http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/597.html
Tweet |
http://jp.reuters.com/article/ramberg-chernobyl-idJPKCN0XR01B?sp=true
Column | 2016年 04月 30日 11:11 JST
コラム:次は意図的な「チェルノブイリ」発生か
[26日 ロイター] - チェルノブイリ原発事故からちょうど3
0年が経過するなか、原子炉がテロの標的になるのではないかという不安が高まっている。
3月に発生した過激派組織「イスラム国」によるブ リュッセル攻撃では、深刻な懸念が生じた。実行犯たちが核関連施設への攻撃を検討していたことを 示す証拠もある。同組織がベルギー原子力当局の責任者を監視しており、原発の元従業員2人がイス ラム国に身を投じたという報道もある。
ベルギー当局が原 発警備のために軍を急派した理由も、これで説明できそうだ。
この恐怖は、原電がテロリストも利用できる放射性物質の宝庫である ことを思い出させる。原発を破壊すれば、テロ攻撃としては最高の成果を挙げられるだろう。放射性 物質は国境を越えて拡散する。多くの人々の生命を脅かし、チェルノブイリや福島での爆発のように 、経済・環境に大惨事をもたらす。
西側諸国をはじめとす る地域は、このリスクにどう取り組むべきだろうか。これほど深刻な危険性が残っているのだとすれ ば、なぜ国際社会は強制的な警備基準を課さないのだろうか。
実は、米政府はそうした基準の策定を試みたことがある。1946年 6月14日、米国は国連に「バルーク・プラン」を提案した。これは、「世界の安全保障にとって潜 在的な危険を有するすべての原子力関連活動に関する管理権または所有権」と、「その他すべての原 子力関連活動に対する規制・検査・認可権限」を有するような国際原子力開発機関の設置を求めるも のだった。
冷戦期の政治に邪魔されなければ、今日の原子 炉はより安全・安心なものになっていた可能性がある。だがその代わりに今、国際社会は各国が場当 たり的な原子力規制を実施する状況に直面している。結果として、テロリストから見れば核というパ ンドラの箱は開きっぱなしになっているのだ。
適切な訓練 と装備を与えられた十分な人数の武装警備員、重要部分を守る物理的な防壁、検知・警告・通報シス テム、テロリストや犯罪者の浸透を防ぐための発電所従業員全員に対する慎重な身元調査、その他諸 々の厳格な保安基準を導入するコストは、意図的なものであれ事故であれ、再びチェルノブイリや福 島のような事態を回避するためであれば安いものである。
だが、惰性というものを考えれば、我々が行動を起こすためには、意図的なチェルノブイリの再発を 待たなければならないのかもしれない。原発に批判的な人々が数十年にわたって「原子炉はテロの格 好の標的になる」と懸念しているにもかかわらず、十分な防護措置が取られていないことを考えてみ ればいい。
批判派は、先進的な携行兵器、携行式ロケ ット弾、自動車爆弾、船舶又は航空機を使ったテロ攻撃により、原子炉の格納容器が破壊される可能 性があると主張している。また、発電所の重要なライフラインが内部潜入者によって破壊され、コア 部分から致死レベルの放射性物質が放出されるという警告もある。
だが、これまでのところ深刻な攻撃が起きていないだけに、油断が生 じている。ベルギーでは、昨年のパリ同時攻撃の発生後、ようやく原発に武装警備員が配置された。 原子炉を保有する国は他にも30カ国あるが、同じくらい無頓着な国はいくつあるだろうか。
こうした油断が厄介な問題であることはすでに暴露されて いる。2012年、環境保護団体グリーンピースの活動家がスウェーデンの核施設に侵入した。彼ら は2基の原子炉を囲むフェンスを乗り越え、メンバーのうち4人が原子炉1基の屋根に一晩中隠れて いた。2014年には別のグリーンピース活動家のグループが、ドイツ国境に近いフランスの原子力 発電所に侵入し、原子炉の建屋に大きな横断幕を掲げた。
こうした大胆な行為は、この2カ国の、そして恐らく他の多くの国における原子力発電所の警備体制 に深刻な欠陥があることを証明している。
国際原子力機関(IAEA)、世界原子 力発電事業者協会(WANO)、そして欧州連合は、いずれもガイドラインを提示して原子炉の危機 管理・安全確保を推進している。こうした機関では、立地国の要請に応じて調査チームを派遣し、原 発保安体制の評価を行っているが、各国に保安慣行の変更を強要することはできない。
一般的に、こうした油断や過信といった意識のあり方は容易に変化し ない。変化させるには、仮定の話ではなく、実際の事件が必要だ。
たとえば米国では、1993年のニューヨークのワールド・トレード ・センタービルにおける爆発物を積んだトラックによる攻撃を契機として、原子炉を自動車爆弾テロ から防護するために、より厳しい基準を策定しようという動きが始まった。
その後2011年9月11日の同時多発攻撃を機に、米原子力規制委 員会は地上からの攻撃に対する防護を強化した。委員たちは、空港での保安体制が強化されることで 、原子炉に対する「9.11」式の空からの攻撃は防げると考えたためである。
だが、究極の保安基準を適用していると自 称する米国においてさえ、攻撃のシミュレーションによって、原子炉防護の欠陥が繰り返し発見され ている。
油断している各国の危機管理文化が劇的に変わる とすれば、それは人為的な「チェルノブイリ」級の事件が起きるときだけだ、とわれわれは想定して おくべきなのだ。国際的なグループが権限を得たとして、この問題に対処するための計画として考え られるものを挙げておこう。
こうした計画では、世界中の 原発に関する義務的な保安・安全要件を定め、IAEAもしくは他の操業認可を与える権限を持つ機 関がこれを主管する。もし、認可された原発の保安体制が不十分であることが判明した場合には、事 業者が必要な改善措置を完了するまで、認可を一時停止する。
残念なことに、こうした予防的な行動を引き起こすためには、我々は 意図的な「チェルノブイリ」がまず発生することを待たなければならないかもしれない。
*筆者はジョージ・H・W・ブッシュ政権において、政軍関係担当局 の政策アナリストを務めた。著書に「Nuclear Power Plants as Weapons for the Enemy(原題)」が ある。
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれて います。(翻訳:エァクレーレン)
An aerial view of the Chernobyl Nuclear Power Plant in Ukraine with an arrow pointing to the location of the explosion. On the morning of April 26, 1986, no one could yet tell that a meltdown in reactor 4 of the nuclear plant in then-Soviet Ukraine was poisoning the air with so much deadly radioactivity that it would become the world's worst nuclear accident. REUTERS/File
A helicopter sprays a decontaminating substance over the region surrounding the Chernobyl nuclear power plant. The accident killed 31 right away and forced tens of thousands to flee. The final death toll of those killed by radiation-related illnesses such as cancer is subject to debate. REUTERS/Tass
