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【ローマ福島良典】中東の民主化運動「アラブの春」以来、内戦状態が続くリビアの安定を目指し、旧宗主国のイタリアが仲介外交を始動し、軍事支援の用意を示している。リビアの2大政治勢力が統一政府の樹立で原則合意したことを受け、国づくりを後押しするのが狙いだ。パリ同時多発テロで犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」(IS)がリビアで勢力を拡大中で、イタリアが次のテロの標的になりかねないとの危機感がある。
イタリア政府は13日、リビア問題の国際会議をローマで開催する。首都トリポリと東部トブルクに分立していたリビアの政治勢力が今月上旬に合意した統一政府構想を踏まえ、対応を協議する。ケリー米国務長官やコブラー国連事務総長特使(リビア問題)らが参加。ジェンティローニ伊外相は11日、「リビア統一政府について国際社会の合意を形成したい」と述べた。
レンツィ首相は10日にローマで開幕した地中海情勢フォーラムで「IS解体が優先事項だ」と強調し、「将来のリビア政府を助けるための国際的な支援・訓練・養成部隊を率いる用意」を表明した。一方、シリアのIS拠点への空爆に関しては、対リビア空爆が内戦を招いた反省から、不参加の立場を繰り返した。
イタリアはシリアよりも、「リビアが最優先」(レンツィ首相)と位置づけ、リビア内戦の早期収束と治安改善を急いでいる。背景には、ISがリビア中部シルトなどで勢力を広げ、イラク、シリアに続きリビアを拠点にする可能性が高まっている事情がある。
ロシアのラブロフ外相はイタリア人記者団との合同インタビューで「ISはシルトを(シリア北部の拠点)ラッカの支部にしようとしている」との見方を示した。イスラム系メディアなどでは、ISのバグダディ指導者がシルト入りしたとのうわさも流れた。
ISは今年2月、「我々は今、ローマ南方のリビアにいる」とのビデオ映像を配信。最近は、ローマ中心部にある古代ローマ文明の円形闘技場遺跡「コロッセオ」や、バチカンのサンピエトロ広場などに戦車で向かう映像をインターネット上に載せ、「ローマが最終決戦だ」と警告した。
イタリアにはリビアから地中海を渡る難民・移民が流入しており、パリ同時テロのように容疑者が難民に紛れ込んで潜入を図る恐れもある。ピノッティ伊国防相は「リビアにテロリストが流入する危険を懸念している」と述べ、リビア安定を早期に実現する必要性を強調している。
イタリアは「戦争放棄」の憲法を持つが、これまでにアフガニスタンでの北大西洋条約機構(NATO)主体の国際治安支援部隊(ISAF)などに派兵、2011年春のカダフィ・リビア政権への空爆に参加した。
リビアでは現在、米軍などがIS拠点に対する散発的な空爆を実施している。
http://mainichi.jp/articles/20151213/ddm/007/030/093000c
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