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マイナス金利時代は「銀行員を信じるな」 〜甘い誘い文句に要注意
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47909
2016年02月17日(水) 週刊現代 :現代ビジネス
銀行員を信用してはいけない。ましてや銀行が苦境に立たされる「マイナス金利時代」ならなおさらだ——。
みずほ銀行出身の作家で『会社という病』を上梓した江上剛氏と、『信じていいのか銀行員』の著者で、転職12回の中で自身も銀行に勤めたことのある経済評論家・山崎元氏が語り合った。
* * *
江上 銀行員は、顧客から信用されすぎですよね。でも銀行はバブルの時代から今に至るまで、よく悪さをするんですよ。資産運用の場面でも顧客に「安心」と説明して金融商品を買わせておいて、損をさせるのはよくあることです。
私が支店長だった時代、本部から「窓口での投資信託の販売を強化しろ」という指示がありました。私はお客さんに損をさせるかもしれないと思い、どうも気が進まなかった。
そこでノルマを達成するために、女房に内緒で自分の定期預金を崩して、買ったんです。
山崎 生保業界で言うところの「自爆」ですね。
江上 そうしたら、結局7割くらいに目減りしちゃいました。お客さんに売らなくてよかったなぁと思いましたよ。
今はもっと露骨で、窓口に行くと、投資信託などのセールスを盛んに受けます。投信を売れば、手数料が入ってきて、銀行の収益が改善するからです。
山崎 しかも、銀行員は顧客の資産状況を知っているからタチが悪い。証券会社の場合だと、セールスを断られる理由で一番多いのが「今、おカネがないから」です。ところが、銀行員にこのセリフは通用しない。
たとえば500万円の定期預金が満期になったとします。銀行の窓口に行くと、「預金金利はすごく低いですよ。元本保証ではないですが、分配金が毎月安定的に入ってくる投資信託を『自分年金』として持ってみてはいかがでしょう」といった具合に勧誘してきます。
これに素人が反論することは案外難しい。
江上 山崎さんは「銀行員に人生相談をしてはいけない」と指摘していますが、銀行員はお客さんから人生相談を受けるためにセールストークを磨いているんです。親身になって話を聞くと、相手もその銀行員に誠実さを感じて、金融商品を買ってくれることもありますから。
山崎 以前の銀行のビジネスモデルは預金を集めて、資金を貸し出して、利ザヤで儲ける、というものでした。しかし、成長が見込める融資先は減ってきていて、従来のビジネスモデルが崩れつつある。
しかも「マイナス金利政策」が導入され、銀行の利ザヤは細っていく。銀行が従来の融資から手数料稼ぎに重点を移すのも仕方がない一面があります。
江上 そのことに疑問を抱いている銀行員は多いと思いますが、彼らは結局は会社の指示に従う。なぜなら「サラリーマン」だからです。たとえお客さんを損させようと、責任はとらなくていい。
■儲けるために「客を殺す」
山崎 ご著書では「出世」や「人事評価」といった会社員の人間性を破壊する病が取り上げられていますが、重病人が特に多い職場は銀行です。
そんな銀行員に、大事な資産運用を任せるなんてとんでもない。でも、自分で決めて損をするというのはイヤだと考える人も多い。
江上 その意識につけこんで登場したのが「ラップ口座」です。資産残高に対する手数料があらかじめ決まっていて、資産の運用と管理を金融機関に任せるのが特徴です。
山崎 これは今、最悪の商品ですね。
江上 最近、大手金融機関が大々的にCMを流していますが。
山崎 常識で考えて、高額のCM料金を費やしている商品が、顧客に十分なリターンをもたらせるはずがないんです。
江上 その分、配当にして顧客に回してくれという話ですからね。
山崎 ラップ口座は元々富裕層向けのサービスという触れ込みでしたが、現在では300万円程度から購入できます。お金持ちだけが利用できる運用利回りがいい投資先のように見せかけて、一般人を釣るのが彼らのセールステクニック。
お金持ちや運用のプロが何か特別なものを持っていて、それを自分たちにも提供してくれるなどと夢にも思わないほうがいい。
江上 私は49歳で銀行を辞めたんですが、「おとなしくしていれば役員になれたのに」という声がなくもなかったんです。でも、役員になると、自分が「嘘つき」になってしまうように感じました。
経営側の論理だと、いい数字を出すために、極端な話、お客さんに苦労をかけてでも儲けを出すことを強いられる。
山崎 銀行もビジネスですから、銀行マンが運用の窓口となって手数料で儲けてもいいと思うんです。でも、顧客からどれだけ儲けていいのかについて深い考察がないのが残念ですね。
上司は「お客さんのことも考えて頑張れ」という大雑把な指示で、後は目標の金額を告げるだけ。部下は目標を達成するために手段は選ばない。
その結果、次から次へと様々な金融商品を回転売買させて手数料を荒稼ぎし、結果的に「客を殺す」(顧客の損が膨らみ、資産が動かなくなる)ことになってしまう。
江上 どこで儲けて、どこで顧客に還元するかというバランスをコントロールする人が銀行にいないからでしょう。
山崎 その通りです。マイナス金利で銀行の収益が圧迫されれば、銀行マンはこれまで以上に顧客に金融商品を売りつけ、手数料で稼ぐようになっていくでしょう。彼らを信じてはいけません。
「週刊現代」2016年2月20日号より
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