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物価上昇率2%の達成に必至な黒田東彦日銀総裁 (c)朝日新聞社
“劇薬”マイナス金利の衝撃 アベノミクスに黄信号〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160204-00000001-sasahi-bus_all
週刊朝日 2016年2月12日号
安倍晋三首相の盟友、甘利明・前経済再生相の電撃辞任は、無敵だった政権の屋台骨を揺るがす一大事となった。辞任直後、日本銀行が「マイナス金利」という“禁じ手”に踏み切ったにもかかわらず、株価は乱高下。TPPの行方も混沌としてきた。今後の政局の行方は──。
株価が下がり続けていた1月下旬、都内の証券会社で働くストラテジストのもとには海外のヘッジファンドからの問い合わせが殺到していた。当然、株価の行方かと思いきや……、
「それが甘利大臣についてなんだよ。甘利さんが辞めた場合、アベノミクスの進捗(しんちょく)は問題ないのか、安倍さんの長期政権は続くのかってね」
それだけ甘利氏の安倍政権での功績が大きかったということだろう。甘利氏はTPP交渉に、マイナンバー導入に、そして、経済界に働きかけて2年連続で2%以上の賃上げを実現した功労者と言われている。
だが、1月21日発売の週刊文春に違法献金疑惑を報じられ、「政治とカネ」の問題に耐えきれずに辞任。それから一夜明けた29日午前の日経平均株価は若干下げたが、影響は軽微だった。
「辞任したといってもTPPは大筋合意しているし、そのほかの経済政策も軌道に乗っている。辞任しても政策がなくなるわけじゃない」(冒頭のストラテジスト)
29日は奇遇にも日本銀行の金融政策が発表される日だった。だが今回、市場関係者の多くは追加の金融緩和はないと見ていたと言っていいだろう。そこに、まさかのマイナス金利導入の発表だ。マイナス金利は欧州ではすでに導入されているが、日本では史上初。
「想像すらしていなかったね。甘利さんの辞任の影響でしょうか。甘利さんの辞任よりマイナス金利だよ。今日は一日、大忙し。売買に追われたよ」(国内証券ディーラー)
官邸からも歓迎のコメントが相次いだ。
マイナス金利とは、預けているほうが金利を払うというもの。今回は銀行が日銀に預ける際、一部に0.1%の金利を支払うとの内容だった。つまり、銀行が日銀にお金を必要以上に預けた場合、0.1%の利子を取られるのだ。
マイナス金利にすれば、銀行が日銀に預けずに企業の設備投資など貸し出しに回すようになることや、住宅ローンや車のローン金利が下がることが考えられる。マネタリーベース(市場に流れるお金の量)の増額、長期国債の保有残高の拡大などの緩和策を取っていた日銀だったが、さらに踏み込んだ緩和をした格好だ。
今後の景気浮揚の期待感もあって、29日の日経平均株価は大幅反発し、前日比476円高の1万7518円で終えた。欧州ではマイナス金利導入以降、経済は緩やかに回復している。だが、「マイナス金利は劇薬。政策として踏み込みすぎ」(市場関係者)との声があるのも事実だ。みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は言う。
「欧州と異なり、日本では企業の資金借り入れ需要は、そんなに多くありません。マイナス金利にしても、金融機関から企業などへの貸し出しが増えて経済を浮揚させるというルートは成り立ちにくいでしょう」
リスクや副作用が伴うことも否めない。
「日銀が市場に踏み込みすぎることで財政規律が弛緩する、貸し出しもできず預金の運用が難しくなった銀行が無理な投機に走る、などの問題が出てくる可能性があります。『臨床試験が不十分なまま新薬を投与するかのような実験的な政策』で危うい」(上野氏)
マイナス金利の次は、どのような手で日銀は市場を驚かすのか。
(本誌・小泉耕平、永野原梨香)
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