http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/590.html
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最近、田中角栄は米国にはめられた、無罪だと主張する愚かな連中がいるが、
角栄が犯した最大の犯罪はロッキード事件ではなく、土地買占めでボロ儲けするために
地盤の悪い旧油田地帯に柏崎刈羽原発を誘致したことである。
たしかに受託収賄罪は犯罪ではあるが、それにより人が死んだり、環境が回復不可能なほど
汚染されることはない。
下手をすれば国家を崩壊させる原発の誘致とは深刻度が全く違うのである。
田中角栄の地元である柏崎・刈羽周辺は、古くから石油が採れることで有名であった。
柏崎刈羽原発から数キロ山にはいると、草生水(くそうず)献上場がある。
「くそうず」とは臭い水という意味で、昔の人は石油のことをそう呼んだのである。
日本書紀には天智天皇の時代に越の国から草生水が朝廷に献上されたと書かれている。
草生水は珍重され長らく原始的な手掘りで石油を採っていたが、明治時代になると、
欧米から近代的な石油採掘技術が導入され、この西山一帯は国内でも屈指の油田となり、
石油やぐらが林立した。
(資料[3]より引用)
残念ながら、昭和の始めには石油は枯渇し油田は閉鎖され、いまではその面影はない。
柏崎刈羽原発から10キロほど海沿いに北上した尼瀬という所に、石油産業発祥地として
石油記念館・公園があり、油田が栄えていた時代を知ることができる。
このようにちょっと掘れば石油が出てくるような所であり、しかも付近には活断層がいくつも走っていて
土地の隆起・沈降も当たり前のように見られる土地である。
しかもこの一帯は地震の巣で、今まで大小の地震が数え切れないほど起きている。
1964年には新潟地震(M7.5)が、2004年には中越地震(M6.8)が起きている。
原発を建設するのは最悪と言ってよい場所であるが、なぜ誘致されたのか。
以下、書籍からの引用である。
「この新聞記事を、柏崎市議の芳川広一(社会党)に解説してもらった。
『あの土地に、最初、田中角栄は自衛隊の施設所を誘致するのだといいましてね。
施設所は戦争する施設じゃなくて、災害のときに出動する部隊なのだから、安全だというのですよ。
その、田中発言があるとすぐ、一帯を木村が買い占めた。『朝日新聞』が"田中側近"と書いているのは、
当時刈羽村の村長だった木村博保のことです。木村は、田中角栄の"越山会"の有力者なのですよ。
"越山会"と室町産業の間で、キャッチボールして、坪一〇〇円の土地を二、六〇〇円につり上げた。
こういうのを『転がし』というのだそうですね。誰の懐に入ったかは、いうまでもないでしょう』
坪一〇〇円の土地が二、六〇〇円になり、すると自衛隊施設所が原子力発電所に変わった。
原子力発電所だと、住民たちが土地を売らないという配慮があったのだろうか」
(田原総一朗著・ドキュメント「東京電力企画室」 文春文庫)
「72年7月5日 田中角栄、福田赳夫、大平正芳、三木武夫の4人が出馬 佐藤栄作の後継者を
決める自民党総裁選前に 新潟県議木村と角栄が示し合わせ法外な値段で東電に売却した
柏崎刈羽原発の用地代金「4億円」を ばらまき角栄は総理大臣に就任した」
(広瀬隆著・持丸長者「戦後復興編」 ダイヤモンド社)
要するに田中角栄が土地ころがしでボロ儲けするために誘致されたのが柏崎刈羽原発だったのだ。
そしてこの金を自民党内にばらまいて角栄は首相の地位を得た。
一政治家の野望のために、危険極まりない軟弱な地盤の上に原発が建設されたのだ。
地質調査は申しわけ程度、危険な活断層など不都合な真実はすべて御用学者が隠ぺいした。
地質がどうであれ、角栄がボロ儲けするためには、この土地に原発を建てなければならなかったのだ。
しかもその後、拡張、増設を繰り返し、1号機から7号機までの7基の合計出力は800万キロワット超、
世界最大級の原発になってしまったのである。
これを狂気と言わずして何と言うのか。
2007年7月におきた中越沖地震(M6.8)では、かろうじて原子炉は緊急停止したものの、
予想された通り、敷地のいたるところに隆起・陥没、地割れが生じた。
(資料[7]、[10]より引用)
これは東電が公表したデータであるが、おそらく福島第一のように地盤の隆起・沈下はもっと大きいだろう。
東電はひた隠しにしているが、原子炉や燃料プールなどが、安全審査を通らないほど、傾いてしまったのは
