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世界規模のエネルギーシフト-太陽や風は決して請求書をよこさない-
ドイツのシュタインマイヤー外相 (中日・東京新聞に寄稿)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016102990070544.html
脱原発政策を進めるドイツのシュタインマイヤー外相(60)が本紙に寄稿した。原子力発電の「高い潜在リスク」を指摘、再生可能エネルギーへの転換を訴え、温室効果ガス削減に向けた「新たな道」を共に切り開いていくよう、日本に呼び掛けている。(編集委員・熊倉逸男)
タイトルは「世界規模のエネルギーシフト(転換)−太陽や風は決して請求書をよこさない−」。
エネルギーシフトは、原子力に頼らず、再生可能エネルギーで供給を賄う政策だと説明。ドイツでの萌芽(ほうが)は、一九八六年の旧ソ連、チェルノブイリ原発事故(現ウクライナ)にさかのぼるとした。放射性物質の降下を恐れ、雨の日に屋外で遊べず、牛乳が飲めなくなるなど不安が広がり、環境に配慮したエネルギーへの転換を求める意識が高まった。東日本大震災の直後に起きた二〇一一年三月の東京電力福島第一原発事故で「決定的な影響」を受け、脱原発の表明に至ったと、経緯を振り返った。
二二年末までに全ての原発の稼働を停止し、五〇年までにエネルギー消費を半減させ、再生可能エネルギーとスマートグリッド(次世代送電網)への移行を目指すとの目標を確認した。
再生可能エネルギーの研究開発により、ドイツでは三十七万人超の雇用を創出し、エネルギーの効率化で産業界のコスト削減につながったと、経済効果も強調した。
国際的にも、地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」への合意が広がり、エネルギーシフトの潮流は勢いを増していると主張。日本でも、多くの自治体でエネルギーシフトへの関心が高く、対話が望まれていると指摘し、「全力を尽くして支援していきたい」と述べた。
外相の寄稿に関連したドイツのエネルギーシフトや日本との協力を考える「日独シンポジウム 温暖化対策と地方創生」(在日ドイツ大使館など主催)が来月二日午前九時半から、東京都港区赤坂のドイツ文化会館で開かれる。参加無料。申し込みはドイツ日本研究所のホームページ=https://www.dijtokyo.org/ja/=から。
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