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ドイツ公共放送(ARD)「放射能汚染された土地・福島ルポ」
http://xn--nyqy26a13k.jp/archives/14902
2016/03/29 健康になるためのブログ
ドイツARD「放射能汚染された土地」2016年3月12日
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E5%85%AC%E5%85%B1%E6%94%BE%E9%80%81%E9%80%A3%E7%9B%9F
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ARDはドイツ国内にある9つの地方公共放送団体(後述)とともに、テレビ・ラジオ放送の全国ネットを構成している。その中でもテレビ放送は”Erstes Deutsches Fernsehen”(第1ドイツテレビ)という名称で運営しているが、実際には通称の”Das Erste”(第一)が使われている。
ドイツでは、ナチス時代に世論操作にメディアを利用した反省から、第二次大戦後、連邦政府は放送に介入してはならないこととなっており、放送行政は各州の所管となっている。
ドイツでは、ナチス時代に世論操作にメディアを利用した反省から、
同じ経緯をたどった日本にも政府から独立した公共放送が必要ですね。
現状は、真実を知りたければ海外の客観的な報道をベースにして思考を組み立てていくしかありません。
◇
ドイツARD「放射能汚染された土地」2016年3月12日 和訳全文
http://kingo2.blog.fc2.com/blog-entry-120.html
2016/03/28 08:51 麦は踏まれて強くなる
初めて福島第一原発に最も近い「レッド・ゾーン」に入る許可を得た、と。
日本の特派員ウヴェ・シュヴェーリンクが伝えてきたとき、私たちは迷いました。
そんな危険な地域に彼を送り込んで、いいものだろうか、と。
3月11日、フクシマ原発事故は5周年を迎えます。
こんなに遠くに住んでいる私たちですら、フクシマという名を聞くと恐ろしくなります。
ご心配は無用です。
シュヴェーリングと同僚のアーカディウス・ポティエニシンスキーは、当然のことながら厳重に監視され、取材中、どの撮影地点でも短い時間しか滞在しませんでした。
フクシマでは巨大な時限爆弾が、時を刻んでいることは知られているものの今回取材した映像を実際見てみると、やはり現実はぜんぜん違うようです。
福島とは「福多き島」という意味だ。
なんという皮肉だろうか。
もはや狂気に近いと言っていい。
それを象徴するフレコンバッグが作り出す過酷事故の図はなんともおぞましい。
放射能汚染された土が、原発最悪事故の遺産だ。
それがフレコンバッグの中で眠っている。
何百万個と、である。
レッドゾーン、福島第一原発付近の警戒地区に入るチェックを受ける。
ここにはおそらく何百年と、人々が戻ってくることはできないだろう。
私たちに取材を許可してくれたのは、双葉町だ。
私とポーランドの写真家・映像作家アーレック・ポティエニシンスキーだ。
彼はここで見るすべてが、チェルノブイリを髣髴とさせると語る。
「もう何年もチェルノブイリの立ち入り禁止区域の記録を続けています」
「関心は尽きません。当時私も事故の影響に遭っています」
「事故当時、学校の授業が突然中断されて、ルー・ゴルフというのが配られました」
「これは甲状腺用の安定ヨウ素錠剤です」
町役場の志賀公夫さんが同行してくれ、私たちに指示をいろいろ与えた。
「レッド・ゾーン」を進む道路だけが清掃されている。
これが除染作業とトラックなどの車両通行に欠かせないからだ。
左も右も、入ることはタブーだ。
ここで働く人員は被ばく限度を超えないよう義務付けられている。
志賀さんが通行許可証を見せる。
浪江、富岡、大熊、ここの線量は、年間50ミリシーベルト以上で、立ち入りは禁止だ。
町を片付けて清掃したくても、注意が必要だ。
いつかこれらの町は荒れ果て、いつの日か取り壊され、除染され、それから再建するというが、それはいつになるだろうか?
