原発再稼動で温室効果ガスが減少 再生可能エネルギーの限界 原発を稼動するか、地球を破壊するか、便利な生活を辞めるかの3つの選択肢しかない bn-nt840_gordon_j_20160428152523 引用:https://cop20.files.wordpress.com/2016/06/bn-nt840_gordon_j_20160428152523.jpg
原発停止で大量の温室効果ガス放出
環境省によると2015年日本で排出された温室効果ガスは13億2500万トンで、前年より2.9%減少しました。 環境省は省エネに加えて原発再稼動によって、CO2などの排出量が減少したと分析している。 分析では原発再稼働によって410万トン分の温室効果ガスが減少し、これは全体の0.3%に相当します。 スポンサー リンク 2015年に稼動した原発は九州電力の川内原発1、2号機だけで、稼動したのは9月以降だった。 原発2基が約4ヶ月稼動してCO2が0.3%減少したなら、1年間ずっと稼動していたら0.9%減少していた計算になる。 さらに44基の原子炉全てが稼動したら約20%減少、半分でも10%減少する事になる。 単純計算だが逆に言えば2011年の原発停止以降、火力発電所がこれだけの温室効果ガスを排出してきました。
日本の火力発電所はコストなどの問題で石炭発電が多く、ついでガス発電で、石油を燃焼させる発電の割合は少ない。 期待された再生可能エネルギーは、現状では原発に代わる発電として、まったく役に立ってはいませんでした。 再生可能エネルギーの限界 再生可能エネルギーから、従来からある水力発電などを引くと、発電量全体の3%から5%以下に過ぎず、事故前の原子力発電に代わる事はできない。 震災前の2010年12月に原子力発電が、日本の発電量全体に占めていた割合は32%だったが、原発に代わったのは火力発電だった。 再生可能エネルギーの中心は太陽光、風力、地熱の3つだが、日本ではそれぞれ問題を抱えていて、発電の主力になる可能性は低い。 まず太陽光は地面の面積を太陽光を集光するために利用するので、ソーラーパネルを敷くために他の何かを犠牲にしなくてはならない。
日本には広大な『空き地』というものが存在していないので、農地や森林、工場や住宅地など何かを犠牲にしなくては必要な面積を確保できない。 わずか1%ほどを太陽光発電で賄っただけで、森林破壊や自然破壊による災害が顕在化しており、さらに数倍に増やすことは考えられない。 また何かに利用されている土地を太陽光発電に転用するので、必然的に用地取得費用は高額になり、広大な『空き地』がある外国とは比べられない。
風力発電も同じ事で、風車をどこに設置するのか設置する場所がないし、設置に適した場所は既に何かに利用されている。 地熱発電は「日本は火山国だからいくらでも発電できる」という意見があるが、実際には地熱発電は地形に左右され、日本で大規模な地熱発電に向いている場所は存在しない。 原発と火力を減らすとどうなる 地下深くに大量の水を流し込んで、それを沸騰させてお湯を採取するのは、評論家が言うほど簡単でも実用的でもない。 温泉の40度くらいのお湯は穴さえ掘ればどこででも(チョロチョロと)出てくるが、それで風呂には入れても発電はできない。 再生可能エネルギーはそれぞれ問題を抱えていて、日本の地理的条件では大規模発電ができないのです。 仮に日本が「埼玉県を廃止してソーラーパネルを敷き詰める」的な事をして、発電量の半分を太陽光で発電しても、電力には使えません。
電気は貯めておけないので、「晴れたから消費電力100%を発電した」としても、じゃあ雨や曇りではどうするのかという問題が起きます。 天気次第で発電したりしなかったりし、余った電力はどこかに捨てる一方で、不足した電力はどこかから調達する必要があります。 特に北海道などでは冬のソーラーパネルの発電量はゼロになるので、例え夏の晴れた日に必要量の100%を発電したとしても、全く無意味なのです。
太陽光や風力をいくら増やしても、火力や原発の発電能力を減らす事ができない理由が、ここにありました。 もし多くの人が、「手術中に曇ったら手術を中止する」「雨の日は山手線運休」「冬の北海道は送電停止」などで納得するなら、火力や原発廃止も可能です。 そして火力発電は今後、地球温暖化を防ぐため減らす事が義務付けられていて、今までの日本は「地震で可哀想だから」見逃されただけです。 http://www.thutmosev.com/archives/70483577.html
