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「東芝に追い打ちの危機が浮上…原発は5年間受注ゼロで巨額損失か」 (Business Journal 2016/3/23)
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14363.html
半導体と原子力発電頼みの東芝の事業計画は、もはや計画というより願望に近い。そもそも、半導体と原発の2本柱には大きなリスクがある。V字回復を目指し、2017年3月期決算で営業利益1200億円(16年3月期は4300億円の赤字の見込み)、最終利益400億円(同7100億円の赤字の見込み)と黒字転換を図るが、達成は困難との見方が強い。
経営資源を記憶用半導体 と原発などのエネルギー事業に集中するというのもリスクが高い。米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)には、減損リスクがくすぶっている。WHを含む 原子力事業の17年3月期の売上高は前期比20%増の8700億円を目標にしている。「新興国のエネルギー需要は拡大している」との読みに基づいた判断 だ。インドでWHの最新鋭原子炉6基の受注を見込んでいる。原発の受注目標は30年度までに世界で45基。これはあくまで希望にすぎない。事実、11年の 東京電力福島第一原発事故以降、新規受注はゼロである。受注目標は絵に描いた餅となる懸念がつきまとう。
一方、半導体ではNAND型フラッシュメモリーに3年間で8600億円を投じる。三重県四日市工場で製造棟を新設するほか、次世代メモリーへの設備切り替え投資に資金を充当する。
主力のフラッシュメモリー事業は市場の変化が激しい。シェアを維持するために3年間で研究開発投資を含めて巨額投資をするが、韓国サムスン電子との競争に 勝てるという保証はない。半導体は投資を継続しないとライバルとの差がつく「チキンレース」の事業とされる。企業体力が落ちている東芝にとって巨額投資を 続ける負担は、今まで以上に重荷になる。
東芝、富士通、VAIOによるパソコン事業の統合は見通しが立たない。統合交渉は「17年4〜6月期までに決着をつけたい」(室町正志・東芝社長)としているが、VAIOは依然として3社統合に前向きではない。
社内カンパニーは7つから4つに再編成。半導体、エネルギー、インフラ、ICT(情報通信技術)関連で、その中でも半導体、エネルギー(原発)、社会インフラを3本柱としていく。
●東芝の先行きは依然として不透明
グループ人員は14年度比16%減の18万3000人で、17年3月期の連結人員は15年3月期に比べて3万4000人減る。売上高も1兆7000億円減 り、5兆円割れの4兆9000億円になる。直近のピークである15年3月期に比べて3割減である。17年4月入社の新卒の採用は中止する。
進退を問われた室町社長は「難しい質問だ。構造改革が一段落というのは時期尚早。進退については指名委員会に委ねられており、私から申し上げるのは差し控えたい」と言うのにとどめた。
17年3月期の黒字転換の前提となるのは、新生・東芝の姿を社内外にきちんと示すことだ。真っ先にWHの減損処理をきちんとやるべきだ。米司法省と証券取 引委員会(SEC)が、WHの過去の会計処理について調査を開始した。違反が確定すれば罰金などを科せられる可能性がある。
だが、東芝の 情報開示に関する姿勢に進歩はみられない。東芝はWHを含む複数の米子会社が昨年末以降、米司法省や証券取引員会から不正会計問題に関する情報提供を求め られているという事実を、3月18日の事業計画の発表前にようやく明らかにした。米国の通信社の取材に対しても「事実を調査中」としてきた。金融庁から課 徴金の納付命令を受けたのに続き、米国で子会社が処分される可能性が出てきたというのに、相変わらず情報開示には消極的である。
WHの買収額と買収先の純資産の差額となるのれん代は、3月末で3513億円。志賀重範副社長は「新たな減損テストを行い、その結果を見てから16年3月期決算に反映するかどうか判断したい」と後向きである。
