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黒田バズーカ第3弾、マイナス金利で儲かる銘柄はコレ!?(会社四季報オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/172.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 01 日 23:57:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

            まさかのマイナス金利で銀行株は売られたが、実は追い風になる銀行も


黒田バズーカ第3弾、マイナス金利で儲かる銘柄はコレ!?
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20160201-00103135-shikiho-nb
会社四季報オンライン 2016/2/1 22:06 藤本 誠之


 まいど、相場の福の神こと藤本です。株式相場で勝つには、「半歩先読み」が重要です。

 1月29日(金)に黒田日本銀行総裁が、マーケットがまったく想定していなかった「マイナス金利」という手を打ってきました。タイミングとしては、「黒田バズーカ第3弾」を想定した投資家は多かったようですが、「マイナス金利」はまさかのサプライズでした。

 株式市場は29日の場中は乱高下したものの、日経平均株価の大引けは476円高の大幅プラス。2月1日には東証1部の売買代金が3兆8500億円に達し、超重量級の新日鉄住金 <5401> が一時10%を超えて上昇するなど、バズーカ3を好感した形となっています。

 一方、銀行や保険など、マイナス金利が不利になる業種の銘柄は大きく売られており、借入金が大きく低金利のメリットを受ける不動産関連銘柄などは、大きく買われています。

 今回は、相場の福の神が考える「マイナス金利で儲かる銘柄」を3銘柄ご紹介いたしましょう。

■ 日本商業開発(3252、東証1部)

 大阪市中央区今橋に本社がある不動産投資会社です。食品スーパーやホームセンター、家電量販店などの流通企業と組んで、同社が購入した不動産を20年の定期借地権契約で流通企業に貸し出します。10年間は固定賃料で契約を行って4%程度の投資収益を確保し、REIT(不動産投信)や年金基金など、不動産の中・長期投資を行う投資家に売却します。土地の買い値と売り値のサヤが、日本商業開発の収益となります。

 土地の仕入れから売却までを1人の担当者に任せ、収益の数%をボーナスとして担当者に支払います。担当者はできるだけ安く購入して高く売ることが自分のボーナスを増やす結果につながるため、無理な仕入れや販売はしなくなります。
 ちなみに四季報をみると前期の平均年収はちょうど1000万円(47.1歳)。スクリーニングしたところ全上場企業中53位とかなり上位に食い込んでいました。

 最初から借り手のいる土地を買い、それを転売するだけなので、不動産相場に比較的左右され難いビジネスモデルとなっており、ニッチなビジネスですが、ほぼ競合がいなくて市場を独占するニッチトップ銘柄です。

 ■福の神チェックポイント

 銀行からの借入金で不動産を買収しているため、金利低下メリットを享受できます。また、底地の販売先であるREITや年金基金にとっては金利低下により、同社の提案する4%強の投資収益が見込める底地購入が相対的に魅力度を増すため、販売面でも大きな追い風となりそうです。

 株価の予想配当利回りが2.6%超と高く、300株保有(投資金額51万円)で3000円相当のジェフグルメカードが年2回もらえる株主優待など、インカムゲインも魅力的です。

 ■株式データ
株価 1,690円
単元株数 100株
予想PER(連) 8.43倍
実績PBR(連) 2.53倍
予想配当利回り 2.66%
株主優待利回り 1.18%
時価総額 約280億円

■ セブン銀行(8410、東証1部)

 本社は東京都千代田区丸の内。提携金融機関からのATM手数料を主な収益源とする銀行です。セブン-イレブンは全国の99%以上の店舗にATMを設置しており、保有台数は2万台を超えます。提携金融機関はほぼすべての銀行のほか、信用金庫、信用組合、証券・保険など約600社。海外で発行されたキャッシュカードやクレジットカードなどで日本円を引き出せるサービスも提供しており、インバウンド需要を取り込んでいます。

 ■福の神チェックポイント

 他の銀行と違い、「マイナス金利」が逆風になりません。セブン銀行の資金の主な使途はATMに入れる現金です。マイナス金利になるなど、金利低下は調達コストの引き下げにつながるので、逆に追い風になりそうです。また、マイナス金利で経営が厳しくなる地方銀が増加すれば、子会社である銀行事務受託会社の契約社数が増加しそうです。

 ■株式データ
株価476円
単元株数 100株
予想PER(連) 22.56倍
実績PBR(連) 3.2倍
予想配当利回り 1.68%
時価総額 約6,050億円

■ アルデプロ (8925、東証2部)

 東京都新宿区新宿に本社がある不動産投資会社です。REITや海外投資家などのニーズに基づき、売却の出口戦略を固めたうえで、収益ビルやマンションを買収し、リフォームや管理組合の設立サポートなどにより付加価値を高め販売しています。アルデプロでは、このビジネスを「不動産再活事業」と定義しています。

 ■福の神チェックポイント

 不動産購入は金融機関からの借入金が主なので、金利低下は大きなメリットになります。また、買い手についても低金利下で運用が困難になり、収益ビルや投資用マンションなどの購入が増加し、販売面でも大きな追い風になります。

 ■株式データ
株価 113円
単元株数 100株
予想PER(連) 5.23倍
実績PBR(連) ---
予想配当利回り 0.88%
時価総額 約277億円

 *株価データは2016年2月1日終値ベース

 藤本誠之(ふじもと・のぶゆき)/SBI証券投資調査部シニアマーケットアナリスト。愛称は「相場の福の神」。ITストラテジスト、オールアバウト株式ガイド、阪神タイガースファン。著書に「朝13分で、毎日1万円儲ける株」(明日香出版社)など。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

 

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コメント
 
1. 2016年2月02日 07:47:26 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[225]
宿輪ゼミLIVE 経済・金融の「どうして」を博士がとことん解説
【第28回】 2016年2月2日 宿輪純一 [経済学博士・エコノミスト]
日銀マイナス金利は「ショック療法」黒田日銀総裁の思惑を読む
【宿輪ゼミ・緊急特別講義】
1月29日(金)の金融政策決定会合で、日本銀行は金融政策で量的・質的金融緩和のさらなる手法として、銀行から預かる当座預金にいわゆる「マイナス金利」の導入を決定しました。経済学や金融市場でも、通常、預金の金利(利息・利子)はプラスであるのが当然です。しかし、「マイナス金利」とは、預金をすると逆に金利が取られるというショッキング(異常)な状況です。国内では混乱もあるようです。今回は、金融理論に加え、市場や決済部門での実務経験も踏まえて、日銀のマイナス金利について考察してみます。

日銀当座預金の金利に3つのパターンを設定する
――マイナス金利の仕組み

マイナス金利の仕組みを具体的に見てみましょう。

まず、民間金融機関が日本銀行におカネを預ける「日銀当座預金」を(1)プラス金利適用部分、(2)ゼロ金利適用部分と、今回新設する(3)マイナス金利適用部分に分けます。

(1)のプラス金利適用部分とは、日本銀行の「量的・質的金融緩和」の下で各金融機関が預けている預金残高(いわゆるマネタリーベース)で、0.1%の金利が適用されます。(2)ゼロ金利適用部分とは、各金融機関が預金保護のために預けている、いわゆる準備預金と、日銀が政策的に行っている貸出支援基金や被災地金融機関支援など公的資金の金額で、これはゼロ金利となり、さらにタイミングを見てその部分を増加させることになっています。(3)マイナス金利適用部分とは、前述2つの部分を上回る部分で、マイナス0.1%の金利が適用されます。今回、このマイナス金利の部分が新設されたのです。

この「マイナス金利」は金融機関に対してだけで、一般の企業や個人の顧客に影響はありません。筆者の経験では、邦銀勤務時代、例えばスイスの銀行に邦銀として口座を開いていましたが、この口座にも同様に「マイナス金利」が負荷されます。あくまで「金融機関間」のみに適用されるルールなのです。

欧州の先行事例に学ぶ
――マイナス金利の目的

これまでの「マイナス金利」の事例をみてみましょう。すべて欧州で、デンマーク(2012年7月導入)、ECB(欧州中央銀行/2014年6月導入)、スイス(2014年12月導入)、スウェーデン(2015年2月)の4つの中央銀行がマイナス金利を導入しました。ちなみに、米国はマイナス金利を導入せず、量的金融緩和からの出口に向かって、金利を引き上げ「正常化」させつつあります。

その欧州におけるマイナス金利の導入目的ですが、まず、「マクロ経済における為替レートとインフレ率」に関する部分で、(1)自国通貨を保有させないことによって、自国通貨高を回避すること、(2)自国通貨安にすることによってインフレをもたらすことです。また、「民間金融機関の行動」に関する部分で、当座預金残高を減らし、それを(3)融資に回すこと、また(4)国債など証券投資に回すことです。

デンマークとスイス・スウェーデンは、(1)と(2)を目的として、欧州においてユーロが下落する中、資金が流入することによる自国通貨の高騰を防止しました。もちろん、輸入価格の上昇によってインフレ率も上げることとなりました。

ECBの場合には、(3)と(4)が目的で、そのころユーロ域内の金融機関は、企業の信用状況が悪化し融資に対して消極的であったこと、そして同様に、ギリシャなどユーロ域内の国々の(信用が低下した)国債への投資を回避していたことへの対策でした。しかし、銀行経営はそういうものではありません。結果として融資の基準が緩み、欧州の大銀行ですら不良債権が増大し経営がさらに悪化することとなりました。

日銀マイナス金利の目的と効果を考える

欧州の事例を踏まえ、今回の日本銀行の「マイナス金利」導入を考察してみましょう。

(1)円安誘導(為替レート)
確かに、本連載(第22回)でも書きましたが、日本銀行が金融緩和を実施する本当の目的は、上記の欧州の中央銀行と同様に円高防止の時であると考えています。ちなみに、今回のアベノミクスの一環としての量的・質的金融緩和の目的は、円高防止・円安誘導とも考えられます(アベノミクスの円安で、景気が回復しなかったのは、すでに製造業が海外に移転し、円安・輸出増加のプロセスが景気に与える影響が20年前の約4分の1になっているからです)。

今回も中国株の混乱と原油価格の底割れによって、低リスク通貨とされる円が買われ、115円を前にしたので、この理由は考えられます。

(2)物価上昇
円安に向かえば効果は少ないのですが、輸入物価の上昇によって物価安定目標(2%上昇)には、ある程度はプラスには向かいます。しかし、原油価格がこれだけ下落する中でどれだけの効果があるでしょうか。

(3)融資の拡大
この部分は、無理があります。先ほど少し書きましたが、欧州は融資が慎重姿勢だったのに対して、日本の金融機関は、メガバンクも地銀等も貸出競争を行っているような状態です。今さら、効果はありませんが、無理をすればさらに貸出金利が下がり、金融機関の収益を圧迫する可能性は特に十分あります。とくに地方金融機関に対する影響は否めません。

(4)国債の購入
国債市場はすでに需給がタイトになっています。国債の新発債は毎年約40兆円ですが、毎年80兆円購入しているからです。現在、日本銀行が発行額の約3割を保有しており、このままだとあと2〜3年で国債市場は枯渇します。今回のマイナス金利で、金融機関はさらに国債を購入することとなり、さらに一層国債市場の枯渇は早まります。この動きは国債発行額の増大への動機を与え、財政再建に逆行することにつながります。

筆者の経験でも、マイナス金利の預金が増えると、一時的に6ヵ月物等の金融機関間の資金貸出し(ローン)に回します。したがって短期から長中期までの金利の体系が全体として下げることになります。この資金と国債への資金流入によって、すでに5年物国債までマイナス金利になっています。

