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【第19回口頭弁論】戦没画学生慰霊美術館「無言館」館主・窪島誠一郎さんの意見陳述
1 小生は当年七十五歳、現在長野県上田市で日中戦争、太平洋戦争に出征し戦死した画学生の遺作、遺品を展示する「無言館」という美術館を経営している者です。本日、日頃より玄海原発の再稼働について考えるところをもつ小生に、このような場をあたえてくださり心より感謝しております。
2 小生は現在では、かつての大戦によって絵描きになる夢を絶たれた若者たちの遺作を全国から収集し、それを展示する施設を営むという、一見平和運動の一端を担うかのような仕事をしておりますが、太平洋戦争開戦の昭和十六年に生まれた小生は、戦争を知っているようで知らない世代、物心ついた十代の後半頃には、わが国はすでに敗戦の対価としての高度経済成長時代に突入しておりました。
小生は高校卒業後いくつかの勤め先を転々としたあと、東京郊外で小さな酒場商売をはじめ、折からの「東京オリンピック」の招聘にわく経済成長の波にのり、その商売が思いがけず当ったことで、現在の生活の基礎を築くことができました。
そして、わが国に初めて原子力発電所なる施設が登場したのも、その昭和三十年代終りから四十年代初めにかけてのことだったと記憶しています。
当時、若かった小生は自らの生活の経済的向上のみに魂を奪われ、朝早くから深夜までシェイカーをふりフライパンをゆする毎日のなかで、自分が消費している電力の先に地方に乱立する原発の存在があることなど、これっぽっちも考えたことも意識したこともありませんでした。電気料を払えば電気は点く、ただそれだけのことでした。ただひたすら貧乏からの脱出を夢み、生活向上への欲望で頭をいっぱいにしていた二十代半ばのバーテン男には、その後わが国の原発政策がどのように進行し、その結果私たち庶民の生活にどのような影響をもたらすか、そうしたことを考える余裕も知識もなかったのです。
3 そんなノーテンキな経済成長の申し子のような男が、否応なく「原発とは何か」を考えるようになったきっかけは、戦時中の混乱期に生き別れし、戦後三十余年経って奇跡的に再会した父親である、作家の水上勉が口グセのように「故郷福井県の若狭に建つ原発に恐怖を感じる」「過ちばかりの人間世界に、絶対安全神話などというものがあるだろうか」と語り、数多くの著作のなかで「チェルノブイリやスリーマイル島での悲劇を忘れたのか」と、原発の稼働について疑問を呈していたことからでした。恥かしながら、不肖の息子は三十四歳でめぐり会った父親の言葉から、これまでの自分がいかに「原発」に対して無知であり、無防備な態度で接してきたかを自問するようになったのです。
同時に、私たちが「原発」の存在をもう一度考えるということは、これまで私たちがあるいてきた経済効率と利便性のみを金料玉条とする生活の形そのものを見直すことであるようにも思えてきました。人間の幸福の何もかもが、経済の繁栄や物質的な充足によってみたされるという幻覚、私たちはそろそろそこから脱却せねばならないときなのではないか。「原発」を稼働するかしないかは、そうした私たちの「生き方」そのものを改革するかしないかという問いかけでもあるのではないかと考えるようになったのです。
4 そんな思いを決定的にしたのは、やはり二〇一一年三月十一日に発生した東日本大震災、それによってもたらされた福島第一原子力発電所の爆発事故でした。
このいわゆる「3.11」とよばれる未曽有の凶事は、多くの日本国民に「これまでの生き方でよかったのか」を問うものでした。私の知る多くの画家や作家、音楽家たちのなかにも、この「3.11」を境に、人間の力では抗しがたい自然の脅威と、いつのまにか私たちが陥っていた「文明」への過剰な依存を自戒し、その思いを芸術表現に反映させようと努める者が現れはじめました。父水上勉は、幸か不幸か、この事故を知らぬまま世を去りましたが、まさしく福島の原発爆発事故は、「人間の営みに絶対安全などという神話はない」といっていた父の予言通りの悪夢の到来でした。
何より恐ろしいのは、研究者や地震学者が指摘するように、わが国は世界有数の地震国であり、日本列島ぜんぶが大地震発生の可能性をもつ環境にあることです。
じっさい、東日本大震災の復興がまだ半ばにも達していないこの時期に、熊本、鳥取と立てつづけにマグニチュード六以上の大地震が発生しました。この国に櫛比する五十基の「原発」は、つねにそうした砂上の楼閣といってもいい脆弱な地盤の上にあるといえるでしょう。
