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福島第一汚染水(2月1週)―外洋2地点からトリチウム―
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2017/02/06(月) 19:43:12 めげ猫「タマ」の日記
福島第一原発汚染水の1月4週(1月30日から2月5日)の状況を纏めてました。先週に続き(1)、高濃度の放射性物質が見つかっています。
@外洋2地点からトリチウム等の放射性物質
A排水路からはWHOガイドラインを超えるセシウム137
B港湾内各所でWHOガイドライン以上の全ベータ
C地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム
D海岸付近で見つかる高濃度汚染地下水
Eサブドレン排水のトリチウム濃度が上昇が続く
1.外洋2地点からトリチウム等の放射性物質
以下に福島第一の外洋の汚染状況を纏めます。
※1(4)(5)(6)(7)にて作成
※2 数値は1リットル当たりまたは1キログラム当たりのベクレル数
※3 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質(8)
※4 集計期間内の最大値
図―1 福島第一原発の放射性物質濃度
今週の発表を見ると南放水口(7)と5,6号機放水口北側(5)からトリチウム見つかったと発表がありました。5,6号機放水口の放射性物濃度を示します。
※1(4)(5)にて作成
※2 NDは検出限未満(見つからい事)を示す。
図―2 福島第一沖外洋「5,6号機放水口北側」の放射性物質濃度
図に示す通り、1時はトリチウムが見つからない時期もあったとですが、昨年5月以降は再び見つかるようになりました。事故から6年近く経ちましたが、外洋からは放射性物質が見つかり続けています。
2.排水路からはWHOガイドラインを超えるセシウム137
福島第一原発構内には幾つもの排水路が走っています(8)。以下に排水路の汚染状況をしめします。
※1(9)を集計
※2 値は1リットル当たりで集計期間の最高値
※3 数値は1リットル当たりのベクレル数
※4 赤丸(●)はサンプリング地点
図−3 福島第一原発排水路の放射性物質濃度
WHOのガイドラインはセシウム134、137、ストロンチウム90共に2リットル当たり10ベクレルです(3)。全ベータの半分がストロンチウム90なので(8)、全ベータは1リットル当たり20ベクレルです。以下にA排水路の放射性物質濃度の推移をしめします。
※1(9)を集計
※2 セシウム134はCs−134と137はCs−137と略す。
※2 NDは検出限界未満(見つからい事)を示す。
図―4 A排水路の放射性物質濃度
図に示すとおり今年に入りセシウム137がじわじわと上昇しWHOのガイドラインを超えました。事故から6年近くが経ちますが、排水路から福島の海へ汚染排水が流れています。
3.港湾内各所でWHOガイドライン以上の全ベータ
以下に今週の港湾内の汚染状況を纏めます。
※1 (4)を集計
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
図―5 福島第一港湾内の放射性物質濃度
図に示す通り多くの地点でWHOガイドラインの1リットル当たり20ベクレルを超える全ベータが見つかっています。港湾口では海水放射線モニタ計測を実施しています(10)。以下に推移を示します。
※(10)にて作成
図―6 港湾口・海水放射線モニタ計測の近々の推移
図に示す通り2月4日のお昼頃にピークが立っています。6年近くが経ちますが、港湾口からも福島の海へ放射能が流れています。
4.地下水バイパス井戸から過去最高のトリチウム
地下水バイパスは、福島第一原発の汚染水対策として原子炉建屋に侵入する前の地下水を事前に汲み上げ汚染水の発生を抑えようとするものです(11)。海に流す水からは「トリチウム」が見つかっているので、(=^・^=)は立派な汚染水だと思います。東京電力は福島第一原発地下水バイパスの山側に井戸を掘って放射性物質濃度を調べています(12)。また地下水バイパスからくみ上げた汚染水の濃度も井戸毎に調べています(13)。以下に放射性物質濃度を示します。
※1 (12)(13)にて作成。
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
図―7 地下水バイパスと山側(上流)井戸の放射性物質濃度
地下水バイパスやサブドレンの排水基準は1リットル当たりで
全ベータ 5ベクレル
トリチウム 1500ベクレル
ですので(3)、排水基準を超えた放射性物質が見つかっています。E-8井戸のトリチウムの1リットル当たり110ベクレルは過去最高(新記録)です(14)。以下に推移を示します。
