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雑感。為替の話(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/544.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 14 日 23:51:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

雑感。為替の話
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52787737.html
2016年02月14日 在野のアナリスト


先週末、ドイツ銀行が50億$相当の上位債券を買い戻すと発表し、イタリア政府が不良債権の買い入れでECBと協議と発表、欧州株が一気に反発し、米国株にも波及。1月の小売売上高がよかったこともあって、ダウは300$以上の上昇となりました。シカゴ日経平均先物も15000円半ばと、反転が予想されますが、円は対ドルで113円台と、まったく戻りの鈍い展開となっています。

中華圏の春節で、訪日旅行客の爆買いが期待されるところですが、春節前に訪日していた人は、帰国の際に換金したとき、意外と多く戻ってくることに驚くかもしれない。しかしその効果は一時的で、今後は円高で訪日する外国人旅行客が減っていくことも予想されます。異常な円安だったので、今のうちに日本へ…という人が多くいたことも事実であり、訪日外国人数も正常値へともどる。しかし、そうなると日本の経済はガタガタになる恐れすらでてきています。

昨年の為替の取引高が、世界的に減っていることが話題です。ドイツ銀行の経営不振の一端ともなったスイスフランの急騰で、他のヘッジファンドも多くが打撃をうけて手仕舞いしたり、資金の出し手であった金融機関が警戒するようになったり。また不正操作で多くが課徴金などをうけ、人材が減ったこともあるようです。その結果、投機的な動きが減って取引量が減り、ピーク時の14年には1日6兆$あったものが、今は5兆$にもとどかない。そして、もし世界が順調に成長していたなら、実需の取引が増えても良さそうですが、そうでないことも取引高には影響します。

安倍政権では、為替の急変動に対して「注視する」と述べ、介入への牽制を促します。日銀の黒田総裁と安倍首相が会談したときも、為替や株がやや上向いたように、介入への警戒が市場にあることは事実でしょう。しかし上記したように、今は投機的に相場を動かそうという層は減った。一部では生き残って、相場の変動にかけて取引するヘッジファンドはあるでしょう。しかし今の動きは投機というより、金利差縮小であったり、政策の方向性の違い、といった面を映している。下手に介入などをすれば、後にうけるしっぺ返しの方が大きいのかもしれません。

マイナス金利の実際の運用は16日からで、悪い評価は早計との声も聞かれますが、国債の金利はすでに動いている。日銀は金融機関の収益に影響がないよう設計した、というのですから、その効果はすでにでているともいえ、その結果として金融株の下落を引き起こしたのですから、初動は失敗で間違いありません。米経済の減速を意識され、米金利の低下が余計だったとはいえ、為替の面でも円安がすすんでしまったのは、日銀の緩和打ち止め感が影響しているのですから、そうした意味でも失敗といえるのでしょう。マインド面への働きかけを重視していたのに、そのマインド面を悪化させ、追加緩和ですら期待感を消失させたのですから、尚更です。

為替の円安局面が終焉し、円高局面が今後、進行して行くとしたら、人為的に、一時的にそれを食い止めても無意味なのでしょう。為替の取引量が尻すぼみしていくのは、フィンテックとよばれる情報仮想通貨の取引量の拡大も影響している、とされます。将来的に、通貨は何らかの形で統合されていくのかもしれません。それは形のないマネーかもしれませんし、そこで各国の通貨はその価値が定義づけられ、機能して行くなら、ますます人為的に操作することは難しくもなるのでしょう。『為替』という言葉、笑い話ですが『変わる世界』の略語という人もいます。為替の『為』は『ため』とも読みますが、『報い』の意味ももつとされます。今、為替を人為的に操作しようとすることは、日銀と同じで後に大きな『報い』となって跳ね返ることにもなるのかもしれませんね。
 

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1. 2016年2月15日 00:04:45 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[238]

ジム・ロジャーズも警鐘 戻り相場の限界点と「3月10日大暴落」説=高島康司

2016年2月14日 ニュース

日銀のマイナス金利政策導入により、日本の株価は大幅に下落し、日本国債(10年)の利回りは史上初めてマイナスとなった。同時に円高が進み、将来なにが起こるか分からない前代未聞の状況だ。円安によって輸出を促進し、また外国人観光客の増大で国内消費を増やすことを狙ったアベノミクスにとって大きな痛手である。そこで今回は、著名投資家の相場見通し、海外の市場アナリストが予測する次の市場暴落の時期を紹介する。(未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ/高島康司)

「2016年3月危機」に備えよ。著名投資家・海外シンクタンクの警告

今回の株価急落原因は「マイナス金利政策」の予想を超えた副作用

今回の株価急落と急速な円高の原因は、日銀の新たな量的金融緩和策であるマイナス金利政策の予想を超えた副作用であると見られている。

周知のように日銀は、すべての銀行に対し日銀当座預金の口座を持つことを義務づけており、口座は0.1%の金利だった。だが日銀は新規の当座預金には逆にマイナス金利を課し、銀行から手数料を徴収することにした。このため当座預金から資金の引き出しが急増することが予想された。

しかし銀行の資金量が増えたところで、やっと0.5%程度の成長率の日本では企業の貸し出し需要は増えない。むしろ、日銀の当座預金から得ていた0.1%の金利は銀行にとって大きな収益の源泉であった。マイナス金利の適用でこれが消滅すると、銀行は新たな運用先を確保しなければ収益が悪化する。

そこで銀行は、日銀の口座から引き出した資金を、当面は安全な資産と見られている米国債と日本国債の購入に向かわせた。その結果、日本の10年物国債の利回りは大きく下落し、史上初めてマイナスになった。

国債の金利は住宅ローンの金利や預金金利、そして企業ローン金利の基準である。これが下がると、すべての金利は同時に下がる。これは、住宅ローンや企業へのローンの金利に依存している銀行の収益を悪化させる要因となった。

