀行がそのときに売りたい金利タイプ」は、金利の割引幅で調整されることが多い。

今、最も“お買い得”なのは
全期間固定金利!
 さて、史上最低の金利水準になった今、どの金利タイプを選ぶべきか。3月の固定金利は、10年固定が0.8%、全期間固定が1.4〜1.6%程度と予想する。固定金利と変動金利(0.625%)の金利差がこれほど縮小しているなら、固定金利が割安だ。なかでも、全期間固定はお買い得の金利水準といえる。

 2月の金利では、三菱東京UFJ銀行が魅力的。ソニー銀行は保証料がかからないことを考慮すると、三菱東京UFJ銀行と総負担額は大きく変わらないので、有力な選択肢である。中央ろうきんもいい。公務員や労働組合のある企業の社員なら、通常よりも低い保証料が受けられるケースがある。
 全期間固定金利の最大のメリットは、ローンを組んだ後、金利変動にやきもきしなくて済むことだ。全期間固定で1.5%前後の金利水準は、底値となる可能性は大。金利が低くなった分、たくさん借りられると考えずに、当初の返済額をキープしつつ、返済期間を短くしよう。そうすると利息軽減効果は高まるし、銀行によっては適用金利が低くなるところもある。
 1%を下回る10年固定の魅力も捨てがたい。共働き夫婦など毎年二人で200〜300万円以上コンスタントに貯蓄できているケースなら、繰り上げ返済の余力もあり、当初30年返済で借りたとしても20年くらいで完済できるだろう。貯蓄能力が高く、金利が少しでも低いものを選びたいと考えるなら、10年固定が向いている。
住宅ローンを持っている人は、
今こそ見直しを!
 すでにローンを借りている人には、見直しのビックチャンスだ。見直しの方法には、「ローンの借り換え」と「金利交渉」の2つがある。「借り換え」とは、今の借入先とは別の銀行でローンを借り入れ、元のローンを完済する方法。借り換え先の金利タイプでお勧めは、10年固定か全期間固定。残りの返済期間が20年以下なら割安な10年固定がいいだろう。
 借り換えにはローン保証料など諸経費がかかるので、金利差は0.5〜06%程度あるとメリットが得られる。今の金利水準なら、現在のローンが3年、5年、10年などの固定金利タイプや変動金利タイプで1.4〜1.5%以上なら、「トク」になる。メリットが得られるケースの目安は、残りの返済期間は10年以上、残高1000万円以上。自分のローンを確認してみよう。
 もうひとつの見直し方法である「金利交渉」とは、今ローンを借りている銀行に「金利を割引してもらえないか」と交渉することを言う。交渉がうまくいけば、借り換えと同様に金利が下がり、利息軽減が得られる。これについては、第4回のコラム「老後貧乏を避ける最大のカギは60歳以降も続く住宅ローンの見直しにあり!」でテクニックを紹介しているので、そちらを参考にしてほしい。
 少しの手間で数百万円も利息を減らすことができるケースもあるので、面倒と思わずにアクションを起こすことが肝心だ。

http://diamond.jp/articles/-/86818


大阪・箕面、中古住宅王国ドイツとの「類似と相違」
2016年2月24日(水)松浦 龍夫

日経ビジネス2月22日号特集記事「家の寿命は20年」では、都市計画によって住宅に価値を持たせるようにしたドイツの取り組みを取り上げた。実は、大阪のベッドタウンである箕面市も似たようなプランを2月に策定した。同市の「立地適正化計画」とドイツを比較しながら、日本の計画が住宅資産の価値向上につながるかを検証する。
 大阪府の北側に位置する箕面市。紅葉や箕面滝、野生のニホンザルなど観光資源が多く、大阪市内へのアクセスも便利。関西方面では箕面温泉スパーガーデンがあることや高級住宅地としてもよく知られている。そんな箕面市が2月15日、日本で初めてコンパクトシティを作るための「立地適正化計画」を策定したと新聞各紙が報じた。
 一方のドイツ。戦後間もないころは現在の日本と同様、新築住宅の建設を促進させるような政策を取っていたが、自治体に厳格な都市計画の策定を義務付け、むやみに住宅が増えないようにしている。住宅を巡る需給バランスが取られるようになってきたため、中古住宅は価値を持つようになっている。このドイツと比較しながら、箕面市の立地適正化計画を見ていきたい。