黒田日銀総裁による「ショック療法」の意味

筆者は経済政策と「医療」は似ていると考えています。その本当の効能も大事ですが、経済政策を国民が理解していないと、効き目も限られます。黒田東彦日銀総裁もけっして思いつきで行ったのではないでしょう。だとすると、その目的は何でしょうか。

今回の「マイナス金利」導入は、上記のように日本においては景気回復や物価上昇への効果は薄いことが分かります。それならばなぜこのようなショッキングな「マイナス金利」導入を行ったのでしょうか。

もともと、黒田総裁は、人や市場に押されて行動するのが嫌いな方でした。彼は財務官で為替介入も担当しており、介入の効き目があるのは不意を衝くこと(サプライズ)であることを十分に知っています。ですから今回も不意を突いたのでしょう。

さらにいえば、今回の「マイナス金利」導入の効果は確かに不意を突いたわけですが、その「ショック療法」を、金融政策決定会合でもあれだけの反対の中、無理にとも思えるやり方で導入したのはなぜでしょうか。それは、効き目がどうなるかわからないが、とにかく、ショックを与えることだったのでしょう。

このショック療法の意味を考えてみましょう。それは、自ら現状維持政策を旨としている「政府」に真剣な経済の構造改革の動きを促していると考えられるのではないでしょうか。「こんなに無理をしてまで日銀はやっているよ」ということを政府に示したのではないでしょうか。そういう意味では、とにかく強いやる気を示し、なんとなくの強い期待を盛り上げたと考えられます。麻生太郎財務相もよく言っていますが「金融政策にできることは限られている」のですから。政治的にも、春闘前のタイミングが大事だったのかもしれません。

このような「マイナス金利」導入には無理があり「やりすぎ感」は否めません。導入の部分だけではなくて、本来は黒田総裁が立てている計画の全体像を知りたいところです。

そして、日銀は、日本の循環器系の主治医として、この療法(マイナス金利)の「本当の考え(効き目)」と「今後どうなるのか」を国民に説明してほしいものです。29日の会見の説明では、国民はよく分からなかったのではないでしょうか。分からない薬の効き目は薄くなるものです。気合だけでは限界があります。

※「宿輪ゼミ」は2015年9月に、会員が“1万人”を超えました。
※連載は自身の研究に基づく個人的なものであり、所属する組織とは全く関係ありません。


【著者紹介】
しゅくわ・じゅんいち
博士(経済学)・エコノミスト。帝京大学経済学部経済学科教授。慶應義塾大学経済学部非常勤講師(国際金融論)も兼務。1963年、東京生まれ。麻布高校・慶應義塾大学経済学部卒業後、87年富士銀行(新橋支店)に入行。国際資金為替部、海外勤務等。98年三和銀行に移籍。企画部等勤務。2002年合併でUFJ銀行・UFJホールディングス。経営企画部、国際企画部等勤務、06年合併で三菱東京UFJ銀行。企画部経済調査室等勤務、15年3月退職。兼務で03年から東京大学大学院、早稲田大学、清華大学大学院(北京)等で教鞭。財務省・金融庁・経済産業省・外務省等の経済・金融関係委員会にも参加。06年よりボランティアによる公開講義「宿輪ゼミ」を主催し、来年の4月で10周年、まもなく200回開催、9月に会員は“1万人”を超えた。映画評論家としても活躍中。主な著書には、日本経済新聞社から(新刊)『通貨経済学入門(第2版)』〈15年2月刊〉、『アジア金融システムの経済学』など、東洋経済新報社から『決済インフラ入門』〈15年12月刊〉、『金融が支える日本経済』(共著)〈15年6月刊〉、『円安vs.円高―どちらの道を選択すべきか(第2版)』(共著)、『ローマの休日とユーロの謎―シネマ経済学入門』、『決済システムのすべて(第3版)』(共著)、『証券決済システムのすべて(第2版)』(共著)など がある。
Facebook宿輪ゼミ:https://www.facebook.com/groups/shukuwaseminar/
公式サイト:http://www.shukuwa.jp/
連絡先:info@shukuwa.jp
http://diamond.jp/articles/-/85553


 


【第414回】 2016年2月2日 真壁昭夫 [信州大学教授]
アベノミクスの窮地を示すマイナス金利への懸念
金融政策への過度な期待は危険
マイナス面も無視できない


黒田総裁は従来、マイナス金利導入には否定的な発言をしていたPhoto:REUTERS/AFLO
金融市場の不安定な動向が続く中、金融政策に注目が集まっている。1月21日、欧州中央銀行(ECB)理事会でドラギ総裁が追加緩和の可能性を表明した。そして、29日には日銀が予想外のマイナス金利の導入を発表した。これらの政策は、それまで不安定だった金融市場の動向に変化をもたらした。

ただ、現在のように、世界的に過剰生産能力が存在する状況下、金融政策だけで経済活動を活性化させることは難しい。投資家の金融政策への過度な期待は、ある意味では危険な兆候だ。

金融緩和策は、金利の引き下げや資金供給を通して、消費者や企業などが経済活動を活発化する環境を整備することが主な目的だ。短期的には、潤沢な資金によって資産価格の上昇を促進する効果を持つ。

株式や不動産などの価格上昇によって、一時的に消費者や企業経営者の心理は好転する。これは景気にはプラスだ。しかし、実体経済が本来の意味で回復しない限り、景気回復のプロセスを続けることはできない。金融緩和策の本当の意味は、本格的な景気回復プロセスが始動するまで“時間を借りること”と考えるべきだ。

一方、金融政策には無視できないマイナス面もある。潤沢な資金を供給するため、株式市場に多額の投資資金が流入してバブルが形成されやすくなる。バブルができる時は良いが、崩壊すると景気の低迷が続くことにもなりかねない。

今年に入って原油価格の下落が続いたこともあり、アベノミクスの最大の成果だった円安・株高には変化が見え始めた。そうした状況に歯止めをかけるため、日銀はマイナス金利を導入した。それと同時に日銀は、物価目標の達成時期も2017年度前半頃に先送りした。そうした日銀の行動は、アベノミクスが徐々に窮地に追い込まれつつあることを物語っている。

“短期決戦型”黒田バズーカの光と影
強壮剤の効果は次第に薄れている

元々、金融政策は諸刃の剣だ。プラス面もあれば、マイナス面もある。主なプラス面としては、利下げや資金の供給を通して消費を誘発したり、設備投資を行いやすい環境を作ったりすることなどがある。

短期的には、潤沢に供給した資金によって、株式や不動産などの資産価格の上昇を誘発する可能性が高い。資産価格の上昇が続くと、投資家のリスクテイクが促されやすい。それによって、人々の心理状況も改善することが期待できる。

ただ、重要なポイントは、金融政策のプラス面は長期間続かないことだ。特に、黒田日銀総裁の打ち出した思い切った金融緩和策=黒田バズーカは、2年程度を念頭に置いた“短期決戦型”の政策と理解すべきだ。

そのバズーカ砲の威力で、円安・株高の効用をもたらした。しかし、時として金融の緩和に対する期待が高まり過ぎると、株式や不動産価格が高騰し“バブル”を作り出すリスクが潜んでいる。それは、黒田バズーカの影の部分と言える。

バブルはいつか崩壊する。それは最終的に、不良債権の増加や失業率の上昇など景気の悪化につながる。1980年代後半のわが国の“資産バブル(株+不動産)”や、リーマンショックの引き金となった米国の住宅バブルも、2000年代前半の緩和的な金融政策に煽られた部分があった。

バブルが崩壊すると、その後始末が大変な作業になる。それが不良債権処理やバランスシート調整だ。わが国のバブル崩壊は“失われた20年”と言われるほどの景気低迷につながった。リーマンショック後の金融危機は米国の景気後退のみならず、欧州の財政危機にも火をつけた。

足元、ユーロ圏やわが国の短期の金利はマイナスに落ち込んでいる。すでに政策金利の誘導では足りず、中央銀行は供給するお金の量やマイナス金利幅の拡大によって投資家のリスクテイクを促そうとしている。

しかし、中国の減速を受けて、世界経済が低迷する可能性が高まっている。資産価格は下落トレンドに陥りやすい。追加緩和策によって弱る体=経済に強壮剤を何本も注射して、無理に動かそうとしている。問題は、強壮剤の効果が次第に薄れ、今までのように金融緩和策が効き難くなっていることだ。

日本、欧州、中国はさらなる緩和へ
米国が利上げできるかも不透明に

今後、日銀、ECB、中国人民銀行はさらなる追加金融緩和を打ち出すことになるだろう。一方、昨年金利引き上げを決定した米国のFRBは、米国経済の状況を注意深く見守ることになるだろう。実際に金利引き上げを実施できるか不透明だ。

日銀やECBは、原油価格の下落や不安定な金融市場の動向を受けてかなり追い込まれている。原油価格が下落し物価の上昇期待は低下している。そのため、物価目標の達成は徐々に困難になっている。

その懸念を払拭するためにドラギ総裁は、さらなる金融の緩和を通して先行きへの期待を高め、需要の回復、物価の上昇を促そうと考えている。

わが国では、年初来の株価急落や円高を受けて、マイナス金利が導入された。これは、7月の参議院選などを控え、できるだけ早期に景気を安定させたいという日銀の意思の表れだ。ただ、世界経済の先行き不透明感が増す中、わが国の景気は海外要因に左右されやすい。そのため、今後もさらなる追加緩和が打ち出される可能性はあると見られる。

中国でも、景気減速を食い止めるため利下げが行われるだろう。足元では粗鋼生産能力の削減により40万人程度が失職するとの報道もある。共産党指導部は過剰な生産能力のリストラを進めており、失業率や企業の倒産は増加するだろう。

ただ、利下げが人民元の下落に拍車をかける可能性も考えなければならない。通貨の下落は国内の輸出企業等の業績を支える効果もある。そのため、人民銀行が利下げに踏み切る可能性は高まっている。

一方、昨年12月に利上げを実施した米国では緩やか、かつ慎重に経済状況を注視する姿勢を鮮明化するだろう。問題は、米国の経済が利上げに耐えられるか否かだ。すでに同国の製造業の景況感は悪化している。

原油価格の下落が米国の社債価格を大きく下落させ、市場の混乱の要因にもなっている。そのため、利上げが資金調達や借り入れのコストを増加させ、景気回復を鈍化させる可能性は無視できない。それは、世界経済を大きく混乱させるファクターと考えた方がよい。

原油価格が物価上昇を抑制し、金融市場の不安定さが高まる中、投資家は米国の利上げが容易な判断ではないと考え始めている。昨年12月の時点で、FRBは年4回の利上げを示唆した。

足元、市場参加者は1回程度の利上げしか織り込んでいない。景気の状況によっては、市場が年内の利上げは困難と判断し、世界的にリスク回避が進む可能性もあるだろう。その場合、世界経済の減速懸念も高まるだろう。

金融政策の限界露呈
アベノミクスの正念場

世界経済の先行きが不透明になる中、わが国の金融政策の限界が鮮明化しつつある。それに伴い、金融政策への依存度の高いアベノミクスも正念場を迎えている。

アベノミクスは量的・質的金融緩和を用いて、短期から超長期にわたる金利の低下圧力を高め円安の流れに拍車をかけた。その結果、輸出企業を中心に企業の業績改善期待が高まり、株価が上昇した。それが、大手企業の春闘での賃上げにもつながった。

一時的に、アベノミクスは相応の効果を具体化することに成功し、人々の心理も改善方向へと向かいつつあった。ところが、2014年央以降の中国経済の減速鮮明化等の海外要因に足を引っ張られ始めた。

