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中国の習近平国家主席らの親族がタックスヘイブンにある法人を利用していたことなどを暴露した「パナマ文書」について、中国当局は国内への情報流入を規制する一方、「黙殺」する構えだ。写真はパナマ。
中国、「パナマ文書」は取りあえず黙殺? 神経とがらせ情報統制に躍起
http://www.recordchina.co.jp/a133302.html
2016年4月17日(日) 4時50分
2016年4月15日、世界の政治家や著名人がタックスヘイブン(租税回避地)を利用して不正蓄財していることを暴露した「パナマ文書」。中国では習近平国家主席(共産党総書記)ら最高指導部の親族の名前が登場する。習主席が掲げる「反腐敗」と逆行するだけに、中国当局は情報統制を強める一方、取りあえず「黙殺」する構えとみられる。
欧米メディアなどによると、中米パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した1150万点の文書を国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が1年にわたり調査した結果、同事務所が手掛けたペーパーカンパニーの約3分の1、1万6300社以上が香港と中国の拠点を通じて設立されたことが分かった。香港と中国が最大の顧客だった。
中国関係で文書に名を連ねているのは、「チャイナ・セブン」(共産党中央政治局常務委員7人)中、習主席と党序列5位の劉雲山・政治局常務委員、同7位の張高麗・筆頭副首相の3人の親族ら。さらに、毛沢東・元国家主席、胡耀邦・元共産党総書記、曽慶紅・元国家副主席、李鵬・元首相らの親族も含まれているという。
これに対し、中国当局は今のところ、「だんまり」を決め込んでいる。王毅外相は反腐敗運動を継続していくと強調しながら、「まず明確な情報を得て、どういう内容なのかを把握する必要がある」と口を濁した。外交部の洪磊報道官も記者会見で文書について、「根拠のない非難に対してコメントすることはない」と述べた後は何を聞かれても、「ノーコメント」繰り返すばかりだった。
共産党系の環球時報は「背後に大きな力があり、今回の暴露で最も得をする立場にあるのは米政府」とする論説を掲載。ロシアのプーチン大統領に触れたが、中国には一切、言及しなかった。
それどころか、中国国内で文書に関する情報にアクセスできないよう厳しい統制を敷いた。ロイター通信や英BBCによると、中国の検索エンジンで「パナマ」をサーチすると、リンクの多くは機能しないか、もしくは、スポーツスターをめぐる疑惑に関連した記事に飛ぶようになっている。中国版ツイッター・微博(ウェイボー)やチャットアプリ・微信(WeChat)でも、この問題に関する投稿が削除されている。
また、日本メディアによると、中国でも受信できるNHKのニュース番組が「パナマ文書」を伝えると、画面が真っ暗になり、放送中断が相次いだ。これも中国当局が外部からの情報流入を規制する際の常とう手段だ。
中国当局がこうしたメディア規制に躍起になるのは、逆に衝撃の大きさを物語る。しかし、いくら情報を遮断しても要人名などは国内にも広く伝わる。ICIJは5月初旬にも、詳細な分析結果をネット上で公開する予定。次にどんな「不都合な真実」が飛び出すか。中国指導部は固唾をのんで見守っているに違いない。(編集/日向)
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