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(Fukushima nuclear disaster evacuees 'pressured' to return to contaminated homes, says Greenpeace: DW English)
http://www.dw.com/en/fukushima-nuclear-disaster-evacuees-pressured-to-return-to-contaminated-homes-says-greenpeace/a-37639353
フクシマ
福島の原子力大災害の避難者たちが汚染した家に帰るよう「圧力」を受けたと、グリーンピースは語る
グリーンピースの報告によれば、福島の原子力大災害の場所に近い村では放射線レベルがいまなお国際的な指針を上回っているにも係わらず、そこから避難している住民たちは家に帰るよう強要されている。
日本の廃墟の村・飯舘の住民たちは3月末にかつての自宅に帰れるようになる−2011年に福島の原子力大災害から逃れることを強いられて以来初めてのことだ。日本政府はこの日を避難命令の解除日と定めている。
しかし、環境団体・グリーンピースによると、多くの人々がそれを望んでいるかどうかは不明確だ。グリーンピースは語る。自分たちが飯舘で行ってきた試験の結果では除染の取り組みにも係わらず放射線レベルがいまなお危険なほど高いことが示されている−それでも、日本政府は避難民たちに経済支援を止めるとの脅しをかけて、帰宅するよう圧力をかけることを止めない。(投稿者による和訳)。
かつての自宅に帰ることを拒否し、なおかつ、日本政府の経済支援に依存する人々はジレンマに直面している。ある地域がそこで再び安全に生活できると宣言されてから1年経つと、避難住民は政府による補償金の支払いを打ち切られることになる。
「チェルノブイリに匹敵する」放射線
この原子力大災害の結果、160,000人を上回る人々が現在避難中で自宅から離れることを強いられている。彼らのうち数万人もの人々が6年を経てもなお仮設住宅で生活している。
福島第1原発(投稿者による和訳)の破壊された原子炉群の北西に位置する飯舘村では6,000人の市民が避難しなければならなかったが、そこはこの原子力大災害のために最も激しい汚染を受けた市町村の1つだ。
2011年、行政の職員が飯舘のデイケアセンターで放射線を測定している。
飯舘は約75%が山林で、原発事故の前はこれが住民たちの生活にとって不可欠な部分だった。
しかし、火曜日に公表されたグリーンピースの報告によれば、これらの森の中の放射線レバルは「チェルノブイリから30km以内の立入禁止区域の現在のレベルに匹敵する−この区域では事故から30年を過ぎても居住が正式に禁止されたままだ。」
言い方を変えれば、2017年の飯舘の中は放射線医学的に緊急事態のままであることは明らかだグリーンピースは語った−緊急事態とは次のような意味だ。「これらの放射線レベルが飯舘でなく原子力施設内で計測されたならば、人体の健康と安全・資産・環境への不都合な影響を軽減するために当局は迅速な行動を取らねばならない。」
除染の取り組みは主として人家を直接取り囲む区域・農地・公道に沿った幅20mの細長い一帯で重点的に実施されたと、この環境団体は語る。
しかし、これらの取り組みは結果的に百万トン単位の核廃棄物を産み出した−これらは現在、県内各地の数千ヵ所に置かれているが、それにも係わらず飯舘の放射線レベルが「安全なレベル」にまで減少することはなかったと、グリーンピースは語る。
原子力大災害の『正常化』?