福島第一原子力発電所の爆発によってメルトダウンがおこり、放射能に住む場所を追われた人々がまだ十何万人もいます。加えて今も、原発から流れ出る汚染水や汚染土、核のゴミといわれるプルトニウムの保管場所を、国内で「盥回し」にしているというのが現状です。政府は、二コトめには「万一事故があればクニが責任をもつ」といっていますが、五年前の福島の後始末さえできていない政府が、今後おこるかもしれない事故に対してどう責任をとるというのでしょう。
一度事故をおこせば、だれにも責任のとれない壊滅的な被害をもたらすのが「ゲンパツ」であることを、私たちは福島の事故でイヤというほど学んだはずではないですか。今後もし、このような事故が日本のどこかでおこったときでは、いくら政府や為政者の人々が土下座をして謝ったとしても、もう手遅れなのです。
5 リアス式の美しい玄海灘の海岸は、訪れるだれの心をもなぐさめる南国の海景色であり、小生に「無言館」建設のきっかけをあたえてくれた福岡在住の、本年九十六歳、戦争で多くの仲間を失った喪失感を作品にしつづける野見山暁治画伯の愛する風景でもあります。昭和五十年値賀崎に九州最初の玄海原子力発電所が設けられていらい、この美しい海岸が放射能に侵される日だけはむかえてならない、と祈りつづけて参りました。本日の、このつなたい意見陳述が、私たちの「新しい明日の日本」を築く一助になってくれればと念じるばかりです。
■九州玄海訴訟今後の予定■
第21回提訴12月26日(月)
第20回期日 1月27日(金)
第21回期日 4月14日(金)
*申込み用紙はコチラ→ http://no-genpatsu.main.jp/download.html#genkoku
2015年11月、1万人突破!原発を止めるためにはまだまだ原告が必要です。
私たちと一緒に、ぜひこの歴史的な取組みにご参加ください。原告を広げてください。
【数で勝負!とにかく書こう、出そう!パブリックコメントに参加し、意見表明しよう!】
玄海原発3・4号機の審査書案に対するパブリックコメントが11月10日から始まっています。
書きたいけど、どうやって書いたらいいの?どこに送ればいいの?と言う方は九州玄海訴訟のホームページをご覧ください。文例や送り先を掲載しています。
パブコメの書き方、送り先→ http://no-genpatsu.main.jp/news/index.php/view/293
パブコメの文例(ロングバージョン)→ http://no-genpatsu.main.jp/news/index.php/view/294
期間は12/9までの1か月間です。(12/9必着)
【署名にご協力ください】
★ストップ川内原発! 3.11鹿児島実行委員会では、新知事誕生以来最大の山場を迎える11月、緊急全国署名をお願いすることに決定いたしました。
「三反園鹿児島県知事は『脱原発』の公約を守り、定期検査で停止中の川内原発を絶対に動かさないでください。」と題するものです。
いま、川内原発1号機は、10月6日に停止し定期検査がおこなわれ、12月8日が稼働予定とされています。
先の県知事選挙において、三反園知事は「原発に関する諸問題を検討する『原子力問題検討委員会(仮称)』を県庁内に恒久的に設置し、答申された諸問題についての見解をもとに県としての対応を確立していくこと」を表明しました。
これに基づいて、下記3点を、要請事項として列記しています。
1. 公約通り、早急に「原子力問題検討委員会(仮称)」を立ち上げていただくこと。
2. 川内原発1号機および2号機の定検後の再稼働にあたっては、上記検討委の見解(結論)を尊重すること。
3. 上記検討委の設置が遅れ、検討委の見解(結論)が出ていない場合は、九州電力に対し、定期点検後の川内原発1号機および2号機は絶対に稼働させないよう、強く申し入れること。
11月30日1次集約、必着で設定しています。何卒、宜しくお願いします。
ストップ川内原発! 3.11鹿児島実行委員会
事務局 向原祥隆
〒892-0873 鹿児島市下田町292-1
TEL099-248-5455 FAX:099-248-5457
info@nanpou.com
署名用紙はコチラから→ http://no-genpatsu.main.jp/offer/saikadousosi.pdf
★佐賀県知事に再稼働不同意を求める署名の取り組みのお願い
