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「無印良品」を放射能汚染と“誤報”した中国国営テレビの顛末 中国、震災以降の禁輸措置も解除せず 風呂敷広げ放射能汚染訴え
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/703.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 3 月 23 日 10:30:15: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

2017年3月23日 陳言 [在北京ジャーナリスト]
「無印良品」を放射能汚染と“誤報”した中国国営テレビの顛末


販売元である良品計画の本社所在地が「製造地」として報道された(写真は問題になった商品ではありません)
 中国の国営放送である中央テレビは毎年、消費者権利保護デーである3月15日に特別番組『315晩会』を放映する。例年、非常に高い視聴率を記録する番組だ。

 今年の3月15日夜に放映された『315晩会』では、「放射能で汚染された日本の食品が中国に流入していること」が取り上げられ、無印良品、永旺(イオン)スーパー、カルビー、深セン海豚跨境科技有限公司などの名前が公表された。これらの企業の中で最も知名度が高いのは無印良品である。

 中央テレビによると、「無印良品が販売している日本製の食品のパッケージ上には中国語で日本の生産地を表示したラベルが貼られているが、そのラベルをはがすと、これらの商品の本当の生産地が『東京都』と記されている」。東京都は中国が食品輸入を禁止している放射線汚染地区だ。

 予想通り、この番組によって瞬く間にSNS(ソーシャルネットワーキング)上は無印良品に対する批判や罵詈雑言であふれ返った。これに伴い、日本の企業や国、日本人を侮蔑するコメントもネット上を賑わせた。普段は厳しい言葉で民族主義に反対している『新京報』でさえ、当日夜のうちに、同社の微信(WeChat、ウィーチャット)公式アカウント『沸騰』上で、無印良品を叩く記事を掲載した。

無印の反撃と
世論の逆転

 しかし翌3月16日、無印良品(上海)商業有限公司は、同社の公式アカウント上で、報道されている問題は「誤解」であるという声明を出した。中央テレビが指摘している食品パッケージに記されている「東京都」は生産地ではなく同社の本社所在地であって、今回取り上げられた「ノンカフェインはと麦&レモングラス茶」の生産地は福井県、「大粒卵ボーロ」の生産地は大阪府で、いずれも中国が食品輸入を禁止している放射線汚染地区ではない。

 いつもなら、315晩会で社名を出し吊るし上げた企業に対しては、中央テレビ局はその後、行政の立ち入り検査があればその様子、企業責任者の事情説明、消費者の抗議の声などを追加的に報道する。例えば、イオンに立ち入った行政担当者に対し、中国の現地責任者が日本産の食品の前で「棚から商品を下ろした。現在、産地を再確認している」と説明する様子が報じられた。しかし、中国で最も有名な無印に対しては、なぜか報道はなかった。無印の出した「誤解」声明についても、中央テレビは報じていない。

 もっとも、他のメディアは、無印への取材を忘れたわけではない。16日、『澎湃新聞』は「上海出入国検査検疫局が提供した情報によれば、無印良品が販売している上述の二つの食品は、それぞれ福井県と大阪府で製造されたことが調査によって確認された」と報じた。「無印良品(上海)商業有限公司の輸入記録を調べたところ、日本の放射能汚染地区で製造された商品は見つかっていない」とのことだ。

 無印が公然と「誤解である」と声明を出した後、遅ればせながらカルビーも反論をした。カルビーについては、個人輸入などの電子取引(Eコマース)で人気商品ゆえか、ネットでは何人かのブロガーが輸入禁止の地域から入っている製品はまったくないという情報を明らかにし、小さいながらも“つぶやき”の援護をした。

 かくして、中央テレビの面目は丸つぶれとなった。国営のメディアとして、基本的な事実確認さえ疎かにしているようでは、あまりにも職業倫理と節操に欠けていると言わざるを得ないのではないか? そんな中央テレビを非難する声が、ネット上に次々に上がった。『新京報』は3月16日、『沸騰』上に掲載した無印良品を叩く記事をひそかに削除した。

