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ある時期から、「中国の外資導入パワーが低下しつつあり、海外資本が中国から大規模に逃げ出している」という悲観的な見方が広がるようになったが実際はどうだろう。写真は広東省。
外資は本当に中国から撤退したのか?―中国メディア
http://www.recordchina.co.jp/a154664.html
2016年11月10日(木) 6時40分
ある時期から、外資系企業が資本を引き上げるとか、外貨準備が下ぶれ圧力に直面しているとか、経済成長が鈍化したとか、こうしたさまざまな現象を受けて、世論には「中国の外資導入パワーが低下しつつあり、海外資本が中国から大規模に逃げ出している」という悲観的な見方が広がるようになった。だが事実は果たしてそうだろうか。人民網が伝えた。
▽外資は「撤退期」に入ったか? データの裏付けなし
商務部(商務省)がまとめたデータをみると、2015年の中国の外資導入額は前年比6.4%増加し、16年1〜9月は前年同期比4.2%増加し、24年連続で発展途上国の実行ベース外資導入額で首位に立った。また今年1〜9月に新たに設立された外資系企業は2万1292社で同12.2%増加した。
同部の高虎城部長がさきに明らかにしたところによると、「中国に『外資撤退ラッシュ現象』はみられない。今年の中国の対外投資と外資導入は順調な伸びを維持しており、第12次五カ年計画期間の外資導入規模は第11次五カ年計画に比べて30%増加したが、現在のように中国経済が発展して新常態(ニューノーマル)に到達した状況で、外資系企業に超国民待遇を与えることはもはやかなわない」のだという。
現在、外資系企業が勢いよく発展しており、代表的な沿海地域の大規模省である広東省と浙江省の成果が突出している。広東の自由貿易区で設立された外資系企業は今年2月現在で2892社に上り、契約ベース外資導入額は1865億元(約2兆8736億円)に達した。新たな香港・澳門(マカオ)資本企業は昨年末現在で2507社に上り、新規設立外資系企業全体の87%を占めた。
浙江省では今年第1〜3四半期(1〜9月)に設立された外資系企業が1475社に上り、実行ベース外資導入額は122億7000万ドル(約1兆2812億円)に達し、同8.3%増加し、年間目標の達成率は76.7%となった。
中国米国商会がまとめた調査データをみると、会員企業の60%以上が中国を世界3大投資先の1つに挙げ、68%が中国での投資計画を拡大する意向を示した。
▽外資産業チェーンがローエンドからハイエンドへ
早くも15年頃から、西側メディアの一部が中国に「外資撤退ラッシュ」が出現したとしきりに喧伝し、多くの外資系企業が生産ラインを中国から引き揚げたり東南アジアの他の地域に移転させたりしていると報じた。
確かに現在、外資の一部が中国から撤退している。専門家の指摘によると、「こうした動きは中国経済の構造調整と直接関係がある。中国の人件費が上昇し続けるのにともない、一連のローエンド製造業を営む外資系企業は経営戦略の調整を迫られ、よりコストの低い国に移転することになった。だが同時に、サービス産業とハイエンド製造業の外資系企業は中国進出のペースを加速させている」という。
実際、外資系企業は中国経済の新常態に積極的に対応し、発展戦略を調整しており、外資の産業チェーンはローエンドからミドルエンド、ハイエンドへと飛躍する勢いをみせている。浙江の場合、外資の産業構造に大きな変化が起きており、サービス産業の外資は大幅かつ急速な伸びをみせ、新規プロジェクトは同36.7%増加し、実行ベース外資導入額は同21.7%増加した。中でも金融、倉庫貯蔵、卸売・小売、電力供給、専門的技術サービスなどの産業の伸びが目立つ。現在、同省実行ベース外資導入額のうち第三次産業が占める割合は59.3%に達する。
9月に発表された16年の「世界投資報告」をみると、15年に中国に流入した直接投資(FDI)は同6%増加して1360億ドル(約14兆2038億円)に達し、引き続きサービス産業の移転へと流れ込んでおり、サービス産業に投入されたFDIは61%の新記録を達成した一方、製造業に投入されたFDIの割合は31%に低下した。だが一連の高度な競争が展開される製造業分野では、中国企業の市場シェアが上昇しており、徐々に産業チェーンの川上へと移動している。
このほか一部の外資系企業は経営の不調やモデル転換の時期の見誤りにより、中国市場からの撤退を余儀なくされている。ノキアやモトローラなどの有名企業がこのケースだ。中国市場の競争は激しいため、利益が低下して中国市場を去る企業もたくさん存在する。
香港中国商会の陳経緯会長(香港経緯集団取締役会代表)は今年の両会(全国人民代表大会<全人代>と中国人民政治協商会議<全国政協>)で、「中国は発展したがボトルネックの頂点にはほど遠く、各産業にはまだ多くのチャンスがある。中国企業も外資系企業も、今後30数年間は中国市場から離れれば必ずや後悔することになる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集KS)
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