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モンゴル総選挙圧勝の野党、経済再建へ IMFに支援要請も
【ウランバートル=原島大介】モンゴルの国会にあたる国民大会議(定数76)の総選挙で圧勝した最大野党モンゴル人民党は30日、首相ら閣僚人事に着手した。新政権の課題は経済と財政の再建だ。外貨建て債務が返済不能に陥るリスクがくすぶり、国際通貨基金(IMF)に支援を求めることも視野に入れる。
経済減速で工事がストップしたビルが目立つ(ウランバートル)
「国民の期待の表れだ。重い責任が待っている」。30日未明、次期首相の有力候補である人民党のエンフボルド党首はこう語った。同党は今回選挙の暫定結果で改選前の30から65に議席を一気に増やした。モンゴルにアジアと欧州の首脳が集まる15日開幕のアジア欧州会議(ASEM)までに組閣する見通しだ。
モンゴルは大統領制を採用するが、行政は首相が担う。大統領は首相を指名する権限があるものの、実際は国会が指名した人を追認する形となる。現職のエルベグドルジ大統領は今回の選挙で大敗した民主党出身。人民党の圧勝で現職大統領の影響力が弱まるのは確実。来年に控える大統領選では人民党系の候補者が優位に立つ見込みだ。
もっとも、外交関係者の間では、政権が代わっても、モンゴルの対日関係重視の姿勢は引き続き変わらないとの見方が多い。6月には日本との経済連携協定(EPA)を発効した。
今回の選挙の投票率は約72%。有権者に共通するのは「とにかく景気を良くしてほしい」(38歳の会社経営男性)との思いだ。モンゴルの経済成長率は2015年が2.3%と、11〜13年に2桁だった伸びが大幅に鈍った。きっかけの一つは、12年に施行した外国企業の投資規制法。銅や石炭などの資源を買いあさる中国企業を抑え込むことが当初の狙いだった。
だが結果として日本や欧米の外資企業からも「モンゴルは投資に不向きな国」とみられた。15年の海外からの直接投資は約2億ドル(約206億円)と、11年の20分の1に落ちこんだ。さらに世界的な資源安と中国経済の減速が追い打ちをかけ、経済不振に陥った。
財政の悪化も深刻だ。17〜18年に計21億ドル相当の償還を迎える外貨建て債務について、金融市場では債務不履行(デフォルト)のリスクがささやかれている。これまで人民党はIMFの支援下で財政の健全化をめざす方針を示しており、新政権によるIMFへの支援要請が現実味を帯びる。
経済活性化策では、中国への警戒心がなお強いなか、外資規制法を改正・撤廃できるかどうかが焦点だ。経済の立て直しには、海外からの投資を呼び戻すことが欠かせない。
[日経新聞7月1日朝刊P.7]
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