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日経平均1万5000円割れでも「割安」とは言い切れない…(撮影:尾形文繁)
16年末の日経平均は1万4000円前後を想定
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20160222-00106198-shikiho-nb
会社四季報オンライン 2016/2/22 19:36 松崎 泰弘
国内の株式市場では来2017年3月期の企業業績下振れに対する警戒感が台頭している。世界景気の先行き不透明感の高まりや最近の急激な円高進行などが背景だ。収益はどうなるのか。そして、株価の見通しは。岡三証券の日本株式戦略グループ長兼シニアストラテジスト、石黒英之氏に聞いた。
現在の日経平均株価は業績面から見ると、ほぼ妥当な水準といえる。来2017年3月期の純益は今期見込み比約10%減を想定。足元の1株当たり利益は1150円だが、10%減益を前提にすれば来期は1035円まで落ち込む計算だ。これに「標準的」とされる株価収益率15倍を掛ければ1万5525円だ。
10%減益の内訳は世界需要の減退と円高要因がいずれも5%ずつ。今期のドル・円相場は1ドル=121円前後、来期は110円をそれぞれ前提にしている。減益幅が同15%減まで拡大するようだと、PER15倍の場合の日経平均は1万4663円。しかも、業績は下方向へのモメンタムが強まっているうえ、収益悪化局面ではPERの水準自体が切り下がるケースも多い。このため、1万4000円台まで値下がりしたら割安感が強まるかというと、そうとも言い切れない面がある。
業績の足を引っ張りそうな不安材料として注視しているのがクレジットリスクの高まりだ。特に、原油価格の下落に伴う同リスクの顕在化が気になる。
年明け後にサウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコが上場を検討していると表明。これが実現すると、同国政府の懐には数兆円規模のキャッシュが入るとみられる。巨額のキャッシュを手にすることができれば、原油の値下がりにも耐えることが可能だ。あえて原油安を放置することでシェールオイル・ガスの開発会社などを破綻へ追い込み、価格主導権を取り戻したい、というサウジの思惑が透けて見える。
原油が安値圏で推移すれば、エネルギー関連企業などの信用不安が一気に表面化。つれて世界経済全体が下振れし、企業収益を一段と押し下げるシナリオも否定できないところだ。
もっとも目先の日本株相場は底打ちから反発へ転じるだろう。米国の年内の利上げは見送られる公算が大きい。欧州中央銀行(ECB)は追加緩和に踏み切るだろう。日銀も円高介入や追加緩和のカードなどを温存している。中国も3月開催の全国人民代表大会(全人代)後になんらかの景気対策を打ち出すかもしれない。日本の株式相場はこれらの政策に支えられ、6月には1万7000円前後まで戻す展開が考えられる。
ただ、年後半にかけては企業業績の悪化が相次いで表面化し、日本株も軟調な値動きを余儀なくされそう。年末には再び、1万4000円程度まで下押すとみている。
■ 「原点回帰」で業績の伸びに着目
投資家向けセミナーでは最近、「景気敏感株は買わないように」と呼び掛けている。電子部品、自動車、機械、鉄鋼は対象から外すのが賢明だ。米アップルのスマートフォン売上減少は世界需要の減退によるものであることが明らか。スマホに部品を供給する日本の電子部品がいくら企業努力をしても、落ち込みを吸収しきれないだろう。
スマホ用LEDバックライトを手掛けるミネベア <6479> の株価は、昨年6月の2358円をピークに右肩下がりで推移している。すでに足元の状況を織り込んでいたのかもしれない。
同社株の22日終値は792円。株価が2000円台を超えていた経緯があるだけに、「高値覚えの買い」へ走る向きがあるかもしれないが、株価水準を拠りどころに投資タイミングを決めるのは賢明でない。ここは「原点」に立ち返るべきだ。投資に当たってはこれからどれだけ稼ぐことができるのか、つまり業績の伸びを重視したい。
その点、景気が多少悪くとも成長ストーリーを持つ会社は強い。テルモ <4543> など医療機器関連の株価が底堅いのは、世界的な高齢者人口の爆発的増加を見据えているからだ。65歳以上の人口は2010年の約5億人から30年には10億人まで増える見込みである。
日本の消費者には、「持たない文化」「シェアする文化」が浸透し始めた。パーク24 <4666> などカーシェアリング事業を営む会社、いわゆるリユース事業を行う会社も有望だ。食文化の変化にも注目したい。一家団らんで食卓を囲むような機会が減った現状を踏まえると、天然調味料のアリアケジャパン <2815> 、ニチレイ <2871> 、味の素 <2802> なども面白そうだ。
(聞き手:会社四季報オンライン編集部 松崎泰弘)
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
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