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「きょうだいリスク」の解決策は、問題を「家族という檻に閉じ込めないこと」だという(写真はイメージ)
ニートの姉の将来は誰がみるのか?「きょうだいリスク」という新たな問題〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160208-00000011-sasahi-soci
dot. 2月8日(月)16時11分配信
小中学生の子ども3人を育てる女性(47)の目下の不安は、姉(50)だ。独身で、ほぼ無業、いわゆるニートだ。親の庇護のもとに実家暮らし。掃除や洗濯も70代の母の役目で、金銭的にも親に頼り切っている。大手企業に勤めていた父親は、姉の将来を見越してマンションを購入し、姉の将来の生活費も残すという。
「将来、仮に金銭的には何とかなるにしても、自分のことをやったことのない姉が、親が亡くなった後、一人で暮らしていけるのか……」
親亡き後、頼れる身内は自分だけだ。女性は子育てに追われながらも、将来の姉のことを思うと不安が募る。
自営業で働く独身の50代の女性には、7歳上の兄がいる。兄は父親とそりが合わず、若い頃に実家を出たきりだ。兄は結婚しているが、子どもはいない。アルツハイマーの母の介護と3年前に亡くなった父の世話は、ずっと女性一人が担ってきた。それなのに父親が亡くなると、兄夫婦は家賃がかからない実家暮らしを希望して、実家に頻繁に押しかけてきた。兄は収入が不安定で、さらに不動産のローンも抱えている。親の介護の負担は全く担わなかったのに、実家の財産だけをあてにしているのだ。
「兄の話をするだけで怒りが込み上げてくる。同居したら、兄の介護まで私が担わされる。そんなことをしたら、延々と介護をするだけで私の人生が終わってしまう」
2月12日に発売される『きょうだいリスク――無職の弟、非婚の姉の将来は誰がみる?』(平山亮・古川雅子著、朝日新書)には、上記のような、きょうだいに不安や悩みを抱える人たちがたくさん登場する。
これら「きょうだいリスク」が起こる背景は何なのか。著者でノンフィクションライターの古川雅子さんは、「非正規化」と「非婚化」があると指摘する。総務省の「就業構造基本調査」によると、日本における非正規雇用者の割合は2014年には37.4%と大きく上昇した。実に3人に1人が非正規だ。また、「生涯未婚率」も上昇。国立社会保障・人口問題研究所の統計によると、10年の生涯未婚率は男性20.14%、女性10.61%だ。
雇用も不安定で、結婚もしていない「持たざるきょうだい」が増えているというわけだ。
ただ、この問題は、「親」という防波堤が現在、かろうじて深刻化を防いでいるとも言える。親は、右肩上がりの給料や手厚い年金に守られた世代。ニートやひきこもりなどの子どもが大人になっても、親が支えているケースは多い。だが、その防波堤がなくなったとしたら――。
支えるのはきょうだいだろう。だが、同世代のきょうだいもまた、不安定な雇用にあえぎ、自分自身の生活を支えるのがやっとのケースも多いのだ。
著者で社会学者の平山亮さんは、現在の40、50代を「きょうだい不安世代」と名づけた。雇用が不安定なうえ、「家族は支え合うべきものだ」という戦後の親の価値観を刷り込まれた世代。「1億総中流」は崩れたのに、家族やきょうだいは平等であるという幻想を抱かされている。それなのに現実には、深刻な「きょうだい格差」も存在する。
これらの問題を解決するには、問題を「家族という檻に閉じ込めないこと」と平山さんは本書で指摘している。
「老いや貧困といった問題の解決が、過重に家族に期待されている社会の在り方にこそ問題がある。そのなかで、親きょうだいが骨肉相食む状態となり、やがては家族を丸ごと崩壊させる。頼りにできる先が、家族以外にも社会の中にいくつもあり、自由に選べること。そうならなくては、世代間(親・子)、世代内(きょうだい)に起こる家族の軋轢を根本的に取り除くことは難しいでしょう」
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