そしてこの収益悪化が原因となり、9日には銀行株は平均で6%を越えて下落した。

銀行株は日本経済全体の指標として見られることが多い。銀行株が堅調なときは企業ローンも伸び、企業の投資が活発な証拠だと理解される。他方、銀行株の一斉の下落は企業の業績が思わしくなく、投資が不活発である示唆として見られる。

そのため、日銀のマイナス金利導入にともなう銀行の収益悪化と銀行株の下落は、他の企業の銘柄の一斉売りにつながった。これが9日と10日の大幅な株安の背景と原因である。

米国、中国、ドイツ…世界中に広がる金融不安

しかしこの株安は、日本に限ったことではない。昨年の5月には史上最高値の1万8000ドル台になったニューヨークダウは1万6000ドル台に下落し、またロンドン、フランクフルト、香港、上海なども軒並み大きく下落している。

特に、日本よりも早くマイナス金利を導入したEU諸国の下落幅は大きい。日本と同様EUでも銀行の収益は一気に悪化し、そのためバークレー、クレディースイス、ドイツ銀行などの主要銀行の株価は8%を上回る下落幅を記録した。なかでもドイツ最大の金融機関、ドイツ銀行は史上最大の赤字を計上し、経営的に非常に困難な状況にあることを露呈した。

このように見ると、9日から始まった株安は、マイナス金利の導入という日本独自の背景があるものの、世界経済の本格的な減速にともなう世界同時株安という世界的な現象の一部であることが分かる。

そもそも日銀がマイナス金利の導入を決めた理由は、中国経済の減速による世界経済全体の低迷、そして世界同時株安を受け、日本経済の減速が強く懸念されたことにあった。その意味で日銀のマイナス金利の導入は、世界経済の低迷に対する反応だった。ということでは、今回の日本の株安は世界的なトレンドの反映であることは間違いない。

新たな金融危機の予測

むしろ今回の日本の株安は、これから始まる世界的な金融危機の予兆である可能性が高い。

そのようななか、さまざまな方面から新たな金融危機を予想する記事や発言が相次いでいる。以前の記事では、国債決済銀行のチーフエコノミストで、現在はOECD開発検討委員会議長であるウィリアム・ホワイトの警告を掲載した。

ホワイトは、次の金融危機が起こると、その規模は2008年のリーマンショックよりもずっと大きいとしながらも、量的金融緩和ですべての方策を使い切ってしまった各国の中央銀行は打つ手がないとして、次の金融危機は大変に厳しいものになることを警告していた。
※OECD要人「現状は2007年より悪い」まもなく再来する世界経済危機シナリオ

そして1月の終わりから2月の初めにかけて、ホワイトよりもさらに厳しい警告が方々に散見されるようになっている。

ジム・ロジャーズの警告

まずは世界的に著名な投資家、ジム・ロジャーズだ。

2月6日、ロジャーズはネットラジオのインタビューに答え、2016年に新たな金融危機が起こると警告した。次ページでその要約を紹介する。

Next: ジム・ロジャーズ「2016〜2017年、市場は大変なことになる」

ジム・ロジャーズも警鐘 戻り相場の限界点と「3月10日大暴落」説=高島康司

2016年2月14日 ニュース

ジム・ロジャーズの警告(1)市場の崩壊について

過去20年間、主要国の中央銀行は利子率を低下させ、通貨を増刷し、不良債権を買い取る量的金融緩和を続けていた。これは大変に間違った政策だ。巨額の債務だけが残った。いずれ誰かがこの債務を支払わなくてはならない。

2016年と2017年はこれが要求される年となるので、市場は大変なことになるだろう。

すでに昨年の末から株式市場は大きく下落するトレンドに入っていた。市場の下げトレンドに入るときは、上がる銘柄よりも下げる銘柄の数が圧倒的に増えるが、すでに昨年の終わりからこのトレンドに入っていた。だから、2016年に入った市場の乱高下は予告されていた。

今回の下げの原因はFRBの利上げではない。利上げは散々喧伝されており、誰もが知っていた。サプライズではまったくない。

FRBは市場が大きく下げると再度量的金融緩和をやる可能性はあるだろう。

ジム・ロジャーズの警告(2)中国について

中国はリーマンショックのとき政府債務はほとんどなかった。しかしながら今回は異なる。中国政府の債務は大きくなっているので、破綻の影響はあるだろう。

一方、中国政府は政府債務の多くをインフラの建設に充当してきた。これは将来の競争力を維持するために必要な条件だ。中国は不動産バブルの崩壊から厳しい状態になるだろうが、政府がただ通貨を増刷してきたような国よりもはるかにましだ。

だが、中国は経済構造の転換の最中だ。これまでのように安い労働力を利点に安い製品を生産する方法は成り立たない。ベトナムやミャンマーなどの東南アジアの国々にその位置が脅かされている。

ジム・ロジャーズの警告(3)ドルと金・銀について

ドルは過剰に評価されている通貨だ。それは、危機に陥るとドルが逃避通貨として好まれ、ドルが買われるからだ。これと反比例して金と銀が売られる。将来、ドルが売られ、金と銀が買われる局面があるだろう。

私は正しい判断でその波に乗りたいが、いまはそのどちらも買ってはいない。

いま銀が最安値を記録している。将来は金よりも銀のほうが激しく上昇する可能性がある。

以上である。要するに、2016年から17年にかけて、主要国が実施していた極端な量的金融緩和による債務の支払いが要求され、危機に陥るはずだという予測だ。

さまざまな警告が出ているが、そのなかでもジム・ロジャーズのこのような警告は比較的に穏健なほうである。もっと強い口調で警告しているのは、かつてリーマンショックを的中させたことで知られるハリー・デントだ。