A traffic policeman checks vehicles entering the restricted zone surrounding the Chernobyl nuclear station. Mikhail Gorbachev has since said he considered Chernobyl one of the main nails in the coffin of the Soviet Union which eventually collapsed in 1991. REUTERS/File
A child drinks an anti-radiation iodine solution in a Warsaw clinic following the Chernobyl disaster. A Greenpeace report ahead of the 30th anniversary cites a Belarusian study estimating the total cancer deaths from the disaster at 115,000, in contrast to the World Health Organisation's estimate of 9,000. REUTERS/File
An aerial view of the Chernobyl nuclear power plant still smoking shortly after the explosion of its fourth reactor. In particular, "the 30 km exclusion zone around the Chernobyl reactor remains highly contaminated and unsuitable to live in," it said. REUTERS/File
A Ukrainian policeman decontaminates a bus used to carry workers who built a sarcophagus around the fourth reactor of the Chernobyl nuclear station. REUTERS/File
The Chernobyl nuclear power plant after the explosion of its fourth reactor. REUTERS/Vladimir Repik
An aerial view of the fourth reactor of the Chernobyl nuclear power plant after its explosion. REUTERS/File
A helicopter drops concrete onto the fourth reactor of the Chernobyl nuclear power after its explosion. REUTERS/File
A wedding party crosses a street weeks after the Chernobyl nuclear disaster in the settlement of Polesskoe, near Chernobyl. REUTERS/Vladimir Repik
Major Leonid Telyatnikov, one of the first firefighters at the Chernobyl nuclear power plant disaster and head of the Chernobyl fire brigade, hugs his wife Larisa in the hospital grounds where he is being treated for exposure to radiation. REUTERS/File
Representatives measure the level of radioactivity on the Koenigsplatz in Munich to combat radiation fears following the Chernobyl disaster. REUTERS/Claus Hampel
A worker at the Chernobyl nuclear power plant checks the radiation level in the engine room of the first and second power units. REUTERS/File
The building of the sarcophagus around the fourth reactor of the Chernobyl nuclear power plant after its explosion. REUTERS/File
The number four reactor at the Chernobyl nuclear plant after completion of the work to entomb it in concrete. REUTERS/File
Workers enter the Chernobyl nuclear power plant weeks after the 1986 explosion in its fourth reactor. The sign reads: 'Comrades, we guarantee the launch of the first and second bloc by October 1986', referring to the first and second reactor that were switched off after the accident. REUTERS/File
A technician monitors nuclear reactor number 3 in a control room of the Chernobyl power plant. REUTERS/File
Evacuees from the Chernobyl region's collective farms walk through the streets of a newly built village in Makarovsky district near Kiev. REUTERS/Tass
Alexander Kovalenko, the former Information Chief of the Chernobyl clean up, holds a radiation meter showing a level of 2.3 milliRoentgens (hundreds of thousands of times less than in the first days after the accident). In the background are the third and the adjoining damaged fourth reactor now entombed in concrete. Photo is undated. REUTERS/Meg Bortin
A view of the Chernobyl nuclear plant, with reactor no. 4 in the foreground. REUTERS/Dominique Dubouble
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素45掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。