セシウム137の半減期は、30年だ。
長い時間がかかるだろう。とてつもなく長い時間が、、、
双葉も今はゴーストタウンだ。
かつては人口約7千人くらいの町だった。
町民全員が避難を余儀なくされ、精神的打撃を受け、日本中にある330もの都市に散り散りになってしまった。
いまだに仮設住宅に住んでいる人もいる。
まず地震があり、そして津波が原発を襲い、それから来たのが放射能の雲だった。
双葉では時間が止まっています。
とてもシュールな感覚です。
なんとも不気味です。
まったくSFスリラーの世界そのものです。
ただ、これは宇宙の彼方から来た埃ではなく、人間の住む普通の世界で実際に起きた。
放射能のフォールアウトだったということです。
つまり、自家製のホラーショーです。
町役場の志賀さんは、この警戒地区に入ると、いつも頭痛がする、と語る。
でも、彼によればそれは放射能のせいではなく、精神的なものだ、という。
彼は自宅を捨てていかなければならなかった。
これと同じ運命を10万人以上の人が、たどっている。
これは彼にとっても大きなショックだった。
(志賀公夫・双葉町役場)
「故郷という感情は、それを失って、初めて自覚するものなんですね」
「とても懐かしく、取り戻したいと同時に、怒りを覚えます」
「でも国や東電に騙された、とは思っていません」
「私だっていわゆる安全神話を信じて、いたわけですし」
東電 − 福島第一原発という原発廃墟の所有者だ。
約7000人の労働者がここで毎日、放射性崩壊と戦っている。
汚染水、それに時間との戦いだ。
金はいくらかかってもいいようだ。
海岸沿いのこの怪獣は、何百億円というお金を飲み込み、さらに溶融してしまった核燃料で、攻撃を拒んでいる。
その燃料デブリがどこにあるのか、誰にもわからない。
運がよければまだ格納容器に、でなければ、すでに地下水に入り込んでいるかもしれない。
状況は安定はしているかもしれないが、コントロールされているとはとても言えない。
ロボットですらその奥底には入り込めない。
そして誰も代わりたくない仕事を、担当している人が事故後5年を総括した。
(福島第一原発所長・小野明)
今の段階を説明するのは難しいですが、山頂が十合目として、今はちょうど一合名を超えたくらいのところかなという気がしています。
「原子力、正しい理解で豊かな暮らし」
この看板は2015年12月まで双葉町の道路に立っていたが、それが下ろされることになった。
この町は、原発を運転する東電とともに、そして、東電で潤って生活してきた。
東電がこの町の灯火を消してしまうまで、東京電力は、この町の学校にもお金を出してきた。
ここには東電以外なにもないのだ。
依存が進めばその関係は強まる。
そうして2011年3月11日までやってきた。
これがこの学校の最後の登校日だ。
地震が起き、不幸が始まったとき、生徒たちはちょうど掃除をしていた。
すべてが止まり、それで町も死んだ。
恐れを知らずマスクもつけない写真家のアレックは、それをすでに知っている。
自分の長期プロジェクト「チェルノブイリ30年、フクシマ5年」で追い続けてきたテーマだからだ。
彼はすでに立ち入り禁止区域を二箇所知っているのだ。
「ウクライナの住民と比べ、日本の方たちは意志が強く闘志があります」
「彼らはあきらめない、そこがチェルノブイリの人たちとは違います」
「彼らは強制立ち退きされてから、二度と戻りませんでした」
「ここでは除染をしようとし、努力を続けています」
しかし、ここではあらゆる試みが無に帰している。
日本政府はそれでもどんな代償を払っても、自分たちにも世界にも証明しようとしている。
原発最悪事故も掌握することができると。
それで、国内での原発再稼動が、正当化できると見なしているのだ。
真実はしかし、違う容貌を見せている。
深い傷跡
そして法的な責任追及も、始まったばかりだ。
東電元会長ら三人がやっと強制起訴されたところである。
大津波発生が予測されていたのに、故意的に、過失で無視した疑いだ。
コストを優先させる理由で、こちら側から原発に近づくことができるのは、実はとても不思議なことです。
これまでは許されてこなかったことです。
ただ忘れてならないのは、グリンピースの発表ではいまだに、毎日100トンあまりの汚染水が海に流出しているということ。
それからこの原発廃墟が完全に解体されるまで、30年から40年はかかる。
専門家によっては百年かかると言っている人もいることです。
百年で1億個のフレコンバッグ、というのが予測だ。
富岡ではこれが焼却されることになった。
しかし、今度津波が起きたら、これらの袋はどうなるのだろうか。
放射能で汚染された燃えカスを、どこにやればいいというのだろうか。
どの解決方法もまた新たな問題を生む。
それも2011年3月11日に残存リスクが、主役となってしまったからだ。
報告:ウヴェ・シュヴェーリンク
翻訳:無限遠点
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