国営テレビの誤報に反証
破られた暗然の了解

 3月22日現在、誤報に対して、中央テレビは事態の収束に乗り出すことはなく、もちろん日本企業に対する謝罪なども、番組を見るかぎり行っていない。

 誤報に対して謝罪・訂正することは、国営放送の中央テレビを除けば、中国のメディアもきちんと行う。ただし、筆者の感覚としては、中国のメディアも日本のメディアと同じく、各社の意見の違いがあってもメディア各社の間には「互いを攻撃し合わない」という暗黙の了解はある。中央テレビが間違いを犯しても、その間違いを直接指摘するようなことはしないのが、これまでの風潮だった。

 しかし今回、前述のように『澎湃新聞』はそのタブーを破り、独自の取材によって中央テレビの誤りを正す報道を行った。

『財新ネット』も同様に、この問題に対して「客観性」を貫いた。3月16日、『財新ネット』は「日本の食品:正規ルートでの購入には何ら問題なし」という記事で、無印良品だけでなく、すべての合法的に輸入された日本の食品を弁護した。同記事は「日本の食品は汚染されているゆえに、すべて店頭から撤去すべきだ」という根拠のないデマを直接否定した。

 驚くべきことに、中国のポータルサイト大手『網易』は3月17日付で、「誤解は禁物:日本からの輸入食品はどれも安全」という記事を掲載し、『財新ネット』よりもさらに力をこめて日本の食品を弁護した。

『網易』の記事では、「福島原子力発電所での事故が発生した後、中国は直ちに日本および放射線汚染地区からの輸入食品を締め出した。この禁止措置は国家品質監督検査検疫総局が2011年6月13日に公布したもので、今日に至るまで続いている」と指摘している。

 また「日本政府が作成した報告や外国の研究者たちの継続的な調査によって、福島地区の食品の安全性はすでに証明されているが、放射線汚染地区の食品に対して輸入を禁止するという措置は、核と聞くと顔色を変える中国において、すでに固着化してしまっているようだ」と『網易』の記事は分析している。

 網易は「メディア同士で互いを攻撃し合わない」という暗黙の了解さえも破り、「一万歩譲って、仮に中国で販売されている無印良品の食品に本当に問題があったとしても、それは合法的な検疫プロセスを経て中国に輸入されたものである以上、どこからともなくやって来た『不良会社』に対する責任は税関や検疫部門が負うべきではないか? 年に1度の315晩会で、問題を指摘するどころか逆にしっぺ返しを喰らってしまった」と厳しい見解を示した。

 この記事には「呉小異」という署名があるが、ネット検索しても何者かが分からない。その理由を推測すると、この名前は臨時に利用した仮名に過ぎず、言い換えるとこの記事は読者の誰かが投稿したものではなく、『網易』の編集部によるものなのだろう。

 あるジャーナリストは、こんな話をした。「実のところ、プロとしての素養や職業倫理の程度において、中央テレビの記者は中国のメディア各社からかなり軽蔑されているが、それもまた公然の秘密である」という。検証を疎かにした素人報道をしているというよりも、“どなたか”の思いを忖度して、報道していくことは、ままあったからだ。今回の網易が取った行動は、このような軽蔑的な感情の発露なのかもしれない。

 福島原発の事故については、日本政府、東電が事故に関するデータなどを隠蔽しているのではないかとの報道が中国メディアも中に存在しているのは事実だ。原発事故による放射線で汚染された食品が中国に流出しているというデマも、インターネット上でたまに見かける。この数年間で、大多数の国が日本からの食品輸入を禁止する措置をすでに解除しているにもかかわらず、中国では昨年「米国が日本の食品を輸入停止にしている」というデマも広がった。315晩会での無印、イオン、カルビーをめぐる報道は、そんな状況から出た。

 デマが広がりがちな中国世論に向けて、中央テレビの報道はまさに火に油を注ぐものだった。ただし、火傷したのは日本企業ではなく、火遊びをした中央テレビであった。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

*「陳言の選り抜き中国情報」は今回が最終回となります。長い間のご愛読ありがとうございました。
http://diamond.jp/articles/-/122166?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

 


