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[ビジネスTODAY]縮む国内家電市場
昨年出荷額減少、増税響く シャープや東芝…膨らむ再編圧力
国内家電市場の縮小に歯止めがかからない。2015年の国内出荷額は白物家電が2年連続、黒物と呼ばれるAV(音響・映像)機器など民生用電子機器は5年連続の前年割れとなった。人口減少という構造的な要因に加え、14年の消費増税の影響も長引いている。経営不振に陥ったシャープや東芝の再建に注目が集まるなか、国内市場の縮小も再編を促す圧力となっている。
日本電機工業会(JEMA)が25日発表した15年の白物家電の出荷額は14年比2.8%減の2兆2043億円だった。不振が目立ったのは大型製品だ。洗濯機や冷蔵庫は少人数家庭向けに「まとめ洗い」「まとめ買い」に対応する製品の需要が高まり、単価は上昇傾向にあるものの、台数では洗濯機が12.0%減、冷蔵庫が10.4%減と大きく落ち込んだ。
電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した15年の黒物家電の出荷額は6.0%減の1兆2620億円。ボーナス商戦などでかき入れ時の12月も出荷額は前年同月比7.0%減と振るわず、ビックカメラなど家電量販店大手3社も12月はそろって減収だった。
黒物家電の主力の薄型テレビも15年の出荷台数は6.7%減。出荷額では高画質の「4K」対応製品が約4割を占めるまでになったものの、全体では0.5%減とプラスに浮上できなかった。
人口減少や消費増税に加え、国内メーカーの製品に消費者を引き付ける魅力が乏しいことも市場が停滞する要因だ。例えば、2年連続で出荷台数がマイナスの掃除機。家電量販店の店頭では英ダイソンや米アイロボットなどの最新型ロボット掃除機が10万円を超える価格でも好調な売れ行きとなっている。「国内のメーカーは過当競争で疲弊し、製品開発に十分な力を注げていない」(電機業界担当のアナリスト)
韓国は政府が主導し電機メーカーを集約。製品開発と海外展開に力を入れた。結果、東南アジア8カ国の冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンの計32市場のうち15市場でサムスン電子、LG電子の韓国勢がシェア首位に立つ。
日本でも15年末から、経済産業省が所管する官民ファンドの産業革新機構が主導し、東芝とシャープの白物家電の統合が検討されている。シャープは液晶事業の投資の失敗、東芝は不適切会計という不祥事が業績悪化の引き金となった。とはいえ、統合検討の背景に国内市場の縮小という圧力があることは明らかだ。
ただ、企業の再編だけで競争力が強化されるわけではない。消費者のニーズを吸い上げ、魅力のある製品をそろえることが不可欠だ。そのヒントは理美容家電にある。ビックカメラやケーズホールディングスではヘアドライヤーなど理美容家電の売り上げが2桁の伸びを維持している。
理美容家電をシリーズ化し、若年層向け販売促進を展開するパナソニックは「パナのヘアドライヤーは入荷当日に完売する」(家電量販店の売り場担当者)ほど。日立コンシューマ・マーケティングの美顔器も日本製の商品を求めるアジアからの訪日客に人気だ。
高機能、高性能だけでは今どきの消費者は飛びつかない。ニーズの変化をきめ細かく読み取り、製品開発に反映するしなやかさが求められている。
(中藤玲)
[日経新聞1月26日朝刊P.13]
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