Next: ハリー・デント「2016年は1931年以来の最悪な年となるだろう」

ハリー・デントの警告

ハリー・デントはリーマンショックや昨年8月24日の上海から始まった世界同時株安を事前に予測し、有名になった市場アナリストだ。

人口動態の変化から実態経済の動きを予測し、市場変動の見通しを立てることで知られる。以下は1月28日にアレックス・ジョーンズのインタビューに答えたものだ。

現在、米経済はバブルのさなかにいる。このバブルはまさにいま弾けようとしている。これは2008年のリーマンショックをはるかに上回る規模の金融危機となるはずだ。

2016年は1931年以来の最悪な年となるだろう。だが、具体的にいつ崩壊が起こるかは分からない。

本来このバブルはもっと早く崩壊するはずだったが、FRBが実施した極端な量的金融緩和により、破綻の時期が遅延されてきた。

そのためバブルの規模ははるかに巨大になっている。今後1年から1年半でバブルは崩壊し、ダウは6000ドルから5500ドル近辺まで暴落するだろう。

相場の下落は2016年から始まり、2022年くらいまで続くはずだ。そうなる理由ははっきりしている。主要国の中央銀行は極端な量的金融緩和を実施して通貨を増刷し、市場に過剰な資金を放出してきた。

その資金のほとんどが株や債権、そして不動産に投資されてきた。これは大変なバブルである。これが破綻するのだ。

2011年から2015年7月までダウは右肩上がりだった。なんの調整局面もなかった。それがやっと2015年8月24日と26日で大きく下落し、調整の時期に入った。もし昨年の8月の相場よりもダウが下落するとそれからは一気に下がると私は予測したが、いまそのようになっている。

昨年私は株価が下落するきっかけは中国と原油価格になると予想したが、昨年の下落のきっかけはまさにそうであった。今年の下落の引き金を引くのはドイツになると私は見ている。

以上である。

Next: 複数のアナリストが予測する「3月上旬大暴落」の引き金となるもの
ジム・ロジャーズとハリー・デントの共通認識〜それはいつ起こるか?

ジム・ロジャーズもハリー・デントも、金融危機と市場崩壊が起こる原因の認識は共通している。

リーマンショック以降、先進国の中央銀行は、ゼロ金利政策や国債の買い取りという量的金融緩和策を実施して通貨を増刷し、市場に資金を流していた。

この結果、政府の債務は極端に増大している。しかし、このような金融緩和策にもかかわらず、成熟期を過ぎた先進国の経済の成長率は構造的に低い。

そのようななか、世界経済を牽引したのが中国を筆頭とする新興国経済である。新興国経済の成長は著しい。10%地階成長率の国も多い。自律的な成長が困難になった先進国経済は、新興国の増大する需要に引っ張られ、成長率をかろうじて維持することができた。

その結果、極端な金融緩和にもかかわらず成長が困難になった先進国経済の実態は覆い隠され、成長が維持されているかのような体裁が保たれた。

このような主要先進国を直撃したのが、新興国経済の急減速である。これで主要先進国は失速し、量的金融緩和によっても成長が困難になった本来の実態を露呈させた。

そのため、先進国経済に対する市場の信頼は失墜し、相場が暴落する可能性が高まっている。

このような認識だ。この見方は、以前の記事で紹介した高い的中率を誇るボー・ポルニーも共有している。

3月上旬の暴落から危機は開始か?

すると、やはり気になるのは市場の暴落と危機が始まる具体的な時期だ。いまのところ、危機の引き金になる要因はあまりに多い。

中国経済の失速と人民元の切り下げ、米シェールオイルバブルの破綻、ドイツ銀行などの欧州の金融機関の破綻などさまざまだ。いまのところ、なにがきっかけになってもおかしくない状況だ。

だが、先に紹介したウィリアム・ホワイトのコメントを待つまでもなく、暴落と金融危機が迫っていることは間違いない。ではいつ決定的な危機は始まるのだろうか?ボー・ポルニーは2016年10月3日までに市場の暴落はあるとしている。

そのようなとき、筆者が情報を交換している海外のシンクタンクの複数のアナリストから、これに関する情報が送られてきた。だいたいみんな一致した暴落の時期を予測している。それは、次ページで紹介するような段階で起こるとしている。

Next: 2月に下げた相場は一度戻す/3月8日から10日にかけて大暴落

シナリオ(1)2月に下げた相場は一度戻す

まず、ニューヨークダウや日経は2月の終わりころには上昇し、2月は1月末の相場まで値を戻す。日経であれば1万7000円の水準である。

シナリオ(2)3月8日から10日にかけて大暴落

だがこれで安心してはいけない。3月8日から10日にかけて暴落する。暴落の大きさはリーマンショックの水準を越える可能性がある。

シナリオ(3)5月24日から25日にかけてさらに暴落

その後、相場は変動するものの元の水準まで値を戻すことはない。そして、5月24日から25日にかけてさらに大きく暴落する。3月と5月の2度の暴落で、株価は下手をすると50%以上も下落する可能性すらある。

この暴落の後、既存の金融システムは本格的な調整過程に入り、2022年くらいまで下落は続く。

このようなシナリオだ。これはハリー・デントやボー・ポルニーの予測と非常によく似たシナリオだ。

デントとポルニーはこの暴落は金融危機を引き起こし、危機の後は新しい金融システムに移行せざるを得なくなるとしているが、今回情報をくれたシンクタンクのアナリストたちも同じような見方をしている。

この予測は、株価のチャートのテクニカルな分析によって導かれたので、きっかけとなる出来事がなんであるかは分からない。あと1ヶ月である。このようなシナリオ通りになるのだろうか?注視していかなければならないことは間違いない。