中国の「放射能汚染」告発に無印良品が徹底反証

中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス

“小清新”は「中国産フェイクニュース」より「日本産」を支持
2017年3月22日(水)
福島 香織

中国中央テレビCCTVは特別番組「315晩会」で「無印良品」を告発したが…(写真:Imaginechina/アフロ)
 毎年3月15日の世界消費者デーの夜に、中国中央テレビCCTVは特番を組んで消費者目線に立って企業やブランドの問題点を暴露する。いわゆる「315晩会」である。消費者保護のためのキャンペーン番組の体をとっているが、その実、外資企業や大手企業をバッシングすることで、社会不満を募らせる庶民のガス抜きをする番組でもあり、また外資系企業の評判を落とすことで、中国国内企業を擁護する狙いもあるといわれている。とにかく視聴率は高く、その番組でやり玉に挙げられた企業は株価が一気に下がったり、クレームが殺到して、一時的にでも市場から排除されるので、外資企業も含め、この日はびくびくなのだった。

 今年は、折りからTHAADミサイルの報復として韓国企業・ブランド・韓流ドラマなどが排斥されていたので、ターゲットは韓国企業になるだろうと思われていたのだが、蓋を開けてみると、ターゲットになったのは、米国企業と日本だった。ナイキと、日本の“福島原発汚染食品”を販売していたとされた無印良品だ。

 興味深いのは、無印良品側はこの報道に対し、「誤解である」と反論、対象商品の撤去にも応じなかったことである。そしてさらに面白いことには、ネット上にはCCTVの取材のほうが怪しい、どっちを信じる?といった発言まで流れた。これまでも「315晩会」の取材の在り方には確かに不条理な部分もあったのだが、企業側はその不条理に文句を言わず、ひたすら謝罪し、“バッシング”をやり過ごす、という方法をとってきた。その方が“被害”が少ないからだ。

 では、無印良品が強気にも反論した背景は何なのか。

互動百科は謝罪、ナイキは返金を表明

 今年の315晩会で、消費者をだます悪徳企業としてバッシングされたのは大手では、中国ネット企業・互動百科、アメリカのスポーツ関連品メーカー・ナイキ、そして日本の無印良品(良品計画)である。

 互動百科は中国のウィキペディアみたいな、ネット上の知識プラットフォームだが、そこにはあからさまな商品広告が載せられていた。例えば健康食品「極核5S」の欄には、「冬虫夏草の800培の功能」といった虚偽の商品宣伝が載せられている。中国では健康食品の広告において、根拠のない功能をうたってはいけないと決められているが、互動百科という、“ネットユーザーによる知識プラットフォームにおける意見”というスタイルにすることで、その盲点をついた“広告宣伝”が可能というわけだ。

 しかも、百度百科は本来、ユーザーが無料で知識・情報を書き込んでいくもので、そこに虚偽があった場合は、互動百科側が削除・凍結するルールになっているのだが、実のところ、互動百科側に広告費を払えば、あたかもユーザーによる知識プラットフォームの体を装った広告が、削除されないまま残ることまで暴いた。互動百科はこの番組放送後、いち早く「一部社員のやったことで、今後企業管理に漏れがないようにいたします」と謝罪を表明した。

 またナイキのテクノロジーシューズ・ズームエアに内蔵されているはずのエアユニットが、中国でコービー・ブライアント北京五輪仕様復刻版と銘打って売り出されたものに関しては内蔵されていなかったことも315晩会で暴露された。国際標準のズームエアと、中国国内限定販売用のズームエアと仕様が二つあるというのだが、消費者にしてみれば納得いかない話だろう。ナイキ側は誤解を呼ぶ広告の仕方をしたとして、消費者が望めば全額返金に応じるとしているが、消費者側は消費者権益保護法にのっとって、購入額の三倍の慰謝料を支払うべきだと訴えていた。ちなみに、この番組放送後、ナイキ側は沈黙を守っている。