自民党の原子力発電に関する公約は、以下の通りとなっています。
『原子力の安全性に関しては、「安全第一」の原則のもと、独立した規制委員会による専門的判断をいかなる事情よりも優先します。原発の再稼働の可否については、順次判断し、全ての原発について3年以内の結論を目指します。安全性については、原子力規制委員会の専門的判断に委ねます。』
『中長期的エネルギー政策として、将来の国民生活に責任の持てるエネルギー戦略の確立に向け、判断の先送りは避けつつ、遅くとも10年以内には将来にわたって持続可能な「電源構成のベストミックス」を確立します。その判断に当たっては、原子力規制委員会が安全だと判断する新たな技術的対応が可能か否かを見極めることを基本にします。』
耐震化を含む安全性について確認し、3年かけて順次再稼働を判断していく。将来的なエネルギー戦略確率は「10年以内に結論を出す」という話で、他党のように、 「何年以内に脱原発」 といった威勢のいい文言は入っていません。これにはもちろん、理由があります。
脱原発の定義は何なのでしょうか。要するに、全国の原発を全て停止し、そのまま「永遠に」再稼働しない、という話なのだと思います。
上記の定義の「脱原発」を実現するには、少なくとも三つの越えなければならないハードルが存在しています。
(1) 原発を停止した結果、貿易赤字が拡大し、かつ天然ガスの中東依存が高まっている。ホルムズ海峡封鎖といった事態になると、日本の電力供給は数か月程度しかもたない。この「喫緊」の課題にどのように対処するのか?
(2) 原発を再稼働しない場合、代替のエネルギー供給はどうなるのか。太陽光や風力といった不安定な電力供給では話にならない。「安定的」に電力を供給できる新エネルギーや、蓄電技術などへの莫大な投資が必要になる。 (3) すでに存在している17000トンの使用済み核燃料をどのように処理するのか? (1)については、わたくしは「日本人だから行きました 」でも書いた通り、
「とりあえず、耐震化工事をきっちりとした上で動かす必要がある」 という立場です。浜岡原発に限らず、現在は全ての原発において耐震化工事が急ピッチで進められています。 目の前の「エネルギー供給の危機」をクリアした上で、(2)の新エネルギー(メタンハイドレート含む)への投資や、蓄電の技術開発に多額の資金を投じれば、将来的な脱原発への道が開かれます。が、あくまで「開かれる」だけで、実際には相当先にならなければ実現できません。
理由は、現在の日本には17000トンの使用済み燃料が存在し、これを「再処理」した上で「最終処分」しなければならないためです。
使用済み燃料は、再処理工場で処理することで、(a)ウラン酸化物及びウラン・プルトニウム混合酸化物と(b)高レベル放射性廃棄物の二つに分離することが出来ます。(b)の高レベル放射性廃棄物は、半減期が異様に長い(2万4千年)プルトニウム239や危険なガスを分離しているため、より「安全」な形でガラス固体化し、最終処分(地下300メートルに埋めてしまう。いわゆる「地層処分」)することができます。
また、再処理をすることにより最終処分する高レベル放射性廃棄物の体積をおよそ三分の一に圧縮することも可能です。 (b)について、上記の、
「再処理し、プルトニウム等を分離した上で、最終処分」 という方法は、すでに技術的にほぼ確立されている状況になっています。ところが、再処理でプルトニウム(厳密にはウラン・プルトニウム混合酸化物)が精製されることが気に入らない反原発派は、 「再処理はコストがかかるから、再処理せずにそのまま最終処分せよ!」 と無茶なことを言っています。冗談でもなんでもなく、「コストがかかるから」と超くだらない理由で、バカげたことを叫んでいるのです。プルトニウムを分離せずに最終処分せよというわけですから、安全性の面では大きく(極端に大きく)落ちます。しかも、再処理した上で最終処分するのと比べ、体積が三倍になります。 反原発派は、
「危険だから、原発を停めろ!」 と叫びつつ、 「危険であっても、使用済み燃料を再処理せずに最終処分せよ!」 と言っているわけで、例により見事なダブルスタンダードです。 とはいえ、彼らは「ある一点」ではダブルスタンダードではありません。と言いますか、彼らは「原発を停めろ」という結論については、決して揺るがないのです。日本国民にとって安全、危険の問題ではなく、とにかく「原発を停める」という結論に持っていくため、ダブルスタンダードだろうが屁理屈だろうが、「国民の安全が危険にさらされようが」一向に構わないというのが、反原発派のスタイルです。