【関連】黒田日銀の「大誤算」〜マイナス金利で円高・株安が起きた真の理由=吉田繁治


http://www.mag2.com/p/money/7403


NYダウは6000ドルに?実現しつつある市場アナリスト・ポルニーの予測=高島康司

2016年1月24日 ニュース

今回はまず市場の下落トレンドが止まらないので、これからの見通しを市場アナリストのボー・ポルニーの発言で確認する。「相場は70%下落すると見ていたほうがよい」との主張だ。

次に、北朝鮮崩壊に向けた方針転換があるのであれば、それがいつ起こるのか見通しを立てるために、やはり米国務省が背後で誘導した「アラブの春」を検討し、類似点を見ていく。それから朝鮮半島有事の時期を予測してみる。(未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ/高島康司)

「相場は70%下落すると見ていたほうがよい」ダウ6000ドル台も

実現しつつある市場アナリスト・ポルニーの予測

では最初のテーマに行く。ボー・ポルニーの市場予測の確認である。

株価の世界的な下げトレンドが止まらない。ニューヨークダウは1万6000ドルを割り、日経も一昨年の最安値水準を割り込む1万6000円台になった。

ほんの数カ月前までは、2万円の大台に乗り、さらに2万2000円を目指すと言われていた時期と比べると雲泥の差だ。果たしてこれから相場はどうなるのだろうか?気になるところである。

日経平均株価 週足(SBI証券提供)
日経平均株価 週足(SBI証券提供)
NYダウ 週足(SBI証券提供)
NYダウ 週足(SBI証券提供)
米ドル/円 週足(SBI証券提供)
米ドル/円 週足(SBI証券提供)
サブプライムローン危機とリーマンショックの発生を事前に予測したアナリストは数名いるが、そのなかでも注目されているのがボー・ポルニー(Bo Polny)である。以前の記事でも紹介したが、ボー・ポルニーは1764年から始まるアメリカの長期の市場変動サイクルを前提にして、相場を予測する手法を採用している。

昨年の8月24日と25日の両日、上海株の暴落から世界同時株安となった。その直後、ボー・ポルニーは次のように予測した。

過去の記事でも紹介したが、いま一度この予測を確認しておくべきだろう。

ボー・ポルニー「2016年に入ってもこのトレンドには変化はない」

・暴落の後、相場は小休止の期間に入り、相場は上げに転じる。これは9月から10月前半まで続く。したがって、9月に相場が暴落するという説は当たらない。

・この小休止の期間はちょうど10月13日で終わる、その後、相場は変動期に入る。そして11月に入ると相場は大きく暴落する。8月に記録した下げの幅をさらに越える。

・相場の暴落のトレンドは11月ではとどまらない。12月に入ってもさらに暴落は続き、年内に最低水準まで下落する。

・2016年に入ってもこのトレンドには変化はない。チャート分析と長期サイクルでは正確な相場までは予測できないが、相場は70%下落すると見ていたほうがよい。また、ドルも大きく下げるはずだ。

Next: 21年サイクルで2016年は谷の年/予想を超えた暴落に?

21年サイクルで2016年は谷の年/予想を超えた暴落に?

・長期の変動を見ると、1764年から始まった21年のサイクルが存在する。私が注目するサイクルのひとつだ。このサイクルでは来年の2016年が谷の年になる。

・これは予想を越えた暴落になるはずだ。ニューヨーク、香港、ロンドンすべての市場で相場は70%も暴落する。ニューヨークダウは6000ドル台になるだろう。下げの幅は2008年のリーマンショックのときを上回るはずだ。

・歴史的な長期サイクルの作用は強い。政府や中央銀行でもサイクルに抵抗することは不可能だ。したがって、11月から始まる暴落のトレンドには政府も抵抗できないはずだ。

・相場の暴落に伴い、不動産市場も暴落すると見たほうがよい。なぜなら、相場の暴落とともに信用が収縮するからだ。これにより、不動産業が難しくなる。

・ドルの下落に伴い、金の価格は激しく上昇する。このトレンドは、2020年から2022年にピークに達する。

以上である。

これは昨年の9月始めに公開された予測だ。ここでポルニーは11月の相場の暴落を予測していたが、これは起こらなかった。その意味ではこの予測は外れたと見ることもできるだろう。

しかしながら、日々の変動はあるものの一向に下げ止まる気配のないダウや日経、そして上海の相場の動きを見ると、ポルニーの予測は約2カ月ほどすれ、2016年の1月に実現しつつあるように見える。

世間には経済の崩壊を予測し、恐怖を煽るサイトや書籍、また情報があふれている。我々はそうした情報に絶えず触れているため、感覚が麻痺し、まじめに受け取らなくなっている。

しかし、いまの情勢を見ると、ポルニーの「2016年が谷の年になる」「ニューヨーク、香港、ロンドンすべての市場で相場は70%も暴落する」「ニューヨークダウは6000ドル台になるだろう」「下げの幅は2008年のリーマンショックのときを上回るはずだ」という発言はそれなりにまじめに受け止めておいた方がよいだろう――

未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ2016年1月22日号ではこの他に、メインテーマとして北朝鮮情勢や半島有事の可能性について詳しく解説しています。
北朝鮮崩壊はあるのか?アラブの春との類似

計画された「アラブの春」

米国務省の関与、「青年連帯運動」の結成

2010年11月の論文

論理的なステップを残す、北朝鮮ではどうなるのか?

これまでに起こったこと

北朝鮮崩壊と朝鮮半島統一に向けたシナリオか?

