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ソウル・明洞の街並み(写真:アフロ)
韓国の執拗な日本攻撃の原因は植民地支配より深い根がある
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160604-00000013-pseven-kr
SAPIO2016年7月号
歴史的なイベントとなった米オバマ大統領の広島訪問にこぞっていちゃもんをつけた韓国メディア。なぜ、彼らは米国大統領の行動にまで干渉するのか。拓殖大学教授で韓国出身の呉善花氏が解説する。同氏は『「反日韓国」の苦悩』(PHP研究所)や『侮日論』(文春新書)などの著書がある。
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朝鮮日報の社説(5月12日付)は、〈原爆の悲劇は日本の帝国主義が起こした戦争と蛮行の結果〉と断じ、〈韓国は日本の最大の被害者だ…オバマ大統領には、太平洋戦争のシンボル的な場所である広島で日本の戦争責任を指摘し、その悲劇の原因を作ったのが誰なのか、その真の被害者は誰なのかを明らかにしてほしい〉と結んだ。
中央日報の同日付社説も〈オバマ大統領の広島訪問は日本の被害者のイメージばかり浮き彫りにするおそれがあり、本当の被害者である韓国・中国など周辺国に誤ったメッセージを送りかねない〉と主張した。
一連の言説は、「反日」が韓国の“アイデンティティ”であることを如実に示した。侵略国家・日本は「悪の塊」であり、原爆投下は日本に与えられた「天罰」ゆえ、日本人は常に土下座して謝り続けないといけない。それなのに日本は侵略戦争を一向に反省せず、「極右」の安倍政権は憲法改正で日本を戦争のできる国にしようと企んでおり、世界中から非難されねばならないこれが韓国メディアの掲げる主張である。
それにしてもなぜ、韓国はここまで執拗に日本を攻撃するのか。多くの日本人は「日本帝国主義による植民地支配」が理由と考えるが、さらに深い根をもつ。
韓国人は「反日主義」や「反日感情」以前に伝統的な「侮日観」を抱いている。侮日のルーツは「中華思想」だ。14世紀末に成立した李氏朝鮮(李朝)は明の皇帝に冊封を仰ぎ、中華秩序に組み入れられた。李朝は明にならって“中国化”を進め、やがて自らを中国と文化的同質性をもった「小中華」だと意識するようになった。
彼らにとって地理的・文化的に中国から離れた日本は野蛮な夷族の地であり、なおかつ日本人は文化的に程度が低く侵略的で、蔑視すべき民族だと考えていた。実際、近代以前から朝鮮半島では日本人を「倭人」「蛮酋」などと蔑み、現代でも「日本奴」(イルボンノム=日本野郎)、「猪足」(チョッパリ=豚の足のような足袋を履く日本人)といった差別用語を日常的に使っている。
国土の狭い朝鮮で本家・中国よりも「純化」された小中華主義により、李朝の日本蔑視はさらに強化された。同時に善と悪を明確に区別する朱子学により、野蛮な日本の行動をすべて「悪・不正義・侵略」とみなす考え方が浸透した。
同時期の日本では文化の多様性が育まれたのに対し、朱子学のみを信仰する李朝は中央集権化を推し進め、言論や思想は硬直化した。オバマ氏の広島訪問に、韓国メディアが判で押したような主張をするのも、李朝以来の“伝統”といえる。
◆日本を蔑めば褒められる
李朝500余年で培われた侮日観を背景にして、戦後に反日教育が盛んになると、幼い子供まで「日本をいくらバカにしても構わない」と思うようになった。
たとえば2005年に韓国の小中学生が竹島問題をテーマに作成したポスターの展示会では、韓国を模したウサギがお尻から日本列島の形をした大便をするイラストや、日の丸が描かれたトイレットペーパーを燃やす絵など、明らかに日本を侮蔑する作品があふれた。韓国ではこうしたポスターを作った子供が親や先生から「よくやった」「奇抜なアイデアだ」と褒められるのだ。
侮日=民族の誇りであり、韓国のアイデンティティであるがゆえ、日本蔑視は決して消えない。個人的には親日でも、こと歴史問題や慰安婦問題が絡むと侮日意識が唐突に蘇り、同じ人間が反日となる。一人の人間に親日と反日が同居するのが韓国人の複雑さだ。
今後も日韓関係は予断を許さない。日本ではあまり報じられないが、多くの韓国人は昨年末の日韓合意に反発し、世論は反日で沸騰している。今後も慰安婦の世界遺産登録など、韓国の反日行動が続くだろう。
日本は歴史に基づく韓国の日本蔑視を十分に理解して、韓国と向き合う必要がある。中途半端な理解で深入りすれば、日本が受ける傷が大きくなるばかりだ。
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