先にも書いた通り、使用済み核燃料を再処理すると、上記の通り (a)ウラン酸化物及びウラン・プルトニウム混合酸化物が精製されます。この混合酸化物を原料とするのが「MOX燃料」になります。MOX燃料は、プルサーマルやフルMOXの原発で燃料として使用することができます。というよりも使用しなければなりません。理由は、国際公約上、日本は余剰プルトニウムを持たないことになっているためです。
使用済み燃料を再処理すると、プルトニウムを含む酸化物が精製されます。これをプルサーマルやフルMOXの原発で燃料として使わなければ、日本は国際公約に違反していることになってしまいます。
というわけで、使用済み核燃料を再処理すると、日本は「原発を動かし続けなければならない」という話になります。これが反原発派の人たちにとっては我慢がならないので、相対的に「危険」であるにも関わらず、彼らは使用済み核燃料の再処理に反対をし、プルトニウムを含んだまま最終処分せよ、などと無茶なことを言っているわけです。
現実問題として、日本は使用済み核燃料を「再処理」した上で最終処分しなければなりません(現在と将来の国民の安全のために)。さらに、再処理のプロセスで生成されたプルトニウムは、MOX燃料として「原発」で使用し続けなければならないのです。
青森県六ケ所村の再処理工場は、間もなく実用フェーズに入ります。とはいえ、六ヶ所村再処理工場のキャパシティは、一年間に800トンでしかないのです。すなわち、今後の日本で使用済み核燃料が発生しないという前提であっても、全てを再処理するためには20年超かかるという話になります。
しかも、上記の再処理工程で生成された混合酸化物は、MOX燃料として使用しなければなりません(さもなければ、プルトニウムがどんどん貯まっていきます)。すなわち、プルサーマルやフルMOXの原発を動かし続けなければならないのです。
され、ここまで読み進めて頂いた上で、読者の皆様に問いかけたいのです。原発について「10年以内に結論を出す」と公約に書いている自民党と、 「30年以内の脱原発! (やり方は知らね)」 「いや、我が党は10年以内だ! (やっぱり、やり方は知らね)」 とやっている他党と、果たしてどちらが「真摯」に原発問題に向き合っているでしょうか。
結論を押し付ける気はありませんが、少なくともわたくしが「ノリ」で原発について語っているわけではないことはご理解ください。わたくしは原発関連の記事を書く上で、静岡県の浜岡原子力発電所、青森県の六ヶ所村の再処理施設、東通村の東通原子力発電所、むつ市のリサイクル燃料貯蔵株式会社、そして日本初のフルMOX(になる予定)の大間原子力発電所と、自分の目で各施設を見て回り、現場で働いていらっしゃる専門家の方々から直に話を聞いているわけでございます。
世の中には無責任な評論家やコメンテーターが多く、それこそ「イメージ」「ノリ」「空気」で脱原発やら反原発やらを叫んでいる人ばかりです。この種の方々には、 「お願いですから、自分の目で現場を見た上で、自分の頭で考え、判断を下してください」 と言いたいわけでございます。
イメージや空気で原発問題を語るのはやめて下さい。現時点で空気に流され、いい加減な結論を出してしまった日には、困るのは現在及び「将来の」日本国民なのです。 http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11412953219.html
2016年09月28日 電気自動車は原子力自動車になる 充電に原発50基が必要 http://www.thutmosev.com/archives/66197731.html
台数が少なければ太陽光で足りるが、台数が増えれば新たな発電所が必要になる 引用:http://b-l.jp/manager_OLD_MT_blog_image_html/2013-05-06%2015.03.18.jpg
EV転換には原発50基が必要
世界初のハイブリッド車プリウスが発売されてから20年が経ったが、ようやく時代は次に進むかも知れない。 充電が可能なPHV(プラグインハイブリッド)やEV(電気自動車)が続々と発表されようとしている。 PHVやEVは充電してから走り出すので無公害だが、発電所で発電する必要がある。 自動車が必要とする莫大な熱量を、太陽光や風力、地熱など無公害発電で生み出すのは不可能だと知る必要がある。 電力を100%自然エネルギーで発電できるとしても、(かなり無理があるが)さらに自動車向けの電力を発電は期待出来ない。 欧州環境省EEAの報告では、欧州の自動車の80%がEVになると、150ギガワットの発電能力が必要になる。 1GWは100万キロワットなので、原発150基分の発電量に相当します。