キャシー・松井という人物

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【関連】「北朝鮮の水爆」は安倍首相のシナリオ通り?隠された日韓合意の真実=高島康司
http://www.mag2.com/p/money/7158


2. 2016年2月15日 00:24:43 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[241]
大荒れ相場? いえ、これって“普通”です。

2016年2月15日(月)居林 通

 日本初のマイナス金利、意外な円高、株価の急落と、2016年も先の読みにくい市場が続きます。そんな中、日経ビジネスオンラインの編集長のIが、「現場感のあるマーケット物を書いていただける方を発掘したい」と言いだしました。そこでお願いしたのが、UBS証券で富裕層向けの日本株リサーチを担当している、居林通(いばやし・とおる)さんです。 経済コラムとしてはやや異色の語り口ですが、ご本人のお話を横で聞いているような気分で、お楽しみください。もちろん、中身も面白い!(編集Y)
 はじめまして、居林と申します。

 日本銀行のマイナス金利導入をきっかけに、年初からの市場の波乱が更に激しさを増しているようです。この理由と影響と先行きを鮮やかに説明する…のが「アナリスト」のお仕事ですが、残念ながら私の仕事はそれだけではありません。市場を俯瞰しつつも、投資家は現場でどう動くべきかを助言することです。ですので、ちょっと見方が違います。


居林 通(いばやし・とおる) UBS証券 ウェルス・マネジメント本部 ジャパン・エクイティリサーチ・ヘッド エグゼクティブ ディレクター。1992年から2003年まで、国内大手投資信託にてアジア株および日本株のファンドマネージャーを歴任。その後2003年から2006年まで、ヘッジファンドにて日本株の運用などに携わった。2006年9月、UBSウェルス・マネジメント部門のアナリストとしてUBS証券に入社。富裕層顧客に向けて、日本の株式、経済動向を分析し、国内・海外に発信している。
 私は、UBS証券のウェルス・マネジメント本部で富裕層投資家のお客様向けに日本株リサーチを担当しているんですが、この会社に入る時に1つだけ条件を出したんです。

 世界経済・政治を見ながら、企業取材まで「全部やらせてくれ」と。マクロからミクロまで、日本株を全部僕に任せてくれるならやる。銘柄選びまでやる。そのほうが、会社側も経費削減でいいんじゃないでしょうか、と。

 通常、証券会社などではどうなっているかというと、分業というか、個別銘柄を見る人、ストラテジーの人、というふうに分かれていたり、対応する顧客も「機関投資家だけ」、「個人だけ」などに分かれます。機関投資家の方たちも、日本株担当だったら日本株しか見てなかったりするので、その中でどうしてもポジションを取ったりしなきゃいけない。

 一方、私のいる部署が担当するお客様の場合は、例えば「日本株よりも他の資産クラスがいい? だったら、そちらに投資するよ」というようにお客様が機動的に動ける。ここが大きく違います。

 つまり何が言いたいかというと、僕は、自分の仕事をする際に、自分の立場の限界にとらわれないで「全体」を見たいし、その上で「ダメならダメ」と言えるようにしたいんです。

 例えば「短期の戦略では、日本株よりもユーロ圏の株式やハイイールド債券に投資するのがいいんじゃないか」というのが今の私たちの投資見解なんですけれど、特定の資産クラスしか担当していないアナリストだと、こういったアドバイスはできない。日本株だけを見ているアナリストであれば「でも日本株の中では、このセクターのこれがいいです」など、基本的に難しい市場環境であっても、その中から何かしら推奨するものを見出さなくてはならなくなる。その点、私の立場は多少自由が利くと言えるのでしょう。

 もちろん、全体を見る広い視点を持って仕事をしている人はこの業界に数多います。けれども、職務上、実際の行動に対しても「ダメならダメ」と言うことが許されている人はかなり少ないはずです。そういう立場から見える市場について、書いていこうかなと思っています。

“周期的な混乱”が起こる理由

 それでは、何を書けば喜んでいただけるのか。ちょっと先週末、お風呂に入りながら考えてみたんですが、おそらく皆さん、「何を買ったら利益が上がって、何を買っちゃいけないのか、どうやって判断するんだ」というのをお知りになりたいのではと思います。そして、「コメンテーター」と、「現場の人間」は、ここの回答で違いが分かるんです。私たちはテレビの出演料や原稿料が欲しいわけじゃなく、顧客の利益を最大化したいと思っているので、「今、こういう会社の株は、思い切って買いましょう」という判断(と行動)ができますし、せねばなりません。

 思い切って買う、というのは、妄動ではもちろんありません。原理原則、「市場とはこういうものだ」という、自分なりの確信があって、それに反する動きが起こった時に、その時の報道や雰囲気に流されずに原則通りに判断し、買いを入れる、という意味です。

 私の経験で言えば「リーマンショックの時の日本の銀行の劣後債」がそうでした。「いくら海外で損失を出したにしても、日本の商業銀行が破たんするはずはない」と思いつつ、うち続く株価下落に、売りが売りを呼ぶ展開というのを前に、「市場が間違っている」というのは非常に勇気が必要でした。その前であればITバブルの崩壊、日本の不良債権問題、あとはアジア通貨危機。当時の私はインドネシアとマレーシア、タイの担当だったので、どちらの時も大変な目に遭いました。どんな目に遭って何を学んだのかは、いずれ書かせていただけるかもしれません。

 こうした出来事を繰り返してとことん学んだのは、「金融市場は混乱が周期的に来るものだ」ということです。そりゃそうだろう、と思われますか? でも、そうだろう、と頭では分かっていても、大波に揺さぶられながら、「お、来たね」と冷静でいられる人はあまりいません。市場の波にさらわれないためにも、「なぜマーケットは荒れるのか」そのメカニズムについて、納得しておいたほうがいいんじゃないでしょうか。今回はその話をしましょう。

 市場の上下動の幅はどのくらいあるのかをまず見ていきます。日経平均は、2015年の1月から12月の1年間で上値と下値にどのくらい幅があったでしょうか。上下で22%なんです。ということは、2010年以降、ボラティリティー(価格変動)が一番小さい、そういう年だったんです。

 だいたい日経平均で30%ぐらい、個別銘柄にすると4割ぐらい、年間のボラティリティー、上下の変動があるわけです。ご自身の予想と比べていかがでしょうか。「案外大きいんだな」と思われませんか?

