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四条通から東山を見た風景。市バスが走り、八坂神社の朱色の門が見える。寒波に見舞われた平日でも人通りが絶えることはなかった(撮影/楠本涼)
京都は本当に「世界的観光地」? 海外ガイド本の評価は…〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160220-00000005-sasahi-life
AERA 2016年2月15日号より抜粋
千年の都、ぶぶ漬け、「そうだ 京都、行こう。」……。歴史の古さと敷居の高さで、インテリ外国人も、女磨きのおひとりさまも眩惑する古都の実力を徹底検証。京都って、そんなにすごいんですか?
大寒波が日本中を襲った1月中旬、底冷えする京都の街で、オフシーズンにもかかわらず外国人観光客はそぞろ歩きを楽しんでいた。祇園・花見小路の入り口に、一風変わった木の立て札。文字は一切ない。
舞妓さんに手で触れる行為や、歩きたばこ、自撮り棒の使用、ごみのポイ捨てなどを禁止する絵が描かれている。地域住民らで立てたという。
「外国人観光客の増加に伴い、マナーをめぐる苦情は市にも寄せられています。生活習慣や文化の違いから生じるもの。地道に啓発していくしかありません」と京都市産業観光局観光MICE推進室の担当者は話す。
円安やビザの緩和、格安航空会社(LCC)の登場を背景に、アジアを中心とする観光客急増の波は、京都にも押し寄せている。外国人宿泊客数は、2014年は183万人と前年比62%増。「ハイシーズンは日本人向けの宿が確保できず、淡路島の宿から連れて行かざるをえなかった」という国内の旅行業者もいるほど。
予想を上回るハイペースで、観光客数が伸びている。それに対し、観光MICE推進室は「満足度を上げ、リピーターを増やしたいと思っています」と話す。
単に数を増やすのではなくリピーターを増やす。なるほど、「一見(いちげん)さんお断り」の精神か。目先の利益より、信頼関係の構築が先。受け入れてもらうには、まずは京都観光のいろはを知る必要があるのだろう。京都は、関西でも大阪に比べて、欧米から訪れる観光客の割合がもともと多い。そうした地域からの旅行者はリピーターが少なくない。二年坂をパートナーの女性と歩いていたフランス人のJamesLAGUE さんも2度目の京都だ。
「前回、十分に回れなかったので、また訪日するなら京都へと思っていたんです」
英語圏で最も読まれているガイド「ロンリープラネット」では、京都は一生に一度は訪れるべきで、パリやロンドンと同じランクだと絶賛されている。しかし、夏は暑くて冬は寒い盆地で、道も渋滞しがち。決して快適な環境とはいえない。それでも観光都市としてのゆるぎない地位を保ち続けるのはなぜか?
クラブツーリズム京の旅デザインセンター顧問で、京都文教大学でツーリズム論を教える宮本茂樹さんはこう話す。
「ヨーロッパから来られる方の中には、学生よりも日本文化に造詣が深い方もいる。海外の庭園はデザインを楽しむのでしょうが、禅寺の庭には思想が表れているので、鑑賞するというより洞察するといってもいい。そこに何かを見つけたい、隠された何かを見破りたいと、もう一度、訪れたくなるでしょう?」
また、和菓子は季節や月ごとに種類があり、31日と翌月1日では並ぶものが異なる。たった一日の違いで昨日買ったものが季節外れになってしまうのだ。
「何度も訪れて、歴史と文化の奥深さを味わうのが京都の旅の楽しみ方なのです」(宮本さん)
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