確実である。
「『原発が傾いた!』ー柏崎刈羽原発 地盤沈下と隆起」 (よくわかる原子力)
http://www.nuketext.org/news_1.html
この中越沖地震は巨大地震ではなかった。
東日本大震災のようなM8-9級の大地震であったら、ひとたまりもなく、福島第一のように炉心溶融、
大爆発が起きていた可能性が高い。
放出された放射性物質の8割は太平洋に落ちた福島原発事故と異なり、その大半は北陸、中部、関東、
東北の広大な地域に降り注ぎ、日本は壊滅状態になっていただろう。
日本が今日まで存続しているのは、たまたま運がよかったからにすぎない。たまたま我々は生きているのだ。
角栄の実家から原発までは10キロも離れていない。
そんなところに原発を誘致するのは危険だという常識、良識は、彼には通用しない。
とにかく金、金、金。子孫が障害者になってもいいから金儲けをしたいという下着ドロ大臣の親父と同じである。
もっとも、そういう考えの人は今や少数で、新潟県民の大半は、お金よりも何よりも新潟の自然環境を守りたい、
危険な原発を再稼働するのはやめてくれと思っているだろう。
それは再稼働を認めない泉田新潟知事が県民に強く支持されていることからもわかる。
角栄が首相になるために、地盤の悪くまわりは地震の巣である最悪の土地に柏崎刈羽原発は誘致された。
そして中越沖地震により建屋も原子炉も傾いてしまった。
豆腐の上に建っているのだから、いくら補強工事をしたところで無駄である。
それほど大きくない地震がもう一度襲えば、致命的なダメージが生じ、原子炉を安全に停止できず、
炉心溶融、爆発が起きることは明らかである。
柏崎刈羽原発の再稼働は言語道断であり、即、全7基とも廃炉にすべきである。
(関連情報)
[1] 「草生水献上場(くそうずおんじょうば) 日本書紀の記録に残る石油自噴地の1つ」
(石油・天然ガス自噴湧出地・・・新潟県刈羽郡西山町大字妙法寺字草生水)
http://www.city.kashiwazaki.lg.jp/sightseeing/kanko/shiru/nanakaido/1503231400.html
[2] 「石油産業発祥地」 (発祥の地コレクション)
http://hamadayori.com/hass-col/tech/Sekiyusangyo.htm
[3] 「新潟エネルギー街道を行く」 (探検コム)
http://www.tanken.com/oil.html
[4] 「角栄政治としての柏崎刈羽原発誘致政策考」 (れんだいこ)
http://www.marino.ne.jp/~rendaico/kakuei/gyosekico/dengensanpo.html
[5] 「柏崎原発周辺も地震が凄いぞ!」 (阿修羅・地震くん 2015/3/8)
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/201.html
[6] 「地質調査は全くせず、政治家の"ご都合"で原発建設地が決まる大地震国ニッポン」
(拙稿 2014/9/8)
http://www.asyura2.com/14/genpatu40/msg/246.html
[7] 「柏崎刈羽原発と中越沖地震について」 (イソップ・岩田清氏ウェブ 2014/6/6)
http://yoshi-tex.com/Kashiwazaki/
[8] 「後藤政志氏による柏崎刈羽の災害状況の説明」 (原子力資料情報室 2011/3/31)
http://www.ustream.tv/recorded/13679820
[9] 「柏崎刈羽原発の揺れ、想定の2.5倍…最大2058ガル[読売新聞]」 (阿修羅・feel 2007/7/30)
http://www.asyura2.com/07/genpatu4/msg/310.html
[10] 「中越沖地震後の柏崎刈羽原発に行ってきました」 (庶民の弁護士・伊東良徳のサイト 2007/7/23)
http://www.shomin-law.com/katudoukashiwazakichuetsuoki.html
[11] 「恐怖の柏崎刈羽原発」 (きっこのブログ 2007/7/17)
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2007/07/post_ed96.html
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