それでも戦後、長らく国連における常任理事国の地位にあった。しかし1970年の国連アルバニア決議で、中国大陸を支配する中共にその地位を奪われ、その頃から中共政権と国交を結ぶ国々が続出。中共は「ひとつの中国原則」を国交樹立の条件にしていることから、中華民国との国交が断絶するケースが激増したのである。

とは言うものの、世界各国とは民間外交が続いており、中華民国との貿易は積極的に行なわれている。しかし、正式な国交がないことから、中華民国の政府首脳が訪問できる国が少なくなっている。これが中華民国の外交活動を大きく制約しているのである。

中華民国では中国大陸との貿易協定を結ぼうとした馬英九・国民党政権に対し、このままでは中共に台湾を乗っ取られると危機感を持った若者たちが、中華民国の国会を選挙するという「ひまわり学生運動」が社会を動かし、これが中共に対抗する民進党に有利に働き、2016年の総統(大統領)選挙で、民進党の蔡英文女史が当選されたのである。中華民国は自由選挙であり、未だに中国共産党の一党独裁が続く中国大陸とは正反対の政治体制になっている。

蔡英文総統(大統領)は、新南向政策と呼ばれる外交に力を入れておられる。東南アジアやインド、オーストラリアやニュージーランドなどの「南の国々」との結びつきを強化しようと言う政策で、当方も末席ながらここに加わって中華民国を応援しているのである。

こちらの動きとして、中華民国は自由と民主を大切にする体制であり、価値観が同じであることから、どなたも「本当につきあいたい国」であるのだが、中共と国交を失うと「経済が成り立たない」ことから、仕方なく中共とつきあっていると言うのが、本当のところだ。

オーストラリアでも、主な輸出品である農産物、石炭、鉄鉱石などの地下資源の重要な輸出先が中国大陸であり、ニュージーランドでも同じである。また中国大陸からの観光客も、重要な収益源だ。このことから、中華民国と正式な国交を結んで中国大陸と断交することは死活問題である。ここに世界各国の悩みがあると言ってもよい。

ひまわり学生運動
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B2%E3%81%BE%E3%82%8F%E3%82%8A%E5%AD%A6%E7%94%9F%E9%81%8B%E5%8B%95

これの原因になったのが、下の問題です。

海峡両岸サービス貿易協定
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E5%B3%A1%E4%B8%A1%E5%B2%B8%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E8%B2%BF%E6%98%93%E5%8D%94%E5%AE%9A

●これは中華民国を中共に経済的に占領させるための「売国協定」であり、もし通ってしまったら中華民国が大陸化してしまうことから、国民は猛反対しました。これを支援する動きは外国でもありましたよ。当方、やっていましたから。