http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/237.html
Tweet |
フランス原発で日本製の欠陥部品が大問題。国内原発17基にも使われている!?
https://nikkan-spa.jp/1262153
2016.12.30 日刊SPA!
フランスの原発で、日本製の欠陥部品が使われていることが判明。フランスでは大問題になっている。しかし日本ではほとんど話題になっていない。そこで専門家を直撃、この問題がどれだけヤバいのかをリポートする!
◆最悪の場合はメルトダウンの恐れあり!?
交換作業のため、シェルブール港に搬入されたフラマンビル原発の蒸気発生器
原発大国フランスで、原発12基が、緊急点検のために停止させられるという異常事態になっている。蒸気発生器や圧力容器などの原発の最重要部品の鋼材の強度不足が発覚したためだ。問題は、この強度不足の部品を提供した企業「日本鋳鍛鋼」は、日本の原発にも部品を提供しているということだ。
日本の原発でも、強度不足の部品が使われている可能性があるのだが、原子力規制委員会は書面上のデータだけで「問題なし」としてしまっている。
「これはフランスのみならず、世界の原発業界全体を揺るがしかねない大問題です」。深刻な面持ちで語るのは、ショーン・バーニー氏。環境NGO「グリーンピース・ドイツ」で原発問題を担当する専門家で、今回発覚した強度不足問題についての調査や意見交換のため、緊急来日中だ。
「’14年末に建設中のフラマンビル原発3号機の原子炉圧力容器に使われている鋼材が基準を満たさないものであることが発覚し、ASN(フランス原子力安全局)は、同じような問題がないか、フランスで58基ある原発すべての調査を行うよう指示しました。その結果、18基の原発で類似の問題があるとされ、うち深刻だと思われる12基の原発を停止するよう、ASNは命令。順次、原発を停止して徹底的な点検を行っています。これらの停止命令が下された12基の原発に鋼材を提供していたのが、日本鋳鍛鋼です。そして、日本で再稼働した川内原発1号機、2号機など、日本でも17基の原発で日本鋳鍛鋼から供給された鋼材が使用されています。つまり日本においてもフランスと同じように、原発の最重要部品で強度不足の鋼材が使われている疑いがあるのです」(バーニー氏)
具体的に、どのような問題が日本鋳鍛鋼の鋼材にあるのか。バーニー氏が解説する。
ショーン・バーニー氏
「’95年から’06年にかけて日本鋳鍛鋼がフランスの原発に供給した鋼材には、基準値である0.22%を超える炭素が含まれており、特にトリカスタン原発1号機と3号機の蒸気発生器の鋼材は、0.39%という基準値の1.7倍もの高い濃度の炭素が含まれることが発覚しました。一般的に炭素濃度が濃い鋼材は、壊れやすくなります。こうした異常が見つかった鋼材が使われている部品は、いずれも『クラス1』に分類されるもの。つまり原発の安全機能の中で最も重要とされる部品です。だからこそ原発を停止させて点検を行う必要があるのです。私たちは、英国の原子力コンサルタントのジョン・ラージ博士に依頼し、この問題について分析をしてもらいました。ラージ博士はその報告書の中で、今回の問題で停止した原発の運転再開には、蒸気発生器を原発内から取り外し、新たなものに取り替える必要があると指摘しています。また、それは大変困難な作業で、時間や1か月あたり約1億5000万ユーロ(約183億円)もの莫大なコストがかかることや、新たな蒸気発生器をいくつも作る生産能力があるか、という点も同時に指摘しています」
◆そのまま放置すれば破局的事故の可能性も
金属材料学が専門の井野博満・東大名誉教授も、炭素を多く含む鋼材が原発に使われることの危険性を懸念している。
「今回、問題になっている原発部品用の鋼材について『強度』という言葉がよく使われますが、より正確に言うと『破壊靭性』です。炭素を多く含む鋼材は硬くなりますが、その分脆くもなります。例えるならば、包丁などの刃物がそうです。硬くてよく切れますが、破壊靭性があまりないため、使っているうちに刃こぼれしてしまう。反対に、含まれる炭素が少ない鉄は、加わった力に対してのねばり強さ、つまり破壊靭性がある。なぜ原発の部品で破壊靭性が必要なのかというと『熱衝撃』、つまり急な温度の変化に耐えるためです。例えば、熱したガラスのコップに冷たい水を急に注ぐとパリンと割れてしまうことがあります。これと同じように、何らかのトラブルで原子炉に緊急冷却水を流し込まなければいけない場合に、原子炉の部品は急激な温度変化に耐えられる必要があります。ですから、炭素を多く含む鋼材でできた原子炉は緊急冷却の際の熱衝撃でダメージを負い、重大な事故を引き起こす可能性があるのです」
◆稼働中の原発を含む国内17基に欠陥部品!?