足元では、米国経済の減速懸念などが顕在化し始めており、世界経済の先行きは徐々に不透明になっている。それに伴い、金融市場も不安定な展開になっている。世界的に株価は弱含みの展開を続けており、為替市場では円の買い戻しによって、円安傾向に一服感が出始めた。

今後、一段と円高が進むと、わが国企業にこれまでのような業績の拡大は期待しづらい。その場合、賃上げも期待し難くなる。賃金が上昇しないと、消費者の心理も弱含み消費が伸び悩むだろう。

投資家に不安を与えるマイナス金利
安倍政権は金融政策依存から抜け出すべき

黒田総裁は「物価目標達成のために何でもやる」と明言していた通り、マイナス金利を導入した。しかし、マイナス金利という新バズーカ砲が、かつてのような神通力を持つか否かは不透明だ。

マイナス金利という、総裁自ら否定的な考えを示してきた金融政策の導入を受け、市場参加者の多くは戸惑いを隠せないようだ。投資家に不安感を与える政策を続けると、市場動向は不安定になりやすい。その状況は避けるべきだ。

そのためにも、日銀の政策スタンスは短期決戦型から、長期的な景気サポートにシフトしていく必要がある。政府も政策担当者も、金融政策の限界を真摯に理解すべきだ。

重要なことは、いかにわが国社会全体にイノベーションを実現し、経済全体の活力を高めるかに尽きる。それが成長戦略の本義だ。

少子化、高齢化が進む中、わが国は労働力を確保し、生産性を向上させなければならない。東西冷戦後、ドイツは東西の経済格差や少子化等の問題に直面しつつも、移民を受け入れるなど生産基盤を強化することで経済の再生を果たした。

それが、今日の自動車や機械などの技術力を支え、ドイツ経済の競争力向上の要因の一つになっている。現在、ドイツはかたくなに追加緩和に反対している。そこには、インフレに対する生理的な反発に加えて、金融政策が時として行き過ぎ、景気にマイナスの影響を与えることへの危惧があるとも考えられる。

安倍政権は、金融政策を用いて一時的に期待が高まった間、世論を牽引して痛みを伴う抜本的な改革を進められなかった。今こそ金融政策への過度な依存から抜け出し、イノベーションを進めるため中身のある成長戦略の第一歩を踏み出すべきだ。

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http://diamond.jp/articles/-/85542

 
ECBを追うマイナス金利、奇策に隠れた不安
2016年2月1日(月)熊野 英生

 黒田東彦日銀総裁は、安倍晋三政権に対して、またしても助け船を出した。年初来、日経平均株価は下落して、誰かが歯止めをかけなくてはならないと思われてきた。そこに、甘利明経済財政相の辞任。窮地において行動するのが、ラストリゾートたる黒田総裁である。
 2016年1月29日の政策決定会合で日銀は、従来の量的・質的金融緩和に加えて、マイナス金利を導入する新機軸を発表した。従来は、マイナス金利を始めると金融機関の経営にダメージを与えるので望ましくない、と慎重姿勢を貫いてきた。それを前言撤回する形でのマイナス金利導入である。
 もはや日銀には、量的・質的金融緩和の余地が少ないことは明らかだった。だから、日銀は強がってみせてきた。余地が少ないことを見透かされると、インフレ予想が消えてしまう。そこで、今になって追加緩和予想を維持しようとしてマイナス金利という奇手に踏み出したのである。
 これまでの経過を辿ると、ゼロ金利→量的緩和→マイナス金利と、再び金利メカニズムの操作に戻ったようにみえる。
 ここで忘れてならないのは、マイナス金利政策を始めると、際限なく運用利回りが低下するフェーズへと足を踏み入れることだ。喉が渇いてしまい、とうとう我慢できなくなって、海の水を飲み始めたようにみえる。
 問題なのは副作用だ。運用利回りの低下のダメージを受けるのが、金融機関という点だ。 黒田総裁の記者会見では、金融機関の経営に対する影響を問われて、悪影響はないと言ったが、その言葉を額面通りには受け止められない。
欧州のマイナス金利との比較
(図表1)イールドカーブの変化

出所:日経QUICK
[画像のクリックで拡大表示]
 日本は、既に欧州の債券利回りの低下を受ける格好で、4年以下の期間の利回りがマイナスでも取引されるようになっていた。それが、日銀がマイナス金利を導入した1月29日は、7年のゾーンまで債券利回りがマイナスに沈み込んだ(図表1)。
 黒田総裁が指摘するのは、マイナス金利の適用範囲を絞るような仕組みにある。すなわち、日銀の公表資料では、「金融仲介を担う金融機関の収益に悪影響を及ぼす面がある」から「3段階の『階層構造』を採用」するという工夫で、金融機関の持っている金融仲介機能に障害を与えないように配慮すると説明している。
 しかし、そもそも、マイナス金利にすることは運用者への懲罰的な効果があり、マイナス金利の範囲を広げることでより多くの資金シフトを促すことを狙っている。
 だから、金融機関にダメージが及ばないようにするという配慮は、マイナス金利効果を及ぼすことと、理屈の上で矛盾している。筆者は、債券運用を行っている幅広い金融セクターへの打撃は免れないと考えている。
 日銀がモデルにしているのは、ECB(欧州中央銀行)のマイナス金利政策である。金融機関がECBの当座預金に預け入れる金利水準が▲0.3%であるから、当座預金に預けるよりも短期国債を買って運用した方がましだと考えて、資金を短期国債にシフトさせる。すると、欧州の債券利回りは、比較的短い期間からマイナス金利になっていく。当座預金のマイナス金利が、金融機関の資金シフトを通じて、債券利回りを低下させていくメカニズムである。
 ところが、日銀とECBの政策には、大きな違いがある。そこは要注意である。ECBは時限的に、2017年3月まで長期国債などの資産買入れをするという政策ツールを使い、同時に当座預金のマイナス金利を併用して短期・中期ゾーンの利回りを押し下げる二段構えにしている。これならば、マイナス金利に過度に依存せずに、短期から長期にわたってイールドカーブ(利回り曲線)は低下する。
追加緩和予想を維持するためのマイナス金利
 一方、日銀は、長期国債の買入れはもう既に巨大化して増やせなくなっているので、追加的な長期国債の買入れをせずに、マイナス金利で短期・中期ゾーンの金利を押し下げようということになる。日銀のマイナス金利は、先々までマイナス状態が続きそうだという期待形成によって、長期ゾーンの金利を押し下げる。これは運用難が極端なまでに長期化する予想を強めることで、より長いところまで影響力を与えようという悲愴な未来像の浸透でもある。
 ECBが量的拡大効果に余力を残している一方、日銀は量的拡大ができない分、マイナス金利への依存度が強まる。今後もマイナス金利の幅が広がると、資産運用への弊害も大きくなる。円安効果は米FRB(連邦準備理事会)の政策で弱まったり、強まったりするが、一方の弊害はずっと続くことになろう。
 ところで、なぜ、今、マイナス金利の導入なのであろうか。おそらく、それは日銀が追加緩和予想を延長できるツールを持ちたいからだろう。もしも、ここで長期国債の買入れを80兆円から100兆円へと増やしていたならば、どうだっただろうか。
 筆者の予想では、その効果は短期的に終わっていた。日銀が長期国債を100兆円まで増やすと、その後が続きそうにない。追加緩和予想はかえって弱まってしまう。すると、2016年3月以降にFRBが追加利上げを行おうとする場合に巻き起こる金融市場の波乱によって、今回の金融緩和は飲み込まれてしまう。
 一方、今回のように、マイナス金利を導入すれば、今後もマイナス金利幅をより深くしていくという観測が成り立つ。そうした仕組みであれば、日銀は期待形成の作用を演出できる。
 今後、マイナス金利はどのくらいの幅まで拡大するのだろうか。先に述べた通り、日銀が意識しているのはECBである。すでにECBは当座預金金利を▲0.3%まで引き下げている。ドイツの債券利回りは短い期間では、日本以上にマイナス金利の幅が大きくなっている(図表2)。
(図表2)日本とドイツのイールドカーブ

出所:日経QUICK
[画像のクリックで拡大表示]
 今回、日銀の付利金利を▲0.1%にしても、将来、経済物価情勢が悪化していった場合、欧州並みに付利のマイナス幅を引き下げる可能性が感じられる。おそらく、今回、日銀は初めの一歩として、マイナス金利の道を開いておいて、将来のリスクに備えて、欧州を追い駆けることができる体制をつくったのだろう。
 もう1点、今回のマイナス金利の導入で、政策委員たちの票決が割れたことは注目である。
円安だけで日本を引っ張れるのか
 賛成5で、反対4。賛成は、総裁・副総裁の執行部3人と、新しく政策委員になった2人。古い政策委員たちが揃って反対したという格好だ。彼らは、長く議論してきてマイナス金利に弊害が大きいことを百も承知であるのだろう。一方で新しいメンバーたちは、それよりも金融緩和の追加的な効果がなくなることを不安視して、その副作用は我慢するしかないと腹を括ったのであろう。
(図表3)ドル円レートの推移

出所:日経QUICK
[画像のクリックで拡大表示]
 今回の措置による副作用が大きいとしても、作用が大きければそれでよいという見方はできる。では、その作用とは何だろうか。金融政策が、為替レートを円安に動かすことである(図表3)。マイナス金利の導入に前後して、ドル円レートは1ドル118円から121円へと大きく円安に向かった。日米金利は、つっかい棒を外したように広がったからだ。
 しかし、筆者は失われるものの方に関心を持った方がよいと考えている。なぜならば、追加的な量の拡大によって当座預金の中で、ゼロないしマイナスの部分が増える。すると、金融セクターでは、量的拡大にも拘らず、収益面でマイナスの効果が及ぶために、リスクテーク能力が低下するかもしれない。これは、金利が下がれば貸し出しが増えるという単純な流れにはならないことを示唆している。
 例えば、住宅ローンを例にとると、ローン金利は低下するが、銀行のリスクテーク能力が低下するため、住宅ローン貸出残高が増えるかどうかは分からないということである。筆者は、質的緩和にはならず、質的引き締めになるリスクについて警戒している。
 最後に、金融緩和の手法について、多くの人が誤解しているかもしれないので説明しておこう。たとえ安全資産である国債の利回りをマイナスにしても、金融機関は能動的に外債や株式を増やすわけではないということである。金融機関のリスクテーク能力が高まってこそ、外債や株式などのリスク資産を拡大できる。
 もしも、金融機関が安全志向を変えないとすれば、マイナス金利でも国債保有を続け、収益面でのマイナスを甘受することになる。資産運用の利回りを不利にすれば、金融機関がリスクテークに熱心になるだろうというのは、無理筋の議論である。
 日本経済への影響は、円安による輸出企業への収益プラス効果と、金融セクターや預金者などの運用者の収益マイナス(あるいは信用収縮作用)の効果の両面がある。筆者の見立てでは、円安のメリットは短期的に強く表れて、運用のデメリットは中長期的に継続するとみる。メリットの円安にしても、2012年末以降の円安下で、輸出数量が増えていかなかったという経緯をどう解釈しているのか。
 締め括りとして述べたいのは、マイナス金利政策は決して長く続けられる政策ではないし、長期化させることが望ましくない政策であるという点だ。



ニュースを斬る
日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/012900225/?ST=print 

 

Business | 2016年 02月 2日 07:19 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
米国株はほぼ横ばい、終盤に持ち直す

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米国株式市場は、ほぼ横ばいで取引を終えた。中国のさえない購買担当者景気指数(PMI)を受けて世界経済の先行き懸念が強まり、原油価格が再び下落したため売りが先行したが、終盤に相場が持ち直した。

