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ソウル・明洞(「Thinkstock」より)
韓国企業、若者の搾取が深刻で国が対策へ…採用する気ないのにインターン、月3万円で酷使
http://biz-journal.jp/2016/02/post_13844.html
2016.02.17 文=キム・ボヨン/韓国弁護士、構成=Legal Edition Business Journal
「情熱ペイ」という言葉をご存じだろうか。
仕事をして経験を積みたいと考える若者たちの「情熱」を利用して、最低賃金にも満たない報酬や、ひどい場合には無給で働かせる韓国の労働慣習を指す。
この言葉が多くの人に知られるきっかけとなったのは2014年10月、有名ファッションデザイナー事務所の給与の実情をインターネット上に暴露する書き込みがあり、それがソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を通じて拡大して韓国国内で話題になった出来事だった。
その書き込みによると、給与額は見習いが月10万ウォン(約1万円)、インターンは月30万ウォン(約3万円)、正社員は月110〜130万ウォン(約11〜13万円)だという。しかも、勤務時間は平日午前9時から午後8時までで、時期によっては平日夜10時までの残業と土曜勤務が義務付けられるが、上記の金額以外に残業代は支払われないという、あまりに酷な条件だった。
正社員の給与も労働法に違反しており、見習いとインターンに至ってはまるで“お小遣い”のような額だ。
この出来事で情熱ペイが本格的に社会問題として認識されるようになったが、実はその前からも「仕事をすることで経験になる」という理由で、若者をほぼ無給で働かせることは多くあった。なぜ韓国は若者を搾取する社会になってしまったのか。
この事態を招いたのは、「インターンシップ」という魔法の言葉である。本来、インターンシップは就職しようとする企業の現場を見て、実際に仕事を体験する制度で、主な対象は学生だ。目的が「教育」なら、無給であっても仕方ない。しかし、韓国におけるインターンシップは本来の趣旨から外れ、なんの教育目的もなしに無給で労働させる制度に変質してしまった。
■国家機関もインターンシップを悪用
こうした現象は、ファッション業界のような特殊な業種だけの問題ではない。なんと、誰よりも法律を守る義務があるはずの国家機関も、インターンシップを悪用していることが判明した。
14年10月、モントリオール大韓民国総領事館が、無給という条件で募集したインターンの業務内容は、「広報業務の支援、資料収集及び報告書作成、通訳や翻訳など」となっており、本来職員が仕事としてこなす業務だ。
このように韓国では、民間企業のみならず国家機関までもが、若者に仕事の機会を与えることを言い訳に低賃金もしくは無給でインターンを雇って仕事をさせている。
こうしたひどい条件にもかかわらず、なぜ若者はインターンをするのか。それは、若者の就職難と企業が望む人材像にある。最近、韓国では若者向けの質の良い仕事は減少している。一方、企業は業務に関係する経験を持つ人物を望んでいる。こうした状況では、ほかの求職者より仕事と関係のある経験を多く積んだほうが有利であることは明らかだ。そのため韓国の若者たちは、無給でも構わないから仕事を与えてもらい、経験を積みたいと考えるのだ。
若者たちのこうした希望は、企業としてはメリットが大きい。インターンとして働かせることで、正社員として雇う前に対象者の力量を見定めることができる。
だが、正式採用の参考にすることを目的としたインターンであればまだましなほうだ。最近では、そもそも採用の意思がまったくないのにインターンを雇う企業が増えている。仕事の経験を積みたいと思う若者はいくらでもいるため、インターンの期間をすぎても、別のインターンを雇えば継続雇用義務を負わず、人件費も削減できる。このように明らかなインターン制度の恣意的な悪用が横行しているのだ。
情熱ペイが社会問題になったため韓国雇用労働部は今年1月、ガイドラインを作成し、「インターン」との名称であっても事実上「労働者」に該当するケースを明確化した。労働者に該当する場合は、インターンの取り扱いについて労働法に従うことを企業に勧告している。だが、これは新しい法律をつくったわけではなく、もともと存在する法律に従うように指導しているだけなので、実効性があるかは疑問といえる。
情熱ペイ問題が完全になくなるまで、まだ道は遥か遠そうだ。
(文=キム・ボヨン/韓国弁護士、構成=Legal Edition)
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