 新聞やネットの見出しを見ていると、いま、あたかも大波が襲っているように見える日本市場ですが、この程度の動きは実は「普通」とも言えるわけです。

日経平均、TOPIX100、トヨタ株の値動き

過去52週間の高値と安値の中央値からの振れ幅のトレンドをトラックした。日経平均では、2009年以降の平均は約30%となる。
[画像のクリックで拡大表示]
 そもそも、なぜ大きく変動するのか。理由は、市場参加者の構成にあります。「市場参加者って、いったいどういう人達でしょう」とお聞きすると、皆さん「外国人投資家」や「公的基金」などとおっしゃるのですが、私の捉え方はちょっと違うんです。

 まず「“その日”売買をする人」。ある銘柄、たとえばトヨタとしましょうか。トヨタ株を売買する人って、少なくとも売り手側はトヨタの株主ですよね。ショートだったら買い戻しもありますけど、とりあえずここでは無視しておきましょう。

 トヨタの株主は前期末で49万6859人とのことです。まあ50万人ですね。そのうち、ある特定の“その日”に売買する人って一体全体何人でしょうか。直観でたぶん何千人、多くて何万人だと思います。50万人がいきなり50万人全部売買するわけがない。多い日でよくて5%。普段はおそらく1%以下です。実際に計算してみると、昨年に売買されているトヨタの株式数の平均は、全体の0.26%でした。株主数に乗じると、1250人ぐらいになります。

日経平均は1割以下が動かしていた

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トヨタ株は全体の0.26%しか売買されていない

2015年の時価総額と売買代金から算出した
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 1%以下の株主が決めた値段で株が売られ、それが“その日”の株価になるわけです。一方、残りの99%、株主なんですけれどその日は何もしない人は、他人の付けた値段で自分の損益が決まる「利害関係者」になります。

 そして、まったくトヨタと関係ない投資家。トヨタ株を持ってないけどその値動きを見ている人。私は「傍観者」と呼んでいますけれども、まあ観客ですね。市場参加者を、この3種類に分けて見ると、株式市場というゲームの参加者がよく見えてきます。

マクロな状況は、パニックを(必ずしも)説明しない

 このゲームは、先に申し上げたように、周期的な混乱が起こります。そこでパニックを起こす人が一定程度存在します。株価が上がる時も、下がる時もそうです。パニック時にまず動くのは、当たり前ですけれど実際の売買に関わっている人です。株主全体から見ると、多くて1割程度なんですが、この人たちの中のさらにいくらかが、パニックに陥って売ったり買ったりする。かなり少数の人の行動で株価は動くわけです。

 それだけならば値動きは小さいのですが、残りの9割の利害関係者にとっては、1割の人が決めた株価に、自分のP/Lが影響されるわけです。含み損が増えたり、逆に利益が増えたりすることで、大変だとなって次は彼らが反応を起こす。そうすると、場合によっては市場全体が引きずられて動き出す。こうした、少数が起こすパニックが、実は株式相場の上下動を作り出す原因なんです。

 株式投資を始めようという方たちは、世界経済の分析とか、ドル円相場の分析とか、サマーズさんが何を言ったかとか、そういうふうな所与の条件の分析から入って、それが株価を説明すると考えがちです。もちろん、分析自体はいいことなんですが、それ自体が株価の値動きを説明すると思うのは、株式市場のルールを勘違いしています。

 情報だけをいくら集めて分析しても、後付けの説明しかできません。第一、情報戦で勝負が付くなら、機関投資家に勝てるわけがありません。必要なのは、「パニックになった時に株主はどう動くか」を考えることです。そのための情報として、世界経済、業績や為替などの情報を集める、というならば正解です。

 パニックが株価を動かす。だから、「株価というのは行き過ぎるんだ」というのが私の持論です。繰り返しになりますが、株価を付けるのは株主のせいぜい1割。個別銘柄ならば1%以下。市場参加者の中の本当にわずかな人たちが株価に影響を及ぼすわけです。その中には、オーバーリアクションする人が絶対いる。そういった人が、高いにしても安いにしても、行き過ぎた株価を付けるわけですね。

 そこまで理解をしたら、じゃあ、株式投資で何をやるのがいいかというと、信じられないぐらい安い、もしくは高いタイミングがある。そこで買う、あるいは売る。

 また「当たり前じゃないか」と仰るかもしれませんが、これを可能にするには、自分の中に、確固とした判断基準を持っている必要があります。「パニックが行き過ぎているかどうか」を判断する物差しが必要なんですね。

 ちょっと理屈が長くなってしまいました。続きは次回に書かせていただくこととして、せっかくですので当面の市場をどう見るか、考えてみましょう。

12カ月先の業績予想推移を市場間で比較

日本企業の業績予想は国際的に見ても高めに推移
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 1月29日の日銀のマイナス金利の導入によって日本株市場は大きく戻りつつありました。我々は、1月中旬に日経平均で1万7000円以下の日本株は売られ過ぎと考えていたため、何かをきっかけにして株価は上昇に転じるだろうと考えていました。日銀のマイナス金利の導入を予期していたわけではなかったのですが、外国人投資家がパニックに近い状態で日本株を売っていたことから、日本株の反発は近いと考えていたわけです。
ツッコミ役は外国人投資家