フェイスブック(FB.O)が2.5%高、アルファベット(GOOGL.O)が1.2%高と有力ハイテ力銘柄の一角が堅調で、全般を支えた。

診断薬・医療機器のアリーア(ALR.N)は45.5%上昇。医薬品のアボット・ラボラトリーズ(ABT.N)が58億ドルで買収すると発表した。

私募形式の増資を検討していると報道されたツイッター(TWTR.N)は6.6%上がった。

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原油安に伴って石油のエクソンモービル(XOM.N)が2%、シェブロン(CVX.N)が1.4%それぞれ下落した。

ノーススター・インベストメント・マネジメントのエリック・クビー最高投資責任者は、売りが続かなかったことで安心感から一部の買い手が戻ってきたと指摘。「市場参加者の注目は、原油安と中国関連のニュースから現在発表されている米企業決算に移り始めている」と述べた。

トムソン・ロイターのデータによると、第4・四半期のS&P総合500種企業の利益は4.1%減の見通しだが、先週以降で予想は改善してきた。

騰落銘柄数はニューヨーク証券取引所が下げ1556で上げ1503(比率は1.04対1)、ナスダックが下げ1418で上げ1410だった。

米取引所の合計出来高は約80億株で、過去20営業日平均の91億株を下回った。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 16449.18 -17.12 -0.10 16453.63 16510.98 16299.47 .DJI

前営業日終値 16466.30

ナスダック総合 4620.37 +6.41 +0.14 4587.59 4636.93 4565.38 .IXIC

前営業日終値 4613.95

S&P総合500種 1939.38 -0.86 -0.04 1936.94 1947.20 1920.30 .SPX

前営業日終値 1940.24
http://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKCN0VA3OI


米国株:ほぼ変わらず、中国不安薄れ下げ埋める−エネルギー株が安い
2016/02/02 06:20 JST

    (ブルームバーグ):1日の米国株式相場はほぼ変わらず。原油相場の反落を受けてエネルギー株が売りを浴びた一方で、フェイスブックやアルファベットが上昇した。中国経済の成長減速が波及するとの懸念は薄れた。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値によると、S&P500種株価指数は前営業日比0.1%下げて1939.18。一時は1%安となっていた。ダウ工業株30種平均は17.12ドル(0.1%)安い16449.18ドル。
ルツェルン州立銀行(スイス)のトレーダー、ベンノ・ガリカー氏は「新しい月を前向きにスタートできると期待していたが、実際にはまだ不安定だ。2月も容易ではなさそうだ」と語る。「焦点は中国と原油、企業決算だ。中国から出てくる弱い経済統計と原油安が株式市場の上値を抑えている」と述べた。
原題:U.S. Stocks Little Changed as China Worry Fades, Energy Slips(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1VV99SYF01T01.html

NY外為:ユーロは対円で続伸、ECB追加緩和への疑問が広がる
2016/02/02 06:31 JST
    (ブルームバーグ):1日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが上昇。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁はさらなる金融政策でユーロ上昇を抑えることができるのか、市場では疑問が高まっている。
ユーロは対円で8日続伸。これは2013年12月以来の最長連続高となる。ECBの当局者2人は3月10日に開かれる金融政策会合を前に、追加緩和観測に対して慎重になるよう求めた。
ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのシニアエコノミ スト、チャールズ・サンタルノー氏(ロンドン在勤)は「本当にバズーカが出てくるのかという疑問がある」と述べ、「バズーカが十分に予測されているのであれば、相場への影響はすでに織り込み済みだろう。量的緩和や追加緩和を講じる度に、その効果は薄れている」と続けた。
ニューヨーク時間午後4時現在、ユーロは対円で0.5%上昇して1ユーロ=131円80銭。対ドルでは0.6%上げて1ユーロ=1.0893ドル。
原題:Euro Traders Challenge Draghi’s Capacity for Another Surprise(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1V5TB6S972J01.html


米国債:反落、年初からの上げは行き過ぎとの見方で
2016/02/02 05:55 JST

    (ブルームバーグ):1日の米国債相場は反落。10年債利回りは昨年10月以来の低水準から上昇した。年初からの過去最高の滑り出しは行き過ぎではないかとの見方から売りが出た。
先週は日本銀行がマイナス金利に踏み切った後、世界的に国債利回りが低下した。ブルームバーグがまとめたデータによると、米10年債の相対力指数(RSI、期間14日)は先週、30まで低下する場面があった。30を下回るか70を上回ると、方向転換を示唆するといわれる。
CRTキャピタル・グループの政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「短期的に利回りは現在の水準から上昇すると考えている。利回りが低下するには弱い経済指標という形で別の材料が必要になるだろう」と述べた。
ニューヨーク時間午後3時20分現在、10年債利回りは前営業日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.96%。同年債(表面利率2.25%、償還2025年11月)価格は3/8安の102 17/32。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1VYT2SYF01X01.html


Business | 2016年 02月 2日 07:03 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
ドル下落、FRBの利上げペース鈍るとの見方=NY市場

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落した。日銀が追加緩和策を打ち出す一方、米経済指標は弱く、今年の米連邦準備理事会(FRB)の利上げは想定したペースよりも緩やかになるとの見方が広がった。

先週29日、日銀による予想外のマイナス金利政策導入発表を受けてドル/円JPY=EBSは2%急騰し約6週間ぶり高値の121.70円を付けたが、その後は徐々に値を下げこの日の安値となる120.67円に下落、終盤の取引では0.06%安の121.07円となっている。

ユーロ/ドルEUR=EBSは終盤0.62%高の1.0898ドル。先週29日に1.0810ドルに下落後、この日は1.0913ドルの高値まで戻した。

アナリストによれば、日銀決定会合後の動きが沈静化して円が買い戻され、FRBのスタンスがよりハト派的になるとの見通しでユーロが買われた。日銀の決定で、FRBが昨年12月に想定した今年4回の利上げペースが鈍ると見るアナリストもいる。

ドイツ銀行(ニューヨーク)通貨ストラテジスト、セバッシャン・ゲーリー氏は「一般的に言ってFRBの次の決定がどうなるかという点で、市場の見方はハト派的方向に移りつつある」と述べた。

ドル/円 NY時間終値 120.99/121.02

前営業日終値 121.07

ユーロ/ドル NY時間終値 1.0889/1.0893

前営業日終値 1.0833
http://jp.reuters.com/article/ny-forex-idJPKCN0VA3N1

金融市場の変動、米経済への影響不明=FRB副議長
WATSON/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By BEN LEUBSDORF
2016 年 2 月 2 日 06:50 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は1日、このところの世界的な金融市場の変動が米経済に及ぼす影響はまだ不明との見方を示した。

 フィッシャー副議長はニューヨークの外交問題評議会で講演し、「現時点で、この変動の影響を判断するのは難しい。これらの動向で金融環境の引き締まりが長引くならば、世界経済減速の兆しとなりかねず、米国の成長と物価にも影響し得る」と指摘した。「ただし、ここ数年にも同様の変動期はあったが、景気に恒久的な爪跡を残すことはなかった」と続けた。

 また、「これまでも強調してきたように、単に分からないので」FRBが次の連邦公開市場委員会(FOMC)でどうするかは言えないとし、「世の中は不確実なもので、金融政策当局者が皆実際に確信できるのは、今後起きる事は現時点のわれわれの想定とは異なることが多いということだ」と述べた。

 FRBは12月、それまで7年にわたりゼロ近辺に据え置いてきたフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き上げた。フィッシャー副議長は、0.25?0.5%の水準への「小幅」な利上げ後も政策は「引き続き緩和的」だとし、FRB当局者は緩やかなペースでの利上げを想定しているとあらためて強調した。政策判断は「データ次第」となるとの見方も示した。

 一方、FRBが「あらかじめ決められた基準」に基づいて行動することは決してないとけん制した。FRB当局者の現在の予想は年内4回の利上げを示唆しているが、副議長は「何回利上げするかを協議するための会合ではない」とし、FRBの利上げの度合いは景気動向次第だと述べた。

 物価が金融政策の見通しにとって重要な検討事項の一つだ。フィッシャー副議長は、原油の一段安はドルの上昇と相まって「インフレ率が(FRBの2%目標に)戻るまで従来の想定よりやや長く低水準にとどまる公算が大きいことを示唆」するとの見解を明らかにした。

 年初の世界的な金融市場の混乱については、「特に中国で進行中の構造的調整と原油など資源価格の下落による資源輸出国への影響といった、世界の見通しをめぐる懸念の高まり」がきっかけだったようだと語った。原油相場とその他の資産市場に「注目に値する相関性がある」と指摘した。

 失業率が長期的に正常とみなされる水準を下回る「適度な行き過ぎ」の容認はFRBにとって妥当だろうと述べ、失業率が労働市場のスラック(余剰資源)を完全には反映していないかもしれないし、そうした失業率の低下で米国のインフレ率はより早く2%に近づくだろうからだと説明した。米労働省が発表した12月の失業率は5%で、長期的正常水準に関するFRB当局者の予想中央値4.9%をわずかに上回った。

 FRBのバランスシートを「当面」高水準に維持することには「いくらかの利点」があるとし、「FF金利の正常化が十分に進むまで」保有債券の償還金を再投資して債券残高を維持する計画だと語った。FRBは金融危機からの米経済の回復を助けるうえで正しいことを行っていると信じていると副議長は述べた。



Business | 2016年 02月 2日 06:37 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
金融市場の混乱、継続なら米経済を阻害する公算=FRB副議長

[ニューヨーク 1日 ロイター] - フィッシャー米連邦準備理事会(FRB)副議長は、最近の金融市場の混乱が長引くようなら世界経済の減速を示唆し、米経済の成長やインフレ率に打撃を与える可能性があるとの認識を示した。米シンクタンク、外交問題評議会(CFR)の講演で述べた。

ただ副議長は「現時点で、ボラティリティーの潜在的影響を判断することは困難」と述べた。

「最近の動向が金融環境の継続的なひっ迫を招くようなら、世界経済の減速を示唆しており、米国の成長やインフレ率に影響を及ぼす可能性がある」と指摘。一方で「これまでにも同様の混乱は見られたが、恒久的な影響はほとんどなかった」と述べ、結論を急ぐべきではないとした。

フィッシャー副議長はまた、原油安とドル高により、米インフレ率は「従来の想定より一段と長い期間、低水準にとどまる公算が大きい」と指摘。ただ、原油安やドル高による下押し圧力が薄れるに伴い、インフレ率は「中期的に」目標を達成するとの予想を維持していると話した。

先物市場では、年内の利上げは11月か12月の1回にとどまるとの見方が広がる。

フィッシャー副議長は、景気下支えのため、「しばらくバランスシートの規模をより大きく維持することに一定の効用がある」との認識を表明した。

失業率が現行水準の5.0%をやや割り込めば、インフレ率引き上げなどの面で「適切」になるとの考えも示した。
http://jp.reuters.com/article/usa-fed-fischer-idJPKCN0VA38R

Business | 2016年 02月 2日 04:25 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
年内4度の利上げ、選択肢の1つだが規定路線でない=FRB副議長

[ニューヨーク 1日 ロイター] - フィッシャー米連邦準備理事会(FRB)副議長は、年内の利上げペースについて、4回は検討されている選択肢の1つとしたが、あらかじめ決まっているわけではないとの認識を示した。

また最近の金融市場の混乱が何か本質的なものを反映しているのかは分からないとし、年初からの市場のボラティリティーや不透明感が米経済に影響を与えるのか、FRBは見極める必要があるとした。

