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上海で貼られた習近平のポスター AP/AFLO
中国人民 生活豊かになれば共産党独裁でも民主主義でもいい
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160515-00000010-pseven-cn
SAPIO2016年6月号
世界を揺るがす「パナマ文書」に中国共産党の現・元幹部クラスの9人の名前があることが判明した。中国当局はネットで「パナマ文書」関連の言葉を閲覧禁止とし、徹底的に隠蔽している。習近平国家主席がそこまで過敏に取り締まるのはなぜか。中国ウオッチャーのジャーナリストで拓殖大学教授の富坂聰氏が分析する。
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いま中国は経済発展の踊り場に差し掛かっており、その処方箋はいまだに見えない状態にある。いわば持病を抱えた中国社会は、ほんの小さな“ウイルス”でも混入すればさまざまな合併症を引き起こし、命を落としかねない。
当然、「パナマ文書」にも神経質にならざるを得ない。習近平の姉の夫(義兄)の名前が挙がったことから、「習近平が親族を使って不正蓄財をしているのではないか」と疑惑の目を向けられているからだ。隠語として流行した「姉の夫」をネットで削除対象にしたのも、そうした危機感の表れだ。
中国全土に澱のように溜まった不満のガスは、各地で散発的に起こる、デモや暴動の範囲に留めておきたいのが習近平指導部の切なる願いだ。
彼らは人民の不満が「パナマ文書」と結びつき、大きなうねりになることを最も恐れている。「アラブの春」を見て学んだ共産党幹部たちは、ネットがその引き金になることをよくわかっている。ネットは、イコール「人民のパワー」である。
中国は「共産党が動かしている」とつい見てしまいがちだが、大きな間違いだ。中国を動かしてきたのは人民のパワーに他ならない。共産党をいつでも打倒する力を常に持っているのが、人民なのだ。
文化大革命が起きたのは、毛沢東に力があったわけではなく、人民の力を味方につけたからだった。今後、人民が一つの方向に向かって動くかどうかが、中国の明暗を分ける最大の要因なのである。
だからこそ、習近平はポピュリズム(大衆迎合主義)の政治を行ってきた。
習近平の登場からしてそうだ。江沢民、胡錦濤時代は金持ち優遇だったが、彼らをサポートしていた官僚や国営企業の幹部に改革の手を入れ、汚職も徹底的に取り締まってきた。今年3月6日の全人代(全国人民代表者会議)で李克強首相が真っ先に表明したのは、株価でもGDPでもなく、「貧困対策」だった。
大多数の中国人民は、民主活動家や人権派弁護士などに自分たちの意見を代弁してもらおうなどとは思っていない。共産党自身が過去の過ちを反省した政治をしてくれればいいと思っている。
生活が豊かになれば、共産党独裁でも、西欧型の民主主義でもどちらでもいいというのが、多くの人民の本音だ。習近平こそ、大衆の望む政治をやってくれるという期待が人民にある。
そうした人民の支持をバックに、習近平は自身への集権化を図る「全面深化改革領導小組」という少人数の意思決定機関までつくり、政策のすべてを決定できるようにした。自分に権限を集中させ、新たな発展モデルに着手しようとしている。
やっていることは文革と同じで、先祖返りでしかない。しかし、たとえ国際社会からの見栄えが悪くとも、これをやり切るのだと覚悟を決めた様子が、今春の全人代を通して見えた。私は、独裁者・習近平による圧倒的なトップダウンで難局を乗り切る可能性もあると思っている。
一にも二にも習近平の大衆人気が中国の今後すべてを決める。習近平は歴史に名を残す指導者か、国を亡ぼした最後の党指導者かのどちらかになるに違いない。
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