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福島原発の“幻のイチエフ建て替え” 実現してれば「あれだけの事故には…」〈AERA〉
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/599.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 30 日 17:13:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

事故から5年を迎えた福島第一原発の1、2号機(写真中央)。東京電力社内では1990年代以降、新型炉へのリプレースが検討されていた/2016年3月、朝日新聞社ヘリから (c)朝日新聞社


福島原発の“幻のイチエフ建て替え” 実現してれば「あれだけの事故には…」〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160428-00000281-sasahi-soci
AERA  2016年5月2日−9日合併号より抜粋


 老朽原発を廃炉にし、安全性と経済性を高めた新型炉に置き換える――。構想が実現していれば、東京電力福島第一原発の過酷事故は防げたのか。

「福島第一原発(イチエフ)の1号機には幻のリプレース計画が存在していた。もし実現していたら、あの事故は絶対に防げたはずです」

 東京電力の元管理職がそんな話を私に打ち明けてくれたのは、2014年1月。当時の関係者に当たり、東電で原子力技術部長を務めた峰松昭義氏が深く関わっていたと知った。すでに退職している峰松氏に電話をかけると、本人があっさり認めた。

「イチエフの1、2号機を廃炉にして新しいプラントにしようと東電の中で検討していました。ABWRIIというんです」

 東電の原発は米ゼネラル・エレクトリック(GE)の沸騰水型炉(BWR)を採用し、後にGEからライセンスを受けた日立製作所や東芝が製造するようになった。やがて東電は、改良型沸騰水型炉(ABWR)をメーカーと開発。世界初のABWRとして1996年、柏崎刈羽原発6号機が運転を開始した。

 ABWRIIは、ABWRの出力を160万〜170万キロワットに大型化し、当時の最新の知見に基づく安全対策を施す構想だった。東電は90年代以降、原子力技術部を中心に検討を進め、GEや日立、東芝の技術陣も参画した。

 東電内で関わったのは先の峰松氏と、やはり同部長経験者の尾本彰氏(現東京工業大学特任教授)ら。眼目は、チェルノブイリ事故以降に広がった「受動安全」の採用で、ポンプや駆動源がなくても動く冷却装置が構想された。福島第一原発1号機にも装備され、原子炉の蒸気を冷却して水に戻して原子炉に送るICに加え、同様の仕組みで格納容器を除熱するPCCS、水素爆発を防ぐ水素再結合装置PARも配備する考えだった。東電広報室によると、溶融デブリの保持・冷却といった過酷事故を想定した格納容器の設計も検討されていたという。

 背景には、福島第一原発などの廃炉と建て替えが一時期に集中するという懸念があった。一律60年で廃炉とすると、2030年代後半から50年代まで毎年2千億円前後の費用がかさむ。尾本氏らは老朽原発の廃炉を前倒しし、跡地に経済性に勝るABWRIIの建設を検討した。10年代後半にはABWRII1号機の運転開始を構想していた。

 福島第一原発1号機の廃炉については東電の南直哉(のぶや)元社長も、「かつて常務会に議題として上がったことがある」と打ち明ける。南氏の記憶によれば、それは89年前後で、

「補修コストと運転の利用率を考えると、1号機はもうからない、ということでした。バブル期に電力需要が伸びて、話は立ち消えになりました」

 峰松氏や尾本氏らの話を総合すると、1号機の廃炉がその後も長らく検討課題だったことは確かである。1、2号機は廃炉後、コンクリートで地面をかさ上げし、その上に新しい原発を着工する案もあったという。

 だが、峰松氏が01年に日本原燃に、尾本氏が04年に国際原子力機関(IAEA)にそれぞれ転出したあたりから、構想は暗転する。電気事業連合会の05年の議事録では「(福島第一原発)2号機までまとめて廃炉し、170万キロワットのABWRIIにすることも可能であるが、いまはまず既存炉の運転継続が第一」(東電出身の田中治邦氏)と“両論併記”になり、その後、雲散霧消していった。