この団体は、「2011年3月11日の原発事故のために広い範囲で放射能汚染が発生したのに、そのわずか数年後に人々の生活と地域の回復と再生は可能だという虚構の話を作り上げ」、原子力大災害の正常化を図ろうとしているとして日本政府を非難している。
「日本政府はそうすることにより、原子力に対する一般国民の抵抗を時間をかけて克服したいと願っている。」
グリーンピースはまた、帰宅の是非を決めようとしている人々にとって重要な問題と自分たちが言っていることに政府が答えを出さないままでいることを激しく批判した。それは、1年間だけでなく数十年、あるいは、一生に亘り彼らはどれだけの放射線被曝を受けることになるのか?、ということだ。
日本政府は住民に危害を与えるという代償と引き換えに原子力に対する一般国民の信頼を取り戻したいのだと、グリーンピースは語る
「日本政府は現在まで年間放射線被曝だけに意識を集中し、帰宅した市民が生涯に亘って直面する可能性のある潜在的放射線被曝線量の数値に意識を払わなかった」と、グリーンピースは語る。
グリーンピースは2011年から飯舘の計測を続けてきたが、同団体は2016年11月に直近の調査を行った。
調査結果から、2017年3月から70年間の生涯に亘る飯舘での平均放射線量は39ミリシーベルト(mSv)〜183mSvの範囲となることが分かった−生涯に亘って被曝すると見込まれる自然放射線量や、2011年3月の原子力大災害の後の数日間から数週間・数ヵ月間に受けた被曝線量はこれに含まれていない。
これは国際放射線防護委員会(ICRP)が定めた年間指針を70年の期間に亘り加算した数値を上回る−同委員会は推奨される放射線被曝上限を年間1mSvと定めている。
「高い度合いの不確実性や未知の危険性を考え合わせると、飯舘が非常に複雑な放射線医学的緊急事態にあるという意味は、福島県・飯舘が正常に戻ることなどないということだ」と、グリーンピースは語る。
この団体は帰宅政策の中止と避難民への十分な財政支援の供与を、そして、「市民が無理強いや経済的な強制を受けずに帰宅するか移転するかを決められるよう」日本政府に呼びかけてきた。
グリーンピースによれば、「6,000人を超える飯舘の市民にとって、いまは不安と悩みの時だ」
グリーンピース・ドイツの核物理学者・放射線専門家であり飯舘の計測を実施するチームの一員でもあるハインツ・シュミタル氏は、住民たちが非常に困難な事態に直面しているとDWに語った。
「余所で生活する[、そして、飯舘には戻らない]と決めた場合にはお金が貰えず、時として次の場所で受け入れられずに去らねばならない。なぜなら、人々が『あなたは帰れるのに帰るつもりがない』と言うからだ」と、彼は語った。「しかし、帰る人々の土地は汚染しているので、その田畑をどうすれば農業に使えるというのだ?」
彼は日本政府にこれら被災者の人々の意思決定の過程にもっと積極的に関わり、また、物事が「正常に戻る」との印象を与えることを止めるよう促した。
「それは人々をそのような事態に追い遣る人権の侵害だ。なぜなら、彼らは何も間違ったことを何もしていなかったし、発電所の事業者は自分が起こした損害に責任を負わねばならないだからだ」と、シュミタル氏は語った。
「人々の資産と生き方に深刻な損害が起きているのは明白だが、政府はそのことに関心がない。」
ウェブリンク
グリーンピース
国際放射線防護委員会
発表 2017年2月21日
記者 Melanie Hall
関連テーマ エネルギーヴェンデ(再生可能エネルギー源への転換), グリーンピース, 福島, 日本
キーワード 福島、核放射線、グリーンピース、日本、飯舘、原子力
−参考−
放射線管理区域で暮らせますか?(グリーンピース日本)
遠い日常:福島・飯舘村の民家における放射線の状況と潜在的生涯被ばく線量 (グリーンピース日本)
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(投稿者より)
あの日からがもうすぐ6年になります。時限爆弾は既に静かに炸裂しており国内各地にその症状が現れています。数年後にはこれが日本の人口統計に反映されるはずですが、原子力村はこれまで数々のデータを改竄してきたように今度は人口統計さえも改竄するかも知れません。各人が知力を尽くして生き残るしかないようです。
「日本の政府は住民に危害を与えるという代償と引き換えに原子力に対する一般国民の信頼を回復したいのだと、グリーンピースは語る」"Greenpeace says Japan's government wants to restore public confidence in nuclear power at the cost of harming residents"、現地で計測を続ける彼らの目に映る日本政府の意識がどれだけ倒錯しているかを端的に示す言葉です。
「飯舘村では6,000人の市民が避難しなければならなかったが」"The village of Iitate (...) from which 6,000 citizens had to be evacuated" 、市民とは市民権(=国民としての権利)を持つ人々のことです。「飯舘は市でない」という批判はご遠慮下さい。彼らが国民として当然持っているはずの権利を政府は侵害している、というのが記事の主旨です。
記事はグリーンピースによる上述のレポート冊子の解説がその主な内容です。プレスリリースと併せてお読みになって頂ければと思います。
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