EUの人口は約7.4億人で日本の6倍なので、単純に人口比で割ると、日本では25GW=2500万キロワットが必要になります。 100万KWの原発25基分だが、日本の平均的な原発の稼働率は50%なので、自動車の80%をEVに転換するには50基の原発が必要になる。 基礎電力としても原発は必要なので、70基前後の原発を稼動させる必要が生じます。
原発が環境に優しいのかは議論があるが、電気自動車=原子力自動車だと言って良いと思います。 原発以外でEVの電力を発電する方法は、天然ガス、石油、石炭などが考えられるが、どれもCO2などの公害をゼロにはできません。 EVに必要な発電量とは
それぞれの方式のエネルギー変換効率は次のようになっています。 電気自動車のエネルギー効率は80%と役所は説明しているが、それは電気で走行するエネルギー効率のことです。 実際には天然ガスや石炭から発電する際に発電ロスが出るので、40%を超える事はない。 @ガソリン自動車 約15% A水素自動車 約30% B市販ハイブリッド 約30% CプラグインHV 約35% D電気自動車 約40%
「アクア」など従来型ハイブリッドと電気自動車の発電効率は、10%しか違わず、天然ガス等で発電すると、公害が出ないわけではない。
それほど多くの電力は必要ないという意見も存在し、例えば日本の乗用車は約7000万台、1台当たりの走行距離は約8,700kmでした。 EVの電力効率は6km/kWhなどの数字を用いて計算すると、EVの消費エネルギーは約87GWhで日本の消費電力の約10%になる。 EUの計算ではEVに150基もの原発が必要で、日本の学者の研究では、新たな発電は不要とはどういう事だろうか。
両者の言い分を比較すると、日本の学者は「充電のために必要な発電量」ではなく、年間消費電力で比較している。 例えばある連休前の金曜日、休日に使用するため7000万台の電気自動車が一斉に充電したらどうなるのか。 一斉に充電したらどうなるか
「そんな事は起こらない」というのは簡単だが、同時に1000万台や2000万台が充電されるのはありえる。 しかも急速充電では一定時間の電力消費が大きいので、急速充電が普及するほど電力負担は大きくなる。 年間の消費電力の10%だから、既存の発電所で足りる事にはならないでしょう。 HV車では一斉に給油しても何も起きないが、EVではみんなが一斉に充電すると、日本の電力システムが壊れかねません。
家庭用急速充電の消費電力は3,000Wなので、1000万台が同時に充電したら3000万KWになります。 消費電力が少なくても、充電時に必要な発電量は10%では済まないのが分かります。 日本全体の発電能力は約22600万kWで原発を抜くと約17500万kWになるそうです。
1000万台が同時に充電すると3000万kW、2000万台なら6000万kWが必要になり、エアコンのように瞬間的に消費電力が急上昇すると考えられます。 それが真夏のエアコン使用時と重なったら・・・と電力会社は想定するので、現在の3割増しの6000万kW以上は発電能力を強化する必要があります。 それだけの電力を必要な時に確保できるのは火力か原発しかなく、火力はCO2の関係でむしろ減らす必要があります。 http://www.thutmosev.com/archives/66197731.html
2017年02月26日 日本の電力消費をすべて太陽光にするとどうなるか http://www.thutmosev.com/archives/69589222.html
ピーク時の最大消費電力に対応できないといけない 引用:http://www.nikkei.com/content/pic/20160531/96958A9F889DE2E0E3E2EAE5E4E2E3E2E2E7E0E2E3E4E2E2E2E2E2E2-DSXZZO0210882010052016000000-PN1-10.jpg
太陽光ブームが去った理由
太陽光発電のブームは去って、政府の強制買い取り価格が下げられたのもあり、新規設置は下火になっています。 政府はこれ以上太陽光発電が増えると困るとして買い取り価格を下げ、新たな認可を制限しています。 政府が買い取り制限した理由は一つには太陽光発電の価格が他の発電方法よりも高すぎるからで、差額は電気料金に転嫁されています。 もう一つは物理的に、過大な太陽光発電の送電によって電力設備が破損する可能性が生じる為です。