さらに米労働市場は極めて力強いとし、インフレ率は低水準ながらも、2%の目標と全く違う次元にあるわけではないと述べた。
http://jp.reuters.com/article/fed-fischer-rate-idJPKCN0VA3CK


欧州株:下落、中国と米国の経済指標が楽観ムードに水を差す
2016/02/02 03:10 JST
    (ブルームバーグ):1日の欧州株式相場は下落。中国と米国の製造業関連のデータがいずれも活動縮小継続を示したため、前週末に月間ベースの下げ幅縮小に寄与した投資家の楽観ムードに水を差した。
指標のストックス欧州600指数は前週末比0.2%安の341.61で終了。一時は1.2%下げた。中国景気減速への懸念や原油急落で、同指数の先月の下落率は1月としては2008年以来の大きさだった。日本銀行のマイナス金利導入や欧州中央銀行(ECB)への緩和拡大期待を背景に過去2週間に年初来の下げ幅をやや縮めたものの、世界景気をめぐる懸念が再び相場を動かす要因になってきている。
EFGアセット・マネジメントの調査責任者、ダニエル・マリー氏(ロンドン在勤)は「世界の成長に関して相反する兆候が出ている」とし、「全てが人々を混乱させ神経質にさせる内容だ。ちょっとしたマクロイベントやデータでセンチメントがどちらにも傾き得る」と語った。
米供給管理協会(ISM)が発表した1月の製造業総合景況指数は市場予想を下回り、4カ月連続の活動縮小を示した。これを受けてストックス600指数は下げ幅を拡大。中国国家統計局が発表した1月の製造業購買担当者指数(PMI)は3年ぶり低水準と、予想以上に悪化し活動縮小が過去最長の6カ月連続となったことを示した。
この日の取引ではネットワーク機器を手掛けるフィンランドのノキアが11%安。サムスン電子との特許をめぐる係争で仲裁裁判所が下した判断が売り材料となった。フランスのアルカテル・ルーセントは12%急落。テクノロジー銘柄は業種別19指数の中で最もきつい値下がり。
原油安を背景にエネルギー銘柄も大きく下げた。ノルウェーのシードリルを中心に売りが広がった。
原題:Europe Shares Drop as Disappointing China, U.S. Data Damp Mood(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1VPY86S972D01.html


Business | 2016年 02月 2日 03:39 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
ECB総裁、新興国に起因するリスクを警告

[フランクフルト 1日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は1日、新興国に起因するリスクなどが存在すると警告した。

ドラギ総裁は欧州議会で「ECBはユーロ圏の景気が確実に回復軌道にとどまるよう役割を果たしていく」と述べた。

ただ「先進国では成長見通しが緩やかながらも改善しているものの、新興国では見通しは抑制されている。全般的に見ると、成長は歴史的な水準と照らし合わせて低水準にある」と警告。景気を阻害する恐れがあるリスクとして、世界的な経済環境、金融システム状況、ユーロ加盟国の経済政策などを挙げた。

また、英国の欧州連合(EU)残留に向けた方策が必要になると指摘。ユーロ圏は信頼感向上に向け一段と融合を進める必要があるとの考えも示した。
http://jp.reuters.com/article/ecb-draghi-idJPKCN0VA302

ドラギ総裁:刺激策を見直し3月に拡大も−新興市場発リスクも指摘
2016/02/02 03:28 JST

    (ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は1日、ストラスブールの欧州議会で証言し、ユーロ圏経済を支える刺激措置について見直し3月10日の政策委員会で拡大を決める可能性をあらためて示唆した。
新興市場減速による下振れリスクを強調したほか、域内金融市場の統合強化および成長重視の財政政策の必要性も指摘した。
クーレECB理事も同日のブダペストでの会議で、域内各国政府の構造改革実施と通貨統合の制度的強化の必要性を指摘していた。
ドラギ総裁はまた、英国の欧州連合(EU)離脱の可能性について、「英国をEU内にしっかりとどめると同時にユーロ圏の統合を深める解決策が信頼感を高めるだろう」と発言。離脱(Brexit)をちらつかせる英国がEUとの関係をめぐって今月協議する中で、域内には欧州プロジェクトの未来に対する政治的コミットメントを示す良い機会が生まれているとの考えも示した。
原題:Draghi Says Deal to Keep U.K. in EU Would Boost Confidence (1)(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1VQX6SYF01T01.html


ECBがくぎ刺す、政府は改革し市場は現実的になれ−3月会合を控え
2016/02/02 00:49 JST

    (ブルームバーグ):ユーロ経済への次の刺激策を検討しようとしている欧州中央銀行(ECB)の当局者らは1日、政府に構造改革実施を促すと同時に、投資家には金融当局の行動について非現実的な期待を抱かないようくぎを刺した。
ブダペストでの会議でクーレ理事は、ECBが3月10日の政策委員会で金融政策姿勢について「再検証し、場合によっては考え直す」だろうと述べた。同時に、経済改革がなければ景気回復は持続しないと強調した。政策委員会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁は、市場が昨年12月よりは「理にかなった」期待や反応を示すことを望むと述べた。12月はECBの決定措置が市場を失望させユーロが下落、国債利回りが上昇した。
異例の金融緩和にもかかわらず、原油安と中国減速に起因する貿易低迷がユーロ圏のインフレ回復を阻んでいる。英マークイット・エコノミクスが1日公表した1月のユーロ圏製造業購買担当者調査結果によると、域内製造業者の出荷価格は1年ぶりの大幅下落だった。
クーレ理事は「ECBは景気回復のための役割を果たす用意があり、その能力もあることを既に明確にしている」とした上で、「しかしながら、回復が構造的なものとなり潜在成長率が上昇、構造的失業が減るためには、金融政策だけでは不十分だ」と論じた。
ノボトニー総裁は3月10日に公表される最新のECBスタッフ経済予測が追加刺激策に関する決定の鍵だとし、過大な期待を抱かないよう投資家にくぎを刺した。「12月に市場が期待し過ぎたことは明白だ。あれが教訓になるはずだ」とし、今回は「もう少し理にかなった対応を市場に望みたい」と語った。
中銀預金金利の再引き下げについて協議するのは「全く時期尚早だ」とも述べた。ベルギー中銀のスメッツ総裁もブダペストで発言。3月に初めて公表される18年の予測は重要だと指摘。「さらに1年先までの予測が示される。これを見て状況を見極めることが非常に重要だ」と語った。ECB当局者らが議論しているのは「長期の低インフレについてであってデフレについてではない」とも述べた。
原題:ECB Tells Governments to Step Up and Markets to Be Rational (1)(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1V7N56S972O01.html


Business | 2016年 02月 2日 01:34 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
米ISM製造業景気指数、1月は4カ月連続の節目割れ

[1日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が1日公表した1月の製造業景気指数は48.2と、前月の48.0から上昇、市場予想の48.1をわずかに上回った。4カ月連続で節目となる50を下回った。

雇用指数は、2009年6月以来の低水準となる45.9で、前月の48から低下した。市場予想は48を見込んでいた。

新規受注指数は51.5と48.8から上昇、昨年8月以来の高水準を記録した。

価格指数は変わらずの33.5、市場予想と一致した。

ISM製造業調査委員会のブラッドリー・ホルコム委員長は電話会見で「(製造業景気が)鈍い段階にある。加速しようとなお試みている」と指摘。50割れがほぼ終わりに近づいたかに言及するのは時期尚早とした。

委員長は、新規受注指数の上昇について、新規の年間企業予算で支出が認められ、繰り延べ需要で新規受注が増えたためと分析した。
http://jp.reuters.com/article/us-ism-manufacturing-idJPKCN0VA2XZ


12月の米個人消費、前月から横ばい−PCE価格は0.1%低下

Anna Louie Sussman and Harriet Torry
2016 年 2 月 1 日 23:15 JST

 【ワシントン】米商務省が1日発表した2015年12月の個人消費は、前月から横ばいにとどまった。世界経済の成長減速の兆候が表れる中、消費に若干の陰りが見られた。

 だが11月の個人消費は0.5%増に上方修正された。

 12月の個人所得(季節調整済み、賃金・公的扶助含む)は0.3%増加した。順調な労働市場の改善にもかかわらず、賃金の伸びが鈍い。15年通年では個人所得が前年比4.5%増加し、14年の4.4%増をやや上回った。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想は、12月の個人消費が0.1%増、個人所得が0.3%増だった。

 15年の個人消費は前年比3.4%増加したが、14年の4.2%増には及ばなかった。

 連邦準備制度理事会(FRB)が物価の指標と見なす個人消費支出(PCE)価格指数は12月に前月比0.1%低下し、前年同月比でも0.6%上昇という低い伸びにとどまった。前年比の上昇率は、FRBが目標とする年2%を3年8カ月間下回り続けている。

 変動の激しい食品とエネルギーを除くコアのPCE価格指数は前月比で横ばい、前年同月比で1.4%上昇となった。

 12月の個人消費の内訳を見ると、耐久消費財が前月比0.9%減少した。一方、サービス消費は0.4%増加した。

 12月の個人貯蓄率は5.5%(11月は5.3%)となり、12年終盤以降で最高を記録した10月と同水準だった。



Business | 2016年 02月 2日 01:09 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
米12月個人消費支出は横ばい、貯蓄率3年ぶり高水準

[ワシントン 1日 ロイター] - 米商務省が1日発表した昨年12月の個人消費支出は前月比横ばいで、市場予想の0.1%増を下回った。自動車の購入が減ったほか、季節外れの暖かい天候が続き、暖房用の電力需要が減った。一方、貯蓄率は約3年ぶりの高水準に達し、今後消費が伸びる可能性を示唆した。

消費支出の前月の数字は当初発表の0.3%増から0.5%増へ上方修正された。

12月のインフレ調整後の数字は0.1%増だった。前月は0.4%増だった。

2015年通年では前年比3.4%増えた。14年は4.2%の増加だった。

消費支出は国内総生産(GDP)の3分の2を占める。12月の数字は、前週末に発表された昨年第4・四半期のGDPに含まれている。GDP統計によると第4・四半期の消費支出は年率換算で2.2%増と、第3・四半期の3.0%増から伸びが弱まった。

緩慢な消費支出や輸出の弱い伸び、長引く在庫解消の動きで、第4・四半期GDPは0.7%増にとどまった。原油安を背景にエネルギー企業がさらに投資を削減したことも重しとなった。

同時発表の個人所得は2カ月連続で0.3%増となった。賃金・給与は0.2%の増加で、11月の0.5%増と比べて伸びが減速した。15年通年の個人所得は前年比4.5%増と12年以来の大幅な伸びだった。14年は4.4%増だった。

15年の可処分所得(インフレ調整済み)は06年以来の大幅な伸びとなった。

12月は所得が消費を上回ったことにより、貯蓄は7533億ドルと12年12月以来の高い水準となった。11月は7178億ドルだった。

貯蓄の増加と住宅価格の上昇は、このところの株安の家計資産に対する影響を和らげ、今年の早い段階で消費を後押しするとみられる。

緩慢な消費を反映し、12月の物価は弱含んだ。個人消費支出(PCE)物価指数は前月比で0.1%下落した。11月は0.1%上昇だった。一方、前年同月比は0.6%上昇と、11月の0.4%上昇から伸びが加速し、14年12月以来の高い水準だった。昨年の物価押し下げ要因が統計上はく落するにつれ、前年比でみた物価は上昇傾向にある。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたPCEコア物価指数は前月比横ばいだった。11月は0.2%上昇だった。前年同月比は11月と同じ1.4%上昇だった。

米連邦準備理事会(FRB)はPCEコア物価指数を物価の目安としているが、目標の2%上昇を大きく下回って推移している。
http://jp.reuters.com/article/us-consumer-spending-idJPKCN0VA2W5


