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権力の一極集中が進む(写真:アフロ)
中国・元国家主席の死後待遇 銅像建設も即取り壊し命令
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160619-00000009-pseven-cn
SAPIO2016年7月号
習近平は最近、「習沢東」と呼ばれるほど、毛沢東を模した自身の偶像化や軍権掌握といった権力の一極集中を進めている。その独断専行ぶりを、ジャーナリストの相馬勝氏がレポートする。
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陝西省富平県。省都の西安市から約60km北東にある田舎町だが、いま国家プロジェクト級の大規模な建設工事が進んでいる。習近平の父、習仲勲の巨大墓苑だ。面積は2660万平方メートルと東京ドーム569個分がすっぽり入る。
富平県は習仲勲の生まれ故郷だけに、共産主義革命戦争を指揮、新中国建国に深く貢献し、副首相や党政治局員まで務めた業績を讃える「愛国主義教育基地」として、地元の陝西省政府の肝いりで昼夜兼行の突貫工事が行われているのだ。
さらに、習近平自身の本籍地も富平県であるため、建設を進める省政府指導者の心中には習近平の存在が深く投影されていることだろう。
そもそも習仲勲の遺骨は2005年、彼の遺言により、故郷の富平県の一角に散骨された。そこに小さな旧居が建てられ、仲勲を偲ぶ記念館となった。ところが、長男の習近平が2012年11月、党総書記に選出され最高指導者の座に就くと、風向きが変わってきた。
記念館を建てた当時の副県長が西安市副市長に異例の栄転となった。人口が80万人あまりの地方都市の副県長が、人口855万人以上の省都の副市長に抜擢されるのは通常ありえない。そこに、習近平の影が見え隠れする。
広大な敷地のなか、花崗岩の台座に大きな仲勲の石像が建てられたほか、旧居、記念館、墓地、陵園、広場など一大墓苑が建設される予定だ。これほどの広さの墓苑はかつての最高実力者、ケ小平のそれに次いで、中国では2番目だ。副首相級の仲勲の墓苑にしてはあまりに分不相応だとしか言いようがない。
分不相応といえば、毛沢東の後継者で、党主席や軍事委主席、国家主席や首相まで務めた華国鋒(1921年2月〜2008年8月)の死後の待遇はひどい。
華国鋒は、文革で失脚しその後復活したトウ小平らによって権力を奪われた。最後は党中央委員としてほとんど影響力はなかったといえ、彼の業績を称えるのは故郷の山西省交城県に、今年2月の生誕95周年を記念して親族が建てた銅像だけだ。
しかも、建設されたとたん、地元政府は中央の意向を恐れ、銅像の取り壊し命令を出したのだ。最高指導者を務めながら、そのあまりの冷たい措置に地元民が反発し、警官隊と衝突するなど、大きな騒動に発展した。いまも華国鋒の銅像は残っているが、いつ破壊されるか分からない状況だ。
●そうま・まさる/1956年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。産経新聞外信部記者、香港支局長、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員等を経て、2010年に退社し、フリーに。『中国共産党に消された人々』、「茅沢勤」のペンネームで『習近平の正体』(いずれも小学館)など著書多数。近著に『習近平の「反日」作戦』(小学館)。
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