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正式名は朝鮮民主主義人民共和国。朝鮮半島の北半分が北朝鮮だ(※イメージ写真)
北朝鮮は、非難されてもなぜ独自路線を突き進むのか〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160419-00000270-sasahi-kr
dot. 4月21日(木)16時0分配信
今年に入り、核実験やミサイルの発射実験を立て続けに行った北朝鮮。国際社会から非難されても、独自路線を突き進むのはなぜか?
小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』では、毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている。北朝鮮はなぜこんな振る舞いをするのか? この国の成り立ちなどを本誌より紹介する。
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■3代にわたる権力の世襲
北朝鮮は1月に4度目となる核実験を、2月には「人工衛星の打ち上げ」と称して長距離弾道ミサイルの発射実験を強行した。国際社会は非難を強めているが、北朝鮮は今後も核実験やミサイルの発射実験を続ける意思を表明。北朝鮮はなぜ、こんな振る舞いを続けるのだろうか。
北朝鮮は2006年に初めて核実験をし、さらに09年、13年にも実施。今回は「初の水素爆弾(水爆)実験を成功させた」と発表した。実際には、北朝鮮には水爆をつくる技術力はないとみられるが、爆発力を飛躍的に高めた「ブースト型核分裂爆弾」(強化原爆)を使った可能性は残されている。
北朝鮮は現在、種類の違う核爆弾十数個を持っているとみられている。度重なる実験の目的は、さらに技術を高めて核弾頭を小型・軽量化して、ミサイルに搭載できるようにすることだ。また、弾道ミサイルの発射実験を続けるのは、アメリカ(米)の本土まで届くように飛距離を伸ばすためだ。そこに小型・軽量化した核弾頭を載せられれば、アメリカに大きな脅威を与えられると北朝鮮は考えている。
なぜ、アメリカに矛先が向くのか。それは、北朝鮮という国の成り立ちと大きくかかわっている。
■北朝鮮とどう付き合っていくべきか
かつて日本に植民地支配されていた朝鮮半島は、日本の敗戦で1945年に解放されたが、当時のアメリカとソ連(現ロシアなど)の対立を受け、北緯38度線から北側をソ連軍、南側を米軍が占領。南側で48年8月に韓国が建国されると、北側では植民地時代に日本に抵抗する活動をしていた故・金日成氏を中心に、9月に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の樹立を宣言した。
50年6月には北朝鮮が韓国に攻め込み、朝鮮戦争が始まる。53年に休戦協定が結ばれたが、南北の分断は固定化した。
北朝鮮が休戦協定を結んだ相手は国際連合(国連)軍だが、その中心はアメリカ。北朝鮮にとってアメリカは、まだ戦争が完全に終わっていない相手だ。北朝鮮の指導部は常に、自分たちの体制をアメリカなどにひっくり返されないか、恐れ続けてきた。そうした状況で、北朝鮮は核やミサイルの開発で軍事力を高めることでしか、身を守る方法はないという考えに凝り固まっていったようだ。
北朝鮮を特徴づけるもう一つの要素が、「国父」である金日成主席から続く権力の世襲だ。94年7月に金主席が死去すると、息子の金正日総書記が権力を継承。2011年に金総書記が死去すると、またも息子の金正恩第1書記が権力を継いだ。
平等を建前とし、集団指導体制をとることも多い社会主義国では、たとえ強力な指導者がいても、3代にわたり権力を世襲するのは異例だ。北朝鮮の指導部は「金王朝」とも呼ばれるただ1人の絶対権力者が支配する体制を守るため、国民が体制に刃向かわないように考え方を教育する「思想統制」や、反体制的な人たちを処刑したり、捕まえたりする「恐怖政治」で締めつける一方、核やミサイルで国際社会を威嚇し続けてきた。すべては今の体制を維持するためだと考えれば、北朝鮮の行動の理屈が見えてくる。
では、北朝鮮とどう付き合っていけばいいのか。日本は02年に当時の小泉純一郎首相が訪朝して金正日総書記と会談。「日朝平壌宣言」で国交正常化交渉の再開などで合意したが、日本人拉致問題の影響などで進んでいない。14年には拉致被害者などの再調査で日朝が合意したものの、今回の核実験などで日本が独自制裁を決めると、北朝鮮側は反発して調査の中止を宣言。両国の関係はうまくいっていない。
国際社会には、厳しい制裁を続けて態度を変えさせるしかないという声がある一方で、粘り強い対話の必要性を説く人もいる。答えは簡単ではないが、国際社会の知恵が試されているのは確かだ。
(解説・貝瀬秋彦/朝日新聞国際報道部)
※月刊ジュニアエラ 2016年5月号より
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