箕面市は水色部分を「居住誘導区域」、ピンク色部分を「都市機能誘導区域」と定めた
[画像のクリックで拡大表示]
 ドイツは自治体ごとに20年先までの都市計画の策定を義務付けており、各自治体は住宅地域や商業地域に区分けしている。今回の箕面市の計画も2015年から2035年までの20年間の都市計画を定めており、居住を促す「居住誘導区域」、病院や学校などの都市機能を集める「都市機能誘導区域」に今回区分けをした。
 前提となる街づくりの信念はどうか。ドイツの場合、「格調高い景観を守ることを常に意識しながら、新しい技術を取り入れ、将来の街づくり計画を練っている」(バイエルン州内務大臣のゲアハルト・エック議員)など、都市の魅力を保つことを高く意識している。
 箕面市は大阪御堂筋線に直結する北大阪急行が箕面市内に延伸し、2020年に2駅ができ、1駅が始発駅となるため大きな発展が期待される。それでも「箕面市の魅力は緑豊かな住宅都市である点。新駅で街は活性化するだろうが、市街地における農地などの緑地減少を加速させないようにしていく」(地域創造部北急まちづくり推進室の桜井ゆかり担当室長)。交通が至便になるからといって、むやみに住宅地は増やさないという考えはドイツの都市計画と類似性がある。
新築着工規制の強制力に違い
 ここまではドイツとの類似点を挙げたが、相違点も見えてきた。ドイツでは住宅地域以外では、勝手に住宅を建てることができない厳しい規制がある。箕面市も今回の計画で居住誘導区域以外において、「3戸以上、または開発規模が1000平方メートル以上の1、2戸」を建設する場合は、自治体へ届け出が必要になった。しかし禁止できる許可制でなく届け出制であることが異なる。届け出の内容によっては箕面市が中止も勧告できるとしているが、あくまで勧告であることからドイツほどの強い拘束力はない。実効性の担保がドイツとは大きく異なるのだ。

阪急箕面駅近くの箕面8丁目周辺地域は非居住誘導区域に指定されたため、住戸開発は制限されることになった
 そして最も大きな相違点が居住誘導区域における住居建設の考え方だ。ドイツは住宅地域においても新築の着工件数を厳しく制限している。そのおかげで中古住宅の流通が活発になっている。さらに中古の改修に多額の補助金を付ける制度があるため、中古を買って住みやすいようにリフォームやリノベーションすることが当然になっている。日本のように20年で中古の建物の価値がゼロになるようにはなっておらず、積極的にメンテナンスする文化が根付き、売る側も買う側もメンテナンス内容を資産価値として認めるサイクルができている。
 箕面市は、居住誘導区域において新築着工件数を管理することには踏み込んでいない。また、既存の中古住宅をどう維持していくかという視点も見られない。立地適正化計画を策定した自治体が受けられる優遇税制は都市再生特別措置法に定められている。それを見ても、商業施設向けの税優遇はあるが、ドイツのような中古住宅に対する優遇税制はない。
 ドイツは住宅に対する省エネ設備の効率を点数化し、売却の際の広告に表示する義務があるが、中古住宅に関する記述がない箕面市の計画にはもちろん言及がない。
 こうしてみると、国が旗を振り、現在220の自治体が策定を進めている立地適正化計画は、コンパクトシティ化による行政効率の向上だけに注力しており、現在住んでいる市民の住宅資産の価値を維持・向上するという視点が欠けている。この視点が欠けたまま進めば、市民が住宅資産を持たないために、都市機能誘導区域や居住誘導区域へ自治体の思惑通りに誘導されず、お題目であるコンパクトシティすら実現しない恐れがある。ドイツをお手本とするならば中古優遇の税制が有効だが、優遇税制は自治体で決められるものではない。素早い政府の軌道修正が求められるのだろう。



