Business | 2016年 12月 9日 15:25 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 福島原発事故費、倍増21.5兆円 東電「債務超過でない」と経産相http://s4.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20161209&t=2&i=1164772254&w=644&fh=&fw=&ll=&pl=&sq=&r=LYNXMPECB807Y 12月9日、経済産業省は、東京電力福島第1原発事故に伴う廃炉、賠償などの費用の総額が21.5兆円に上るとの試算を公表した。これまでの見積もり額11兆円から倍増となり、従来2兆円との想定だった廃炉費用は8兆円と4倍も増額となった。写真は福島第1原発で2月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai) {東京 9日 ロイター} - 経済産業省は9日、東京電力福島第1原発事故に伴う廃炉、賠償などの費用の総額が21.5兆円に上るとの試算を公表した。これまでの見積もり額11兆円から倍増となり、従来2兆円との想定だった廃炉費用は8兆円と4倍も増額となった。東電の純資産(約2兆2700億円)を大幅に上回る金額だが、世耕弘成経産相は同日の記者会見で「(東電が)債務超過というわけではない」との認識を示した。 <原発、送配電も再編、統合目指す> 21.5兆円の試算金額は、同日開かれた「東京電力改革・IF問題委員会」の6回目会合で提示された。同委員会(非公開)では、東京電力ホールディングス(9501.T)の広瀬直己社長が今後の東電改革案として、廃炉事業、原発事業、送配電事業でそれぞれ再編・統合を目指すとの説明があった。 同委員会の小林喜光委員(三菱ケミカルホールディングス(4188.T)会長、元東電社外取締役)は会議終了後、原発、送配電に関する東電の説明について、「共同事業体を作るという方向だ」と記者団に述べ、東電が他電力と原発や送配電で資本面を含めた統合を目指す意向であることを示唆した。 東電は、年内に取りまとめを行う東電改革委の議論の中間報告を踏まえ、2014年1月に政府に認定された再建計画(総合特別事業計画)を改定。再編方針を打ち出す見通しだ。 <8兆円、機械的に算出> 21.5兆円の内訳は廃炉が8兆円(従来想定2兆円)、賠償が7.9兆円(同5.4兆円)、除染が4兆円(同2.5兆円)、中間貯蔵施設整備が1.6兆円(同1.1兆円)にそれぞれ膨らむとしている。 8兆円の廃炉費は、廃炉のために東電が確保するとしている2兆円に加え、原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出し作業にかかる費用6兆円を加えたもの。原子力損害賠償・廃炉等支援機構が有識者に試算を依頼。1979年に起きた米スリーマイル島原発事故の事例を基に算出した。 世耕経産相は、8兆円の試算について「必要資金として算定しており(東電は)債務超過ではない」と記者会見で述べた。 経産省資源エネルギー庁電力・ガス事業部の村瀬佳史部長は、8兆円について「過去の事例に一定の仮定を置いた上で機械的に算出した」と説明。そのうえで東電が同費用について一括で費用計上する必要性について「そうした認識には至らない」と述べた。 東電の広瀬社長は、今年10月の東電改革委の初回会合後、記者団に廃炉費用を一括計上した場合の債務超過リスクについて言及していた。 (浜田健太郎) http://jp.reuters.com/article/tepco-fukushimadaiichi-idJPKBN13Y0EM?sp=true
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