http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/539.html
Tweet |
メディアが報じない原発禍の街の真実 <第13回>原発ADRで東電に和解拒否され訴訟に踏み切る住民
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179886
2016年4月20日 日刊ゲンダイ 文字お越し
被害者の痛みを理解しないのか…(C)岡邦行
「ウソつき東電のことをガンガン書いてくれ!」
浪江町から避難する同年代のAさんが私に訴える。原発事故後、5年も郡山市に住み、「故郷を捨てた」と苦笑しながらも、本心では怒っている。東電のホームページには、次のような記載があるからだ。
「3つの誓い@最後の一人まで賠償貫徹A迅速かつきめ細やかな賠償の徹底B和解仲介案の尊重」
丸3年前の5月。全町避難の浪江町は、住民の4分の3に当たる約1万5000人の代理人となり、国の原発ADR(原子力損害賠償紛争解決センター)に対し、東電が支払う1人当たり月額10万円の精神的賠償金の増額を申し立てた。
それに対してADRは2014年3月に和解案として一律15万円、75歳以上の後期高齢者には18万円の増額を提示し、浪江町は受諾した。
ところが、“3つの誓い”を掲げる東電は、この2月に「集団に対する一律増額には応じない」と和解案を蹴ったのだ。
「我々は初め、月額35万円を要求し、毎回譲歩してきた。それでも東電は和解案を拒否する。まったく被害者の痛みを理解しない」(馬場有町長)
浪江町に限らず、11年9月から始まった原発ADRにはこれまでに約2万件、9万人以上の被害者が損害賠償などを申し立てている。だが、和解成立は8割ほどだという。
「私らは、時間がかかる訴訟よりもADRのほうがいいと思って申し立てた。東電の3つの誓いも信じていました。しかし、東電は心底腐っている。町役場は、申し立てに参加した人のうち、この3年間で400人以上は亡くなったと言っていた。こうなれば訴訟しかない」
そう語るAさん同様、東電の不誠実さに呆れる被害者は多く、訴訟に切り替えると主張する人もいる。
■原発事故関連の原告団は30以上
現在、原発事故関係だけでも東電を訴える原告団は30以上に上る。そのため2月には「原発被害者訴訟原告団全国連絡会」が発足した。
「巨大な東電と争うには何よりも横のつながりが大事。ADRを取り下げた原告団もあり、2カ月で21の原告団、約9600人が結束しました。東電との戦いはこれからです」(佐藤三男事務局長)
驕れる東電は窮地に追い込まれた――。私は何度も浪江町に出向いた。秋には鮭漁で賑わった請戸川が流れ、漁港もあり、田園風景が広がる。陶器の大堀相馬焼は有名だ。
JR常磐線浪江駅前には、地元出身の作曲家・佐々木俊一さんの功績を称えて、代表曲「高原の駅よさようなら」の譜碑が立っている。
しかし、原発事故後は至る所に「帰還困難区域」の立て看板があり、毎時2マイクロシーベルト以上の線量が計測される。すでにこの連載で書いたように、イノシシやタヌキや飼い主を失った離れ牛までが街中を闊歩している。
「ホント、一時帰宅すると、ネズミが元気よく家ん中を走り回ってる。こっちは黙って見てるだけだ……」
そう諦め顔で語るAさんのストレス解消法はカラオケで前述した佐々木俊一さんのヒット曲「野球小僧」を思いっきり歌うことだという。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素45掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。