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春闘は時代遅れか 「賃上げだけが闘う材料ではない」と識者
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160224-00000003-pseven-bus_all
NEWS ポストセブン 2月24日(水)7時0分配信
毎年、この時期になると決まって報道される「春闘」。同じ産業同士の労働組合が団結しながら、従業員の「定昇(年齢に応じた定期昇給)」や「ベア(全従業員の賃金水準をベースアップさせる)」の獲得などを目指し、経営側と交渉する“闘争方式”のことだ。
だが、今年は春闘のリード役ともいえる自動車業界や電機業界が、去年の半額程度となる「ベア3000円以上」の要求にとどまっていることに加え、経営再建中のシャープに続き、東芝が電機連合の団交テーブルから「離脱」したことから、いまいち盛り上がりに欠ける。
もちろん、会社存続の瀬戸際に立つシャープや東芝にとっては、会社に賃上げを要求している場合ではないのは当然だが、そもそも春闘自体の存在意義に疑問を持つ人が多いのも事実だ。
「いまの時代、同じ業種といっても手掛けている事業領域は各社まちまちだし、業績や個別社員の給与体系も会社によって違うのは当たり前。その水準を統一交渉で決めようというのは時代遅れだと思う」(40代男性・製造業)
「春闘で給料アップを勝ち取っているのは大企業の社員ばかりで、ウチのように労働組合もない中小企業にはまったく関係のない話」(30代男性・IT企業)
「春闘で給料が上がっているのは正社員だけ。私のような非正規社員やパートの待遇は一向に変わらない」(30代・飲食業)
こうした巷の声はもっともだ。人事ジャーナリストの溝上憲文氏が指摘する。
「非正規雇用の労働者が4割を占める中、相変わらず大企業・正社員中心の春闘に対する社会的な関心が薄れているのは確かです。それにも増して深刻なのが労組の弱体化です。
昔の大手労組は自社社員の賃上げだけでなく、下請けや関係するステークホルダーすべてにその恩恵を波及させるという強い意気込みで労使交渉に臨んでいましたが、いまは経営側の言いなり。90年代のバブル崩壊以降、雇用の安定を優先させて長らく賃上げ要求を行ってこなかった労組は、どうやって会社側と交渉したらいいかの手段さえ忘れてしまっている有り様です」
もっとも、1970年代に約35%あった労組の組織率(雇用労働者のうち労組に加入している人の割合)は、2014年には17.2%まで低下しているため、経営側に対する影響力も失ってしまったのだろう。
しかし、労働組合そのものが不要かといえば話は別だ。前出の溝上氏が続ける。
「労組はやみくもに賃金アップを要求するだけでなく、働き方の改善を促すなど“労働者の救済機関”としての役割も担っています。
例えば、KDDIのように退社してから翌日出社するまで11時間以上あけるというインターバル制度を決めたり、三越伊勢丹が正月営業をやめて従業員の休息を確保したりと、長時間労働の是正やワークライフバランスの提案を戦略的に行っている労組もあります」
特に日本企業で横行する“働きすぎ”問題は、大手労組の春闘改革の行方によっては、待遇改善の広がりが期待できるという。
「事務職・開発職・生産職など、より働く職務に着目した賃金形成を春闘で交渉していければ、他産業にも波及していくと思います。
すでに欧米では一般的な賃金交渉ですが、日本企業の場合は入社して数年おきにいろんな部署を経験する“何でも屋”の社員が多いため、職種別賃金を設定するのが難しい面がありました。
しかし、『何でもやる』ということは、裏を返せば仕事の限界がないので長時間労働を助長させる要因にもなっていました。いまは年功制を廃して役割に応じた賃金制度に改める企業も出ています。職務別の賃金水準を少しずつ確立することで仕事の範囲の明確化や、やるべき仕事の進め方も変わってくる。産業別の労組には業界を代表して、こうした新しい賃上げ交渉術も磨いてほしいところです」(溝上氏)
春闘がこのまま時代遅れの“恒例イベント”として衰退の一途をたどるのか、それとも労働組合が戦略的な交渉術を身につけて息を吹き返すのか。いまが大事なターニングポイントといえる。
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