「なんと恐ろしいことか」

 さて、問題の日本の“放射能汚染食品”のバッシング報道だが、CCTVは中国国内1万3000以上のネットショップやスーパーで日本の核汚染食品が売られていると暴露した。例えば、カルビーのスナックの製造元は東京都。工場は栃木県。東京都も栃木県も2011年の311東北大地震以降、中国が食品輸入禁輸措置をとっている対象12都・県(現在は10都・県)に含まれている。スーパーの棚に並んでいるレンジでチンするごはんパック。中国語の製造元表示には北海道産とあるのだが、その中国語表示をめくると、製造者住所は新潟県。これも禁輸措置対象地域だ。こうした“日本の放射能汚染食品”は、良質・安全を売りにしているブランド・無印良品のスーパーで売っていることも判明した。

 からくりは至って単純で、天津や深圳の保税区留めで輸入したのち、保税区内から宅配便で保税区外に送る。よくある密輸入のパターンである。

 こうしたCCTVの調査報道映像のあと、スタジオの司会者は、「初期統計で1万3000もの店で放射能汚染食品が売られているとは。この数字はなんと恐ろしいことか。まさか輸入代理店は、国家の法律を知らないわけではないでしょう。まさか、これら食品が自分たちの同胞友人たちの健康を損なうかもしれないことを知らないわけではないでしょう」と怒りをあらわに訴えるのである。

 この放送を受けて、中国のメディアは「恐怖!日本の放射能汚染食品を我々は食べていた!」と煽情的なニュースを流し、ネットショップでは一斉にカルビー製品が姿を消し、全国のスーパーは日本産の食品を棚から撤去したのだ。だが、この番組に反論した企業があった。無印良品だった。

CCTVを信じるか、無印を信じるか

 無印良品サイドは、中国のSNS微博のオフィシャルアカウントで「輸入食品はすべて安全検査を受けている。放射能汚染食品を販売したという事実はなく、CCTVは製造会社の住所と生産地を混同しているだけであり、報道は全くの誤解だ」と表明した。そして315晩会で批判対象となった日本産食品・飲料の原産地は、実は福井県と大阪府であるとの説明をしたうえで、原産地証明を出してきちんと税関検査を受けて、合格を得た商品であるということを、税関書類の写真を添付しながら訴えた。もちろん、店舗から対象食品・飲料を撤去しなかった。

 さらに意外なことに、この無印良品の抵抗は中国のネットユーザーたちを味方につけ「無印良品の逆襲が成功!」「企業広報は無印良品に学べ!」「CCTVを信じるか?無印を信じるか?」といった発言も飛び出した。また、一部大手ネットメディアも無印良品側の言い分を丁寧に報じた。

 これはなぜかということを考えるとなかなか面白い。

 微博ユーザーのV(VIP称号、影響力のあるアカウント)アカウントの少なからずが、CCTV報道に突っ込みを入れて、無印良品サイドの立場に立って発言している。

 例えば「青年考古学生」という編集者のアカウントはこういう。

 「CCTVが何を言おうが、地方メディアが何を信じようが、無印良品が声明を出す前は、ほとんど一方的な暴露でしかなかった。さらに言えば新京報メディアは、(独自取材もせずに)“無良印品”などと揶揄した。メディアは自分で事実を求める精神で再調査・再取材しないのか?」

 とあるブログニュースはこう指摘する。

 「中国において、メディアの擬人化がひどく進んでいて、まるで視聴者・消費者を父母のように一方的に誘導するようになっている。…CCTVが発信したのだから、我々も唱和せねばならない。CCTVをそらんじておけば、どちらにしろ私たちには責任がない。こういう大衆の心の在り方は、無責任なメディアと同じである」

 中国における官製メディアへの不信は実は、ネットを駆使するような若い世代や知識層の間には根強くある。だが、メディアが共産党の喉舌であり、党の代理人としての立場にある以上、表立った官製メディア批判は党批判となるので、多くの視聴者はフェイクニュースだとわかっていても、あまり文句はいわない。そして、政治的安全を考えて、時にそのフェイクニュースにあえて乗じて、自分の利益になるように行動する。

 例えば、かつて日本で生産されているSK‐Uの化粧水に、中国の品質検査上問題のある成分が検出された、という報道があると、それが実は日中関係悪化にともなう中国サイドの一種の報復バッシングであるとわかっている消費者も、空のSK‐Uの瓶を持って返金を要求したりもした。真実は何かということよりも、どう行動すれば政治的に安全であり、個人として利益を得られるか、ということが中国大衆の判断基準でもあった。