家の寿命は20年 消えた500兆円のワケ
「住宅は資産」。その思い込みをあっさりと覆すデータがある。1969年以降、500兆円を超える国民の住宅資産がひっそりと消え失せている。この国における、住宅とは単なる消費財にすぎないのが実情だ。新築購入直後から急速に価値が下落し、「20年でほぼゼロ」になる業界慣行が、住宅品質の価値を認めないいびつなマーケットを生んだ。人生最大の買い物を胸を張って「資産」と呼べるようになる日は来るのか。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/021800009/022200003/?ST=print 

 
役員が考えるべき、退任までの損得勘定
役員報酬と退職金を、計画的に最大化する方法
2016年2月24日(水)沖 有人

役員報酬と役員退職金をどう設定するか。これは退任を視野に入れたオーナー経営者なら大いに悩むところだ。不動産コンサルタントの沖有人氏は、毎年の役員報酬と、そこから得られる手取り収入を増やしながら、退職金を最大化するのに不動産が役立つ、と言う。連載第6回は、退任までの期間で役員が考えておかなければならないおカネの計画について語る。
 法人税率が30%を切ることが決まり、所得税率の最高税率は上がり、住民税・復興税を合わせて56%ほどの税率となっています。
 一般論としては、オーナー経営者は自らの役員報酬を下げて、税率が低い法人に利益を残して内部留保を増やそうとするかもしれません。しかし、所得税率を下げることができるのならば、話は変わってきます。所得税率を法人税率より下げられるならば、役員報酬を増やすことを検討するでしょう。
 オーナー経営者はいつか個人に所得を移転したいというニーズを強く持っているはずです。法人にいくら内部留保を貯めていっても、いつかは法人から個人に資金を移転しなければならなくなります。ずっと法人に置いておくと、経費にしか使うことができないからです。
 資金を法人から個人に移転するときに、よく使われるのが役員の退職金制度です。しかし、これは退職時にしか使えません。また、普段の役員報酬の額が少ないと、退職金だけ金額を跳ね上げることはできません。今回は、役員報酬と役員退職金の両方を上げる計画を提案します。
まず低めに設定している「役員報酬」を増やす
 「役員報酬を増やしたい」と思っていても、所得税が高いために、3000万円程度に設定する人がたくさんいます。なぜかといえば、「損益分岐点は年収3000万円です」と指導する税理士が少なくないからです。
 税金の申告をするのが役割だと考えている税理士は、節税の提案をしません。
 弊社に相談に来るクライアントからは「いい税理士さんはいませんか?」とよく言われます。顧問税理士に不満を抱えている経営者が多いのです。私は「役員報酬を増やしたらどうですか」と提案し続けています。
 中小企業の経営者など資産家がよく行っているのは、減価償却を使った節税です。「4年落ちの高級自動車」を買って節税する方法がよく知られています。これは2年で全額を償却できるからであり、償却期間をいかに短くするかがポイントになります。
 不動産では、22年の耐用年数を過ぎた中古木造アパートを使います。22年を過ぎると4年で償却することができます。建物割合が60%の物件なら、購入価格の15%を毎年減価償却できます。
 経営者が個人で2億円の物件を買えば、建物割合が60%として、毎年3000万円が減価償却できます。つまり、3000万円の所得を得ていたとしても、所得税と住民税をゼロにできるのです。こうなると手取り年収は節税分にアパートの賃料収入が加わるので、従来の2倍以上にすることができます。
 ただ、日本では築22年を超える、この方法に適した木造アパートは少ないのが難点です。減価償却制度の違いから、建物の評価が過半を占めるような物件はありません。といって、制度を曲解してゴリ押しする方法を使うのはリスクが高すぎます。そこで、海外の不動産を投資対象にするのです。
 移民で人口が増え、出生率も高い米国の西海岸には、このような物件があり、マーケットが安定しています。サブプライムローンがブームのときに価格が上がり過ぎましたが、その後、調整局面を経て再び上昇し始めており、価格は20年間で2倍のトレンドを維持しています。
 ただし、海外の不動産なのでローンがつきにくく、日本でお金を借りるほうが金利は安く済みます。法人に貯めた内部留保を経営者へ貸付金として使うのも有効な方法になります。
 法人は法人税が低い利益800万円以下にして、役員報酬を4000万円以上取っても、それに見合う不動産を買って減価償却し、所得税を減らせば手取り年収を増やすことができるというわけです。
 償却の多い不動産を有効に活用していけば、資産の形成と経営者の手取り収入(役員報酬)の増額を同時に実現できるのです。

