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源泉を活用した「バイナリー発電所」、宝温泉と洸陽電機が稼働
工藤宗介=技術ライター、金子憲治=日経BP総研 クリーンテック研究所 2017/11/09 09:53
バイナリー発電の仕組み
(出所:洸陽電機)
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竣工式の様子
(出所:洸陽電機)
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洸陽電機(神戸市)は、源泉の余剰熱エネルギーを活用した「バイナリー発電所」が完成したと発表した。
「バイナリー発電」は、地熱発電の技術の1つ。一般的な地熱発電が地下からの蒸気で直接タービンを回すのに対し、バイナリー発電では、蒸気や熱水で水より沸点の低い液体(作動媒体)を加熱・蒸発させ、その蒸気でタービンを回す。
今回、稼働したバイナリー発電所は、洸陽電機と奥飛騨宝温泉協同組合(岐阜県高山市)が建設を進めてきたもので、宝温泉の源泉からの余剰熱を活用した。名称は、「奥飛騨第1バイナリー発電所」で、11月6日に竣工式を開催した。
同発電所は、神戸製鋼所製の小型バイナリー発電機「MBー70H」を設置した。奥飛騨宝温泉協同組合3号泉(温泉給湯用源泉)を活用する。送電端電力は49.9kW。年間の発電量は、一般家庭110世帯分に相当する約37万kWhを見込む。
源泉の余剰熱を活用したバイナリー発電としては東海3県で初めてという。バイナリー方式の採用により、宝温泉に加盟する旅館と組合員に安定した給湯を行うとともに、組合員の給湯利用料の安定化を目指すとしている。
洸陽電機が自社発電所として設備設計、施工、維持管理を行う。発電した電力は中部電力に全量売電する。宝温泉と洸陽電機は、4つの源泉所有者と洸陽電機が設立した「奥飛騨自然エネルギー合同会社」と連携し、エネルギーの地産地消を推進するとしている。
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