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【カイロ秋山信一】イラクのアルハキム国連大使は11日、北部モスル郊外にトルコ軍がイラク政府の許可を得ずに駐留しているとして、即時退去を要求するよう求める書簡を国連安全保障理事会議長のパワー米国連大使に送った。ロイター通信が報じた。トルコ首相府は11日に「駐留部隊の再編」を発表したが、イラク側は全部隊の退去を求めており、IS対策で重要な両国の関係が悪化している。
イラクのアバディ首相は11日、トルコ軍の駐留は「主権侵害行為だ」と強く非難し、安保理に不服を申し立てるよう外務省に指示していた。トルコ側はこれまで、過激派組織「イスラム国」(IS)と戦うイラク民兵らの訓練が目的で「イラク政府も承知していたはずだ」と主張。部隊増派を停止する妥協策を示したが、アバディ首相は全部隊の退去を要求している。
トルコ・アナトリア通信などによると、今月4日、モスルの北東30キロのバシカ訓練基地に20〜25両の戦車を含む150人規模のトルコ軍部隊が到着した。基地はトルコと友好関係にあるクルド自治政府の治安部隊ペシュメルガの展開地域にあり、モスル奪還に向けたイスラム教スンニ派民兵やペシュメルガの訓練が目的とされる。
イラクのオベイディ国防相は「訓練目的にしては部隊が大規模すぎる」と反発。だがトルコのチャブシオール外相は「訓練担当の兵士を守る義務がある」として部隊の規模は適切だと強調した。ダウトオール首相も「訓練基地は約1年前から存在する」としてイラク側も駐留を容認していたとの見方を示した。
トルコが新たに示した部隊再編策の内容は不明だが、イラクが求める全面退去とは温度差がある模様だ。
イラク政府の強い反発には、国内の宗派・民族対立が絡んでいるとの見方がある。シーア派のアバディ首相は挙国一致を旗印にしているが、支持基盤のシーア派政党内には、スンニ派やクルド人がトルコの支援を受けて影響力を強めることへの警戒心がある。またイラク政府は、クルド自治政府による独自の石油輸出に批判的で、トルコが輸出ルートを提供していることにも不満を抱いている。
一方、トルコ側にはイラク北部で一定の影響力を確保する狙いがあるとみられる。イラク北部にはトルコの反政府的なクルド人勢力が逃げ込んでおり、クルド対策で重要な地域と言える。またスンニ派が多いイラク北部にシーア派国家イランの影響力が及ぶのを避けたい考えがあるとの見方もある。
http://mainichi.jp/articles/20151213/k00/00m/030/075000c
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