2億円の物件の減価償却のイメージ
経営者の退職金を増やすには
 役員報酬を増やすと、その分退職金を増やすことができます。退職金は、所得の種類でいうと給与とは異なる退職所得になります。退職所得は分離課税であり、他の給与所得などと合算して課税されませんので、年収が高い人には有利な所得です。税率が高い所得税がかからないうえ、勤続年数が長いほど、退職所得控除額も大きくなります。一般的に退職金として認められる計算方式は、次のようになります。
●経営者の退職金の計算方式
最終役員報酬×役員としての在任年数×功績倍率
功績倍率の例
社長・会長3.0、専務・常務2.5、取締役・監査役 2.0
●退職所得の計算方法
(退職金額−退職所得控除額)×1/2
退職所得控除額
勤続年数20年以下:40万円×勤続年数 20年超 :800万円+70万円×(勤続年数−20年)
 税制上有利な退職金を増やすために、やっておくべきことが2つあります。
1. 役員報酬を上げておく
2. 原資をつくる(経費として計上できて、退職金として使うときにも経費になること)
 所得税が高いからと、役員報酬を低めに設定しておくと、退職金をたくさん出せなくなります。退職金を増やすには、支払う役員報酬は多く、課税される所得は低くしておいたほうがいいのです。また原資がなければ、退職金を払えません。
 退職金の原資を準備するためには、保険を使うのが一般的です。例えば、半分の保険料が損金となる生命保険を使って、保険料を年払いで1000万円ずつ払い、解約したときに得られる解約返戻金の戻り率がピークになる時期を狙って5〜10年ぐらいで解約するのです。
 保険料の1000万円の半分の500万円が毎年損金となりますから、その分、利益を減らすことができます。そして、5年目には保険を解約して、合計5000万円を積み立てていたようにして解約返戻金を得て、退職金にします。節税対策をしながら、退職金づくりをするわけです。
 ただ、生命保険には現金を使ってしまうという欠点があります。一方、不動産はローンを組むなど、現金支払いを抑えながら同様に原資づくりができます。個人の場合と同様に、減価償却が使える不動産を法人で買えば、キャッシュアウトしない費用を計上して節税し、退職金の原資がつくれます。不動産は所有物件から収益を上げることができますから、さらに有利です。
預金滞留している内部留保を有効に使う
 優良な会社は、内部留保で現金を貯めています。銀行の借り入れをしなくてもいい状態になっている会社も多くあります。内部留保という法人の金融資産が日本全体で900兆円あるといわれています。この900兆円は塩漬けで多くは普通預金に入ったまま、活用されていません。
 役員報酬を高くすると所得税が高くなるため、多くの企業はとりあえず、内部留保として残しているのです。法人に残った資産は、いつかは個人に戻さなければいけないので、たいてい税金が安い退職金として使われます。
 しかし前述したように、所得税を節税しながら退職金を準備するほうが得ですし、所得税対策をすれば毎年の役員報酬を2倍にすることも可能です。