米ISM製造業指数:4カ月連続で縮小、雇用は09年来低水準
2016/02/02 01:51 JST

  (ブルームバーグ):1月の米製造業活動は4カ月連続で縮小した。雇用計画の抑制が進んだ。一方、新規受注や生産は拡大を示した。
米供給管理協会(ISM)が1日発表した1月の製造業総合景況指数 は48.2。ブルームバーグがまとめたエコノミスト79人の予想中央値(48.4)を下回った。前月は48と、2009年6月以来の最低水準だった。同指数では50が活動の拡大と縮小の境目を示す。  
ソシエテ・ジェネラルのシニア米国エコノミスト、ブライアン・ジョーンズ氏(ニューヨーク在勤)は統計発表前に、「製造業は経済で最も弱い分野だ」と指摘。「石油セクターで起きていることや海外需要の低迷と関係している。ドル高も製造業者に打撃を与えている。底入れしたと期待しているが、現時点では期待に過ぎない」と述べた。
項目別では新規受注 が51.5と、昨年8月以来の高い水準。前月は48.8だった。生産指数は50.2と、3カ月ぶりに50をやや上回った。前月は49.9。
雇用指数 は45.9で、前月の48を下回り、景気の谷となった09年6月以来の低水準。
輸出指数は47と、前月の51から低下し、4カ月ぶりの低い水準となった。
仕入れ価格指数 は前月と変わらずで33.5と、09年4月以来の低水準。同指数は14年11月以降、縮小圏にとどまっている。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:Manufacturing in U.S. Contracted in January for a Fourth Month(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1VMK06S973801.html



Business | 2016年 02月 2日 01:24 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
米12月建設支出0.1%増、非住宅部門が大幅な落ち込み

[ワシントン 1日 ロイター] - 米商務省が1日に発表した昨年12月の米建設支出(季節調整済み)は前月比0.1%増と、市場予想の0.6%増を下回った。住宅以外の建設支出が2013年1月以来の大きな落ち込みとなったことが響いた。

11月の数字は0.4%減から0.6減に下方修正された。

2015年通年では前年比10.5%増と05年以来の大幅な伸びだった。14年は9.6%増だった。

12月の内訳は、民間部門が前月比0.6%減だった。工場やオフィスを含む住宅以外の民間建設が2.1%減と、13年1月以来の大幅下落だった。一方、住宅は0.9%増えた。暖かい天候が続いたことが押し上げ要因となったもようだ。

公共部門は1.9%増。公共部門に占める割合が最も大きい州・地方政府は2.3%増だった。連邦政府は3.3%減った。

前週末発表された昨年第4・四半期の米国内総生産(GDP)速報値は年率換算で0.7%増だった。昨年12月の建設支出が緩慢な伸びにとどまり、11月も当初発表よりも大きな下落となったことで、GDPは改定値でやや下方修正される可能性がある。
http://jp.reuters.com/article/us-construction-spending-idJPKCN0VA2XN



Business | 2016年 02月 2日 00:36 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
人民元切り下げ観測が拡大、日銀マイナス金利導入受け

[ロンドン 1日 ロイター] - 日銀のマイナス金利導入を受け、ヘッジファンドの間で中国人民元が切り下げられるとの観測が広まるなか、1日のオプション市場では人民元が今後大きく下落すると利益を得られる取引に資金が流れ込んでいる。

ロイターの統計によると1日の取引で、人民元が1ドル=7元を超える大幅な元安に振れた際にのみ利益が出る取引は、前年8月末に人民元の事実上の切り下げが行われた時点につけた高水準を上回った。

アジア系銀行のディーラーは、「日銀が前週に打ち出した措置があまりにもハト派的だったため、切り下げに向けた圧力が高まっている」としている。
http://jp.reuters.com/article/yuan-boj-idJPKCN0VA2TX


 
ECB緩和策、効果発揮している=クーレ専務理事

By TODD BUELL
2016 年 2 月 1 日 21:30 JST

 【フランクフルト】欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は1日、ECBの緩和策は明らかに効果を発揮していると述べた。

 また、難民流入など欧州が直面する多くの難題は、協力して行動する必要を示すものだとし、協調がなければ投資家や域内の市民の間で不安が生じると指摘した。

 クーレ専務理事はブダペストでの講演で「ユーロ圏の経済指標は金融政策の望ましい効果が出ていることを明白に示している」と話した。講演原稿はECBのウェブサイトに掲載された。

 ECBの政策は「現在の景気回復に大きく寄与している」としつつ、理事会が3月の会合で「この姿勢を見直し再検討する可能性がある」とも述べた。

 ECBは前回1月の定例理事会で3月の政策見直しをすでに示唆しており、投資家の間ではECBが追加緩和を打ち出すとの見方が強まっている。



Business | 2016年 02月 1日 20:21 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
「ユーロ圏財務省」の設立を支持=クーレECB専務理事

[フランクフルト 1日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は1日、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会がユーロ圏の「財務省」としての役割を果たすべきとの見解を明らかにした。

専務理事は「われわれがユーロの持続的な成功を真剣に望んでいることを人々や企業や市場に示すために、欧州の経済・通貨統合実現に向けた強力な政治的意思が必要だ」と強調した。

欧州委の内部か別組織としてユーロ圏の財務省を設立することや、ユーロ圏レベルで立法を可能にすることのほか、欧州安定メカニズム(ESM)などの機関に説明責任を持たせることを提案した。

また欧州の回復を構造的なものとし、潜在成長力を高め、構造的な失業を減らす上で、金融政策だけでは不十分との認識を示した。
http://jp.reuters.com/article/ecb-policy-eurozone-idJPKCN0VA27S


ECB、3月10日会合で政策姿勢を考え直す可能性−クーレ理事
2016/02/01 20:08 JST
    (ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は1日、政策委員会は3月10日の次回会合で現行の刺激策について再検討し、場合によっては考え直すだろうと述べた。ただ、ECBだけでユーロ圏の回復を支えることはできないとくぎを刺した。
同理事はブダペストでの会議で発言。「ECBは景気回復のための役割を果たす用意があり、その能力もあることを既に明確にしている」とした上で、「しかしながら、回復が構造的なものとなり潜在成長率が上昇、構造的失業が減るためには、金融政策だけでは不十分だ」と指摘した。
原題:Coeure Says ECB May Reconsider Policy Stance at March Meeting(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ブタペスト Alessandro Speciale aspeciale@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Paul Gordon pgordon6@bloomberg.net
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1V7N56S972O01.html

ロンドン外為:ユーロ、対円で8日続伸−ECBは日銀に追随せずか
2016/02/01 19:33 JST

    (ブルームバーグ):ロンドン時間1日午前の外国為替市場では、ユーロが円に対して8営業日続伸している。欧州中央銀行(ECB)は追加金融緩和で日本銀行ほど積極的にならないとの観測が広がった。
ユーロは主要16通貨のうち14通貨に対して上昇。マークイット・エコノミクスがこの日発表した1月のユーロ圏製造業購買担当者指数(PMI)改定値は速報から変わらずだった。ECBの積極的な量的緩和(QE)拡大の必要性が和らぐほどの底堅さを域内経済が維持している可能性を示唆した。
ロンドン時間午前9時45分(日本時間午後6時45分)現在、ユーロの対円相場は前週末比0.2%高の131円48銭。先月29日には132円32銭に達した。8日続伸は2013年12月以降で最長。ドルに対しては0.1%上昇の1.0846ドル。円は1ドル=121円20銭で、前週末からほぼ変わらず。
原題:Euro Rises With Traders Reluctant to Wager ECB Will Follow Japan(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:エディンバラ Lukanyo Mnyanda lmnyanda@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: David Goodman dgoodman28@bloomberg.net
更新日時: 2016/02/01 19:33 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1V5TB6S972J01.html


 

 
中国の株価暴落は半年前から見えていたこと世界同時株安は当局の対話スキル不足とメディア報道が招いた
2016年2月2日(火)坂田 亮太郎

 年初に勃発した世界同時株安は、中国経済の不調が大きな要因と目されている。中国国家統計局は1月19日、2015年の経済成長率(実質GDP=国内総生産の伸び)が6.9%だったと発表した。政府の目標が「7%前後」であったため計画通りの着地であるが、中国の統計数値は信憑性が乏しいとの指摘も絶えない。
 とは言え、反中・嫌中感情を抱く人々が多い日本では中国に関する報道は必要以上にネガティブに振れやすいのも事実。そこでほぼ毎月中国に赴き、経済の実態について自分の目と耳で調査しているキヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之氏(研究主幹)に、中国経済の現状と展望を聞いた。
(聞き手は坂田 亮太郎)

世界の市場関係者の中で中国経済の先行きに悲観的な見方が広がっています。
瀬口:まず申し上げたいのは、世界経済に占める中国のプレゼンスがかつてないほど、大きくなっているということです。

瀬口清之(せぐち・きよゆき)氏
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。1982年、東京大学経済学部を卒業、日本銀行に入行。2004年、米国ランド研究所に派遣(International Visiting Fellow)。2006年に北京事務所長、2008年に国際局企画役。2009年からキヤノングローバル戦略研究所研究主幹。2010年、アジアブリッジを設立して代表取締役に就任。

