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シリアではロシア軍の空爆で敗走しているISだが、リビアへ移動して油田地帯を制圧、新たな拠点に
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201601060000/
2016.01.06 15:37:08 櫻井ジャーナル
シルテを中心にリビアで勢力を拡大させているIS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)は油田地帯や石油の積み出し港スルトを制圧したようだ。シルテにはISを率いているとされているアブ・バクル・アル・バグダディもいると言われている。昨年9月30日にロシア軍がシリアで始めた空爆でアル・カイダ系武装勢力やそこから派生したISは敗走、活動の舞台をリビアへ逃げつつある。2011年の終盤から戦闘員はリビアからシリアへ移動したが、シリアで劣勢になってリビアへ戻りつつあるとも言えるだろう。
アル・バグダディが入る前、リビアでISを指揮していたと言われているのはLIFGのリーダーだったアブデル・ハキム・ベルハジ。LIFGはNATOと手を組み、ムアンマル・アル・カダフィ体制を倒したアル・カイダ系武装集団だ。
ロシアがシリアへ派遣した部隊は小規模だが、軍事の基本に則り、司令部や兵器庫を攻撃するだけでなく兵站ラインを破壊、ISなどが資金源にしている盗掘石油の生産施設と燃料輸送車も攻撃して大きなダメージを与えた。逆に言えば、これまでアメリカが主導する連合軍はこうした攻撃をしてこなかったということだ。
シリア政府の承認を受けることなく同国内でアメリカが空爆を始めたのは、2014年9月23日のこと。その様子を取材したCNNのアーワ・デイモンは翌朝の放送で、最初の攻撃で破壊されたビルはその15から20日前から蛻の殻だったと伝えている。
ロシアによる空爆がアル・カイダ系武装集団やそこから派生したISに大きなダメージを与えていることが明らかになる中、昨年12月28日にイラク政府はラマディをISから奪還したと宣言したが、攻撃の数日前には存在していた約2000名の戦闘員が消えていた。
http://fortruss.blogspot.cz/2015/12/us-accused-of-smuggling-2000-isis_31.html
制圧のために入った市内は死体がいくつかあるだけで蛻の殻。ISの幹部はヘリコプターでどこかへ運び去られたとする話も伝わっている。
この攻撃も含め、イラクの場合、ISに対する攻撃は、部隊の選定や攻撃の日時決定もアメリカ軍が行っている。対テロ、情報、治安などの責任者はアメリカ側の意思で挿げ替えられるともいう。攻撃が始まる前にISの戦闘員をアメリカ軍は逃走させていたということになる。
ISとアメリカ軍が連携しているように見えるが、イランの義勇兵組織バスィージのモハマド・レザ・ナクディ准将によると、イラクのアメリカ大使館がISの司令部。アメリカ軍機が「誤投下」した物資をISが回収するということがあるようだが、それはミスでなく故意だとも准将は主張する。
http://en.farsnews.com/newstext.aspx?nn=13931015000873
イラクのアリ・アクバル大隊の司令官はISとアメリカ軍が定期的に連絡を取り合い、物資の投下地点を相談していることを通信傍受で確認したともイランのFNAは伝えている。
http://en.farsnews.com/newstext.aspx?nn=13931227000427
12月18日にアメリカ軍はファルージャでISと戦っていたイラク軍の部隊を「誤爆」、20名とも30名とも言われる兵士を殺害しているが、ISを支援するため、意図的に行ったと考える人もいる。
シリアでロシア軍が空爆を始めてからイラクでもISをめぐる状況は変化したようで、イラクのモスルとシリアのラッカを行き来していたアル・バグダディは昨年10月、自動車で移動中にイラクの空軍機に爆撃されて重傷を負ったとされている。イランでの報道によると、CIAとMIT(トルコの情報機関)は治療のためにアル・バグダディをラッカからトルコへ運び、そこで治療してからシルテへ移動させたようだ。本ブログでは何度か触れたが、トルコとイスラエルには反シリア政府軍の戦闘員を治療する施設がある。
リビアでISが勢力を拡大させていることをイギリスは懸念、特殊部隊のSASが攻撃しているとする報道もあるが、首を傾げる向きは少なくない。
http://www.mirror.co.uk/news/world-news/sas-spearhead-coalition-offensive-halt-7113034
石油利権を確保するため、ISがシルテに拠点を築くのをアメリカが助けたとも言われている。
カダフィ政権が倒された後のリビアは武装集団が跋扈する破綻国家。体制打倒を主導したNATOやペルシャ湾岸産油国は自分たちに刃向かう独立志向のつよい政権を倒し、石油利権を手に入れるという目的に向かって今でも進み続けているが、それ以外にも「人権」や「民主化」といった看板を掲げ、リビア攻撃に賛成していた「リベラル派」や「革新勢力」もいた。そうした人びとはこうした現実をどのように考えているのかを語る義務がある。
リビアをISのように集団が制圧した場合、石油利権を手にするということだけではすまない。リビアの隣国、チュニジアの首都、チュニスの目と鼻の先にシシリー島があり、その先はイタリア半島、シシリー島の西にはサルデーニャ島があり、その目と鼻の先はヨーロッパである。アメリカの一部支配層はアル・カイダ系武装集団やISを使ってロシアや中国を攻撃する準備をしているが、その矛先がEUへ向く可能性もあるだろう。
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