【ＮＱＮニューヨーク＝横内理恵】10日のニューヨーク外国為替市場で円相場が急伸した。対ドルでは３日続伸し、前日比１円80銭円高・ドル安の１ドル＝113円30〜40銭で取引を終えた。米株式市場でのダウ工業株30種平均の続落などを受けて市場参加者のリスク回避姿勢が強まり、低金利の円が買われる流れが続いた。損失限定が目的の円買いも巻き込んで一時は113円10銭と2014年11月３日以来、約１年３カ月ぶりの高値を付けた。

　イエレン米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長の議会証言は株式などリスク資産の下げに歯止めをかけて円高進行を抑える内容ではなかったと受け止められた。イエレン議長は「海外経済の動向が米景気のリスクとなりうる」などと述べ、金融市場や海外情勢の先行きを注視する姿勢を示した。ただ次回の利上げ時期については特に言及せず、緩やかな引き締めで金融正常化を進めるとの姿勢は保った。

　ニューヨーク原油先物相場が下落し、一時180ドル超上げていたダウ平均も下げに転じて終えた。米10年債利回りの低下も続き、世界景気に対する不透明感が意識されやすかった。午後にかけて円買い・ドル売りの勢いが増した。

　円の安値は115円20銭だった。

　円は対ユーロで急反発し、前日比２円ちょうど円高・ユーロ安の１ユーロ＝127円95銭〜128円05銭で取引を終えた。原油先物やダウ平均の下げなどを受けて投資家心理が悪化し、対ユーロでも円が買われやすかった。

　ユーロは対ドルで３営業日ぶりに小反落し、前日比0.0005ドル安い１ユーロ＝1.1285〜95ドルで終えた。イエレン議長の議会証言を受け、米国とユーロ圏の金融政策の方向の違いが意識されてユーロが売られた。ただ、ダウ平均の下落などを受けて低金利通貨であるユーロに買いが入る場面もあり、ユーロの下値は堅かった。

　ニューヨーク市場でのユーロの安値は1.1161ドル、高値は1.1299ドルだった。

http://www.nikkei.com/markets/kawase/summary.aspx?g=DGXLASM7IAA05_11022016000000

　【シドニー＝岡田徹哉】11日のシドニー外国為替市場は、円相場は前日同時点（115円〜115円10銭）から1円75銭円高・ドル安の１ドル＝113円25〜35銭で始まった。

　米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長の議会証言が、３月利上げの可能性が急速に低下したと受け止められ、低リスク通貨とされる円に資金が逃避している。

　ユーロ円相場は前日同時点（129円85〜95銭）から１円90銭円高・ユーロ安の１ユーロ＝127円95〜128円05銭で推移している。

　オーストラリア（豪）ドルは、対円で前日同時点（81円25〜35銭）から75銭円高・豪ドル安の１豪ドル＝80円50〜60銭で推移している。対ドルでは前日同時点（0.7060〜0.7070ドル）から反発し、0.7105〜0.7115ドルで始まった。

　ニュージーランド（ＮＺ）ドルは、対円で前日同時点（76円20〜30銭）から45銭円高・ＮＺドル安の１ＮＺドル＝75円75〜85銭で推移している。対ドルでは前日同時点（0.6625〜0.6635ドル）から続伸し、１ＮＺドル＝0.6680〜0.6690ドルで始まった。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK11H09_R10C16A2000000/

　【ニューヨーク＝米州総局】11日のシドニー外国為替市場で、円買い・ドル売りが活発化した。円は一時１ドル＝112円台半ばまで上昇し、2014年11月以来、約１年３カ月ぶりの高値を更新した。

　株安などを受けて市場参加者のリスク回避姿勢が強まり、円買いが優勢になったニューヨーク市場の流れを引き継いだ。心理的節目の113円ちょうどより円高になると、円買いの動きが加速。一時は112円51銭程度まで上昇する場面があった。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK11H1B_R10C16A2000000/?dg=1

　円高・ドル安の勢いが止まらなくなってきた。日本時間11日午後５時40分ごろの欧州外国為替市場で一時１ドル＝110円台後半に上昇し、日銀が追加金融緩和に踏み切った2014年10月31日以来の高値を付けた。円相場は日銀がマイナス金利政策を導入した今年１月29日に付けた１ドル＝121円70銭から約２週間で11円近く上昇している。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGF11H0A_R10C16A2000000/