 先ほどお話しした考え方を当てはめて言えば、日本株市場では、外国人投資家が上値にしろ下値にしろ行き過ぎた株価を作る張本人なのです。

外国人投資家の売買推移

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 2015年の1〜6月まで、外国人投資家は先物と現物を合わせて日本株を約3.7兆円買い越しました。その後は約9.5兆円を売り越しています。外国人投資家が一部上場の約30%の株式を保有しているということを考えると、TOPIXの時価総額は約600兆円ですから、その30%は約180兆円となり、9.5兆円の売り越しということは、外国人投資家は保有している日本株のうち5.2%程度を売却したということになります。

 過去を見てみると、ここまで外国人投資家による日本株の売りが続いたことは、実はリーマンショック時にすらありませんでした。まして、2015年の日本企業の業績予想は世界のほかの市場に比べても堅調を維持していたのに、です。

「(一部の)外国人投資家が世界景気に対して(過度に)弱気になり、景気敏感と見られている日本株を大きく売りに来た。その流れに投資家全体が巻き込まれている」という図が見て取れます。

 繰り返しになりますが、株式市場では「実際に売買する人」の一部が、残りの株主である「利害関係者」の利害を決めてしまうわけです。よって、一旦悪材料が出ると、残りの「利害関係者」がどう思うのか?ということが次の問題になります。

 もし、いち早く売り抜けたほうがよいという連想ゲームが起これば、株価は実態の企業価値から大きく離れたところまで下落します(逆もしかりです)。

 よって、下に行き過ぎた株価は何かをきっかけに戻ることになるだろうと考えていました。そこに、今回の日銀のマイナス金利導入という明らかな支援材料がありました。市場は、行き過ぎた悲観論の巻き戻しを期待していた、そこに黒田日銀総裁の発表がはまったのです。

 日経平均はいったん大きく戻しました。実は、それを受けて最初に書いた原稿では、「足元の2015年10〜12月期の決算は決して良いとは言えず、2017年3月期の企業業績は良くて1ケタの増益であることを示唆しています。よって、今年の日本株相場は下値を拾って、上値できちんと売ることのできる個人投資家が有利なのではないか、と思います」としていました。が、時遅く、日銀の力だけでは世界経済の4つの懸念、すなわち、原油価格下落の影響、中国経済の後退、米国の利上げのマイナス影響、世界の社債市場の下落、を払しょくすることができなかったため、日経平均は近年まれに見る大幅な下落に見舞われました。原稿執筆時には一時日経平均で1万5000円を割るところまで売り込まれています。

 これから発表される、2016年3月期の企業収益も円高の影響で弱いことが予想され、5月に出てくる企業の2017年3月期の業績予想も減益予想が多くなることは想像に難くありません。よって、機関投資家はなかなか買い向かう理由が見当たらないと思います。

「常に勝負」を強いられないことこそ、個人投資家の強み

 2016年は、今回のようなひとつひとつの事象に対して市場(の一部)がヒステリックに反応する、大荒れの年になると予想しています。「常に勝負しなくてもよい」個人投資家は、こうした荒れる相場では有利です。

 自らの仕事上のポジションに捉われず、買いたくなければ買わなくていい。そうした投資家は絶好の投資機会を「待つ」ことが可能です。その時点までは利害関係者ではないので損益による影響もなく、パニックに襲われずに、「投資として魅力的かどうか」という判断を冷静に下すことが可能なのです。

 確かに、円高によって日本企業の2017年3月期の業績はいったん減益を織り込まざるを得なくなると思います。しかし、仮に10%減益という大きめの減益を計算に入れたとしても、現在の株価は日経平均で15倍、TOPIXで13倍程度と過去に外国人投資家が「日本企業の覚醒」と言って買っていた17-19倍のPERよりもかなり低いのです。2016年3月期に大きな減損などで減益になっている会社の中から、2017年3月期の業績リバウントが期待できる銘柄を選んで腰を据えて投資する良いチャンスではないか、と考えています。

 「マーケットは年間、上下に30〜40%動くのだ」という認識を持ち、そして、一部の人が慌てるだけで、上にも下にも行き過ぎる。これが株式市場の実態であり、それを知ったうえで投資に臨んでいただきたいと思っています。

このコラムについて
市場は「晴れ、ときどき台風」

いわゆる「アナリスト」や「経済評論家」ではなく、「実際に売買の現場にいる人」が書く、市場の動きと未来予測です。筆者はUBS証券ウェルス・マネジメント本部日本株リサーチヘッドの居林通さん。そのときそのときの相場の動きと、金融市場全体に通底する考え方の両面から、「パニックに流されず、パニックを利用する」手法を学んでいきましょう。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/020500004/020800001/?ST=print

ジム・ロジャーズ氏「中央銀行はパニック状態」リーマンショックよりもっとひどい時代がやってくる

2016年2月15日(月)武田 安恵


 2016年2月12日、1年4カ月ぶりに日経平均株価が1万5000円を割れ、為替相場では1ドル110円をつけるなど、急速に円高が進行している。世界的に続く金融市場の混乱を受けて、米FRB(連邦準備理事会)が追加利上げのペースを遅らせることを示唆するなど、これまで堅調と見られていた米国経済の先行きに不透明感が高まり、混乱が一層加速した模様だ。
 中国経済の減速懸念とそれに伴う資源価格の下落は、これまでプラス成長を見込んでいた先進諸国の実体経済を「負の連鎖」に引き込もうとしている。不透明感が強まる世界の金融市場は、実体経済にどれだけ影響を及ぼすのか。投資家は今後どう動くべきなのか。日経ビジネスはシンガポール在住の米著名投資家、ジム・ロジャーズ氏に電話で緊急取材。ロジャーズ氏は大荒れの世界経済に対し「世界の中央銀行は市場をコントロールできなくなっている」と話す。(聞き手は武田安恵)
今年に入って日本では日本銀行(日銀)がマイナス金利の導入を発表するなど、一層の金融緩和に踏み切っています。