 では、この“日本の放射能汚染食品”問題について、少なからぬネットユーザー、大衆が多少の“政治的安全”を犯して、無印良品のサイドに立ったのは、どういうわけか。

“小清新”が好む村上春樹、岩井俊二、無印良品

 ここからは私の想像なのだが、一つの背景は、“無印良品”という日本を体現するようなブランドの威力、信頼性というものがあったのではないか、と思う。中国経済の悪化にともない、外資系企業、外資系ブランドの撤退ラッシュが続く中、無印良品は怒涛の出店を展開し中国の若い世代に圧倒的な支持を受けている。中国の「名創優品」チェーンなどは、明らかに無印良品のブランド力に乗じた戦略で人気を博した。しかも無印良品の持つイメージ、たとえばシンプル、ナチュラル、エコ、オーガニック、ちょっと上質な暮らしといったキーワードは、中国のプチブル層に誕生した“小清新”と呼ばれる若い女性層の好みに合致し、いわゆるエルメスやシャネルに身を固めるセレブ層とは違う、洗練された自然派の都市民ファッションの一つの流行となった。

 そもそも小清新というイメージ自体が、非常に日本的といわれ、小清新が好む小説・映画といえば村上春樹や岩井俊二がトップに来るし、化粧も日本的なナチュラルメイク、美肌スキンケアに重点を置き、ふかひれアワビの飽食よりも、オーガニック食品やマクロビ(日本発の健康食生活法)にこだわる。つまり小清新のイメージは無印良品であり、無印良品のイメージは日本を体現しており、若い小清新な中国人にとって日本とは、シンプル、ナチュラル、エコ、オーガニック、ちょっと上質な国として、圧倒的な信頼を得ている。日本のこの無印良品的ブランド力は、中国における一つの文化形成に寄与するだけの影響力を持っていたわけだ。このあたりの背景は、拙著『本当は日本が大好きな中国人 (朝日新書)』(朝日新書)に詳しいので参照してほしい。

 そのきわめて日本的イメージの無印良品が、CCTV報道に対して「誤解だ」といち早く発信した。ここで、CCTVは嘘つきだ、といわずに「誤解だ」というあたりが奥ゆかしい。そして、わざわざ丁寧に、証拠の税関書類や品質検査合格書類などを添付して、冷静に誤解を解こうとしていることが、好感を得た。こうなってくると、普段、中国のフェイクニュースに対して正面から声を上げることが難しい中国ネットユーザーたちも、ちょっと嬉しくなってくるようだ。ネット上では「疑いなく、無印良品の勝利」と指摘する声もあった。

傲慢フェイクニュースにうんざり

 もう一つは、中国人消費者の間に、中国の“日本の放射能汚染地域生産物”の全面禁輸にうんざりしている空気があった。エコ、ナチュラル、安心、安全、ちょっと上質にこだわる中国の都市部プチブル層は、実は日本製の食品を買いたい。だから、日本旅行に行った際に食品の爆買いをするし、日本に留学・駐在している友人に頼んで送ってもらったりする。売れるから、ネットショップで、カルビーのフルグラ(栃木県産)が販売されるのだし、密輸入の真空パックごはんにわざわざ北海道産とウソの生産地を書いたシールを張ってまでスーパーの棚に並べられるのだ。

 スーパー側も消費者側も、震災後6年も経つ今なお、日本の10都県からの禁輸措置を不条理だと感じているのだ。はっきり言って、日本の放射能汚染食品の問題よりも、そろそろ北京にも飛んでくる黄砂とともに放射性セシウムを吸い込むことによる内部被ばくの方がよっぽど深刻で切実な問題ではなかろうか。

 この後、中国当局の無印良品イジメが本格化して、最終的に無印良品側が前言を撤回して謝ることになるのか、それとも無印良品の冤罪ということで決着がつくのかはまだわからない。

