http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/320.html
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8月6日放映のNHK・ETV特集「54枚の写真〜長崎・被爆者を訪ねて」を観た[1]。
(番組概要は[2]を参照されたい)
あまりにひどい内容なので、きちんと批判しておこう。
まずABCC(原爆傷害調査委員会)が、広島・長崎の被爆者をモルモットとして利用し、
必要な治療は一切行なわず厳しく批判されたことは動かしがたい事実である[3][4][5]。
そしてABCCとのちの放影研の最大の使命は、被爆者の命を救うことではなく、
原子力・核兵器産業に役に立つデータを収集するとともに、彼らに不利になる事実を隠ぺいし、
放射線被ばくの影響をできるかぎり過小評価することである。これも動かしがたい事実である。
被爆者の治療救済を最優先した都築正男氏(元東京帝国大学教授)はABCCをクビになり、
同じく肥田舜太郎医師は調査結果を取り上げられたり何度も逮捕されている[4]。
被爆の影響でたくさん生まれた奇形児は、ABCCにより闇から闇へと葬られた[5]。
漫画「はだしのゲン」の作者、中沢啓治氏のお母さんが亡くなったときも、ABCCがやってきて、
彼女の内臓が欲しいと言ったという[6]。
何も治療もしないくせに、よくそんな恥知らずなことがしゃあしゃあと言えるものだ。
ABCCが本当の検査記録と問題点を改ざん隠ぺいした被爆者向け用の2つのカルテを作成したり、
やってもいない検査をでっちあげてカルテを捏造したことに関しても証言がある[7]。
ABCCは黒い雨、残留放射能を極秘に調査、その影響を認識していたが、人体に影響はなしと
虚偽の発表をしていた[8]。
ABCCは1975年に放影研に改組され、ミスター御用こと重松逸造が第3代理事長となった。
そのあとを継いで第4代理事長になったのが弟子の長瀧重信教授である。
この二人は、原子力推進の総本山IAEAが組織した委員会でチェルノブイリ原発事故の調査をし、
住民に健康被害は全くないとのトンデモ報告書をまとめ、世界中から非難を浴びた[9]。
実際には1千万人以上が亡くなっている[10]。
番組の中で出てきた放影研の丹羽太貫理事長は、環境省専門家会議で、福島県外の被曝量は
低く調査不要と非科学的な御用発言をして、傍聴人と怒鳴りあいになった[11]。
最近見かけないと思ったら放影研の理事長に栄転していたのだ。
このようにABCC/放影研とその御用学者の悪行の数々は枚挙にいとまがない。
彼らは被爆者を原子力・核兵器産業の都合のよいように利用しているだけである。
そんな連中が、世界各国の放射線リスクの基準、「ゴールデン・スタンダード」を確立したと主張しても、
何の説得力もない。お笑いである。
デタラメな基準を元に、通常の数百倍もの頻度で発症している福島の甲状腺がんを
原発事故のせいでないと言い張ったり、年間100ミリシーベルト浴びても問題ないと主張しても、
いったい誰が信じるか[12]。
広島・長崎の調査結果は、福島原発事故の責任逃れ、賠償逃れのために悪用されるだけである。
インチキ、デタラメだらけのABCC/放影研を全く批判せず、まるで彼らの主張する基準が
絶対に正しいかのように一方的報道をするNHKは、厳しい批判・非難にさらされてしかるべきだ。
もし、何の治療もされずに放置された広島・長崎の被爆者が多数生きていたら、NHKには抗議が
殺到したことだろう。まさに死人に口なしである。
この番組は、NHKの偏向・劣化ぶりがよくわかる極めて悪質な洗脳御用番組である。
さすが安倍政権、原子力ムラの広報機関だけのことはある。
こんなデタラメを見るために高い受信料を払わされるのだから、受信契約を解約する人が増えるのも
当然である。
NHKに少しでも真実を報道しようという意志があるのなら、本当に被爆者のことを思って治療に奔走し、
それゆえ米軍、ABCC/放影研に弾圧され続けた肥田舜太郎先生をインタビューして、カットなしで
報道すべきだろう。
(関連情報)
[1] 「ETV特集『54枚の写真〜長崎・被爆者を訪ねて〜』」 (NHK)
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/20/2259542/
[2] 「【ETV特集】54枚の写真〜長崎・被爆者を訪ねて〜 」 (じゅにあのTV視聴録 2016/8/9)
http://ameblo.jp/skyblue-junior/entry-12188925753.html
[3] 「ABCCは何をしたか(『広島の視線』・原爆・広島・平和公園・ガイド・花・英語)
(既出かと思ってたらなかったので投稿。)」 (阿修羅・こーるてん 2013/8/22)
http://www.asyura2.com/13/genpatu33/msg/194.html
[4] 「被爆と被曝 放射線に負けずに生きる」 (肥田舜太郎・著 幻冬舎 2013)
[5] 「広島・長崎原爆で奇形児が少なかった理由のカラクリ」 (阿修羅・てんさい 2013/6/20)
http://www.asyura2.com/12/genpatu21/msg/907.html
[6] 「知られざる放影研ABCC中沢啓治さん(内容書き出し)」 (みんな楽しくHappyがいい 2012/12/29)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2672.html
[7] 「小野俊一氏との対談で広島被爆者・橋爪文さんが、ABCCの二重カルテ疑惑に言及 」 (拙稿 2015/4/2)
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/458.html
[8] 「残留放射能:米軍、極秘調査 広島・長崎で1950年 危険性否定後も (毎日新聞)」 (拙稿 2015/8/7)
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/567.html
[9] 「驚愕!御用医学者をさかのぼると、すぐに731部隊に行き着く」 (拙稿 2014/5/16)
http://www.asyura2.com/14/genpatu38/msg/205.html
[10] 「チェルノブイリ事故死者100万人はごく控えめな推測 実際は1500万人以上 福島事故も同じだろう」
(拙稿 2016/8/2)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/245.html
[11] 「『委員と傍聴者が怒鳴り合い〜環境省専門家会議』 (OurPlanet-TV) 」 (拙稿 2014/11/29)
http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/336.html
[12] 「胎児が100ミリシーベルト被ばくしても大丈夫 リビング福島『実験で学ぶ!放射線セミナー』の
内容がひどい」 (拙稿 2015/3/28)
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/422.html
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