http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/460.html
Tweet |
EU原発の安全、50年までに最大97兆円必要 欧州委が試算、老朽化対策の比重大きく
【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は4日、EU域内の原子力発電所を安全に運用していくために、2050年までに最大で7600億ユーロ(約97兆円)の投資が必要になるとの見通しを示した。2011年3月の東京電力福島第1原発事故の後、EUが長期的な投資必要額を示すのは初めてだ。
欧州委が4日に公表した「原子力説明プログラム」という報告書の中で明らかにした。老朽化した原発の建て替えや廃炉、使用済み燃料の長期管理など、核燃料サイクル全般に必要な投資額を試算したのが特徴だ。
欧州委は「福島第1原発事故後の安全性向上に力点を置いた」と説明する。気候変動・エネルギー政策を担当するアリアスカニェテ欧州委員は「福島の事故から5年がたち、欧州は多くのことを学んできた。今回の報告書は原発をめぐる議論に貢献する」と強調。原発の将来に向けた議論の高まりに期待を示した。
報告書は低炭素社会の実現などの観点から「原子力エネルギーは50年に向けた欧州のエネルギーミックス(電源構成)の重要な要素であり続けると期待される」と指摘した。
ただ「欧州の原発は老朽化が進んでおり、膨大な投資が必要になっている」とも説明。50年にかけて6500億〜7600億ユーロの投資が域内で求められるとの試算を提示した。
必要な投資額のうち、最も比重が大きいのが、原発の建て替え費用だ。3500億〜4500億ユーロが必要になると算出した。原子炉の稼働延長などの対応がなければ30年までにEU域内の90%の原発が老朽化に伴い停止し、多数の建て替えが必要になるという。
報告書は役目を終えた原発の処理や処分に必要な投資額も示した。廃炉に1230億ユーロ、また使用済み燃料や放射性廃棄物の管理、地下への埋め立て処分などには1300億ユーロかかるとはじいている。さらに安全性の向上など、既存の原発の維持・更新にも450億〜500億ユーロが必要になるとみている。
欧州委によると、EU域内では14カ国が原発を導入し、129基が稼働している。域内のエネルギーの3分の1が原子力によって賄われている。
福島の事故を受けてドイツが22年までの「脱原発」を表明するなど、見直しの動きも相次ぐ。ただ25年の原発全廃を目指すベルギーは14年に老朽化原発の稼働を10年延長。相次ぐ発電トラブルに不安を訴える隣国のドイツやルクセンブルクなどから反発を呼んでいる。
一方、域内のうち10カ国では新設計画が進み、このうちフィンランド、フランス、スロバキアで計4基が建設中という。
[日経新聞4月5日朝刊P.7]
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素45掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。