 だが、消費者にとって、バッシングすべき不良品は、自前取材をせずにフェイクニュースを日常的に流し、あたかも自分たちが世論をコントロールしているかのような傲慢さを隠さないメディアの方だということは、別に中国だけの話ではないということだ。

【新刊】『孔子を捨てた国――現代中国残酷物語』

 ともに儒教を文化の基盤にしているから「中国人とは理解しあえる」と信じる日本人はいまだに多い。だが、習近平政権下の空前の儒教ブームは、政治に敏感な彼らの保身のための口パクにすぎず、中国人はとうに孔子を捨てていたのだ。 「つらの皮厚く、腹黒く、常に人を疑い、出し抜くことを考え、弱いものを虐げ、強いものにおもねりながら生きていかねばならない」中国人の苛烈すぎる現実を取材した。
飛鳥新社 2017年2月15日刊

このコラムについて

中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス
 新聞とは新しい話、ニュース。趣聞とは、中国語で興味深い話、噂話といった意味。
 中国において公式の新聞メディアが流す情報は「新聞」だが、中国の公式メディアとは宣伝機関であり、その第一の目的は党の宣伝だ。当局の都合の良いように編集されたり、美化されていたりしていることもある。そこで人々は口コミ情報、つまり知人から聞いた興味深い「趣聞」も重視する。
 特に北京のように古く歴史ある政治の街においては、その知人がしばしば中南海に出入りできるほどの人物であったり、軍関係者であったり、ということもあるので、根も葉もない話ばかりではない。時に公式メディアの流す新聞よりも早く正確であることも。特に昨今はインターネットのおかげでこの趣聞の伝播力はばかにできなくなった。新聞趣聞の両面から中国の事象を読み解いてゆくニュースコラム。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/032000093/



 


中国国営テレビが日本産食品を「放射能汚染」と攻撃 震災以降の禁輸措置も解除せず
朝日新聞デジタル | 執筆者: 朝日新聞社提供
投稿日: 2017年03月16日 08時32分 JST 更新: 2017年03月16日 08時53分 JST CHINA FLAGS
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中国TV「東京は放射能汚染地域」 日本産食品を標的に

 中国の国営中央テレビ(CCTV)は15日の特別番組で、「政府が輸入を禁止している日本の福島県周辺の食品が大量に売られている」と報じた。今も広範囲の禁輸措置をとる中国政府の規定を根拠に、消費者に人気の高い日本産食品を狙い撃ちにした格好だ。

 CCTVは毎年、「世界消費者権利保護デー」の3月15日に、消費者の権利を損なう企業の行為を批判する特番を放映し、全国的な注目を集めている。過去には米アップルや日本のニコンなど、外資系企業も多く「標的」にされてきた。

 中国政府は2011年の福島第一原発事故を理由に、周辺10都県に及ぶ東日本の広い範囲からの食品輸入を今も禁止している。CCTVは、東京都などの対象地域を「放射能汚染地域」と表現した上で、ネット通販や日系の大型店などで大量の食品が、規制をくぐり抜けて輸入販売されていると批判した。取扱業者は1万3千社以上に上るとしている。

 番組で紹介されたシリアルや米などは「中国産よりも安心」として、消費者の人気が高い。危険性を誇張した報道で、こうした食品輸入への監視が厳しくなりそうだ。日本政府は中国の禁輸措置に対して、「日本国内で安全に流通・消費されている」として、是正を求め続けている。(北京=斎藤徳彦)

(朝日新聞デジタル 2017年03月16日 06時18分)
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http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/15/chinese-tv-on-japanese-foods_n_15392744.html


 


風呂敷広げ放射能汚染訴え 札幌アートイベント語り合う
2017/3/20 07:00
画像
大風呂敷を敷いた会場で語り合う福島の音楽祭関係者ら
 放射性物質の飛散防止を表現するアート「大風呂敷プロジェクト」について考える集会が19日、札幌市中央区の「おおどおり大風呂敷工場」(大通西4、新大通ビルディング4階)で開かれた。今夏に札幌でこのプロジェクトを計画している札幌国際芸術祭実行委メンバーら約60人が集まり、プロジェクトを最初に実施した福島市の音楽祭関係者らと語り合った。