署名用紙はこちら⇒http://tinyurl.com/jp5tuc3
玄海原発再稼働に向けての動きが急迫しています。その動きをSTOP!させるために、山口祥義(やまぐちよしのり)佐賀県知事に、玄海原発再稼働への不同意を求める署名を取り組んでいます。この署名の特徴は、とりわけ佐賀県外に住む者の立場に重点を置いて、「佐賀県だけの問題ではありません!事故の放射能は佐賀県外にも甚大な被害をもたらします!」と主張しているところにあります。
九州各県を中心として55の団体が参加する署名実行委員会が署名運動を進めていますが、さらに多くの団体・個人のみなさまにこの署名に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
要請事項は以下の通りです。「福島原発事故と同様な事故を起こした場合、佐賀県はもとより佐賀県外へも甚大な放射能被害をもたらしかねない玄海原発3,4号機について、その再稼働に同意しないことを貴職に求めます。」
【呼びかけ】 佐賀県知事へ玄海原発再稼働に不同意を求める!署名実行委員会
【連絡先】 080-8353-5792 戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会・工藤
署名集約先:「〒814-0199 福岡市城南郵便局留 戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会」宛に送付ください。
署名締め切り:第一次締め切り2016年12月25日(日) 、最終締め切り 2017年01月31日(火)必着で郵送願います。
【地域原告団イベントのご案内】各地域原告団のイベントはホームページにも掲載しています→ http://no-genpatsu.main.jp/news/
◆第27回原発ゼロCafe'
11月26日(土)10時〜12時@神野公民館
今回は原子力ムラ連合のたくらみ、佐賀市からの回答書の検討、東島弁護士からの今後の運動の提起ともりだくさんです。
主催/原発ゼロ佐賀市の会
連絡先…佐賀市中央本町1-10ニュー寺元ビル3F 佐賀中央法律事務所 TEL 0952-25-3121
◆イスラエルから来たダニーさんに聞く戦争のある国と戦争のない国〜武器を持てば平和になるの?
イスラエル出身のダニーさんは、徴兵でイスラエル空軍に従軍後アジアを旅し、現在は秩父で木工房を営んでいます。イスラエル軍のガザ地区攻撃をきっかけに、母国イスラエルに対する疑問を抱き、埼玉県秩父で木工房「ナガリ家」で家具職人をしながら、平和、脱原発の活動をしています。
ユダヤ人虐殺、そしてガザ地区で行われている虐殺。戦争の加害と被害。原発の構造的利権を貪る政治家や企業など、世界が抱える矛盾に正面から立ち向かい、子どもに笑顔の未来を残すために全国を回っています。
11月25日にダニーさんが福岡に来ます。ぜひおこしください。
日時 11月25日(金)18:30
場所 ふくふくプラザ
会費 500円
主催 ダニー・ネフセタイを福岡によびたい★ゆかいな仲間たち
共催 原発なくそう!中央区の会、中央区九条の会、terra cafe kenpou
◆「福島原発事故5年半から見えてくるもの〜シリーズ2・裁判の状況」
講師:池永修弁護士
日時:11月26日(土)14時〜
会場:フレアス甘木研修室A
参加費無料
この間の様々な裁判の状況について主に以下の点を中心に講演してもらいます。
・運転差止訴訟
・福島生業訴訟
・損害賠償〜被害者の補償すら裁判なくしては進まない
・東電株主代表訴訟
・原発賠償期限を2018年3月に設定
・運転差止仮処分
・大津地裁が高浜原発の差止を見問える仮処分決定
・刑事責任
問題提起後は自由な討論をと考えています。奮って参加ください。多くの質問や意見で活発な討論を行い、これからの運動の展望を見出したいと思います。
主催:脱原発・自然エネルギーを求める朝倉住民の会
*連絡先:朝倉市堤1095-7 TEL:0946-23-1875 桑野恭彰
◆映画「無念」上映会のご案内
映画「無念」上映会&「関東からの避難者の話」
講師:森音広夢氏
日時:12月11日(日)14時〜
会場:フレアス甘木 多目的ホール
原発事故により、命があることを知りながら救助活動を中断し、避難せざるをえなかった浪江町消防団。福島の「浪江まち物語伝え隊」と広島の「まち物語制作委員会」が、その時の様子・心情を伝えるために制作したのが「無念」です。20人の被災者が集い、声優を務めた手作りの自主映画です。