ジム・ロジャース氏
1942年米国メリーランド州生まれ。70年代に、米投資家ジョージ・ソロスと共に国際投資会社を設立し、 10年間の間に得たリターンは3000%以上だった。その後、わずか37歳でファンドマネジャーを引退し、世界一周の旅に出、「冒険投資家」の異名をもつ。コモディティー価格の上昇、中国の経済成長をいち早く予見した。2007年に米ニューヨークの自宅を売却し、家族でシンガポールに移住。2人の子供は流暢な中国語を話す。(写真:的野 弘路、以下同)

ジム・ロジャーズ氏(以下ロジャーズ):マイナス金利はこれまでECB(欧州中央銀行)で導入の実績があるけれど、その後ECBが金融市場をよい方向にコントロールできているとは思わないね。

 ミスター黒田は、日本以外での実績も見込んで導入に踏み切ったのだろうけれど、私はこれが日本経済、そして世界経済にとってもプラスになることは何1つないと思っている。時間の無駄だよ。混乱を一時的に回避する手段にはなるかもしれないけれど、根本的な解決にはなっていない。

 マイナス金利の導入を決定して以降、日本の債券も株も、非常に値動きが荒くなっている。だがこれは日本に限ったことではない。世界中で起こっていることだ。私は世界中でこの混乱状態がもう2〜3年は続くだろうと見ている。どの国の株式に対しても、私は楽観的ではない。

世界経済の混乱の発端は、中国経済の減速と見られていますが。

ロジャーズ:中国のせい? 私はそうは思っていない。中国だって混乱で苦しんでいる国の1つだ。今回の騒動の諸悪の根源はすべてワシントンにある。米国はここ数年、大量の紙幣を刷り、金利を歴史的にこれまでなかった水準にまで引き下げた。

「中国だって被害者だ」

 人々は貯金しても金利がつかないから、いろんな所に投資するようになった。将来に備えて蓄えようと人々がお金を預けた年金や保険の運用担当者も皆、世界中の株や債券、不動産に投資した。これが何を意味するのか。確かに資産価格は上昇するだろうよ。でも、結果的に国の債務が増えるだけで、実体は何も残らなかったのだ。

 そして今、米国は資金を引き揚げようとしている。金利を上げることによってね。これまでやってきたことのツケが今、大きな混乱となって世界を襲っているのだ。中国だって被害者なのだよ。

しかし、中国政府の過去の景気対策が中国企業の過剰投資を生み、中国の債務を増やした側面もあります。本当に中国が原因ではないのでしょうか。


ロジャーズ:2008年のリーマンショックの際、確かに中国政府は大量の資金を使って企業の救済に動いた。景気対策の資金がバブルを生み、ツケを残したとの見方があるが、米国がこれまでに発行した国債の量と比べれば、低い水準だ。それに中国には蓄えがある。個人の貯蓄率は依然、高いレベルを保っている。米国の個人とは違う。

 確かに中国株は去年急落したけれども、長期的に見れば、経済成長に多少のアップダウンは付きものだ。一本調子で成長する国なんてないからね。中国経済の減速を世界経済の混乱の要因とする見方には、賛成できない。

「調整局面はだらだらと2年は続く」

 中国だって世界中の国と貿易している。世界経済が減速しているのだから、中国だって影響を受けざるを得ないだろう。

 米国が金利を上げれば、大量の投資資金が引き揚げられる。中国経済にとってダメージにならないわけがない。

世界の中央銀行は今後どのようにして混乱を収めていくのでしょうか。

ロジャーズ:大量に紙幣を刷り、金利を引き下げ、資産を買い入れ、マイナス金利も導入した。世界の中央銀行は今、パニックになってあらゆる策を講じている。でも効かない。

 躍起になればなるほどマーケットは荒れる。低金利だった時間が長ければ長いほど、そこから脱出するための時間も長くかかる。この調整局面はもうしばらく数年はだらだらと続くだろう。少なくとも2年はかかる、いやもっとかかるかもしれない。

 日本がいい例だ。低迷する日本経済を救済すべく、日銀は金利をゼロにした。銀行や会社を潰さないようにね。でも、それは現実から目を背けることにしかならなかった。金融政策によって作り出された人工的な市場は、結果的に問題を先送りしてきただけだ。

ずいぶんと悲観的なシナリオをお持ちですね。

ロジャーズ:「悲観的」なんて言わないでくれよ。私はリアリストだ。現実を直視し、今起こっていることを話しているだけだ。もう一度言っておくが、これは始まりに過ぎない。

 日本はもう景気後退期に差しさしかかっている。すでに調整は始まっているのだ。2008年のリーマンショックの時より深刻な状況になるかもしれない。債務は当時より膨らんでいるのだから。

一方で、原油価格の下落が続いています。


ロジャーズ:原油価格は今年中に悪材料が出尽くして底をつけ、今後3〜4年かけてまた上昇すると見ている。

 今、価格下落でどこの石油会社も石油の採掘をストップしている。供給が抑えられているから、いずれ原油は不足してくるはずだ。だから価格は上がる。

こうした局面で、投資家はどう動くべきなのでしょうか。

ロジャーズ:私は今、何も動いていない。どの国の株式も債券も危険すぎる。短期トレーダーでない限り、手を出してはだめだ。

「日本はもう売り時」

 通貨に関しては米ドル、日本円、人民元を保有しているが、日本円はもう売り時と考えていて、来週には売ってしまおうと思っている。だいぶ円高に動いたからね。

 ただ、前々からの持論だが、農業関連の資産に投資するのは有効だと思っている。安全資産と言われている金は、最近また価格が上がり始めているが、価格が1トロイオンス1000ドルを下回らなければ投資する価値はないと思っている。

このコラムについて
ニュースを斬る

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/021200253/?ST=print




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