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メディアが報じない原発禍の街の真実 <第12回>南相馬・20ミリシーベルト撤回訴訟への対応
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179799
2016年4月19日 日刊ゲンダイ 文字お越し
解除の取り消しを求める人たち(C)岡邦行
南相馬20ミリシーベルト撤回訴訟――。じっと耐えていた南相馬市の住民808人がついに行動を起こしたのは昨年4月。年間被曝線量が20ミリシーベルトを超える特定避難勧奨地点の解除(14年12月)を違法とし、国に取り消しを求めて東京地裁に訴えたのだ。
あれから1年が経過した。3月初旬、原告団長の菅野秀一さんを自宅に訪ねた。菅野さんはこれまでの裁判を振り返って語ってくれた。
「もう呆れるというか“子どもだまし”もいいところ。『本当に国が雇った弁護士なの?』と疑いたくなるほど。我々の弁護士の質問に対し、ほとんど答えられず、『後ほど文書で渡す』と言って逃げたり、その上『原発事故に関する法律はないため、却下してくれ』と言う始末。我々は今後も原発事故は起こり得る。そのためにも新たな法律が必要だと考え、国を訴えたのにね」
そして菅野さんは線量計を手に、私を前に自宅周辺を計測した。
「この通り、除染しても毎時2・21マイクロシーベルトもある。とうてい水道水なんか飲めない。東電の相談所に行けば、ミネラルウオーターをもらえるんだが、考えればおかしな話です。国は年間20ミリシーベルト以下なら水道水も飲めるといい、東電は『これを飲めば大丈夫』とばかりにタダでくれる。国も東電もやってることがめちゃくちゃだ」
さらに裏山にも案内してこう言った。
「私は山菜やキノコ採りの名人といわれていたけど、今は名人を返上しました。放射能で食えたもんじゃないし、土深く生えるマツタケは、3年前から急に線量が高くなり、1キロ当たり3万ベクレル以上だ。年寄りでもおっかなくて食えたもんじゃない。もう里山は放射能で死んじまった……」
そう語っていた菅野さんと再会したのは3月28日。南相馬から原告23人とともに第3回公判のために上京したときだ。まずは霞が関の経済産業省前で多くの支援者とともに「南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟」ののぼりを掲げて訴えた。
「20ミリシーベルトでは命を守れないぞお!」
「住民無視の解除は違法、撤回してくれ!」
「土壌汚染を認めろ!」
東京地裁での裁判は午後2時からで、運良く私は傍聴席に座ることができた。初めに原告のひとり、平田安子さんが裁判官を前に意見陳述をした。
「私たち原告が主張している『国が追加被曝線量の推計に用いている遮蔽効果の係数が不当に低いこと』『住んでいる地域の空間線量率が高い数値であること』について、私からご説明します……」
裁判は20分ほどで終わったが、原告団長の菅野さんは私に囁いた。
「第2回公判のとき裁判所は我々に意見陳述はさせないと言ったけど、弁護士の手腕で“準備書面”の形で意見陳述することができた。やはり裁判官には我々の生の声を聞いてもらいたいからね」
私と同年代の原告のひとり、杉政広さんもこう言った。
「今回の裁判で手応えを感じた。でもなあ、私の集落は高齢者ばっかりでね。この5年間、子どもが遊ぶ姿は見てないし、先が暗いんだ……」
次回第4回公判は6月6日だ。
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