「欠陥部分」疑惑!? 17原発マップ
原発の危険性についての数々の著書がある小出裕章・元京都大学原子炉実験所助教も「原発の蒸気発生器や、圧力容器が壊れることは、絶対に避けないといけません」と強調する。
「フランスで見つかった事例では、蒸気発生器の下部の『水室』と呼ばれる部位で鋼材の強度不足があったのですが、これは、核燃料に直接触れる一次冷却水が流れるところですから、もし水室にヒビや穴ができたら大変です。そこから一次冷却水が漏れ、核燃料を冷やせなくなるという、原発で一番あってはならない極めて深刻な事態になります。フランスの事例では、圧力容器にも鋼材の強度不足が見つかりましたが、これは蒸気発生器より輪をかけて危険だと言えます。圧力容器は原子炉そのもので、ここに穴が開いたら、冷却のための水が原子炉内にたまらなくなってしまう。核燃料が冷却できなくなれば、核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きます。つまり、福島第一原発事故と同じか、最悪の場合、もっとひどい事故も起こりうるのです」
もし国内17基の原発が強度不足という爆弾を抱えているのであれば、日本の存亡を左右しかねない大スキャンダルだ。だが、原子力規制委員会の対応には、あまり危機感が感じられない。早々と「日本鋳鍛鋼製の国内向けの製品については、いずれも製品中に規格で定められた炭素濃度を超えるような部分が残っているおそれはないと評価できる」との判断を示した(今年11月22日、第45回原子力規制委員会)。日本鋳鍛鋼や各電力会社から提出されたデータを根拠に「問題なし」としているが、バーニー氏はこれに疑問を呈する。
「日本の電力会社のデータ評価には、2つの大きな問題があります。原発用の鋼材には鍛造鋼と鋳造鋼という製造方法がありますが、最初から、鋳造鋼は調査の対象として除外されています。しかし、炭素偏析、つまり炭素濃度が不均一になり濃い部分ができるということが鋳造鋼でも起こるのです。ですから、鋳造鋼も調査対象にすべきです。もうひとつは、鋼材の製造当時のデータを評価していることです。しかし、完成した製品は検査する部位によって炭素過剰が検出されない場合もあります。ですから、製造当時のデータだけを見て問題ないと評価するのは適切ではありません」
前出の井野氏も「規制委の調査は不十分です」と批判する。
井野博満氏
「規制委が参考としているデータは、過去の分析データや解析結果だけで、実物の検査をやっていません。特に日本鋳鍛鋼がフランス向けの蒸気発生器のものとして出したデータは、鋼材中の炭素の割合についての予測値が0.29%とされていますが、誤差の設定が大きすぎて、最大値はフランスの基準値をはるかに超えた0.37%にもなります。これでは信頼のおけるデータだとは言えません。実際の部品を超音波などによる非破壊検査や原発部品の表面の分析を行うべきでしょう。これらの検査はすぐできるはずです。また、廃炉が決定している国内の原発で、実際の部品の破壊検査もしてみるべきでしょう」
日本の規制委の呑気さに対し、ASNの調査は徹底している。「フランスは’14年末の問題発覚以来、約2年かけて徹底的な調査を行っています」とバーニー氏。
「製造当時の編集されていない生データや、外部表面の非破壊検査、超音波検査、計算による分析、問題の部品のレプリカを使用しての化学・機械検査や破壊検査、未使用の交換用の蒸気発生器を使っての検査などです。これだけのことをやって、フランスの多くの原発に深刻な問題があることが改めてわかったのです」
【ショーン・バーニー氏】
グリーンピース・ドイツ核問題シニアスペシャリスト。過去30年以上、原発の問題に取り組む。原発の鋼材強度問題を調査、日本側に伝えるために来日
【井野博満】
東京大学名誉教授。工学博士、専門は金属材料学。共著に『福島原発事故はなぜ起きたか』(藤原書店)『材料科学概論』(朝倉書店)など
【小出裕章】
元京都大学原子炉実験所助教。福島第一原発事故以前から原発の危険性を訴え続けてきた。『原発のウソ』(扶桑社)など著書・共著多数
― 原発17基[重大欠陥疑惑]を追う ―
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素47掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。