 「とりあえず内部留保で残しておく」という発想をまず変えなければいけません。内部留保を活用するのは、資本効率を上げる近道です。
 活用のしかたはいくつかありますが、私は経営者への貸し付けを提案しています。
 経営者に、市場金利と同じくらいの1%未満、例えば0.5%ぐらいの金利で貸し付けるのです。
 1人株主や同族役員しかいない法人であれば、金利を安くして法人から個人と、書類上動いているだけですみますが、株主がたくさんいる場合は、内部留保の使い道を決めるために、株主総会を開かなければならないなどの問題がありますので、ご注意ください。
 そのような場合は、内部留保を銀行に預金として残しながら、ローンを借りる「預金担保ローン」という方法もあります。預金を残したままなので、使ったわけではなく、新たな借り入れをしただけなので、貸借対照表上には影響を与えません。
経営者の「退職金」を増やす
 税制上有利な退職金を増やすために、役員報酬の額面を増やすことを提案しました。これで退職金を増やせますが、退職金の原資も利益の繰り延べでつくっておきます。
 先ほどの例のように、生命保険で退職金の原資づくりをする方法も一応コントロールが可能です。しかし、保険に加入して毎年保険料を払っていたのに2年後に赤字に転落。保険を解約せざるを得ない場合、解約返戻金が少なくなってしまいます。保険は解約の時期によっては、大きく損をする可能性があるわけです。
 その点、資産インフレをする不動産をいくつも持っていれば、法人の業績が悪いときには売却して益出しができます。資産インフレをするという条件から、基本的には資産を海外に持っていくことを考えたほうがいいでしょう。
 不動産のような減価償却資産では、減価償却費はキャッシュアウトしない費用になりますので、お金を使わないで、利益の繰り延べが可能になります。
 海外で資産を持っていると、ポートフォリオ上も安定します。ハワイは毎年少しずつ不動産価格が上がるといわれていますし、オーストラリアのゴールドコーストも値上がり傾向にあります。また、米国の空室率は平均で7%程で、築年の古い物件でも高い稼働率を示しています。つまり、先進国であれば、市場データや取引の仕組みがきちんとしているので、リスクをコントロールできるということです。
相続税納税を見据えた対策の道筋
 最後にまとめを記しておきます。
 まず役員や株主は所得税節税をしながら、手取り年収を2倍以上に増やします。この際、海外の不動産を減価償却のために使うので、超低金利の日本で会社の内部留保などを使って資金を調達して購入します。役員報酬を増やしておくことで、自動的に退職金も増やすことができます。こうして、個人の手元キャッシュを潤沢にしたら、相続税対策は容易です。収益不動産をローンを借りながら購入すれば相続税は大幅に軽減できますし、納税資金を手元に残しながら、資産の分割も容易になります。
 ここまで分かった以上、相続人が苦労したり、資産の分割でもめたりすることはないようにしたいものです。退任の花道は最後まで自分で気を配っておくことが資産家の流儀だと考えます。
経営課題の解決に役立つ、不動産の活用法を満載

