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2月10日、日本株が下げ止まらない。商いが膨らまず、いわゆる「セリング・クライマックス」がないまま下値を切り下げている。写真は都内の株価ボード(2016年 ロイター/THOMAS PETER)
クライマックスなき株急落、海外勢の売り攻勢でも商い膨らまず
http://jp.reuters.com/article/kabutocho-watcher-idJPKCN0VJ0WM
2016年 02月 10日 19:18 JST
[東京 10日 ロイター] - 日本株が下げ止まらない。商いが膨らまず、いわゆる「セリング・クライマックス」がないまま下値を切り下げている。CTA(商品投資顧問業者)など海外短期筋が売り攻勢をかけているが、期末を控えた国内の機関投資家や株価急落で痛手を負った個人投資家は動けないままだ。自律反発の力は弱く、一段安のリスクをはらんでいる。
<成績好調のCTAが売りの中心か>
年初からの世界的な大荒れ相場で、海外のヘッジファンドも損失を被った。米ヘッジファンド調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)が発表したデータによると、ヘッジファンド業界全体の運用成績を示す「HFRIファンド加重総合指数」は、1月に1.72%低下し、08年の金融危機以降、1月としては最悪の水準となった。
しかし、数少ないがプラスの成績を残したヘッジファンドもある。商品先物や為替、株価指数先物などを組み合わせたトレンドフォロー型の運用手法で知られるCTAだ。株式ロング・ショートやイベントドリブンなどが軒並みマイナスに沈むなか、CTA指数はプラス4.95%と好調な成績を残した。
日経平均.N225は年初から17.4%の下落。1万6000円を割り込み、2014年10月31日の日銀追加緩和後の上昇分をすべて失ったが、売りの中心はこのCTAとの見方が出ている。「原油価格など商品市況や為替などと組み合わせたトレードが好パフォーマンスにつながり、CTAなど短期筋の売買に拍車がかかっている」(準大手証券)という。
東証・大取が発表している投資主体別売買動向によると、海外投資家は足元の株安が始まった昨年12月以降、日本株を4兆2072億円売り越した。そのうち、現物の売り越し額1兆0225億円に対し、先物は3兆1847億円と約3倍にのぼる。海外短期筋は先物を使う傾向がある。
<海外投資家には円高もマイナス>
短期筋以外の海外勢にとっても、日本株を売るインセンティブが強まっている。足元の円高進行だ。
1つは企業収益への悪影響に対する懸念。例えば、トヨタ自動車(7203.T)は今期最高益を見込むが、通期の想定為替レートは1ドル120円と現値から5円以上、円安の水準にある。このまま円高が進めば、来期減益との見方が強まりかねない。
仏アムンディ・アセットマネジメントのエクイティ・グローバルヘッド、ロマン・ブシェ氏は「経済的視点からはアベノミクスはまだ効いているとは思うが、企業財務の視点からは円相場の下落トレンドは既に終わったと認めざるを得ない。つまり(日本企業の)1株利益が今の水準からさらに上昇すると予想するのは困難ということだ」と述べる。
さらに海外投資家にとっては、円高は日本株の投資パフォーマンスも悪くする。
ドル建て日経平均は10日、一時134ドル台まで下落し、2013年4月、同年10月、今年1月と3度下げ止まった136ドルの価格水準を一時割り込んだ。引け値では切り返したが、同水準を下回るとロスカットの売りが膨らみかねないと懸念されている。
<買い手不在の日本株>
こうした海外勢の売りに対し、国内勢を中心とした買いの抵抗力は弱い。
逆張り志向の個人投資家には「バーゲンハントの動きが一向に見えない」(国内証券トレーダー)という。
松井証券が独自で算出している信用買いの評価損益率は9日、マイナス20%に下落した。追い証発生が懸念される同水準まで下落したのは1月21日に続き今年2度目。「たび重なる追い証発生で、個人投資家は自主的にポジションを縮小しており、下げても買い気が乏しい」(松井証券・シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏)という。
さらに国内機関投資家は「3月期末を前に動きにくい」(国内投信の運用担当者)という事情がある。日銀は連日のようにETF(上場投信)の買い入れを実施し、国内年金勢によるリバランス買いなども観測されているが、総じて国内勢の買いの動きは鈍い。
10日の東証1部の売買代金は、3兆5368億円と今年3番目の大きさだった。だが、昨年8月の急落相場にいったん歯止めが掛かった8月25日の4兆9240億円と比べて、1兆円以上少ない。日経平均は2日間で1300円近く下げたが「セリングクライマックスの感じは乏しい」(国内証券)という。
日本株に対し「割安」や「売られ過ぎ」との声は多く聞かれるが、欧州銀行に対する信用不安や世界経済に対する減速懸念などから、市場はリスクオフムードに包まれたままだ。買い手不在の中では大幅な戻りは期待できず、さらなる下振れも警戒されている。
(杉山容俊 取材協力:植竹知子 編集:伊賀大記)
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