http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/615.html
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昭和19年、政府は目前に迫る空襲から子供を守るため学童疎開を決定した。
首都圏、大阪・神戸、名古屋など大都市に住む学童を対象に、地方に親戚がある家庭は縁故疎開を、
縁故者がいない子供は地方の旅館やお寺などに集団疎開をさせた。
集団疎開した児童は40万人以上にものぼった。これは福島県の未成年者に匹敵する数である。
子供たちにとって疎開生活は非常に辛いものだったようだ。
食糧事情は最悪でいつも空腹をかかえ、シラミなどに悩まされ衛生状態も悪かった。
下級生は親が恋しく泣く子もいたし、疎開児童の間の、また地元の人間からのいじめもあった。
こちらのスライド・ショーが集団疎開の実態をわかりやすく説明しているので、ぜひ見ていただきたい。
「全国疎開学童連絡協議会 公式ホームページ」
http://gakudousokai.com/index.html
当時は、一億総力戦、総玉砕が叫ばれており、(今の福島も同じだが)とても「避難」という言葉は使えず、
「次世代の戦力維持」や「都市の防空活動を円滑に行う」 というのが表向きの理由であった。
戦局は極めて悪化しており、政府上層部は敗戦は時間の問題だと認識していたはずである。
政府内部の良識のある人たちは、すでに敗戦後の復興に思いをめぐらし、何とか子どもを疎開させ
空襲から守って、日本の将来を託そうと考えたのだ。
そしてその願いは見事に実を結んだ。
疎開で空襲を逃れた子どもたちは成長して、各界でめざましい活躍し、日本の復興に多大な貢献をした。
芸能界だけでも疎開経験者は多く、ペギー葉山、愛川欽也、永六輔、小林亜星といった人たちが
戦後をリードした。
東京大空襲の犠牲者の40%近くは未成年だったと言われている。
経済的、あるいは健康上の理由等で疎開しなかった残留組の多くが犠牲になった。
疎開した子供たちはつらい疎開生活だっただろうが、もし東京に残っていたら大半は死んでいたに違いない。
今では想像もできないほど何もかも不足していた困難な時代に、40万人以上もの児童を集団疎開させたのは、
まことに英断であったと言うべきだろう。
戦前の日本には、子どもを守ろうという良識があったのだ。
それに比べて、現在の政府は何をやっているのか。
強制移住地域にも匹敵する汚染のある場所で平気で生活させている。
避難どころか、とても住めない汚染地域に避難した人を帰還させようとしている。
除染をやっても従来の安全基準を守れないから、何の科学的根拠もなく基準を甘くする。
とんでもないマヤカシだ。
福島の子供を食べて応援のキャンペーンに使ったり、汚染のひどい国道6号の清掃をさせたりしてる。
避難どころか積極的に被ばくさせているのだ。
戦前の日本を知る作家の瀬戸内寂聴さんが、戦争中のほうがまだましだったと言ったのは正しい。
かつて民主党の岡田克也議員は、福島の子どもを避難させないのはお金がかかるからと答えたが、
そんな言いわけは通らない。
1人当たり500万円かかったとしても、40万人でも2兆円である。
福島の子どもを避難、移住させるのに数兆円の税金を使うことに反対する国民はいない。
安倍首相は海外で気前よく何十兆円ものバラまきをやっているし、政府からの東電への支援金は
すでに9兆円を越えているのだ。
金がないのではなく、今の政府には日本の将来を担う子供を助けようという気が全くないのだ。
天下りや企業献金で癒着した大企業の利益にならないものにはビタ一文払わない。
それどころか、福島の子供をモルモットにして被ばくさせ、御用医学者が金儲けに利用しようとしている。
恐るべきことに、これが将来の日本を担うべき子供たちに対する政府の姿勢である。
世界中を見まわしても、これだけ子供に冷酷かつ凶悪な政府は北朝鮮以外にはないだろう。
さっさと避難・移住させれば、被ばく被害も最小限ですんだはずだ。
子供たちが健康に育ちやがて大人になり働き出せば、納税して国庫は潤うし、
結婚し子供もできれば少子化の防止にもなり、消費も増えて景気も上向く。
放置すれば、被ばくで寝たきりやぶらぶら病になり就職も結婚もままならない。
がんや白血病にでもなれば、治療費は1千万円を越えることも珍しくない。
見捨てるわけにはいかず、政府・自治体は医療補償や生活保護など莫大な出費を強いられる。
(すでに福島県は甲状腺がんの医療費を全額負担している)
本人にとっても政府にとっても何一つ良いことはないのだ。
愚かなことに、この国の政治家や官僚は、目先の利益しか考えることができない。
何も100年先まで考えろとは言わない。
せめて10年、20年先を見据えてものごとを決めるのは当たり前だが、それすらできない。
これでは、朝三暮四に怒った猿と同レベルの知能だと言われても仕方あるまい。
どんな世界でも、最も軽蔑されるのは弱い立場にある子供を守らない人間である。
日本は平和を愛し、まじめで勤勉で、優れた工業製品を生産し戦後奇跡の復活を遂げたと、
かつては尊敬の眼差しで見られていたが、それも今や昔話だ。
金があるのに子供を汚染地域から避難させない日本は、海外から極めて冷たい目で見られている。
それをひしひしと感じるから、バカバカしい日本礼讃番組でおのれを慰めているのだろう。
今年のはじめ、埼玉県狭山市で3歳の娘に熱湯をかけ虐待死させた悪魔のような夫婦が逮捕されたが、
熱湯ではなく放射能というだけで、日本政府がやっていることはこの夫婦と全く変わらない。
残念ながら、このままでは福島の子供たちは全滅する。
菅直人、野田佳彦、安倍晋三とそれに続く首相は、福島の子どもを見殺しにした人殺しとして、
何世代にも渡って世界中からクソみそにののしられることになるだろう。
子供を守らない国家に未来はない。
(関連情報)
「語り継ぐ学童疎開」 (Web 学童疎開を語り継ぐ会 2006/12/6)
http://www.ne.jp/asahi/gakudosokai/s.y/index.htm
「運命を変えた学童疎開 40万人超 戦争が招いた影」 (東京新聞 2014/4/15)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/Postwar70th/dengon70th/CK2015010602100009.html
http://megalodon.jp/2015-1231-2303-05/www.tokyo-np.co.jp/article/feature/Postwar70th/dengon70th/CK2015010602100009.html
「東京への空襲 犠牲者の40%近く未成年」 (NHK 2014/2/26)
https://web.archive.org/web/20140302063458/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140226/k10015535011000.html
「愛川欽也さんに聞いた」 (この人に聞きたい・マガジン9)
http://www.magazine9.jp/interv/aikawa/
「5年目のホットスポット 福島市で20マイクロ超え (福島日報ダイジェスト)」 (拙稿 2015/11/14)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/333.html
「国連人権理事会 福島事故、健康である権利侵害(東京新聞:特報)」 (阿修羅・播磨 2013/6/22)
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/256.html
「『福島の子どもたちを今すぐ疎開させてください』 スイス・ジュネーブ市長/World Network Children 」
(阿修羅・赤かぶ 2013/5/12)
http://www.asyura2.com/13/genpatu31/msg/531.html
「キエフから児童・生徒が消えた1986年5月、 クリミア保養地への学童疎開 - 2011.7.2 」
(阿修羅・mainau 2013/1/26)
http://www.asyura2.com/12/genpatu29/msg/831.html
「質問『福島の子供を、なぜ避難させないのですか?』 岡田議員『お金が掛かるから...』」
(阿修羅・Chick 2011/12/29)
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/697.html
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