 本コラムの著者、沖有人氏の最新刊『経営者の手取り収入を3倍にする不動産戦略』を発刊しました。これからの不動産を取り巻くメガトレンドを踏まえつつ、不動産固有の特徴や、それを生かした経営課題の解決法をやさしく解説しています。多額の減価償却の使い方、タワーマンション節税、相続税評価の下げ方、役員報酬の上げ方、そして手取り収入を増やすタックスマネジメントまで、著者が実績を上げている具体的な手法をまとめました。詳しくはこちらまで。



経営者の手取り収入を3倍にする不動産戦略
「土地は大切な資産だから」と後生大事に抱え込んでいませんか? 地価が長期下落局面に入った今、持っているだけの土地はリスク要因でしかありません。一方、そんな状況下でも不動産固有の特徴を生かせば、決算、税務、事業承継など様々な面で企業経営に大きなメリットを生み出せます。そこで不動産業界で長年、コンサルタントを務める著者が、法人が不動産を使ってキャッシュフローを最大化する方法をお教えします。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16nv/011300001/021900007/?ST=print 

 


 


Special | 2016年 02月 25日 01:46 JST
米新築住宅販売、1月は9.2%急減 在庫が増加

[ワシントン 24日 ロイター] - 米商務省が24日発表した1月の新築1戸建て住宅の販売戸数(季節調整済み)は、年率換算で前月比9.2%減の49万4000戸と、10カ月ぶりの高水準をつけた前月の54万4000戸から大きく落ち込んだ。市場予想の52万戸も下回った。西部の落ち込みが響いた。ただ、全体的にみると住宅市場は回復基調を維持している。

新築1戸建ては住宅市場全体の約8.3%を占める。

在庫不足から住宅価格が急騰している西部は32.1%減の11万戸。2014年7月以来の低水準となったほか、2010年5月以来の大幅な減少率となった。

中西部も5.9%減った。一方、北東部は1月下旬に暴風雪に見舞われたにもかかわらず3.4%増えた。人口が多い南部は1.8%の増加だった。


1月の住宅在庫は2.1%増の23万8000戸と09年10月以来の高水準だったが、依然として在庫不足が続いている。販売ペースから計算した在庫消化に必要な期間は5.8カ月と、前月の5.1カ月から伸びた。

新築住宅の中間価格は前年同月比4.5%下落し、27万8800ドル。

今月発表された1月の住宅着工件数は減り、2月の住宅建設業者指数は低下しており、新築住宅市場は減速しつつあるようにもみえる。ただ、雇用市場の引き締まりを追い風に全体としての住宅市場は依然として底堅い。賃金増加に伴い独立する世帯が増えているからだ。

23日に発表された1月の中古住宅販売件数は半年ぶりの高水準を記録し、価格は昨年12月までの1年間で5.7%伸びた。

米経済は、ドル高や原油安に伴うエネルギー企業の投資削減、世界的な需要鈍化に直面。企業の在庫解消も経済成長を抑制している。ただ、堅調さを増す住宅市場は追い風となるはずだ。

昨年第4・四半期の米国内総生産(GDP)は0.7%増だった。今年第1・四半期は今のところ2%を超える成長が予想されている。

http://jp.reuters.com/article/us-newhome-sales-idJPKCN0VX278


 


 
米新築住宅販売:1月は年率49.4万戸に減少、予想以上の落ち込み
2016/02/25 01:37 JST 

    (ブルームバーグ):1月の米新築住宅販売は市場の予想以上に減少した。西部での販売が2010年5月以来の大幅な落ち込みとなった。
米商務省の24日発表によれば、1月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率換算)は前月比9.2%減の49万4000戸。前月は54万4000戸と10カ月ぶりの高水準となっていた。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は52万戸。
RBCキャピタル・マーケッツのシニア米国担当エコノミスト、ジェイコブ・オウビナ氏は「トレンドが大きく変化したとは考えていない」と指摘。「現時点では、労働市場の健全性に異論の余地はないと考える。これは住宅に見られるこうした回復を引き続き後押しするだろう」と述べた。
地域別では西部で32.1%減少の年率11万戸と、14年7月以来の低水準。中西部では5.9%減。一方、北東部では3.4%増加。南部では1.8%増えて5カ月ぶり高水準となった。
販売に対する在庫比率は5.8カ月と、前月の5.1カ月から上昇。新築住宅の在庫は1月末時点で23万8000戸で、09年10月以来の高水準となった。
新築住宅販売価格の中央値は前年比4.5%低下して27万8800ドルだった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Sales of New U.S. Homes Decreased More Than Forecast in January(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O327PD6S972K01.html

 


Business | 2016年 02月 25日 01:39 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
米市場インフレ予想、原油0ドルへの下落想定=セントルイス連銀

[24日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀は、米債券市場が織り込むインフレ見通しは、原油相場が今後3年でバレル当たりゼロに落ち込まなければ正当化されない水準にあるとの分析記事を公表した。

同連銀アナリスト2人が執筆した記事をブログに掲載した。

現物国債とインフレ指数連動債(TIPS)の利回り格差であるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)が織り込む現在のインフレ見通しを正当化するには「2019年半ばまでに原油相場が1バレル当たりゼロドルに下落する必要がある」と指摘した。