瀬口:米国を除き、どんな先進国や発展途上国でも中国ほどのインパクトがありません。だから、中国政府が発表する経済指標がわずかに変化しただけでも、世界のマーケットに大きな影響を与えます。まさに、中国の一挙手一投足に世界が注目していると言っても過言ではありません。
 このところの中国の政策対応は、お粗末なものが多く、金融関係者などから厳しい評価を受けているのは事実です。でも同じことをシンガポールやモンゴルがやったとしてもこれほど文句は言われないでしょう。世界第2位の経済大国になったからと言って、中国は未だ途上国です。不慣れな分野で政策転換を迫られていることもあって、最初からすべての経済政策がうまくいくはずがありません。
 中国政府と金融当局は去年から金融の自由化に本格的に取り組み始めました。これは大きな変化点と言えます。発展途上国が先進国に脱皮する過程で、金融の自由化は避けては通れません。ただ、未体験ゾーンに踏み込むことになるので、市場との対話の仕方が分からない。もしくは自由化のプロセスを進めるうえで、いろいろな不備も出てくるので対応に苦慮することになる。これはどこの国でも起きることで、日本だって1980年代に体験しました。
 ですから中国も当然ながらつまずき、その失敗の中で経験を積んでいるところです。ところが、中国が世界第2の経済大国であるがゆえに、政策の不備がモロに世界経済に響いてしまう状況にあります。そういう状況にあるということは、中国政府も十分認識しなければならない点でしょう。
中国の金融当局の政策対応は未熟
日本は反中・嫌中感情を抱く人々が多いので、日本の報道はややもすると、中国に対して厳しくなりがちです。
瀬口:日本だけではありません、欧米メディアも似たようなものです。中国政府が市場との対話に不慣れであるのは事実であり、外から見ていると中国内で何が起きているか分からない。さらにメディアがリスクを強調して報道するため不必要な憶測を生み、それが市場の混乱につながっているのです。
 例えば、年初から上海の株式市場は(相場急変時に売買を停止する)「サーキットブレーカー」を発動しなければならないほど暴落しました。原因の1つは、政府の対応のまずさです。
 思い出していただきたいのですが、昨年6月、上海株式市場で株価が暴落しました。中国政府は下落を食い止めるため、国有企業などに対して「半年間は保有する株式を売るな」と命じました。こうした命令を出すこと自体の是非は置いておいて、株式売買の禁止が今年1月8日に解禁されることになっていました。
 8日になれば国有企業などが株式を大量に売りに出し、株価は大きく下がるのは見えていたわけです。だったら、市場関係者の多くは、株価が大きく下げる前に売り逃げようと考えるのは当然でしょう。こうしたことは事前に予見できたわけですから、中国政府は株式売却の禁止期間を延ばすなどの手を打つべきだったのです。
やるべきことをやっていなかった、ということですか。
瀬口:株式の売買を停止させたり、サーキットブレーカーを出してすぐに引っ込めたりと、最近の中国の金融当局の政策対応は未熟と言わざるを得ません。
 これも中国政府が市場との対話に不慣れであることを示していると言えるでしょう。中国は約20年前まで計画経済の国であり、市場と対話する必要がありませんでした。今や自分たちが世界に大きなインパクトを与える存在になったこと、そして金融を自由化するためには市場と対話する必要があるということを中国自身も理解しつつあるはずです。
なぜメディアは「予想外の悪化」と報じるのか
瀬口:変わらなければならないのは、日本も含めた西側のメディアも同じだと感じています。
 年初から株価が大きく下げた要因の1つとして、多くのメディアは今年1月4日に発表された2015年12月の製造業PMI(購買担当者景気指数)が、「市場の予想」よりも悪かったからだと伝えました。わずか0.1ポイント下げただけでしたが、中国経済の先行きは厳しいということが市場のコンセンサスとなり原油価格も下落。売りが売りを呼ぶ展開となり、世界の株式市場は全面安となりました。
 しかし、これは奇妙な話です。
 習近平政権は「新常態(ニューノーマル)」と呼ぶ経済方針を打ち出し、鉄鋼や石油化学など製造業の過剰生産能力を削減すると以前から宣言してきました。昨年12月下旬に開いた中央経済工作会議でも、過剰な生産能力を積極的に減らしていくことが強調されています。
 つまり、政府の計画通りに製造業PMIが下がったわけです。当たり前の結果が出たにもかかわらず、メディアはなぜ、「予想外の悪化」と報道するのでしょうか。今の中国で製造業が伸びるはずがないのです。
瀬口:投資家も中国経済をもっと勉強すべきです。株式売買を始めたばかりの個人投資家ならいざ知らず、プロを自認する機関投資家が、PMIがわずか0.1下がっただけで動揺してしまった。合理的な判断が働いていたとはとても思えません。
完全な変動相場制に移行するのも1つの手
人民元安についてはどうですか。
瀬口:これも大きな誤解があります。輸出競争力を引き上げるために中国政府は為替相場に介入して、元安に誘導しているという説が跋扈していますが、間違っています。むしろ元安を必死に防いでいるのです。
 もし元安に誘導したければ、人民元を売ってドルを買うはずです。そうであれば中国の外貨準備高は増えるはずですが、実際の外貨準備高は多い月で1000億ドルも減っています。ちょっと前まで中国の外貨準備高は4兆ドルを超えていましたが、今年3月には3兆ドルを切る可能性まであります。つまり中国人民銀行はドル売り元買いの介入をしているのは明らかで、元安を阻止しようとしています。しかし、中国は元安誘導を図っているという報道ばかりが目立ちます。
 そもそも輸出を増やすために元安にしたかったら15%ぐらい元安にならないと効果は出ません。しかし、足下の元安は5〜7%程度にとどまっています。しかも、実質実効レートでは殆ど元安になっていません。アベノミクスで日本は対ドルで50%も円安になったのとは対照的です。
中国政府が取りうる選択肢は何ですか。
瀬口:最悪の場合には、完全な変動相場制に移行することも1つの手として考えざるを得なくなると思います。
 中国の為替レートの決定方式は2005年7月に固定相場制から管理変動相場制に移行しました。これは、毎朝金融当局が発表する基準値を基に日中のレートの上限と下限が決まります。この基準値については当初から、市場実勢との乖離が指摘されてきました。そこで昨年8月11日にこの基準値の算定方式が変更され、前日の為替相場の市場実勢が翌日の基準値に反映されやすくなりました。
 昨年は実質実効レートで見ると大幅な元高になったため輸出が減少しており、市場からは元安に戻すよう迫られています。しかし、今の管理変動相場制の下で人民元を大幅に切り下げたら、米国議会から厳しく非難され「為替操作国」と認定されてしまうでしょう。
 米国では今年、大統領選がありますから対中批判が燃え上がりやすい状況にあります。そう考えると元安圧力を止めて外準の急減を防ぐには一気に変動相場制に移行するしかなくなるかもしれません。もともと2020年ごろまでに変動相場制を導入すると中国政府は言ってきたわけですから、それを少し前倒しするということです。これは為替自由化政策ですから、米国も批判はできません。
 実際に、完全な変動相場制に移行すれば、人民元はオーバーシュートして一時的に1ドル=7.5〜8.0元まで売られる可能性もあります。そうすれば中国の輸出競争力は相当高くなります。
 ただし、中国は今年、G20の議長国です(開催は浙江省杭州市)。9月のG20首脳会合までは市場の安定を優先させるでしょうから、その後に動いてくるかもしれません。
経済は健全な方向に向かっていることを評価すべき
中国経済の全体を見渡して、明るいところはありますか。
瀬口:都市化の流れを追い風に、サービス産業は引き続き急速な発展を遂げています。
 2015年の中国経済の名目成長率を押し上げた要因を分析したところ、6.4%の成長率のうち5.6%がサービス産業の伸びが寄与していました。ここまで顕著な結果が出て、私もビックリしました。製造業と農林水産業が占める割合は0.4%ずつです。一昔前なら、製造業が占める割合は半分以上でした。

名目GDP成長率の産業別寄与度(キヤノングローバル経済研究所作成、出典:調査会社CEIC)。成長率に占めるサービス産業(グラフ中の黄色)の寄与度が年々増加し、2015年は9割弱を占める

瀬口:既に申し上げた通り、「新常態」の政策が続く限り、製造業の設備投資は低調でしょう。一方、サービス産業が急速に発展し、労働需給は逼迫しています。そのため労働者の所得が上昇し、消費が堅調に伸びています。つまり、中国経済の成長モデルは輸出・投資主導型から消費主導型に移行しつつあると言えるのです。
 もちろん中国はいろいろな問題を抱えています。懸案の国有企業改革はほとんど進んでいません。それでも、経済は健全な方向に向かっていることを素直に評価すべきだと思いますよ。
対中投資で日系企業は二極化
とは言え、日本の対中投資は2年連続で大きく落ち込んでいます。
瀬口:日系企業の対応は二極化しています。トヨタ自動車やホンダは昨年、中国における生産能力の引き上げを発表しました。また、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングや良品計画、そして花王など中国ビジネスが好調な企業は対中投資を拡大しています。中国できちんと儲かっている企業は、ますます投資を増やしているわけです。
 一方、撤退を余儀なくされている企業もあります。また、新規に中国に進出する企業はめっきり減りました。これは中国経済に悲観的な見方が日本で広がっている影響でしょう。
 投資判断は個々の企業で判断されることです。ただ、本社の経営幹部はぜひ年に何度かは中国現地に足を運んで、直接現地の声に耳を傾けてほしいと思います。日本にいると、必要以上に悲観的な報道ばかりに触れることになるため、チャンスを逃すケースがよくあるからです。



キーパーソンに聞く
日経ビジネスのデスクが、話題の人、旬の人にインタビューします。このコラムを開けば毎日1人、新しいキーパーソンに出会えます。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/012800124/?ST=print 


 

20年のデフレに4つの要因、脱却は民間活力から物価下落はなぜ止まらないのか
2016年2月2日(火)田村 賢司

(日経ビジネス2015年11月9日号より転載)
日本経済に巣くう根深い病となってきたデフレには4つの原因があった。賃金下落、産業競争力低迷、成長期待の低下、政策の誤りである。アベノミクスでもデフレ脱却には力不足だ。企業も変わらなければならない。

趨勢的な物価低迷からは抜け切れていない
●1990年台半ばからの消費者物価の推移

注:「生鮮食品を除く総合消費者物価指数(コアCPI)」と、「食料(除く酒類)及びエネルギーを除く総合消費者物価指数(コアコアCPI)」を示した。共に2010年を100とした水準の推移を見た
出所:UBS証券の資料を基に本誌作成(写真=柚木 裕司)
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 「この7年で200万円ほど年収が減って500万円になった」
 大手マンションデベロッパーの子会社で働く加藤良夫(仮名)は、無念さを押し殺すようにそうつぶやいた。50歳を過ぎたばかり。もともとSE(システムエンジニア)だった加藤は、1990年代初めに現在の会社へ転職し、人事システムの構築などを担当してきた。そんな加藤の身に“異変”が起きたのは2006年春のことだった。
 突然、営業部門に異動を命じられ、自社マンションの管理業務を担当させられた。仕事は親会社が手掛けたマンションの住民からの苦情処理。「入り口のオートロックが故障した。一晩、座っていてくれ」といった要求に振り回され、半年で体を壊した。
 復職した後も様々な部署をたらい回しにされた。「その中で人事評価は落とされ、給料も下がり続けた」(加藤)。給料が下がったのは加藤だけではなかった。社内の多くの40〜50代管理職が降格となり、賃金を減らされた。親会社は市場の縮小などで業績が悪化。「何とか業績を取り繕おうと中高年の賃金を削ったのだろう」と加藤は憤る。
デフレの入り口に金融危機
 日本経済が苦しみ続けたデフレ。そのきっかけの一つは、加藤を苦しめ続ける賃金下落にある。UBS証券シニアエコノミストの青木大樹は「賃金下落が消費低迷をもたらし、それが景気と企業業績を停滞させ、さらなる賃金下落をもたらした」と語る。
給与は下がり続け、デフレの一因になった
●平均年間給与額の推移

出所:国税庁の資料を基に本誌作成
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 その賃金下落は1997年ごろに始まった。この年、アジアで通貨危機が起き、日本では三洋証券が会社更生法の適用を申請した。その約3週間後に山一証券が自主廃業を決め、後を追うように旧北海道拓殖銀行が経営破綻、深刻な金融危機に陥った。翌98年には旧日本長期信用銀行、旧日本債券信用銀行が公的管理に入り、危機は深刻度を増した。金融業に従事していた人を中心に失業者が生まれ、転職先を見つけたとしても、従来より低い賃金に甘んじなければならない人が急増していった。
 賃金下落に歯止めがかからなかった一因には2000年代に入って顕著になった日本の産業競争力の低下もある。
 代表的なのは戦後の日本経済を自動車と共にけん引した電機業界だ。例えばソニー。1999年にテレビやパソコンなどのエレクトロニクス事業の収益悪化で、2002年度までに1万7000人の人員削減を実施した。固定費削減が奏功し、2002年度のテレビ事業は最高益を計上したものの、それはつかの間の出来事にすぎなかった。

