http://www.asyura2.com/16/china10/msg/243.html
Tweet |
中国経済の今後を聞く L字の底か慎重に判断
中国国家統計局・国民経済総合統計局長 盛来運氏
【北京=原田逸策】前年同期比の実質成長率が3期連続で6.7%だった中国経済。表向きは安定しているが、大都市の不動産価格の高騰、止まらない借金依存、過剰な生産能力など課題は山積みだ。日本経済新聞など一部の外国メディアと会見した中国政府のエコノミストに聞いた。
――卸売物価指数(PPI)が上昇しました。
「上昇は明るい材料だ。今後数カ月は前年同月比で上昇するが、15年のPPI低迷の反動が大きい。足元の石炭や鉄鋼価格の上昇が続くかは観察が必要になる。『転換点』とまではいえない」
――企業債務の対国内総生産(GDP)比率が上昇しています。
「債務はストックでGDPはフローだ。中国の企業債務は資産負債比率をみるべきだ。この2年間は大きな上昇はない。地方政府は大量の資産や有価証券を持っている。債務が多ければ資産を売ればいい。中国の債務危機を誇張すべきでない」
――3期連続で成長率が6.7%というのは偶然すぎませんか。
「本当にたまたまだ。私も6.7%でないよう願っていた。中央政府の統計局への要求は『統計数字は正確に』だ。中央政府は私にどんな圧力もかけない。『目標を立てたから絶対達成しろよ』とは決して言わない」
――(成長率が上向かない)L字型の曲がり角を過ぎたのですか。
「何ともいえない。L字型の底とみなすこともできるが、経済は常に上下に動く。だから統計局としていまが底かどうか慎重に判断する」
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
米利上げ、影響心配ない 中国人民銀行チーフエコノミスト 馬駿氏
――人民元は対ドルで下落が加速しています。
「元は対ドルでは下がっているが(複数通貨を組み合わせた)通貨バスケットに対しては下落していない。ドルの上昇がとても速いからだ」
「銀行間の債券市場が今年から外国人投資家に開放された。9月に海外の中央銀行などが元建て債券を推計1千億元(約1兆5千億円)増やした。外国人が債券を保有すれば元を下支えする」
――米利上げ観測が強まると中国の資本流出圧力が増しませんか。
「心配していない。米国が12月に1度利上げするだけなら、大きな影響はないだろう。中長期の米国の利上げはそれほど早くなく、大幅でもないとの見方が増えている」
――いまの不動産高騰は人民銀行の金融政策に影響しませんか。
「金融政策は不動産への影響を考慮しなければいけない。不動産価格の変化は、中央銀行の重要な目標である金融の安定にも影響するからだ」
――中国の物価をどう見通していますか。
「消費者物価指数は今年2%前後の上昇とみる。商品価格の持ち直しで、来年は今年より上昇幅が拡大しそうだ。卸売物価指数は来年は基本的にプラスになるだろう」
[日経新聞11月3日朝刊P.7]
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。