http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/288.html
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先日放映されたNHKスペシャルで、福島県の自殺率が震災4年後から上昇していることが報じられ、
関係者に衝撃が走っているようだ[1]。
「それでも、生きようとした --原発事故から5年・福島からの報告--」
(NHKスペシャル 2017/1/9放映)
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170109
--------(引用ここから)----------
去年、世界的な医学誌に、日本の医師がまとめたあるデータが掲載された。年齢構成などをならし他県と比較した福島県の自殺率が震災4年後から上昇しているというものだ。現場からもそれを裏付ける現象が報告されている。福島で心の問題を受けつける電話相談には1日平均150本の相談電話が寄せられ、その数は全国と比較すると3倍以上。相談内容は年を追うごとに緊急性の高いものが増え、一件当たりの相談時間も長くなっている。今になって増加の傾向を見せる福島の自殺。背景の一つとして指摘されるのが、時間を経るごとに複雑化する原発事故被災者を取り巻く環境だ。また、個々の境遇にも違いが現れ、かつて親しかった親族や知人との間に分断が生まれ孤立感が深まっているという指摘もある。番組では、死を防ごうと島で奔走する医師やNPOの取り組みを中心に、震災から5年半が過ぎた今、被災者の心に何が起きているのかを考えてゆく。
--------(引用ここまで)----------
震災直後の不幸、家族・友人知人との死別・離別、失業、故郷を失った喪失感といったものも徐々に癒え、
それなりに支援もしているのになぜここに来て自殺が増えるのかと驚きを隠せないようだが、
被ばくが重度のうつ、自殺を引き起こすことを知っていれば別に不思議ではない。
スターングラス教授は脳にはいりこんだストロンチウム90がうつや自殺を引き起こすと指摘しており、
またチェルノブイリ事故の収束作業をした労働者に、うつ・自殺が非常に多いことも判明している[2][3]。
チェルノブイリ事故30年後でも、国別の10万人当たりの自殺率では、未だにチェルノブイリ周辺国の
ベラルーシ、ロシア、ウクライナ、バルト三国が上位を占めている[4]。
また数え切れないほどの核実験により汚染のひどいカザフスタンも自殺が非常に多い。
放射能汚染による内部被ばくが、直接強いうつと自殺を引き起こすという証拠である[5]。
極端なことを言えば、何一つ不自由も不安もない恵まれた生活を送っている人も、
ひとたび内部被ばくをすれば深刻なうつになり、自殺する可能性があるということだ。
この番組の中では、専門家が「あいまいな喪失」とか「コミュニティーの分断」などともっともらしい
分析をしているが、それらは副次的なものであって、最大の原因は被ばくの脳への直接的な影響だろう。
だからこそ、原発事故後数年を経て、内部被ばくが次第にひどくなり、その結果、うつ・自殺が
増えているのである。
被ばくによるうつは深刻で、医者にかかることもなく、すぐに自殺まで一気に進んでしまうようだ。
番組では自殺した30代の夫妻の例が紹介された。
偶然にも亡くなる1年ほど前に、NHKはこの方たちを川内村で米作り復興に取り組む夫婦として取材していた。
価格低迷で米作は赤字、慕っていた叔父を亡くすなどいろいろな苦しみ、悲しみがあったのだろうが、
病気や経済的な悩みはなかったようだ。
愛するお母さんやお兄さんを残して夫婦そろって自殺とはあまりにも唐突で理解しがたい。
番組では孤立感云々と説明しているが、そんなことが自殺の原因になるだろうか?
重度のうつになったとしか考えられない。
本来なら立ち入りを制限すべき高線量の汚染地域に平気で住民を帰還・生活させているのだから、
住民の心身に何が起きても不思議はない。
政府が早急な川内村の避難解除・帰還奨励をしなければ、このカップルも笑顔で生きていただろう。
避難解除を急いだ政府の責任は限りなく重い。
自殺防止対策は一つしかない。
いつも言っていることだが、汚染地帯から住民を避難・移住させ、汚染食品の基準を厳格にして
内部被ばくをできるだけ避けること。これ以外にない。
福島ではNPOなどが自殺者を出さないよう一生懸命支援活動しており、頭が下がる思いだが、
残念ながら内部被ばくを減らす努力をしないで何をやっても自殺を減らすことは不可能だろう。
(関連情報)
[1] 「原発事故から5年・福島からの報告 『福島に生まれたことを後悔する必要はどこにもない』
(原発はいますぐ廃止せよ)」 (阿修羅・赤かぶ 2017/1/12)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/284.html
[2] 「カルシウム・イオンがストロンチウム90に置き換わり脳の神経細胞を破壊する スターングラス教授」
(拙稿 2015/6/15)
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/231.html
[3] 「これから子供たちに起きること 東京の放射能汚染は、チェルノブイリ事故におけるキエフと同程度。
キエフで起きたことが東京で起」 (阿修羅・てんさい 2011/8/9)
http://www.asyura2.com/11/genpatu15/msg/418.html
[4] 「自殺率ワースト10: カザフ、ベラルーシ、ロシア、ウクライナそして日本」(拙稿 2013/3/3)
http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/530.html
[5] 「脳の被ばくで深刻なうつ病・自殺が増加する 自殺した電通新入社員にも被ばくの影響が
あったのではないか」 (拙稿 2016/10/14)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/604.html
[6] 「もう疲れちゃった」悩んだ夫婦 会津若松の無理心中事件 (拙稿 2012/11/3)
http://www.asyura2.com/12/genpatu28/msg/483.html
[7] 「避難区域、自治体職員の15%「うつ病」 福島圏内 (日経新聞)」 (拙稿 2014/5/21)
http://www.asyura2.com/14/genpatu38/msg/292.html
[8] 「原発事故の影響で福島の自殺者急増、内閣府「アルコール依存対策に力を入れる」(8/26 産経新聞)」
(阿修羅・赤かぶ 2014/8/28)
http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/102.html
[9] 「<福島県>全町避難自治体の一つ「職員2割うつ」判断 (毎日新聞)」 (拙稿 2015/3/22)
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/373.html
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