 大風呂敷プロジェクトは、布を縫い合わせた大きな風呂敷を地面に敷いたり、屋内に張ったりするアートで、東電福島第1原発事故による放射能汚染の深刻さを伝えるのが狙い。福島市内で開かれた2011年の音楽祭で生まれ、札幌や東京、名古屋など各地に広がった。(上野香織)

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千葉日報2017/1/7 12:00
https://this.kiji.is/216316206178779137?c=110564226228225532  

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コメント
 
1. 2017年3月23日 14:56:09 : zcDVfWfDmE : nvI7syB6utg[2]
@ > 無印の出した「誤解」声明についても、中央テレビは報じていない。

それでは、日本のマスコミは、どうだろう?

最近、話題になった、トランプ大統領とメルケル首相の握手問題を、例にとる。

> 日経ビジネスオンライン TrumpWatch(トランプウオッチ)

COMMENT/大竹 剛

3月17日、トランプ大統領は独メルケル首相と会談。写真撮影の際、報道陣から握手を求められ、メルケル首相はトランプ大統領の顔を覗き込んだが、トランプ大統領は無視。冷たい空気が漂った。・・・・

http://business.nikkeibp.co.jp/special/trumpwatch/

> トランプ&メルケル両首脳は目も合わせず 盗聴被害ギャグもすべり…

米大統領執務室での報道陣による会談冒頭の写真撮影ではトランプ、メルケル両氏は握手をせず、溝の深さが浮き彫りになった。

http://www.sankei.com/world/news/170318/wor1703180051-n1.html

この時、トランプ大統領が、記者団の求めに応じる形で、握手しなかったことは、事実だけれど、スプートニクが伝えるように、他の場所では、にこやかに握手をしている。

>会談の後、両首脳は報道陣を招き入れ、雑談をしながら大統領執務室で撮影を行っていた。報道陣が握手を頼んだところ、トランプ大統領はその要望を無視した。メルケル首相がトランプ大統領の方に体を傾け、握手をしたいか尋ねるも、トランプ大統領は一切の反応を見せなかった。 

両首脳は、メルケル首相のホワイトハウス到着時や共同会見では握手をしている。トランプ大統領が騒音のために提案を聞き損ねたのだとの可能性を除外しないメディアもいれば、トランプ大統領は握手を「したくなかった」のだとするメディアもある。

https://jp.sputniknews.com/us/201703183445691/

スプートニク記事を裏付ける写真は、以下のサイトにある。

> The False Handshake Story Aims To Delegitimize Trump

http://www.moonofalabama.org/2017/03/the-false-handshake-story-aims-to-delegitimize-trump.html

日経ビジネスも産経も、一方的な主張を訂正する記事や追加記事を書いていない。

いわゆる一部米国メディアのフェイクニュースを、そのまま伝えている。

少なくとも、スプートニクのような立場を堅持するのが、本当のジャーナリズムだと思うけれど、それは、彼らの意識に登らない。

ジャーナリストとしては、恐るべき欠陥だ。

A 生産地が、東京ではなかったとしても、日本の「OK FOOD」の場合な、その原料の生産地についても、問い合わせをしている。

無印良品が、2つの製品に使っている食材の産地は、何所だろう?


無印良品は、一切、食材の産地について、情報を出していない。

> ノンカフェイン はと麦&レモングラス 

原材料名:はと麦、大麦、ルイボスティー、レモングラス、ビタミンC

https://www.muji.net/manual/4549337204911/13_4549337204911_00001.pdf

> 商品名:優しい昔菓子 大粒卵ボーロ
原材料名:ばれしょでん粉、砂糖、卵、ぶどう糖、水あめ、小麦粉、脱脂粉乳、寒梅粉ミックス

https://www.roover.jp/articles/Xksdb

B 無印良品は、中国では、自分の製品の安全性を主張することに熱心だけれど、原発事故を起こした日本では、全く消極的なのは、何故だろう?


2. 2017年3月27日 19:18:01 : SqJc3Go4Eg : DsNE6Vltn0k[23]
日本産食品はとうの昔、といっても福島原発発生以後だが海外では信頼性はゼロになっているよ。

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