 その背景には、東電内の原子力部門の路線対立がある。もともと主流だった峰松氏や尾本氏ら、原発の建設や設計を考えるグループに対し、福島の第一、第二、柏崎刈羽に計17基もの原発が立ち上がると、その運転や補修を担うグループが台頭した。

「00年ごろから電力自由化の動きもあり、原子力は建設の時代から運転保守の時代に大きく変わっていきました。社内で意見の相違はありました」と振り返るのは、原子力部門を所管した服部拓也元副社長。

「ABWRIIは『なぜ必要なのか』がはっきりしない。コストの面でも安全性の面でも」と述べる。経済性を追求し大型の燃料棒が使えるよう炉心の設計を変えたことが裏目に出た。東芝でABWRIIの開発に関わった奈良林直(ただし)氏(現北海道大学大学院特任教授)は言う。

「燃料棒の大型化は、定期検査の差し替えの数を減らす程度のメリットしかない。施設の寸法が全部変わってしまい、かえって経済性を失ってしまった」

 冒頭の元管理職も「燃料棒のサイズを大きくしたことで社内の評判が悪かった」と振り返る。

 だが、この元管理職は、「1号機がリプレースを前提に止まっていたら、あれだけの事故にならなかったと思います」と続けた。奈良林氏も、「ABWRIIを前倒しでやっていけば、あの事故はなかった。2号機はせっかく電源をつないだのに、1号機が爆発したせいで、ふいになってしまった」と残念がる。(朝日新聞経済部・大鹿靖明)

 

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コメント
 
1. taked4700[5319] dGFrZWQ0NzAw 2016年4月30日 18:08:13 : 958a4dSO3M : pOmactnXIz8[2]
相変わらず誤解を誘導する記事が出ていますね。事故は故意に演出されたもの。その根拠は電源車を使わなかったこと。プラグが合わないという話が以前として出ているが、プラグの取り換えなど簡単にできるし、プラグなしに電線を直接接続もできる。技術者は大勢いたことになっていて、なぜ、プラグのことで電源車が使えなかったという話がいつまでも続くのか。

いい加減に、きちんと事故過程を検証しないと、このまま10年とか20年程度かけて日本国民殲滅されてしまう。

それも、ほぼこのまま首都直下と南海地震に直撃されてしまうことも明らか。首都直下に見舞われれば、そのまま財政破たん、極端な円安に見舞われ、行政は麻痺、一般市民は何が何だかわからない疫病にかかり次々と死んでいくばかり、そんな未来が待っているだけだ。

今の世界の動きの不自然さに気が付くべきだ。


2. 2016年4月30日 18:40:29 : tnQGfJiK1k : m2i7e3@0Ebs[1]
1さんの指摘どおり  電力も規制委も政権も同じだが

原発・九州地震に対する、あまりにも粗雑な説明を平気で垂れ流している。
そこからは起こるべくして起きる事になるだろう地震災害と関連

原発爆発、原発テロに対し、三者共に何の対応もやる気が無いという
事を、そこから国民自身が読み取る必要が有る。

もはや個人で出来る手段をおのおの演習して備える事に
尽きる。



3. 2016年5月01日 04:47:03 : lv7vbj53vM : R5TUbJyqZ1g[737]
BWRと比べた場合、ABWRの主な特徴は、原子炉再循環ポンプを圧力容器の中に設置したこと、
および制御棒駆動源として水圧駆動に電動駆動を加えたことだ。

「改良型沸騰水型炉(ABWR)の構造上の特徴」
http://www.fepc.or.jp/enterprise/hatsuden/nuclear/keisuiro/sw_index_02/

今回の事故は、地震による主蒸気配管等の破断、全電源喪失、津波による取水ポンプ流出、
格納容器損傷などが原因であるから、たとえABWRでも同じ事故が起きていたことは間違いない。

東電によれば、制御棒は期待通りに動作し緊急停止は成功したというのだから、
制御棒駆動源を改良しようとしまいと関係がなかった。きちんと動いたのだ。

ABWRなら事故が起きなかったという根拠は全くない。

こうなら事故は起きなかったはずだという言いわけはもう通用しない。

ABWRを再稼働するための安全デマである。


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