http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/464.html
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福島第一で最もひどい大爆発のあった3号機の爆発原因については、水素爆発、あるいは水蒸気爆発と
言われているが、もちろんそれらでは起きたすべての事実を説明できない。
黒いキノコ雲一つをとっても、水素爆発、水蒸気爆発だけでは絶対に発生しないことは明らかだ。
本稿では、3号機の爆発原因について再検証、最も単純な説明を試みよう。
まずは3号機の空撮画像から。
Fig.1 福島第一3号機 (引用元[1])
例の無人機の空撮による鮮明な3号機の画像に左から使用済み燃料プール、原子炉、DSピットの位置を
黄色い線で示した[1]。画像右方向が北である。
燃料プールを見ると、他の部分はガレキに覆われているのに、西側の部分は黒々と水面が見えている。
おそらくこの部分のプールの内部で爆発があり、ガレキを吹き飛ばしてしまったからだろう。
不気味な噴火口のように見える。
Fig.2 3号機使用済み燃料プールに落下した燃料交換機(FHM) (引用元・東電資料 2015/7/30)
これは東電の発表した図だが、燃料交換機(FHM)がこのようにプールに落下した。
落下して燃料ラックを直撃した部分が、上で指摘した西側噴火口の位置と一致することが
非常に重要な点である。
燃料交換機の落下で燃料ラックが破壊され、保管されていた燃料が押しつぶされ、それが原因で
爆発したと考えられるからだ。
ではなぜ燃料交換機が燃料プールに落下したのか。
不思議なことにその原因に言及する人はほとんどいない。
それには隣の格納容器の爆発に注目する必要がある。
以前に紹介したが、イアン・ゴダード氏は、サーモグラフや白煙の立ち上る位置から格納容器から
蒸気が3方向に噴き出したと主張している[2]。
東電も格納容器が壊れて気密性が失われたことを認めている[3]。
蒸気だけでなく爆発時に斜め上方に炎を噴き出したことは、3号機の爆発映像を見ても明らかである[4]。
Fig.3 福島第一3号機 (引用元[1])
この図はFig.1に炎の出たと思われる3方向を赤い矢印で、燃料交換機を黄緑色で追加したものだ。
炎の噴き出した北西と北東方向の破壊がひどいことがよくわかる。
北西方向は側壁も屋根も吹き飛んでいるし、北東方向は黒焦げである。
そして南方向(画面左手方向)に出た炎は燃料交換機を直撃した。
その炎が非常に高温であったことは屋根骨材がぐにゃりと溶けたアメのように曲がっていることから
推測できる。
高熱の炎に煽られて軟化した燃料交換機は自重に耐えられず燃料プールに落下した。
その衝撃で燃料ラック内の核燃料が押しつぶされて即発臨界爆発が起きたと考えられる。
東電は燃料交換機の落下による燃料損傷はないと発表しているが、これは間違いなくウソである。
35トンもある重量物が燃料ラックに落下して何も起こらないわけがない。
そうでなくても、保管スペースを節約するため、燃料同士の間隔を詰めて、すなわちリラッキングして、
より臨界が起きやすい危険な状態で保管しているのである[5]。
おそらく核爆発が燃料プール底部で起き、燃料ラックがミサイル発射台、あるいは大砲の砲身のような
役割をして、いくつかの燃料集合体を勢いよく垂直上方へ吹き飛ばし、屋根を完全に破壊、
そして黒いキノコ雲を発生させた。
燃料の一部は粉々になって数キロ先まで飛び、一部は支持格子がはずれ、燃料棒がバラバラになって
3号機最上階や周辺に四散した[6][7]。
時系列的にまとめると
(1) 燃料溶融で発生した水素などにより格納容器の内圧が上昇、耐えきれず火を吹いて爆発。
(2) 高温の炎に煽られ燃料交換機は自重に耐えられず燃料プールに落下。
(3) 燃料交換機の落下で燃料ラックの一部が破壊され、燃料が押しつぶされて即発臨界爆発。
(4) 燃料集合体の一部はプールを飛び出して広範囲に飛散。屋根も吹き飛び、キノコ雲が発生。
ということである。
東電は3号機で2度爆発があったことを認めているが、それにも合致する。
以上が3号機の爆発原因についての無理のない最も単純で、おそらく真実に近い説明である。
東電の発表によればMOX燃料はすべて原子炉で燃焼中で、燃料プールには1本も保管されていなかった
ということだが、もし燃料プールにあればもっとひどい爆発が起きていた可能性もある。
すでに燃料交換機は引き揚げられ、燃料プールに重量物が落下する危険はない。
燃料ラックに積もった小さなガレキを取り除き、養生板をすべて除けて、4号機でやったように
水中カメラを入れて、燃料プール内を隅々まで撮影、公表できるはずだ。
東電が決してそれをしようとしないのは、燃料交換機の落下により燃料ラックの一部が破壊され、
燃料が吹き飛んでしまったことが明らかになるからである。
この事実が知られたら、大破した格納容器も燃料プールも爆発しないよう再設計と改修が要求される。
それは現実的に不可能であり、原発は二度と再稼働できなくなる。
だから東電は何としても核爆発の事実を隠したいわけだ。
東電はウソで国民をだませると思っているのだろうが、世の中はそんなに甘くない。
東電を厳しく追及して、3号機使用済み燃料プールの映像を公開させ、燃料損傷と核爆発の事実を
認めさせなければならない。
(関連情報)
[1] 「国で公開されている福島第一原子力発電所の高精細画像--(非常に鮮明です)」
(阿修羅・梵天 2011/4/3)
http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/430.html
[2] 「火を吹いた3号機格納容器」 (拙稿 2013/11/18)
http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/744.html
[3] 「3号機格納容器の破壊と放射性物質の放出をようやく東電は認めたが、まだまだウソをついている」
(拙稿 2016/1/7)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/651.html
[4] 「Fukushima reactor 3 explosion (HD March 14 2011 - Japanese nuclear plant blast)」
(YouTube AgoraVoxFrance 2011/3/14)
https://www.youtube.com/watch?v=haUawwm7l4k
[5] 「リラッキング -- 核燃料ぎゅうぎゅう詰めの恐怖 」 (拙稿 2014/12/26)
http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/501.html
[6] 「これが3号機燃料プールから飛び出した燃料棒 事故1週間後の陸自ヘリが撮影」 (拙稿 2015/12/19)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/518.html
[7] 「空から使用済み核燃料が降ってきた!!」 (拙稿 2015/4/7)
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/495.html
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