日本は島国で県境を山に隔てられているので、それぞれの電力会社や地域ごとに、独立して発電してきました。 柏崎原発の電気を東京に送電するなど例外はあるものの、外部から電力供給させる仕組みになっていません。 そこで電力買い取り制度を始めるのに、大手電力会社が費用を負担して送電設備を建設したが、考えてみればおかしな事です。
各家庭やメガソーラーが勝手に発電しておいて、送電線や変電施設などは買い取る側が全額負担する事に不満が高まった。 大手電力は2015年ごろから「買い取り拒否」するようになり、理由は送電網が破損する恐れがあるからでした。 発電した電気を送電する設備は本来、発電企業が負担すべきものですが、この費用も大手電力の電気料金に加算されています。
3.11後に東京で計画停電があったとき「他の地域から送電してもらえば良い」という議論があったが、これも設備が不十分なので困難でした。 日本中の送電網全てを、互いに送電したり無制限に太陽光電力を買い取れるようにするには、買い取り費用や発電設備を含めて、数十年間で日本のGDPに匹敵する費用がかかると言われています。 日本の電力すべてを太陽光にしたら
太陽光発電のコストがどうかという以外に、送電設備の膨大なコストが掛かるので、太陽光や風力が増えすぎたら政府は困るのでした。 だが仮にこうした設備や制度問題が解決したと仮定して、それでは日本の電力全てを太陽光発電でまかなうとどうなるでしょうか。 やはり3.11後にこうした議論がありましたが、ソーラーパネルを設置する平地が足りないとか、現実の壁にあたりました。 『日本の電力を全て賄うソーラーパネルの大きさは?』(太陽光発電は損か?得か?元が取れるか?)というブログで詳細な計算をし、必要なパネルの面積を導き出しているのを見つけました。
計算は複雑かつ長いので手短に説明すると、日本の年間電力消費量は約1兆kwhとし、この発電量を得られるソーラーパネルの面積を求めている。 計算結果は7,400平方kmで熊本県の面積7,405平方kmにほぼ等しかったので、熊本県を廃止して平らにしてソーラー発電すれば、日本の電力全てが賄えそうな気がします。 だが原発や火力なら確かに約1兆kwhを発電すると年間発電量に足りますが、太陽光発電は出力調整できないという欠点があります。
東京で消費電力が最大になるのは真夏の最高気温がピークの日の午後2時頃で、なぜか甲子園で高校野球をやっていると決まっています。 つまり年間トータルや一日の総発電量ではなく、「その瞬間」ごとに必要電力を供給し続ける必要があります。 真夏の一日の最大消費電力は6000kwhで、気温が20度を切ると消費電力も3000kwh以下に低下していきます。
暑い日は太陽光の発電量も増加しますが、必要な分を必ず確保できるという確実性がありません。 そして北海道は夏より冬の冷房期の消費電力が多いが、北海道では冬季は太陽光発電ができません。 発電できない日は電気を使わない生活にするなら問題ない 7eeb9413e7bede288ce20e6191cc9f8a_s
電力消費にあわせた発電ができない
このようにピーク時の消費電力を考えると、年間消費電力を太陽光で発電しても、それでは全然足りないのが分かります。 それに日が暮れると太陽光は発電しなくなるが、人間は夜間も電力を消費しています。 仮にソーラーパネルを熊本県の10倍に増やしてもピーク電力には足りない可能性があり、天気に関係なく発電量を確保できる発電所も必要になります。 地球温暖化で火力発電所は今後増設どころか閉鎖せざるを得ないので、発電量増加が期待できるのは風力と原発だけという事になります。
風力は風任せという点で太陽光と変わらないので、仮に年間発電量を太陽光で発電しても、同じ規模の火力や原発が必要になります。 台風とか雪とか梅雨では日本中が同時に曇るので、太陽光の発電量が著しく低下した時にも備えておく必要があります。 というわけで日本の消費電力全てを太陽光で発電できても、やっぱり太陽光以外の同じ規模の発電所が必要になります。
曇りの日は電気を一切使わないなら良いですが、現代人は天気が変わっても生活スタイルを変えようとしません。 電気を溜めておければ良いのだが、電気自動車でも200キロ程度走るのが精一杯であり、曇りの日の一日分の日本の消費電力を溜める電池は、できそうもありません。 太陽光の発電量をいくら増やしても、それで電力全ては賄えないのでした。 http://www.thutmosev.com/archives/69589222.html
