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南シナ海問題「中国と2国間協議で」 ASEAN全体での圧力は慎重、議長国・ラオス首相
東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務めるラオスのトンルン首相は28日、日本経済新聞の取材に応じ、南シナ海の領有権争いについて「平和的な解決に向けた対話を関係国に促していく」と述べ、中国との2国間協議をフィリピンなどに働きかける考えを示した。ASEAN全体で中国に圧力をかけるよう求める比などとは一定の距離を置いた格好だ。
インタビューに答えるラオスのトンルン首相(28日、名古屋市)
トンルン氏は4月に発足したラオスの新政権で首相に就いたばかり。5月27日に開かれた主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の拡大会合に参加するため来日した。
南シナ海では中国が人工島を埋め立てて軍事拠点化を進めており、領有権を主張するフィリピンやベトナムが反発している。トンルン氏は「ASEAN議長国として関係国が前向きに対話できる環境をつくる」とのラオスの立場を強調。各国間の協議が進むよう後押しすると同時に、緊張を高める行動を控えるよう求めるという。
フィリピンやベトナムは自国だけで中国と対抗しても難しいため、ASEANに共同歩調での対応を求めてきた。比は国際社会を巻き込むため、オランダ・ハーグの仲裁裁判所に中国を相手に仲裁を申し立てており、近く判断が出る見通し。その後にASEANの結束を示すための共同宣言を出すよう求めている。
ただ、トンルン氏は「状況をみながら慎重に判断したい」と述べ、共同宣言を出すかどうかは明言を避けた。共同宣言はシンガポールなどが前向きな半面、中国と関係が深いカンボジアなどは反対している。トンルン氏はASEANが行動する場合は全加盟国の一致が原則だと主張しており、現状のまま宣言を出すのは簡単ではない。
ラオスは中国から多額の援助を受けており、経済関係が深い。同時にインフラ開発で支援してきた日本とも親密だ。
トンルン氏は日本が米国とともに主導する環太平洋経済連携協定(TPP)に触れ、「どのような利点があるか、興味を持って調査している」とラオスが参加の検討に入ったと明らかにした。
ASEANではTPPにシンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイが参加。インドネシア、タイも参加に前向きだ。トンルン氏は「販路を広げるために(TPP参加国の)市場を調べていきたい」と語った。
ただ後発国のラオスは主要産業が農業。日本の製造業などが進出しているものの、自国産業は十分に育っていない。TPPに加われば、国内経済に悪影響が出る恐れもあり、結論には時間がかかりそうだ。
[日経新聞5月29日朝刊P.5]
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