リストラの中で2013年に撤退したソニーの美濃加茂工場(岐阜県)(写真=共同通信)
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 2003年と2005年にそれぞれ2万人、1万人の従業員を減らし、そのたびにテレビ事業の構造改革を打ち出してみたものの、毎年、「必達目標」とした黒字化は2014年度まで実現することなく、結局、分社化に追い込まれた。
 「家電の王様」と呼ばれたテレビ事業で、世界有数のブランドを築いたソニーの凋落。その原因は1990年代後半に始まった急速なデジタル化とネット化である。日本の電機産業が世界を席巻したのは、部品を精密に加工し、それが正しく動くように組み立てるメカトロニクスに優位性を持っていたからだ。しかしデジタル化の進展は、それを一変させた。製品の性能を左右するのはソフトウエア。生産面でも「匠の技」は不要となり、新興企業でも簡単に参入できるようになった。お家芸は10年もたたないうちに世界で全く通用しなくなった。
成長への期待がなくなった
 その中で急成長を遂げたのが韓国、中国、台湾など近隣諸国・地域のエレクトロニクスメーカーである。低価格攻勢をかけたせいで、「32インチの液晶テレビで言えば、2003年から3年で半値になり、その後も刻々と下がり続けた」(ニチコン会長、武田一平)。この結果、「日本企業が得意とする地道なコストダウンでは付いていけなくなった」とモルガン・スタンレーMUFG証券のアナリスト、小野雅弘は指摘する。企業は終身雇用を守ろうと賃金を抑制したが、それがかなわなくなると、人減らしに踏み切った。
 電機だけではない。冒頭の加藤が所属する不動産のような内需産業も似たようなことが起きた。
 マンション業界は「日銀が1999年2月と2001年3月に実施したゼロ金利政策や量的緩和で住宅ローン金利が下がり、2000年代前半に需要が噴き上がった」(ドイツ証券のアナリスト、大谷洋司)。不動産業界が「プチバブル」と呼んだ現象で、2005年には全国の住宅販売戸数が16万戸前後に達した。しかし2008年9月にリーマンショックが起きると需要は急減、2009年以降は半分の8万戸台にまで低迷した。
 1980年代後半のバブルがはじけ、多くのデベロッパーが経営破綻した。しかし破綻企業に所属していた営業マンが新会社を立ち上げて別ブランドの分譲マンションを販売するという循環が業界では続いた。「結局、この業界で禄をはむ人の数は変わらない」(大手不動産会社首脳)。しかしリーマンショックはこの流れを断ち切り、人材が流出した。雇用の調整弁と言われた建設業界ではピークだった97年に685万人の従事者がいたが、2014年には505万人まで減少している。
 デフレの背景にはもう一つ大きな日本経済の変化があった。賃金下落と競争力低下に絡み合うようにして1990年代末から始まった「経済への成長期待の低下」という要因である。
 生産年齢人口(15〜64歳)は98年頃から減り始め、約10年後には総人口が減少へ向かうことが分かっていた。人口減は中長期的に需要の縮小を招く。賃金下落はそれに拍車をかける。国内市場がしぼむことは見えていた。縮小する市場に企業は投資をしたがらず、需要はますます増えにくくなる。実際、「投資を抑制し続けてきた」(大和総研のエコノミスト、小林俊介)。
 電機業界が直面したような競争環境の変化による優位性の喪失で日本企業の「生産性」は伸び悩んだ。人口減で「投資」と「労働力」の伸びも抑えられた。3つの伸び悩みは潜在成長率を低下させ、成長期待を失わせた。先行きに明るさが見えない経済環境。それが「物価は下がり続けるという心理を定着させた」と東京大学大学院教授の渡辺努は指摘する。
 それにしても、なぜデフレはかくも長く続いたのか。そこで大きいのは金融政策の遅れである。
1990年代後半からデフレが本格的に進んだ
●デフレ関連の出来事と政策の動き
1990年
10月 バブル崩壊本格化 前年末、3万8915円の市場最高値を記録した日経平均株価が2万円を割り、バブル経済の崩壊が本格的に始まった。
1997年 賃金下落始まる アジア通貨危機、金融危機の中で企業のリストラが本格化。このころから賃金下落が始まった。
1997年
4月 消費税増税 3%から5%に引き上げ。山一証券や北海道拓殖銀行の破綻、自主廃業と同じ年で、消費にはマイナスに。
1999年
2月 日銀、ゼロ金利政策実施 日銀が金融緩和政策を本格化した。
2001年
3月 日銀、量的緩和政策を実施 日銀はマネーサプライを増やし、デフレを止めるために量的緩和に乗り出した。
2006年
3月 日銀、量的緩和政策を終了 日銀は「消費者物価上昇率が0%より上回った」として量的緩和政策を終了した。
2008年
9月 リーマンショック 米大手投資銀行、リーマン・ブラザーズが経営破綻。世界同時不況へ。
2008年
11月 米連邦準備理事会(FRB)、QE1(量的緩和第1弾)実施 米国がリーマンショックによる急激な需要縮小による不況、デフレ化を防ぐため量的緩和を実施。
2010年
10月 日銀、量的緩和政策を復活 デフレの深刻化で日銀が量的緩和策を再度取り始めた。
2010年
11月 FRBがQE2を実施 米国が量的緩和政策をさらに強化。
2012年
9月 FRBがQE3を実施 米国が量的緩和政策を一段と強化。
2013年
4月 日銀が異次元金融緩和を導入 日銀が大幅な金融緩和に踏み切り、デフレ脱却に動き出した。
2014年
4月 消費税増税 消費税を5%から8%に引き上げた。
2014年
10月 FRBがQE3を終了へ FRBが量的緩和政策の終了を決めた。
2014年
10月 日銀が追加緩和 日銀が再度追加緩和を行い、市場を驚かせた。
2015年
1月 欧州中央銀行(ECB)が、QE導入へ 欧州でも広がる気配を見せてきたデフレを食い止めるため、ECBが量的緩和へ動き出した。
遅れ続けた日銀の金融政策
 「日銀は何もしていない」
 金融危機のさなか、98年秋に日銀が開いた金融政策の研究会で財務省のある官僚が日銀の出席者たちを皮肉った。財務省は財政再建を進める立場だが、首相の小渕恵三が危機を乗り切るために20兆円を超える経済対策を策定するのを受け入れたとして、それまで、ほとんど手を打っていなかった日銀を当てこすったのだ。
 当時、日銀の職員でこの会に出席していた東大の渡辺は、「デフレと言ってもゆっくり進んだせいで、深刻な問題という認識が日銀にはほとんどなかった」と振り返る。
 翌年2月になってようやくゼロ金利政策を取ったが脱デフレには結び付かなかった。それを見た米マサチューセッツ工科大学の教授(当時)、ポール・クルーグマンが、「4〜5%のインフレを狙うインフレターゲティング政策に踏み込むべき」と提言したものの無視している。2001年3月になって量的緩和政策に切り替えたが、規模は小さく、2006年3月にはそれも終了してしまった。この時、消費者物価はわずかな上昇に転じていたものの、デフレ脱却を確認したとは言い難い状態で実施している。終始、デフレに対する認識が薄く、対策は遅れ続けた。
サービス消費は伸びている
●形態別の名目家計最終消費支出の推移

注:耐久財、半耐久財、サービスの家計の消費支出総額の推移を示した
出所:内閣府統計を基に本誌作成
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 賃金下落、産業競争力の低下、成長期待の低下、政策の誤り──。長引くデフレには4つの原因があった。約20年間続く病巣を取り除こうと、2012年末に誕生した安倍晋三政権は「アベノミクス」を掲げ、推進した。
 安倍に選ばれた日銀総裁の黒田東彦は2度にわたる大規模な金融緩和を実施、為替相場を円安に傾けて輸出競争力を高めた。昨年と今年の春季労使交渉では企業に異例の要請をして賃上げをさせ、デフレの元凶それぞれに手を打ったかのように見える。しかし日銀が指標にする「生鮮食品を除く総合消費者物価指数(コアCPI)」は今年8月でもまだ前年同月比マイナス0.1。目標の2%には届かず、デフレ脱却はなお道半ばと言わざるを得ない。
 一方、日本企業が保有する現預金は、2015年3月期には240兆円にも達している。しかし「まだ企業は様子見を変えていない」とUBS証券の青木は言う。青木の試算によると、企業はため込んだお金を使うどころか、今年4〜6月期でもまだ前年度比で3兆円増やしている。設備投資については今年度、前期比で10.9%増やすとしているが、この状況では実行されるかどうかは怪しい。
 賃上げは実質賃金が今年6月から前年同期比プラスに転じるなど一定の効果をもたらしているが、肝心の消費に結びついていない。1997年頃から始まった賃金下落で1人当たり年間給与総額は2013年までに14%(約66万円)も減少している(グラフ「給与は下がり続け、デフレの一因となった」参照)。日本全体では約29兆5168億円に相当する「消費原資」が失われており、実質賃金がプラスに転じたからといっても消費者の先行き不安はそう簡単には解消されないのだろう。
 「デフレマインドを払拭するには企業が投資しやすい環境を整える必要がある」と第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生は言う。そのためには、「現在の32.1%から数年内に20%台に下げる」としている法人税引き下げを確実に実施し、国内投資をしやすくする。あるいは「3%以上の賃上げをした企業には、外形標準課税の増税分を免除する」とした賃上げ促進税制のような、賃上げに焦点を絞った優遇策を講じる手もある。ただ、財源は限られている。「新・3本の矢」から抜け落ちている規制緩和で、企業が新たな事業に進出しやすくするといった財政に頼らない仕組み作りも必要だ。
「デフレは企業が作っている」
 しかし政策任せでいいのか。企業の側も変わる必要がある。「顧客は大抵のものを持っているから消費は飽和だというが、商品に顧客の気持ちを捉える『新しさ』を出し続けているのか。売れないから価格が下がってデフレになるのではなくて、売れるものを出していないのではないか。デフレは企業自身が作っている」。セブン&アイ・ホールディングス会長でCEO(最高経営責任者)の鈴木敏文はそう指摘する。
 鈴木は2007年5月に「PB(プライベートブランド)は低価格」という常識を覆して、品質重視のPB、セブンプレミアムを発売し、大成功を収めた。そして昨年、また新たな挑戦を始めた。大型店でも店舗が自ら商品を開発し、発注もする独立型店作りである。

店舗が商品開発、発注をし始めたセブン&アイグループのアリオ上尾店(写真=柚木 裕司)
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 「食品なら地元にある食材を地域の伝統の食べ方を紹介しながら売る。商品を開発するのは店舗のパートなど従業員。彼ら自身が売れると思ったものや顧客の要望を基に商品をそろえる」と鈴木。衣料品なら地元客のニーズを聞いて、季節ごとのその変化を先取りしながら品ぞろえを変えていく。そんな中から他店にない新しさ、価値を作り出していくというわけだ。
 昨年初めからこの方式に変わった埼玉県上尾市のショッピングセンター、アリオ上尾は、食品売り場では地元産野菜を常時50〜100種類もそろえ、衣料品でも要望の多かった女性用の「大きなサイズ」の品ぞろえを拡充するなど、多くの売り場を転換。売上高は改革以前より30%も伸びた。
 デフレ脱却。20年以上にわたって日本経済に巣くう病巣を取り除く主役は、やはり企業なのだ。



戦後70年の日本経済
日本は昨年、第2次世界大戦から70年の節目を迎えた。高度成長から1980年代バブルを経て、90年代半ばからデフレ不況へ。古希の日本経済はどう変わったのか。シリーズで見る。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/011900002/012800010/?ST=print 



2. 2016年2月02日 08:17:45 : jRh6dsUsiY : ZgWI8Po5Hh0[41]
この不景気に変える株なんて有る訳ない、銀行株を売りから入ればもうかる可能性が高いくらいだろう。
もう株式市場は完全な博打場、株価の上げ下げに理屈なんか要らない世界だろう、取りあえず上がるか下がるかは1/2の確率と思っていれば間違いない。。

3. 2016年2月02日 11:29:50 : tF8tKcEMgk : AzsrbsITijc[53]
>2 この不景気に変える株なんて有る訳ない

買えない理由は、不景気ではない。貨幣信用が完全に壊れかかっていて中期的な見通しがたたないためだ。いつであっても当面利益の出ている企業もあれば、金利水準よりも高い配当を出している企業もあるのだから。


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