2017年04月12日 電力自由化1年 大都市では恩恵、地方では弊害 http://www.thutmosev.com/archives/70427001.html
新電力は儲かる場所でだけサービスし、儲からない場所は大手電力に押し付ける。 その結果大都市だけ安くなり、地方では値上げされるだろう。 引用:http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/a/asiaasia/20160105/20160105231954.jpg 新電力は大都市に集中
2016年4月1日に電力小売り自由化が始まってから1年が経ち、新電力に切り替えたのは300万世帯を超えました。 全国で342万件の一般家庭が大手電力会社から新電力に切り替え、全体の5.4%になりました。 契約数2300万件の東京電力から7.8%が、契約数1000件の関西電力からは7.1%が切り替えるなど活発な動きがあった。 関東と関西以外では北海道電力からは5.9%、中部電力からは3.8%、九州電力からは3.4%のように切り替え率は低かった。 さらに東北電力からは2.2%、北陸電力からは1.6%、四国電力からは1.6%、中国電力からは1.1%などに留まった。 福島第一原発事故でイメージが悪化した東京電力は、首都圏で新規事業者の参入が多く、切り替える契約者が特に多かった。 同じく都市人口が多い関西電力でも新規参入事業者が多く、低価格プランに切り替える人が多かった。
人口が少ない地域では参入する事業者が少なく、魅力的な低価格プランも少なかったので、切り替える人は少なかった。 北陸や四国などでは参入事業者がほとんど無かったため、切り替える選択肢もあまり無かった。 通産省は自由化すれば競争原理が働いて、電気料金の低価格化が進むと説明しているが、これには異論も出ている。
先に電力自由化した国の中で、自由化前より料金が下がった例は少なく、自然エネルギーの負担と相まって大半が大きく値上がりしている。 電力は発電を集中させるほど1キロワット当たりのコストが下がり、分散させるほど上昇するので、自由化で発電施設を分散すると理論上のコストは上昇します。 新電力の誤解
日本の場合は送電施設や変電施設、電力買取費用まで全て、大手電力会社が負担しているので、今の所新電力の料金のほうが安い。 本来は別企業なのだから、電線から変電施設まで新電力会社が用意するべきだが、大手電力に負担させている。 そのうえ大手電力は原発を停止させられたうえに、停止している原発のコストも負担しているから、新電力より高コストになっている。 新電力が自己負担すべき設備投資などを大手電力に負担させていて、その分は結局大手電力の利用者に負担させている。
大手電力は全国全ての家庭に「送電義務」があるのに対し、新電力は「発電したいときだけ発電し」嫌なら発電しなくても良いので、かなりアンフェアな自由競争です。 東京電力は離島や限界集落にも送電しているが、東京ガスは「もうかりそうな場所」でだけ商売をしています。 発電事業は規模を大きくするほど効率が良くなるのだが、新電力に「おいしい場所」を取られてしまうと、大手電力会社の経営は悪化します。
その結果、離島や山間地や地方では電気料金が値上げされ、全国平均では電気料金が自由化前より高くなる可能性が高い。 こうした事は電力自由化した欧米では既に起きていることで、世界的にも自由化の成功例があまり無いのです。 http://www.thutmosev.com/archives/70427001.html 2016年10月13日 東京大停電で問われる「東電不要論」の無謀さ
電力を完全自由化したら、東京では毎日停電が当たり前になる 引用:http://pbs.twimg.com/media/CujKD0zXEAAH9Kj.jpg
東京で停電が普通になる日
東京では珍しく、10月12日午後3時半ごろに都内で58万戸が一斉停電し、午後4時25分ごろ回復しました。 福島原発事故や全原発停止でもほとんど停電は無かったので、日本人(特に東京都民)は停電しないのは当たり前と考えている。 だがこれからはもしかしたら、毎日停電するのが当たり前の時代が来るかも知れません。 諸外国では太陽光や自然エネルギー発電の普及、電力自由化などが原因で、停電が頻発するようになった国があります。