会社自体の情報開示に対する姿勢が変わらなければ、広報・IR部門を社長直轄にしたところで期待はできない。外資系証券会社のアナリストは「第三者委員会はきちんと調査したのか。もう不正はないと信じていいのか。投資家は疑っている」と厳しく指摘する。
「2 本柱の先行きは不透明。業績目標を達成できるかどうかわからない」との声が、東芝幹部から漏れてくる。中国経済の減速や原油安など外部環境は急激に悪化し ている。巨額損失後、経営環境の改善を追い風にV字回復を果たした日立製作所やパナソニックとは前提条件がまったく違っている。東芝の現経営陣は「今」を 厳しく見つめ、経営再建計画を策定したのだろうか。実は、これが最大の問題点なのである。
再建計画で夢を語る必要はある。しかし、夢は数字と直結しないことを肝に銘じるべきである。
(文=編集部)
-------(引用ここまで)--------
東芝は、2006年に、GEや三菱と買収合戦を繰り広げた結果、予想の3倍近くの6200億円で、
英国核燃料会社(BNFL)傘下の米原子力大手ウェスチングハウスを買収しました。
そのときに、東芝はつかまされた、ババを引かされた、とんでもないことになると思いましたが、
まさにその通りになりました。
会社が売りに出されるのはそれなりの理由があります。
もし原子力が将来にわたり重要なエネルギーであるのなら、外国企業への売却を英・米国政府が
認めるわけがありません。
原子力には全く未来がない、そして近い将来、チェルノブイリ級の大事故がまた起き、莫大な損害を
抱え込むことを予測したからこそ、売却させたのです。
6000億円もの高値で売れて、売り手はうしろを向いて、「おバカな日本人がひっかかった」と
舌を出して笑ったことでしょう。
格納容器が火を吹いて大爆発を起こした福島第一原発3号機は東芝製です。
経営危機の東芝は、まずお荷物の原子力部門を売却しなければならないのに誰も買い手はいません。
しかたがなく、医療機器や白物家電などの優良事業を売却せざるをえない。
残るのは、どうしようもない粗大ゴミの原子力だけ。
原子力を主力にこれからビジネスをやっていけるわけがありません。
しかも、米司法省と証券取引委員会が不正会計の調査に乗り出しています。
天下りを裁判所等に送り込んでいるから日本では追及を逃れることはできても、
米国ではそうはいきません。
企業の不正には大変厳しいですから、1000億円単位の懲罰金が課せられる可能性があります。
東芝は、トモダチ作戦の米海軍兵士の集団裁判でも被告席に立たされています。
泣き面にハチとはこのことです。
東芝はあまり長くないでしょう。
いずれ三菱もあとを追うことになるでしょう。
国家にせよ企業にせよ、原子力に手を出したものはすべて凋落、破滅する。
これが世のならいなのです。
(関連情報)
「『ミスター粉飾』東芝前社長、 自宅を妻に生前贈与! 『株主代表訴訟』対策か
<スクープ!>この会社はここまで腐っていた」 (阿修羅・赤かぶ 2015/8/3)
http://www.asyura2.com/15/hasan99/msg/423.html
「東芝“粉飾決算”中心人物のあだ名は「原発野郎」! マスコミが報道しない原発ビジネス、
安倍政権との関係(リテラ)」 (阿修羅・赤かぶ 2015/7/22)
http://www.asyura2.com/15/hasan99/msg/122.html
「膨らんだ「のれん代」1兆円超 東芝がひた隠す「原発事業の不都合な真実」 (現代ビジネス)」
(拙稿 2015/7/22)
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/452.html
「『原発は安全』判決書いた最高裁判事が東芝に天下り 司法にも広がる原発マネー汚染(マイニュース)」
(阿修羅・gataro 2011/5/30)
http://www.asyura2.com/11/senkyo113/msg/869.html
「東芝、原子力大手WHを買収」 (livedoor news 2006/2/8)
http://news.livedoor.com/article/detail/1697010/
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