※(12)を集計
図―8 地下水バイパスNo8井戸のトリチウム濃度
値は低いのですが、急な上昇をしています。この先が心配です。
5.海岸付近で見つかる高濃度汚染地下水
以下に海岸付近の地下水の放射性物質汚染の状況を示します。
※1 (4)を集計
※2 数値は1リットル当たりのベクレル数
※3 集計期間内の最大値
図―9 海岸付近の地下水の放射性物質汚染の状況
1リットル当たりでセシウム137の法定限度は90ベクレル、ストロンチウム90は30ベクレルですので(3)、全ベータの半分をストロンチウム90として(7)、全ベータ換算で60ベクレルです。図に示す様に法定限度を大きく超えた汚染地下水が見つかっています。この中で気になったのがNo2−5の全ベータです。
※1(4)を集計
※2 NDは検出限界未満(見つからない事)を示す
図―10 No2−5井戸の全ベータ濃度
どんどん上昇しています。この先が心配です。
6.サブドレン排水のトリチウム濃度が上昇が続く
サブドレンは、原子炉やタービン建屋の直ぐ傍の井戸から汚染地下水を汲み上げ、直接にタービン建屋周囲の水位を下げ汚染水の増加量を抑えるものです(15)。サブドレンの運用は2015年9月3日から始り(16)、13日より排水を開始しました(15)。以下にサブドレン排水のトリチウム濃度を示します。
※(16)を集計
図―11 サブドレン排水のトリチウム濃度
図に示す通りこのところ上昇が続いています。福島の海をトリチウムで汚すことは間違いありません。
東京電力はサブドレン廃水の放射性物質濃度も排出量も公表しているので(17)、濃度×排出量で月別のトリチウム排出量を求め
※(16)(17)を集計
図―12 サブドレン月別のトリチウム排出量
先月(1月)は97億ベクレルでした。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
事故から6年近く経過しますが、福島第一原発の放射能漏れは止まる気配がありません。福島の皆様は不安だと思います。
福島もイチゴ栽培が盛んだそうです(18)。福島県いわき市ではイチゴ狩りが楽しめます。同市のイチゴは甘くてジューシーだそうです(19)。福島県は福島産イチゴは「安全」だと主張しています(20)。でも、福島県いわき市のスーパーのチラシには福島産イチゴはありません。
※(21)を引用
図―13 福島産イチゴが無い福島県いわき市のスーパーのチラシ
当然の結果です。(=^・^=)も福島県いわき市の皆様を見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
(1)めげ猫「タマ」の日記 福島第一汚染水(1月5週)―外洋から過去最高の全ベータ―
2)報道配布資料|東京電力
(3)サンプリングによる監視|東京電力
(4)(2)中の「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」
(5)(3)中の「1.海水(港湾外近傍)」を2月5日に閲覧
(6)(3)中の「タンクの水漏れに関するモニタリング」⇒「南放水口・排水路」
(7)2017年2月1日福島第一原子力発電所 地下水バイパス排水に関するサンプリング結果(南放水口付近)(PDF 118KB)
(8)めげ猫「タマ」の日記 全ベータはストロンチウム90由来の放射性物質
(9)(2)中の「福島第一原子力発電所構内排水路のサンプリングデータについて 」
(10)福島第一原子力発電所付近での海水放射線モニタ計測状況|東京電力を2月5日に閲覧
(11)めげ猫「タマ」の日記 福島第一原発の地下水バイパスについて
(12)(3)中の「H4エリア周辺観測孔」
(13)(2)中の「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果
(14)2017年2月1日福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果(PDF 121KB)
(15)(コメント)福島第一原子力発電所におけるサブドレン他水処理施設の運用開始について|東京電力
(16)集水タンク・一時貯水タンクの運用状況|東京電力
(17)(2)中の「サブドレン・地下水ドレン浄化水分析結果」
(18)甘酸っぱい幸福感!赤くてかわいい、イチゴ! | ふくしま 新発売。
(19)暖かい温室でいちご狩りを楽しもう!2016-2017 | いわき市 観光情報サイト
(20)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ
(21)店舗情報 | マルト - 店舗情報
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