今回の東電の停電原因は埼玉県にあった地下施設の火災で、変電所から東京都内に送電する送電線のケーブルが収められていました。 ケーブルの皮膜が劣化するとショートし易くなり、火災に至る可能性があるとのことで、こうした原因が考えられています。 ケーブルを覆う絶縁体に油が使われていて、ショートした火花が油に引火して、燃え広がった可能性があります。
経済産業相は東電社長を呼びつけて「何をしているんだ!」と怒鳴りつけたと報道されているが、福島原発事故での菅直人首相と同じ態度ではないか。 菅直人首相にしても世耕経済産業相にしても、他人事と考えているから、怒鳴り散らせば解決すると考えているように見える。 事故の原因は大抵、怒鳴れば解決するようなことではなく、複合的で根深い原因がある筈です。
怒鳴られた事でもう東電は政府には相談しなくなり、より一層問題を隠したり、政府に報告しなくなるでしょう。これが人間の心理です。 世耕経済産業相は「なんで35年間も交換しなかったんだ!」と怒鳴っているが、35年間のうち5年間は福島原発の対応に追われて、それどころではなかった。 電力自由化の悪夢にうなされるドイツ人
事態をより一層悪化するかもしれないのが「電力自由化」だが、幸いな事に今のところ掛け声だけで自由化は全く進んでいません。 主要先進国の多くが電力自由化したが、成功した国は一つも無く、必ず電気料金が2倍になって停電と事故が頻発しています。 どうしてそうなるのかは、電力事業は競争原理や市場原理にそぐわないからだとしか言いようがありません。 多くの人が理想としているドイツでは、自然エネルギーと自由化によって電気料金が2倍以上に上昇しました。
それは良いとしても、自由化と脱原発が進むに連れてドイツは「停電大国」になっているのです。 この数年で1時間程度の停電が頻発するようになり、毎月毎週のように停電が起きています。 1時間ぐらい良いじゃないかと思うのは昔の人で、確かに昭和の中ごろは良く停電したし、信号が止まっていても気にしませんでした。
でも今の世の中はすべてITとか電子機器で動いていて、停電すると連鎖反応で全部止まってしまいます。 昭和の時代は一つ一つ独立した機械が停止するだけだったが、今は日本中が繋がっています。 作業中のデータが消えてしまったり、プログラムが破損したり、予想外の影響が出るかも知れません。
携帯電話の基地局は数時間は内臓電池で動くが、長時間停電だと携帯電話も使用できなくなります。 ドイツでは自由化で電力会社を民営化した結果、経営努力で「不要なコスト」を削減しました。 不要なコストってなんだ?
問題は「不要なコスト」って何だろうという部分ですが、点検や修理に当たる作業員を解雇する事でした。 1年に1回点検していたのを10年に一度にすればコストを10分の1にできるというのが、ドイツ流経営努力でした。 日本のJRも国鉄を民営化して保守要員を大量解雇し、現在事故を多発させていますが、あれと同じです。 日本の電力会社は戦前は国営だったが、民営化して各主要電力に分割されて現在に至っています。
国営から分割民営化したときも電気料金が大幅に値上がりし、ドイツやアメリカも民営化したら値上がりしました。 単純な話、国営電力会社で全国に1社しか存在しなければ、1社分だけの電力設備で事足ります。 だが2社で競争させれば2社分、3社なら3社分の無駄な設備費が必要に成るので、分割するほどコストが悪化するのです。
電力の需要なんてのは固定しているので、半額にしたら10倍売れるというような資本主義の法則は通用しません。 医療でも医療費を半額にしたからといって患者が10倍に増えたりしないが、こういう需要が固定した産業で競争主義はなじまないのです。 自由化された電力会社が売り上げを増やす唯一の方法は電気を値上げする事だけなので、市場原理に従って自由化したら電気の値段は上がります。
もっと大きな問題は東電や関電のような大手電力は最大必要量の2倍以上もの発電量を確保しているが、自由化したら合理化で余力は廃止されます。 この「無駄な余力」があったからこそ日本は福島原発が爆発しても、全原発を停止しても平気だったのです。 電力自由化だの分割民営化は、日本が自ら死を求める行為に過ぎないように思われます。 http://www.thutmosev.com/archives/66547160.html
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