だが先物相場が織り込む原油価格の水準は2019年半ばまでにバレル当たり50ドル超に回復すると見込まれており、大きなかい離がある。

今回の分析は、2015年12月の10年物BEIと、エネルギー価格を除く消費者物価指数(CPI)が年率2.87%上昇するとの前提に基づく。
http://jp.reuters.com/article/usa-inflation-oil-idJPKCN0VX26L


 


 


バイトマン独連銀総裁:ECBの新措置、逆効果であってはならない
2016/02/25 01:22 JST 
    (ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、バイトマン・ドイツ連邦銀行(中銀)総裁は24日、新たな景気刺激策の導入について、逆効果になり政策の経済への浸透を阻害する措置にならないよう留意する必要があるとの考えを示した。
同総裁はブルームバーグとのテレビインタビューで「重要なのはわれわれが逆効果を生み出さないことだ。政策が例えば銀行の安定に対してわれわれが望むのと逆の結果をもたらすなら、そもそもその政策を採用することは賢明ではないだろう」と語った。
インフレ見通し悪化の中でECBは3月9、10日の政策委員会で現行政策の見直し作業を行う。バイトマン総裁は「現在の物価動向が金融政策についての徹底的な議論を必要とすることは明らかだ」としながらも、次に採用する手段について協議する前に追加措置が必要かどうかを熟慮するべきだと論じた。
「そのために重要なのは中期的なインフレ見通しの分析と、それが当中銀の物価安定の定義と相いれるかどうかだ」とした上で、「強力かつ効果的であることが確実なように措置を設計しなければならない」と語った。
原題:Weidmann Says Any New ECB Measures Mustn’t Be Counterproductive(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O326PA6VDKHS01.html

 

Business | 2016年 02月 25日 00:36 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
長引く低金利、銀行収益に多大な打撃=ワイトマン独連銀総裁

[フランクフルト 24日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのワイトマン独連銀総裁は、低金利が長期化すれば、銀行の利益が大きく減少するとして懸念を示した。

このところドイツ銀行(DBKGn.DE)をはじめ銀行株が急落している状況をめぐり、「低金利環境はとりわけ銀行の収益力の足かせになる」と述べた。総裁の発言は、長年にわたる低金利による弊害をドイツが深刻に受け止めていることを示唆している。

「低金利が長引くほど、また低下幅が大きいほど銀行の利益も落ち込む」とし、低金利が2019年まで続けば、利益は最大で半減する可能性があるとの見方を示した。

またユーロ圏はデフレから程遠い状況にあるとの認識を示し、追加緩和策の導入に消極的な立場を鮮明にした。

ECBは通常、インフレ鈍化に対し量的緩和などの金融緩和策で対応する。だが、ワイトマン総裁はこうした動きに伴うリスクに言及し、「われわれはこのような状況からは程遠い」として、デフレの兆候は見られないと指摘した。

さらに500ユーロ紙幣廃止の議論をめぐっても懐疑的な立場を表明。「現金の使用停止への一歩との見方が出れば致命的」として、ドイツは現金払いに制約が生じる状況を望んでいないとの認識を示した。
http://jp.reuters.com/article/ecb-weidmann-deflation-idJPKCN0VX1F0

 


 

Business | 2016年 02月 25日 00:35 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
過度な緩和策はリスク、米FRBは明確な説明必要=独財務相

[ベルリン 24日 ロイター] - ドイツのショイブレ財務相は、過度に緩和的な金融政策はリスクをはらむとし、米連邦準備理事会(FRB)は政策見通しをより明確に示す必要があるとの考えを示した。

同財務相は24日に公表された独DPAによるインタビューで、「過度に緩和的な金融(政策)は最終的には不運な結果を招く」と述べ、中国で今週開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、投資などを通した持続可能な成長に向けた取り組みに焦点が置かれる必要があるとの考えを示した。

また、米FRBの金融政策について相反することが示唆されているとし、G20会合では各国中央銀行に対し、より信頼の置けるコミュニケーションに取り組むよう呼びかけると述べた。
http://jp.reuters.com/article/frb-schaeuble-idJPKCN0VX1ZB



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