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[スクランブル]逆張り個人の傷深く
相場の下支え役失う恐れ
15日の日経平均株価は前週末比1069円高と大幅反発した。金融株や輸出株が買い戻され、株安にひとまずブレーキがかかった形だ。だが、下げ相場で買い向かってきた逆張り志向の個人投資家が負った傷は深い。損失限定の処分売りを底値で迫られた向きも少なくない。投資余力が低下し、相場底入れを信じられないムードも漂う。
「今日は実需の買いと言うより、売り方の買い戻しが中心だった」(大手証券トレーダー)。トヨタ自動車のような超大型株が10%高もの急騰を演じたが、市場の高揚感はいまいち。午後、東京・茅場町の証券会社前で株価ボードを見ていた男性投資家(65)は「どうせ一過性。中国の景気や円高が怖くて今は買えない」と素っ気ない。
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個人は前週、記録的な運用悪化に直面した。松井証券では顧客が信用取引で買った株の含み損益度合いを示す「評価損益率」が12日、マイナス25.92%まで低下した。リーマン・ショック後に二番底を付け、日経平均が7000円台に沈んだ09年3月以来の低さだ。個人の懐の痛み具合が想像される。
株安による担保価値の低下で、追加保証金の差し入れ義務(追い証)も大量に発生した。カブドットコム証券では前週末にかけて、日経平均の2倍の値動きをする上場投資信託(ETF)や金融株を中心に「持ち高縮小を迫られる個人が急増した」(同社の荒木利夫氏)という。
例えば日銀のマイナス金利政策の導入決定後に下げ続けた三菱UFJフィナンシャル・グループ株。日本証券金融を通じた信用取引の動向をみると、12日は三菱UFJ株の買い残の返済売りが303万株と前営業日の2倍強に膨らんだ。株価急落に耐えられず、損失覚悟で買い持ち高を手じまった人が多かったようだ。
底値で売らざるを得なかった投資家は、15日の大幅高を黙って見ているしかなかった。今後、個人の逆張り投資はしぼまないか。松井証券の窪田朋一郎氏は「売りが出てきた時に買い向かうエネルギーが薄らぐ」と警戒する。海外勢の先物売買などで「相場が一方向に振れやすい状況をさらに強めかねない」(東海東京調査センターの鈴木誠一氏)との指摘もある。
輸出関連など景気敏感株に手を出しにくく、投資家は外部環境に収益が振らされにくい「ディフェンシブ銘柄」に持ち高を傾けている。15日だけみれば景気敏感株は急反発したが、比較的リスクが低い銘柄を物色する「安全志向」は止まらないとの指摘は多い。
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世界の投資家の間では、利回りが比較的高く、業績も安定し、保有資金も豊富な大型株を「ニューソブリン(新たな国債)」と称して物色する動きが出ている。富国生命保険の山田一郎氏は「配当やその原資となる剰余金が多い銘柄は、低金利下でよりどころになる」と話す。
1月下旬に日経平均が941円上げた前回の大幅高では、半月後に上昇前の水準を割り込む展開になった。安全志向は安易に緩めない方がいいかもしれない。
(篠崎健太)
[日経新聞2月16日朝刊P.20]
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