上映会の後は関東からの避難者の話を聞きます。原発事故当時の話から避難先での生活、避難者訴訟に関わった経過、帰るに帰れない現状や思いなどを聞かせてもらいたいと思うところです。原発事故から5年9か月、もう一度福島原発事故の現実から学びとる必要を痛切に感じるところです。是非一人でも多くの方々に見ていただき、聞いていただきたいと思うところです。
主催:脱原発・自然エネルギーを求める朝倉住民の会 原発なくそう!九州玄海訴訟朝倉地区原告の会
連絡先:弁護士法人 奔流 法律事務所 朝倉オフィス TEL 0946-23-9933
◆小出裕章さん講演会「なぜ、私が原発に反対するのか」
ちっごの会企画第14弾 講演会のお知らせ
日時:2017年1月15日(日)午後6時30分〜8時30分(開場:午後6時)
場所:久留米シティプラザ5階 大会議室(久留米市六ツ門町8-1)
資料代:500円
《講師の紹介》小出裕章氏
工学者、元京都大学原子炉実験所助教。1949年8月29日生(67歳)。
現在に至るまで一貫して、「原子力をやめることに役に立つ研究」を行っている。
2015年3月に京都大学原子炉実験所を定年退職後は、長野県で生活しており、「敵地(原子力を推進する人たちとの論争の場など)」「現地(福島や原発を立地されてしまった地域など)」「若い人(これからの未来を担わざるを得ない人たち、及び、子どもたちに関わりのある人たち)」を対象とした講演等を全国で行っている。
著書に、「原発のウソ(扶桑社)」など多数。
問合せ先 久留米第一法律事務所(事務局:古田)
住所:久留米市東町1-20大和ビル2階
電話:0942-38-8050 FAX:0942-38-0850
【その他、原発関連イベント】
●福島原発事故避難者訴訟 次回裁判のご案内
裁判日時 2017年2月1日(水) 午後2時〜
門前集会を午後1時30分より行います。
集合場所 福岡地方裁判所玄関(福岡市中央区城内1丁目1−1)
当日の流れ
午後1時30分 門前集会→法廷へ移動
午後2時 口頭弁論開始
午後2時30分ころ終了 その後,報告集会。
(弁護団の一部は,裁判所との進行協議後,報告集会へ合流。)
午後4時ころ終了
*傍聴のみの参加もOKです。
【問い合わせ先】
福岡第一法律事務所 弁護士近藤・八木
電話 092-721-1211
【玄海訴訟を支える会のご案内】】
支える会にぜひ、ご加入ください。原告の皆さまが原告に加わったときにご負担いただいた印紙代5000円は原告団などの活動費はおろか「弁護団活動費」さえ賄うものではありません。このことをご勘案くださいまして「支える会」のご支援もよろしくお願いします。
☆支える会は正会員(年会費3000円)と維持会員(年会費1万円)の2種類の会員があります。
申込み書は弁護団のホームページからダウンロードできます→
http://no-genpatsu.main.jp/img/download/mousikomi2.pdf
このメールにご住所・お電話番号をご記入の上ご送金いただいてもかまいません。
年会費送金先は下記のとおりです。
☆ゆうちょ銀行間の振込
口座記号番号 01760-6-90732(ゲンカイゲンパツソショウヲササエルカイ)
☆他銀行からの振込み
店名 一七九店(179)当座 口座番号 0090732
※支える会の会費は現在、会報の作成・郵送や専従事務局の人件費などに使っています。
※原告のみなさまへお願い
転居された方はご連絡をお願いします。このメールに返信してください。よろしくお願いいたします。
◎「原発なくそう!原告1万人記念フェスティバル」での城南信用金庫・吉原毅さんの講演はコチラから→ https://www.youtube.com/watch?=nMd2j5ilVAk
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「原発なくそう!九州玄海訴訟」原告団・弁護団
URL:http://no-genpatsu.main.jp/
〒840-0825 佐賀市中央本町1-10ニュー寺元ビル3階
佐賀中央法律事務所気付
TEL0952-25-3121/FAX0952-25-3123
Facebook:https://www.facebook.com/nogenkaigenpatu twitter もあります
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